ラグナドール 音撃の鬼   作:アパテー

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異世界の少女

「…………!!」

 

声が聞こえた。……確か俺は、安倍晴明に何かされた後吹き飛ばされて…。体を起こした時、屋敷が近くにあること、自分が元の体に戻っていることに気付く。

 

「胸、胸の音……聞こえる。聞こえるよ、イヅナちゃん!」

 

「ああ、ああ……良かった……。レンキ様!」

 

イズナ達は泣きながら俺に抱きついてきた。イヅナはともかく、ぬりかべの衝撃はやばかった。

 

「ぬりかべ、イヅナちゃん……、なんで俺、元の姿になってんだ?」

 

「それは、話すと長くなりますが……。」

 

話を聞くと、屋敷の方まで吹き飛ばされた俺を見つけたものの、なんと心臓が止まっていたらしく、イザヨイを経由して陽の気を俺に分けたらしい。自分たちの命を削ってまで。

 

「ありがとう…。イヅナちゃん達のおかげで助かった。けど、こんな無茶は今回限りにしてくれよ?」

 

「うん…!」

 

「はい…!」

 

「……信じられねぇ。本当に、命を引っ張り戻しやがった…。」

 

「さて、礼を行ったところで……そこに浮いてる女の子はどちら様でしょうか?」

 

いや、色々聞きたいことありすぎだよ、後光が指して眩しいし、俺の着ているのとよく似た制服を着ているのだ。

 

「そうでした!彼女が力を貸してくれたおかげで、レンキ様を救えたんです、ありがとう……!あなたのおかげで、レンキ様を救えました!」

 

「よく見たら、その服、レンキ様のに似てるね…?」

 

「どなたなんでしょう?あの……お名前は?」

 

「ううっ……あ……?」

 

「……?」

 

先程まで浮いていた少女はゆっくりと地面に降り立ち、その目がゆっくりと開かれる。紫色の髪に花の装飾がされたヘアピンを付けた少女は完全に目が開くと辺りを見回すと狼狽する。 

 

「あれ?あれれっ?どこ、ここ!?」

 

「あ〜、えっと……大丈夫か?それと君は誰?」

 

「んおっ!?だ、誰ですかーー!!これは非常事態!!」

 

「あ、あのっ、まずは落ち着いてください…。」

 

パニックを起こしかけている少女にイヅナが優しく声をかける。

 

「おおおっ、落ち着く?うんわかった落ち着こう、すぅ~……はぁ〜〜……。私は真紀奈。可愛い真紀奈ちゃん!それから、え〜と、え〜と……。」

 

「………?」

 

「私は……何処の真紀奈なんでしょう……?」

 

「ホワット?」

 

「そ、そう言われても……。」

 

 

思わず英語が出ながら、俺とイヅナは顔を見合わせる。これってもしかしてとは思うが…。

 

「記憶が、ない?」

 

「あ〜、その〜……、そう、かも……。」

 

「イザヨイに呼ばれた、のか?もしかして…。」

 

「とすると……、もう一人の救い主様……なの、かな?」

 

俺はイヅナが持っていたイザヨイを返してもらい、真紀奈に差し出す。

 

「なあ、これを試しに持ってみてくれないか?」

 

「えっ、なにこれ?尺八ってやつ?」

 

イザヨイを持たせてみたものの、なんの反応もない。

 

「イザヨイは、何も反応しませんね。どうして……。」

 

「訳がわからないな…。」

 

「まぁ、いい。晴明は去った。レンキは蘇った。なら姫様の元へ行かなければ。」

 

「……簡単でいいな、お前。」

 

「それは俺も同じだよ。」

 

色々有り過ぎて脳がバグを起こしかけているかもしれん。

 

「文句あるの、二人共泣かそうか?」

 

「勘弁してくれよ、さっき生き返ったばかりなんだぞ!?」

 

「ぐっ……フ、フンッ!オレだって戻るつもりだ!」

 

「ええ、滝夜叉姫様の元へ急ぎましょう。何はともあれ、そこからです。」

 

確かにそうだ。呼び出した本人は今どうなっているのか未だに不明だ。何も知らない俺が言うのも難だが、無事でいてほしいものだ。

 

「あわわわ、よ、よくわからないけど、私も付いてく!訳わからないまま放り出されても困るし。あなた、レンキだっけ?同じところから来たかもしれないんだよね。とりあえず、よろしく。」

 

「ああ、よろしく頼む。っと、ちょい離れてくれ。こっから先、何が起こるかわからないから。」

 

「えっ?」

 

音叉を取り出して鳴らし、鬼の姿になる。あれ、真紀奈の様子が……。

 

「えっ、何!?鬼じゃん、君、鬼だったの!?」

 

「う〜ん、取り敢えず、俺の説明からしておこうか?」

 

子泣き爺やのっぺらぼうにも説明していなかった為、今の内に軽く説明しておく。

 

「魔化魍…怨霊とは違うけど、そんな相手と戦っていたのかお前。大変だったろ?」

 

「それなら、そこまで強いのも頷ける。」

 

「へぇ〜……凄いね、レンキって!よく見るとその姿もカッコいいし!」

 

「まぁ、結構死にかけたりして大変だし、強くなるのに損はないさ。あと、ありがとう真紀奈。そういうの言われた事ないから、素直に嬉しい。」

 

それぞれに答えた後、怨霊を倒しながら滝夜叉姫を探している時、時近くで破砕音が聞こえた。爆発ではない、何か重いものが振り下ろされた音だ…!

 

「な、何なの、あの骸骨……!山みたいに大きい!」

 

「あれは……がしゃどくろ!滝夜叉姫様の忠実な僕がどうして!?」

 

真紀奈の指さした方向を見ると、そこにいたのは巨大な骸骨だった。嘘だろあれ…、江戸時代に現れた「オロチ」と同じか、それ以上の大きさだぞ…!?知っている事は生きている人を握り潰すか

食い殺すとかいう奴だ…。

 

「ぐっ!この霊圧……、まるで大嵐だ!」

 

「姫様!滝夜叉姫様はどこ!?」

 

「落ち着けのっぺらぼう、あいつを避けながら探す!お前たちも頼む!イヅナ、滝夜叉姫の容姿を教えてくれ!」

 

「はい、滝夜叉姫様は…!」

 

容姿を聞いてすぐに俺の持っているディスクアニマルを全て起動させて捜索させる。

速く見つけてくれよ…!

 

 

 

 




魔化魍の説明時の一幕



「魔化魍にも色々と種類があって、ぬりかべと同じ名前の奴もいるぞ?」

「そうなんですか…?どんな見た目なんでしょう?」

「ちょっと待ってろ…、あった。俺が書いた魔化魍の図鑑。で、こいつが魔化魍の『ヌリカベ』だ。」

全員にヌリカベの絵を見せる。

「なんか……、ぬりかべって感じがしないな。」

「可愛くない。」

「あはは、私もそう思う…。」

「………。」

「ぬりかべ?どうした…って目が赤くなってる!?待ってまた暴走しないでくれお願いだからぁ!?」

その後、色々あって暴走は免れた。
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