おじキャン△   作:Shin-メン

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今回は少し短め………


戻って来た日常とお土産

相棒のロクダボと過ごした夢のような三連休も終わり、いつもの日常が戻って来た。

早めに出勤し、俺は学校の中庭の清掃をする。

登校時間になると生徒たちの賑やかな声が辺りから聞こえてきた。

 

「おはようございまーす。」

 

「おはよー」

 

生徒たちに挨拶を返していると各務原さんたち野クルのメンバーに声を掛けられる。

 

「千代さーーん!」

 

「おおー各務原さん。」

 

「おはようございます〜」

 

「どうもッス!」

 

「犬山さんに大垣さんも……無事に帰って来たか。」

 

「もー何言ってるんッスか。」

 

「ウチら、どこにキャンプ行ったけ……?」

 

「まあ〜それでどうだった?野クル初めてのキャンプ……楽しかった?」

 

「そりゃあ〜もう最高でしたよ。」

 

「スイーツ食べて〜」

 

「温泉入って、温玉揚げも食べたね〜」

 

「サクッ、トロ~が堪らんかったズラ〜」

 

「キャンプ場じゃ、焚き火でマシュマロ焼いて………」

 

「焼き鳥も焼いて食ったな………」

 

「晩ごはんはカレーライス作ったよね!」

 

話し聞く限り、キミたちずっと食べてるね……

女子校生の胃袋恐るべし。

良い思い出になったからOKです。

 

「千代さん、コレは私たちからのお土産です!」

 

各務原さんがお土産の菓子折りをくれた。

 

「わざわざ、ありがとうね。有り難くいただくよ。自分もお土産買ってきたから放課後に渡すから……」

 

「やったーッ!」

 

「楽しみしてます!」

 

「ほな、私たちはこれで………」

 

「じゃあ、今日も頑張って!」

 

三人を見送る。

さあ、残り少し……掃除頑張るか。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

放課後……

俺はお土産を持って図書室に向かっていた。

図書室には志摩さんがいる。

 

「千〜代さん♪」

 

斉藤さんだった。

 

「あ、斉藤さん……こんにちは。」

 

「こんにちは〜♪今、リンのいる図書室に行こうとしてました?」

 

「ま、まあ……この間のお土産を渡そうと思って……斉藤さん、これ、どうぞ……」

 

「わあ〜ありがとうございます。コレ、三重県の銘菓赤福じゃないですか。」

 

斉藤さんが俺に抱きつく。

 

「ちょ、ちょっと!斉藤さんッ!!?まわりの人の視線が……ッ!」

 

「えぇ〜良いじゃないですか〜ッ?」

 

俺と斉藤さんは、ワチャワチャしながら、図書室へと向かった。

 

図書室に入ると、貸し出しカウンターにポツン座る志摩さんがいる。

彼女は金属製の箱のようなモノを見つめていた。

 

「リンったら、一人でニヤニヤして何してるんだろう〜?」

 

「あの箱をずっと見てるけど……」

 

俺はササッと志摩さんとの距離を詰めて、ニヤける彼女の前に立つ。

 

「志摩さん、随分ご機嫌だけどどうしたの?」

 

声を掛けると、彼女はビクッと身を震わせた。

 

「ち、千代さん……ッ!!?お、お疲れさまです。」

 

「驚かせちゃった?悪いね………」

 

「あ、い、いえ……」

 

「アハハー♪相変わらず、リンは可愛い反応をするね〜♪」

 

「なんだ斉藤もいたのか……」

 

志摩さんはジト目で、斉藤さんを見つめている。

 

「あ、えっと、志摩さん……コレ、お土産です。」

 

俺は彼女に赤福を渡した。

 

「あ、ありがとうございます。私からもお返しどうぞ!」

 

志摩さんからのお土産を貰った。

 

「ありがとうね。志摩さん……」

 

「それで千代さん……どうでした?バイクイベント?」

 

「最高に楽しかったよ。いい思い出ができた。」

 

俺は自身のスマホで撮った画像や、それなりに編集した映像を二人に見せる。

 

「千代さん?この子たちは?」

 

「ああ〜道すがら出会ったんだ。同じイベントの参加者……」

 

「ヘェ~千代さんカッコいいから、てっきりナンパしたのかと思いましたよ〜♪」

 

さらっととんでもないことを言うな、この人………

このからかい上手め………

 

「で、この動画は………」

 

「いやー良い感じに撮影できたから、昔取った杵柄できちんと編集してみたよ。」

 

「凄い凝ってますね………」

 

二人はエキシビションのレースに釘付けだ。

土産話も一段落した時だった。

 

「ねぇ?リン〜?それって何?メタル賽銭箱?」

 

と斉藤さんが、志摩さんに聞いている。

 

「違うわ……これはコンパクト焚き火グリル。」

 

こんなに小さな焚き火グリルがあるのか……

便利な物だ。是非とも欲しい。

 

「これさえあれば、直火禁止のキャンプ場で焚き火したり、炭火を使って美味しい料理とか作ったりと……」

 

「だから、肉料理特集の本を読んでいたんだね。」

 

俺はカウンターに置いてあった本をパラパラと捲る。

 

「はい……////」

 

志摩さんは頬を赤らめて俯き、小さく返事を返した。

 

