迷惑系配信者はシンフォギアを暴く   作:ジャン=Pハブナレフ

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最終回 さらばショッキン

 

「よぉお前ら、これから風鳴翼に突撃しようと思う。見てろよ」

 

「よっす〜!」

 

 カラオケルームのドアが開いた。

 

「!?」

 

「よぉ、偶然見かけたんで凸らせてもらうぜ」

 

「あなたは……!」

 

「ねえ、ライブ事件が3度も起こったけど今どんな気持ち? ねえねえ今どんな気持ち?」

 

「やめてください!」

 

 響が制止する。

 

「なんだよ?」

 

「いきなり押しかけてきて不躾にも程がありますよ!?」

 

「良いんだよ。どうせ記者とかに今もこうして盗撮されてんだから少しくらいバレても痛くもねえだろ」

 

「私は……あの日から震えが止まらないんだ。弱き人や大切な仲間も守れなかった無力さに。 全ては、私のせいなんだと」

 

「そうだよなぁ、みっともないよな〜」

 

「ちょっと……! 何を言ってるんですか!?」

 

 エルフナインが反発の声を上げる。

 

「いや考えてみろよ。こいつがヘマしたせいで今も多くの人間が不幸になってるんだから正直に言えよ。 こいつはみっともない敗北者で人殺しですってな」

 

「いくらなんでもそれは……」

 

「勝手すぎるよ! あなたも、響も!!」

 

 未来が声を荒げる。

 

「おいおいどうした? 急にヒスってどうした?」

 

「あなたはまずデリカシーが無さすぎる! 翼さんの痛みもまるで理解していない!」

 

 指を刺してショッキンを糾弾した。

 

「次に響! 翼さんのことだって相談したって良いじゃない!」

 

「ああもう! そういうのは別でやれって! 需要がねえことするなよな。底辺YouTuberに煽られたくらいでキレるとかマジないわ」

 

 未来と響が揉めている中、呆れたショッキンは録画をやめその場から立ち去った。

 

 

 それから街にアルカノイズが出現したが翼は幻覚のままにアルカノイズを街ごと破壊してしまったのだった。

 

「おいおい……こりゃ随分と派手にやってるじゃねえか」

 

「あーあ、こりゃおしまいだな。こっちの都合に合うネタをホイホイ出してくれるなんてありがたいねえ」

 

 破壊する様子を撮影したショッキンはその場から立ち去ろうとしたが偶然エルフナインと未来が謎の少女に攫われるのを見てしまった。

 

(!? なんだありゃ……)

 

 謎の少女の近くには血溜まりが散乱していた。

 

「って、どうでも良い奴らだしほっとこっと」

 

 その場から去ろうとしたが、運悪くSONGのエージェントに見つかってしまった。

 

「幡ヶ谷 不動さん。来てもらえますか?」

 

 エージェントに両腕を掴まれた。

 

「は? おいてめえら触るんじゃねえよ! おいっ!!」

 

 そのまま彼が連行されてしまうのだった。

 

「なんだってんだよてめえら良い加減にしろよ!」

 

 

 SONGの取り締まり室で事情徴収を受けていた。

 

「質問を変えるぞ。どうしてノーブルレッドの襲撃現場にいたんだ?」

 

「うるせえな、俺の知ったことじゃねえよ。俺は誰も殺してねえんだよ!」

 

 悪びれることもなく、ふんぞり返った態度で質問に答える。

 

 一方、ショッキンが捕らえられたことを知った布田はファラたちをSONG本部へと連れていった。

 

「ごめん、僕らの勝手な行動で……」

 

「気にしないでください。まあ私としても良い暇をいただけただけでもありがたいと思ってますわ。

 あの男は好きませんが貴方の方は気に入ってるのでしてよ? 正直貴方がどうしてあんなやつについていったのか疑問なくらいですわ」

 

 助手席にファラを載せ、布田は出頭を決意したのだ。持ち物には今までの動画データや撮影データの入ったUSBやパソコンがあった。

 

