ラグナドール 音撃の鬼   作:アパテー

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今現在連載しているアーテリーギアの小説がスランプで筆が止まってしまい、息抜きの投稿となります。

アーテリーギアの後にドハマリしたスマホゲームの小説となります。
反応が良ければこちらも連載したいと思います。


第1章『夜叉ノ國』
去ル現世


初任務の帰りに巻き込まれた霧の中を、俺は歩いていた…。

 

ヒビキさん達先代の鬼を師匠として音撃を学び、18歳ながらオールラウンダーの『鬼』として活動するようになった俺だが、このような事態には初めて遭遇したのだ。

 

此処まで人っ子一人いないなんて…。魔化魍でもこんな現象を引き起こす奴はいたか…?ただ忘れているだけならいいが…。

 

「……りゃ……と………ん……」

 

そのまま歩いている時、なにかが聞こえてきた。これは…、久しぶりに聞く歌だ。確か、童謡の『通りゃんせ』だったか。

 

「懐かしいな、この歌を聞くのは…!」

 

いつの間にか、目の前に通りゃんせを歌っている少女が現れた。

その白い肌は赤く染め上がり、来ている服もボロボロになっている。

その瞳には何も写っていなかった。

 

ふと、フラフラと通り過ぎようとしていたその子と目があった。

 

「あなた、は……?」

 

その子は、何故かとても寂しそうに見えた。だから、俺は…。思わず、手を差し出した。次の瞬間、

 

「おっと、そこまでだ。縁を結ぶのはなァ。」

 

目の前にいた少女が消え、目の前に黒い狐が現れた。こいつは一体…?

 

「今のお前には、千年の因果をまとめるにはまだまだ速ェ。」

 

何だったんだ、今の奴は…!?俺は理解が及ばずにいた。

 

「とおりゃんせ…とおりゃんせ…。いつか、あなたがこちらに来たら、そのときは…。今日の縁を辿って、私との縁を……。」

 

先程、童歌を歌っていただろう少女の声が聞こえた。エニシとは言われても、何がなんだか……。

 

そのまま歩き続け、彼岸花があたり一面に咲き誇る場所に出た。帰ろうにも今まで歩いていた道すらなくなってしまっていた。

ふと、何処からともなく、声が聞こえた。

 

「救い主様、心あらば、お聞きください…。この世に生きる者の願いの声を……。」

 

童歌を歌っていた声とは違う者の声が聞こえた直後、異変が起こった。笛の音と共に。この笛の音は…尺八か?

 

「どうか、どうか我ら妖怪を……お救い下さい!!」

 

思わずその声の方に振り向いた瞬間、目の前が光で塗り潰された。

 

「あ……あああ………!」

 

あまりの眩しさに思わず目を閉じ、次に目を開いた時には…。

 

目の前には、狐の耳と尻尾を生やした綺麗な青みがかった髪、青い目をして、尺八を持った少女がいた。

 

「救い主様!求めに答えてくださったのですね!!」

 

感極まったのか、泣きそうになっているが、少女と呼ぶわけにはいかないので、聞いてみる。

 

「君は、一体…?」

 

「申し遅れました!私の名はイヅナ。この幻妖界に住む『妖怪』の一人です!」

 

え、妖怪?確かに魔化魍の嫌な気配等はこの子からは感じないが…。なんだ、このちっこい黒い狐は?

 

「あ〜あ、来ちまったか。」

 

「……喋れんのかお前!?」

 

「管狐も知らねェのかよ、こりゃハズレかな?」

 

何で初対面でおちょくられてるんだ俺は?

 

「クダ!」

 

「はン、ま、イヅナの好きにすりゃあいいさ。」

 

イヅナがクダと呼んだいけ好かない狐に怒鳴るも、答えていないようだ。そうだ、彼女が俺を読んだのだろうか?