「リン〜このメタル賽銭箱で焼き肉すれば、凄く美味しいよね。」

 

「だから、メタル賽銭箱言うな……」

 

俺は二人と少々やいのやいのして、野クルの部室へ向った。

うなぎの寝床のような部室の引き戸をノックする。

 

「どうぞー」

 

中から返事があった。

ガラガラっと引き戸を開ける。

部室には大垣さんと犬山さんがいた。

 

「やあ。」

 

「あ、千代さん。」

 

「お疲れッス。」

 

「あれ?二人だけ?各務原さんは?」

 

「ああ~なでしこのヤツなら、しまりんに会いに図書室に行きましたよ?」

 

「え?そうなのかい?自分もさっきまで図書室にいたけどなぁ……どこかで行き違いになったかな………?」

 

「それはそうと、千代さ〜ん。土産話してくださいよ〜?」

 

俺は二人に先程同様に動画を見せた。

 

「スゲェー。」

 

「千代さんのバイク、こんなに速いんですね……」

 

「まあ、バックストレート……ここ!ここの直線で260キロくらいは出てたね。」

 

「もう新幹線とそう変わらんなぁ……」

 

大垣さんたちと談笑していると、ガラガラっと引き戸が開き、各務原さんが部室に戻って来た。

 

「やっと会えたーー!」

 

「各務原さん……二人から聞いたよ?なんか行き違いになったみたいだね?コレ……お土産。」

 

最後になってしまったが、各務原さんにお土産の赤福を渡す。

 

「おほーーー!赤福ぅぅーーー!ありがとうございます!」

 

子どものようにはしゃいでいる。

 

「食べて良いですか?」

 

「あ、ああ……どうぞ。」

 

各務原さんは早速包装紙を取り、容器の蓋を取った。

容器の中にはきれいに詰められた餡ころ餅が入っている。

 

「うわぁーー♪美味しそうーー!」

 

テンション、ブチアゲの各務原さん……これがJk……

彼女は餡ころ餅を付属の楊枝で食べやすい大きさにして口に運んだ。

 

「うまーーーー!」

 

各務原さんが満面の笑みを浮かべる。

本当に美味しそう食べるなぁ……見てて幸せな気持ちになってくるよ。

買ってきて良かった…………

 

各務原さんは、俺の編集したバイク動画を見ながら、お土産の赤福を食べていた時だった。

 

「そう言えば………」

 

「どうかしたん?」

 

「ねえ?アキちゃん?アオイちゃん?今週末にリンちゃんとキャンプするんだけど、どこかオススメな所とかないかな?」

 

「なんや?次は志摩さんと行くんか?」

 

「二週連続とは随分とストロングスタイルだな?」

 

「えへへへ〜」

 

「それなら自分が調べて、ここ良いなって思った場所があるよ。」

 

「千代さん、いつの間に……ッ!!?」

 

「自分も野クルの相談役。たまにはメンバーとして活動をしないとね!部長!」

 

サムズアップで応える俺。

 

「やりますね!」

 

「それで、千代さん。オススメな場所って……」

 

「四尾連湖……知る人ぞ知る、紅葉がきれいな湖畔キャンプ場さ。」

 

持参したタブレットをイジり、四尾連湖のキャンプ場の画像を出して、三人に見せる。

 

「四尾連湖って、そう書くのか~てっきり、電気ウナギがいるのかと思いましたよ〜」

 

なぜ、そう思う……あぁ~“痺れ湖”ね。

 

「千代さん、そこなら私も以前から気になってました。」

 

「え、そうなの?」

 

「はい。なんでもそこの湖には謎の巨大魚が生息していて…………」

 

巨大魚……?

 

「そして管理棟のテラスには謎の激ウマBBQが……ッ!」

 

「激ウマッ!!?」

 

「あるわけないけどな………」

 

いや、ないんかい!

思わず心の中でツッコんでしまった。

 

「ともあれ!前々から気になっていた場所だ!各務原隊員!」

 

「は、はひィッ!!?」

 

「現地調査を頼んだぞ!」

 

「了解です!隊長!」

 

「私たち何の茶番を見せられとるんやろか……?」

 

「だね〜」

 

「千代さんは今週末は何かするんですか〜?」

 

「フ、フ、フ…………今週末はなんと買った新車の納車日なんです!」

 

「それで千代さんは、どんな車を買ったんですか?」

 

「えっとねぇ………………………」

 

再びタブレットを操作して、契約した車を三人に見せた。

 

「GRヤリス……?」

 

「RZ……は、ハイ?パフォーマンス…………?」

 

「金額は………いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん……ッ!!?456万円……ッ!!?」

 

値段を見て大垣さんの鼻から、タラっと鼻血が……

慌てて犬山さんがティッシュを彼女の鼻に摘める。

 

「ふぇ〜千代さん高い買い物したね〜?」

 

「456万は基本料金だから……自分のはオプションもりもりだから、乗り出し価格は600万前後だね。」

 

「ブフゥゥーーーー!」

 

あっ、噴き出した。

 

「アキィーーーッ!アカン、このままじゃ……ッ!」

 

部室は大混乱。

まあ高校生の三人だし、特に大垣さんには刺激が強すぎたかな。

小さな車体に化け物じみたパワー秘めた車。

ああ、週末が楽しみだ。

 

次回に続く。




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