この世界には異形が存在する。悪魔、天使、神…。しかし、一般人が知る事は無く全て裏で暗躍している生物に過ぎない。それが1番強いのは天使、堕天使、悪魔であり、この異形達は人間に依存しながらも人間を見下し単なる駒としてしか考えることは無い。この三勢力は過去大戦を起こし数が激減する。悪魔はそれが顕著で、永遠に近い命がある代わりに出生立が異常に低く、悪魔の滅亡を考えた現魔王達はある物を開発した。悪魔の駒【イーヴィルピース】と呼ばれ、他種族を悪魔に変えるというものだが、その駒を手にした悪魔は相手の意見を聞くこと無く強引に自身の眷属にする者が多かった。
主に逆らった転生悪魔ははぐれ悪魔として認定され、あらゆる勢力から追われる事となる。そして、とある町に物凄い勢いで走るはぐれ悪魔がいた。上半身は人間の女性でありながらも下半身は四足歩行に変態している。そして、女性の顔は獲物を追いかけ回す顔というよりは、恐怖で歪み切った顔であった。
はぐれ悪魔の名前はドルステア。かつて仕えていた主と仲間であった他の眷属を欲望のまま喰らい、追撃部隊すらも喰らったSSS級の悪魔。そんな一見、無敵に見える彼女が恐怖で顔を歪め、汚物と涙を垂れ流しながら必死に走っていた。
ドルステア(逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ!死にたくない死にたくない死にたくない!)
彼女は無我夢中で走り続けるがやがて行き止まりへとぶち当たる。本来の体力なら簡単に破壊できるが、満身創痍で体力も切れかけている今の彼女では少し時間が掛かってしまう。一瞬、思考が停止してしまった時、彼女の後ろから足音が聞こえてくる。カツン、コツン、カツン、コツン。この足音だけで、ドルステアは全身が震え上がり恐怖が心を貪り喰らう。
ドルステア『ひぃっ!!』
彼女は無様にも尻もちを付いてしまう。今の彼女には、数多の悪魔を喰らった影もSSS級のはぐれ悪魔としてのオーラも無い。ただの弱者でしか無かった。足音は次第に近付き彼女から数メートル離れた所で止まる。
ドルステア『ま、待って!!こ、殺さないで!!わ、私の体を好きにしていいわ!い、今はこんな見た目だけど、人間の体にも…』
???『地獄に言ったらこの名を告げろ。』
《エターナル マキシマムドライブ》
???『大道克己。』
彼女の命乞いも虚しく大道克己と名乗った者の足に蒼い炎が宿り、ドルステアの胸に突き刺さる。ドルステアが最後に見たものは、真っ白な鎧に黒いマント、異様なベルトに2本の特徴的な角を持つ死神であった。