 

「なあ、もしかしてとは思うが、君がこの…幻妖界に俺を読んだのか?」

 

「はい!我が主、滝夜叉姫の命により、あなた様を幻妖界へと召喚いたしました!この霊具・イザヨイはあなた様の物。どうか、我ら妖怪をお救い下さい……。」

 

そう言われ、イヅナが持っていた尺八を手渡される。

 

「なんだこいつ、普通の尺八とはなにかが違う…?いや、その前に、救って下さいと言われても、どういう、」

 

どういう事なんだ、と言おうとした言葉を飲み込んだ。話している途中で、イザヨイが小刻みに震え、不吉な音を奏で始めた。

 

「なんだ一体…!?」

 

「イザヨイがひとりでに……?ハッ!?」

 

「おい、なんだよありゃ……。空にヒビが入り始めてんぞ!中から、なにかが……!」

 

ヒビの中から、紫の煙が出てきたと思ったら…人のような姿を取った!?しかも、俺を狙っている!

 

「救い主様、危ない!」

 

「チィッ!!」

 

腰に備えていた音撃棒『五月雨』を即座に構え、相手の爪を防ぐ。その間に、イヅナが刀を抜き、目の前のなにかに斬りつける。

 

「救い主様、ご無事ですか!?」

 

「ああ、大丈夫だ!助かった!」

 

「良かった…。何者かは知らないけれど、これ以上この方には指一本触れさせない!救い主様は私の背後に!必ずお守りいたします!」

 

「……いや、俺も戦う。俺だけ見ている訳に行かないからな。」

 

そう言いながら、姿を変える為の音叉を取り出す。

 

「俺はやってらんねェけどよ、お前戦えんのか?…何だよその鬼の顔がついた音叉は?」

 

「まぁ見てな。」

 

音叉を腕で鳴らし、額に近づける。額に鬼の面が現れ、俺の身体が水で覆われる。

 

「はあああああ……フンッ!!」

 

腕を振るって覆っている水を吹き飛ばす。側頭部から生えた左右非対称の角と響鬼さんと同じ額の音叉と同じ意匠から生えた2本の角。青い隈取が施され、鬼面を彷彿とさせる顔。両肩に備わった羽根に襷のような装飾がされた黒い身体。

 

「救い主様、そのお姿は……!?」

 

「ああ、これは……俺の『鬼』としての姿、といった所だ。言っておくが、妖怪の鬼とは違うからな。一緒に戦ってくれるか?イヅナちゃん。」

 

「……っ、はい!お任せください!」

 

敵に向き合ったとき、手の中に熱を感じた。いつの間にか握っていたイザヨイが発熱している。

 

「イザヨイが……そうか。お前も力を貸してくれるんだな?なら…。」

 

「救い主様、それは……?」

 

心を無にして、イザヨイを吹き始める。すると、体に力がみなぎってくる感じがした。

 

(体に、力が……。)

 

「あ、あ……?体に陽の気が……満ちていく……!これは、まるで……命の音!霊圧が高まってゆく……、これが、救い主様の御力!ならば、やれるっ!」

 

どうやら俺だけではなく、イヅナの方も強化されたようだ。一旦イザヨイを吹くのを止める。

 

「それじゃあ、行こうか。音撃戦士『戀鬼(れんき)』、お前を清める…!」

 

「いざ、参ります…!!」

 

目の前の『何か』に対し、俺……レンキは二振りの刀を構えたイズナと共に戦闘を開始した。

 

 

 

 

 




主人公設定
レンキ

高校卒業後、正式な鬼として活動する事になった青年。18歳。
15歳の時、魔化魍であるツチグモに襲われた際にイブキに救われ、魔化魍の存在を知る事になった後にヒビキ、イブキ、トドロキの3人に2〜3年師事する事になる。

初任務のヌリカベ戦を終えた後に謎の霧の中に迷い込んだ後、イヅナにより幻妖界に召喚される。
所持しているディスクアニマルは、アサギワシ、コガネオオカミ、セイジガエル。

音撃戦士 戀鬼(仮面ライダー戀鬼)
水の気を使って戦う鬼。裁鬼ほどでは無いが、全ての音撃を使う事ができる為、相手によって使い分けている。が、本人は不足の自体に備えて全て装備していくのが基本になっている。

使用武器
音撃棒『五月雨』・音撃鼓『秋雨』、音撃管『時雨』・音撃鳴『梅雨』、音撃弦『夕立』・音撃震『春雨』……戀鬼が所持している音撃装備。全て雨の名前が付いているが、これはレンキが考えた物。

スペック
身長…210cm
体重…148kg
筋力…570人力[5.7tを持ち上げられる]
パンチ力…17t
キック力…34t
ジャンプ力…68m(ひと跳び)
走力…4.1秒(100m)
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