「あの人は同じ大学にいて面倒見も良い人だったんだ。勉強だって教えてくれたし、サークルでも後輩の相談相手にもなっていたんだ。それから会社をクビになって世の中への不信感と仕返しも兼ねて自分が世間に発信しようとあの手この手で動画を投稿してきたんだよ」

 

「けど、それが今に至ったのですか?」

 

 ファラの疑問に布田が項垂れて答える。

 

「偶然ライブ事件の動画を投稿したら思わぬ反響が出たんだ。

 しかも、その動画からどんどん国の裏側や問題が明かされていってあの人は自分で暴くことだけに固執してきたんだ。ちょうど勤めた会社でトラブルがあった時になんの非もないのにあの人だけ責任を取らされてやめさせられたことがあってね。

 そういうこともあって、人に自分のことを見せつけて不正を働く人を見返してやりたかったんだと思う。けど僕は止められなかった。何度も何度もチャンスはあったのに、キツく言えばよかったんだ。もう需要はないから新しい道を探そうって……」

 

 本部に車両が到着した。

 

「僕は助手失格です……」

 

 その後布田もSONGにより一時的に拘束されていたが彼の映像データやその他の資料から今回の黒幕が風鳴訃堂であることを知った。

 

 ファラたちの残骸はその後機能が停止し、エルフナインに預けられることとなりその後の行方はわからない。

 

 訃堂の野望は大きすぎる想定外を産むことになったが、かけがえの無いない犠牲により事件は収束したのだった。

 

 

 事件後、ショッキンは今度こそ完全にチャンネルを抹消され、2度とYoutuberが出来なくなってしまった。しかもSONG側から常時監視され、定期的に報告書を書くことになってしまった。

 

「なんだよ……」

 

 ショックのあまり泣き崩れた彼に布田がそっと慰めた。

 

「ショキさん、行こうよ。Youtuberだけがショキさんじゃない。新しい道を行こうよ。もう暴露なんかしない道を」

 

「うるせえな! 俺は動画だけしか出来なくなっちまった……今更どうやって人生過ごしゃ良いんだよ!」

 

「そんなのわからないよ! わかるわけがないじゃん!!」

 

 泣き言をこぼす彼に布田が声を荒げる。

 

「ショキさん、今までありがとう。僕はもう行くね」

 

 布田は荷物を持って家を出た。

 彼は、先だっての事件で風鳴訃堂の情報をいち早く伝えたことでSONGから感謝状をいただき、そのツテで関連施設でのアルバイトが決定していたのだ。

 ショッキンチャンネルの運営に関わっていたが、現場への介入には消極的だったため厳重注意を受けただけだった。

 

 

「あぁ〜あ……俺、どうすりゃいいんだろ」

 

 不貞腐りながら寝転がる。

 

「うまく行くと思ったんだけどな……」

 

 不満の声をこぼす中、彼は偶然落ちていたチラシを拾った。

 

「……」

 

 チラシをギュッと握り、ゆっくりと立ち上がった。

 

「あっ、すいません。私そちらでアルバイトをしたいものなのですが〜」

 

 電話が終わると彼は静かにパソコンの電源を切った。そしてショッキンチャンネルと書かれたステッカーなどをすべてゴミ袋に入れ、ゴミ捨て場に置いた。

 

「……やり直すか。もう一度、何か違う形で頑張ってみるか」

 

 そういうとバイクにまたがり、バイト先へと向かうのだった。ため息混じりだったが、彼は静かに街へと向かっていった。

 




二度と活動できないエンド以外にも、最後の最後に活躍するエンドも想定しましたがハッキリ言ってシェムハとの戦いに彼を活躍させるのは厳しすぎると判断し没にしました。

とはいえ彼も次第に暴走気味な上こりもせずに何度も投稿していたのである意味自業自得な末路を辿らせました。まあああいう人物が美味しい思いをできる地は限りませんしね

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