大道克己。この世界においては普通の一般家庭に生まれ、裏とは何の脈略も無かった。だが、彼には特殊な力が存在した。『神器』と呼ばれる力である。神器とは、今は亡き聖書の神が作りし武器であり、人間にしか宿る事の無い兵器だが裏を知らない者にとっては単なる化け物でしか無い。克己も僅か3歳にして神器を発動させ、両親に捨てられ孤児となった。だが、克己は他の神器所有者とは明らかに違う点が存在した。それは通常、1人1つの神器を彼一人で28個も持っていると言う事である。
1つは『地球の記憶』【ガイアメモリ】。これは、地球のあらゆる物を記憶しているUSBの形をしているが、克己はそれをA〜Zまでのメモリを所持していた。だが、研究者からは使い物にならないとされていた。それは何故か?文字通り、神器所有者が起動させても扱えなかったからだ。それは当然である。彼、彼女らはその身に宿しながらもお互いに惹かれ合うことが無かったからだ。互いに引かれ合わなければ何も起きない。これがガイアメモリの難点であった。そして、次に『失われし記憶』【ロストドライバー】。これも使えないとされており、もう1つの『2つの記憶』【ダブルドライバー】も使えないとされていた。それもそのはず、この2つの神器はガイアメモリが無いと意味をなさない。しかし、克己は全てのガイアメモリと惹かれ合い、そしてロストドライバー、ダブルドライバーを所持する人類史上初となる才児であった。そんな彼は、表では単なる高校2年生。駒王学園と呼ばれる私立高校へ通う普通の学生…いや、ある1つを除いて普通の学生であった。それは、体温が異常なまでに低い事だった。彼の肌は死体の様に冷たく、平均温度は30度を下回る。だが、それ以外には全く普通の高校生であった。
???「あ、大道、おはよ〜」
克己「ん?ああ、桐生か。おはよう。」
彼女は桐生愛華。彼の幼なじみであり腐れ縁とも言える。そして、克己の正体と力を知る数少ない人間の1人である。
桐生「なによ〜。辛気臭い顔して〜。まさか、発情してるわけ〜?」
克己「馬鹿を言うな。お前に発情したら世界が終わる。」
桐生「あら、レディーに対して失礼ね〜。まあ、大道は昔からそんなだったけど〜」
克己「ほっとけ。」
桐生「んで?何があったのよ?また、例の悪魔とかいうやつ?」
克己「…まあな。昨日、1人狩った。」
桐生「そう…。まあ、そんな辛気臭い顔してたら皆、心配するわよ?なんせ、駒王学園の『二大イケメン』様なんだから。」
克己「なんだ、それは?そんなの、初めて聞いたぞ。」
桐生「へ〜。なら、教えてあげる。あんた、木場君と同じイケメンで、女子からめっちゃ人気があるわよ。しかも、水面下で色んな女子があんたの事を狙ってるわ。」
克己「なるほど、ほかの男子からの視線はそういう事か…」
桐生「あら?男からもモテるわけ?ハーレムも夢じゃないわね。」
克己「よせ。俺にそんな趣味は無い。」
バカ話をしながら、2人は駒王学園という魔境に足を踏み入れる。