ラグナドール 音撃の鬼   作:アパテー

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甘味処たちばなにて

「おやっさん、レンキ君から連絡はあったっすか?」

「トドロキ君か、それがまだ来ていないんだよ。もうすでに終わっている頃だと思うんだけどねえ…。」

「心配っすね、変な事に巻き込まれていなければいいっすけど…。」

もうすでに大変な事に巻き込まれていることを知らない2人



命の洗濯

「ふぅ、片付けの目処はついたな。これでようやっと落ち着ける。」

 

瓦礫の撤去等が一頻り終わった後、滝夜叉姫が話しかけてきた。

 

「さて……、レンキ殿、真紀奈殿。急に幻妖界に呼びつけた事、ここで詫びさせていただこう。」

 

「別に俺は気にしてはいないぞ?こんな状況なら黙って見ていることはできないからな。」

 

「呼ばれたというか……、気づいたらここにいて、それ以外のことは思い出せないけど。」

 

「召喚による、一時的な影響であろう。」

 

「なるほど〜。」

 

反応軽いな真紀奈さん。……俺に影響なかったのは喜ぶべきか。

 

「力をお借りしたい、それは偽りのない思いじゃ。じゃが、無理強いはしとうない。帰りとうなったら、いつでも人間界へとお返ししようぞ。」

 

「帰れるんですか?」

 

「それなら、一度仲間に連絡してもいいか?」

 

「もちろんじゃ、妖怪の力は凄いんじゃぞ!さて、と……雲外鏡!何処におる?」

 

そう言われた後、イヅナが大きい鏡を持ってきた。

 

「瓦礫の下から見つけておきました!幸い、傷一つなく。」

 

「でかしたイヅナ!雲外鏡、おるか?お〜る〜か〜?」

 

滝夜叉姫が鏡に呼びかけるのを見て、俺は鏡に近づく。確か、全てを映し出すか、人をワープさせる能力のどちらかをもっていたような……。

 

「レンキ様、そんなに近くにいては…!」

 

「えっ?…ごふぅっ!?」

 

「いったぁ〜〜!ちょっとちょっと〜、誰か私の近くにいました〜!?あと、前髪乱れてませんかぁ?」

 

「いつつ……、鏡から人が出てくるとは…!」

 

「雲外鏡様は鏡に住む妖怪なんです…。レンキ様、大丈夫ですか?」

 

心配するイヅナに大丈夫だと返事を返しながら顎を擦る。あー痛かった……。先程の鏡を見ると、そこから銀髪のロングヘアで黄色い瞳をした女性が腰から上を鏡から出していた。

 

「怪我がないようでなによりといいたいが……大丈夫かの?前髪も全く問題はないぞ。」

 

「は、はい〜。お姉さんはいつでも絶好調でなくてはぁ……ん?んんんんん?な、なにこれぇ!都ぉ!?」

 

「うむ。りふぉーむじゃ!都も畳も新しく!新しいものは、ぴかぴかで美しかろ?」

 

「リフォームどころか1から作り直しだけどな…。」

 

「はぁぁ〜!?真の美とは、年を経て初めて…!」

 

「ん〜あ〜、なんの騒ぎ〜?」

 

そこまで彼女が話した所で、鏡の中からまた誰かが出てきた。ぬりかべと同じくらいの背で、赤いツインテールに紫色の瞳をした少女だが……服装がだらしない。せめてファスナー締めてくれ、下着が…。

 

「鏡から、また……!」

 

「あら、座敷わらし、起きたの?」

 

「うるさくて寝れないしー……、どぅえぇ〜、何これ?なんか、瓦礫の山なんだけど?」

 

「まぁ、その話はおいおいな。それより、この者らを人間界に送り届けることはできるな?」

 

「はは〜、人間界。人間界ですかぁ〜。んん〜〜……。」

 

「……どうした?」

 

雲外鏡が首をかしげながら唸るような声を出す。何があったのだろうか?

 

「なんじゃ、できぬのか?」

 

「できるはず……なんですけどぉ、この人達、ちょっと変です。こっちの…歌舞鬼もどきの人は呪詛が邪魔してますし、こっちの子は、なんでか故郷が見えません。」

 

「歌舞鬼もどき言うな!……それにしても、呪詛ってなると…。」

 

「もしかして、晴明の呪いが残っている?」

 

「あ〜、そうかもそうかも。命の危険はないと思うけど。」

 

「なんと……では、無理じゃと言うのか?」

 

そう質問した滝夜叉姫に首を振る雲外鏡。

 

「少なくとも、今は無理ですねぇ……、調べ物すれば、あるいは?」

 

「そうか……。では、頼んだぞ。」

 

「まじかよ…、装備の調整と修復はできるが、完全に壊れたらどうするか…。」

 

「大変そうだね〜。がんばれー。」

 

どこかに行こうとした座敷わらしの肩を雲外鏡が掴んだ。

 

「当然、あなたも手伝うのよ☆」

 

「わーい、めんどくさー、めんどくさー……。」

 

「と言う次第じゃ、ご両人。しばし待たれるが良い。…しかし、ぼさっと待つのも芸がないのう……、よし、皆の者。まずは温泉じゃの!」

 

「温泉があるのか!いいじゃないか、魔化魍退治の時に色々と日本を回っていた時から好きになったんだよ!」

 

「そうじゃろそうじゃろ、それはそれはいい湯、名湯・夜叉の湯があるともさ!」

 

「私も、温泉大好き〜♪」

 

思わず真紀奈とハイタッチする。だが、たちばなに連絡できないのは痛いな…。

 

「温泉は、妖怪が生きる上で欠かせぬものぞ、温泉こそが國の要と言っても良い。」

 

「妖怪は戦うにつれ、体の奥には『陰の気』が溜まっていきます。その量が限界を超えた時に起こるのが……。」

 

「暴走…か。」

 

「うむ、恐るべき事よ…。しかし、温泉は『陰の気』を浄化してくれる。文字通り命の洗濯という訳じゃな!もっとも暴走する前に入らないとならないんじゃがの〜。」

 

「「成程な(〜)。」」

 

初めて知ったが……、あ、そういえば。

 

「なあ、清めの音でもその『陰の気』を浄化できるのか?」

 

「良い事を聞いてきたのお、その通りじゃ。清めの音を陰の気が溜まっている妖怪に聞かせるか叩き込むと浄化することができる。が、温泉に比べると少し劣るくらいかのぉ?我ら妖怪は風呂のみにて生きるわけではない。一風呂浴びた後は、飯じゃ!山海の美味でふぃーばーしようぞ!」

 

 




温泉にて

「さあ、入りますか夜叉の湯!楽しみだなぁ〜。」

竹の仕切りの裏にあるようだ、いざ!!

「レンキ様は……、運命のお方と呼ぶにふさわしいですね…。」

あれ、この声どっかで聞いた気が…、等と考えたのは遅かった。

「……え。」

先にイヅナが入浴中だった…。
お互いタオルを巻いていたのは良かったんだろうが……、やはり、でかい……。

「な、なんです、急に!?わ、私は、いつだって、冷静にぃ!!なれませぇ〜〜ん…!!」

「………。」

イヅナが何か言っていたようだが、それより先に一気に意識が飛んでいく。入っているかどうか聞いておけば良かった……。

「って、レンキ様!?お気を確かに!誰かいませんかぁ〜〜!?」

その後、鼻血を出しながら気絶しているレンキが運び出されたとの事だった…。
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