昼食時間時、俺はいつもの様に屋上へ行った。塔城が合宿の間、俺も学校を休み溜まっていた依頼を消化していた。俺にしか出来ない依頼がかなり溜まっていた為、約2週間程掛かったが依頼も全て終わり、今日からまた学校に来ていた。屋上では、塔城が体育座りをして俯いていた。確か、昨日がゲームだったはず…。つまり、何か悔しい思いでもしたんだろう。
克己「よお、塔城。」
小猫「…大道先輩。何しに来たんですか…?」
克己「昼飯だ。お前こそどうした?そんな、泣きそうな顔をして。」
小猫「…別になんでもありません。」
克己「待て。」
屋上から降りようとした塔城の腕を俺は掴む。こいつの目は何かを諦めかけている目だったからだ。
小猫「っ!離してください…」
克己「そうやって逃げるのか?何があったかは知らないが、泣いていれば全て解決すると?」
小猫「うるさいです…」
克己「お前が泣いた所で何も解決しない。ただ、周りの同情を買うに過ぎん。」
小猫「うるさい…」
克己「誰かが助けてくれるなんて甘い考えは捨てろ。今、捨てなければお前は一生弱者のままだ。」
小猫「うるさい!うるさい!うるさい!あなたに私の何が分かるんですか!!私だって分かっています!!自分が弱いくらい!自分が情けないくらい!それでも助けたいものを助けられなかった!!本当の力を隠す事ばかり考えて私は!!私は…!」
克己「ようやく心を見せたか。ここに誰かが来る事は無い。思いっきり泣け。」
塔城は俺の胸ぐらを思いっきり掴みながら泣く。それも、まるで子供の様に。だが、これでいい。こいつの後悔の念を全て吐き出させなければ、塔城は潰れる。なら、挑発して全て俺にぶつけさせる。まあ、賭けではあったがな。そして、10分程ギャン泣きし、ようやく涙が止まる。
克己「どうだ?スッキリしたか?」
小猫「…はい。先程はすみませんでした…」
克己「気にするな。お前が今にも潰れそうな目をしていたからな。お前はここで潰れるのは勿体ない。」
小猫「…あの。話、聞いてくれませんか…?」
克己「いいだろう。全ての後悔を吐き出せ。」
それから塔城は裏の事情を省いた状態で俺にゲームの話をした。話し方からするに、油断した所を取られたんだろう。だが、話を聞いている限りは単なる出来レース。最初から勝敗は決まっていたのだろう。
克己「お前は何も悔やむことはない。それは単なる出来レースだ。お前たちが負ける事を想定して作られた、言わば箱庭戦争だ。」
小猫「確かに、今考えればそうですね…。大道先輩、話を聞いてくれて本当にありがとうございました。そして、さっきは本当にすみませんでした…」
克己「気にするな。俺は自分がすべき事をしただけだ。」
俺は塔城の頭を撫でて屋上から教室へ戻る。明日、あいつに弁当でも作ってやるとするか…。