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チャンネル登録者:360万→120万
動画:11本
「皆さまこんにちは、ショッキンです」
ショッキンはスーツを着ていた。普段のお気楽そうな雰囲気は微塵も見られない。
「先日、私の信者がライブ事件被害者の遺族のバッシングに加担していたことが発覚いたしました。その件に関し、被害者の家族に深くお詫び申し上げます。誠に、申し訳ありませんでした。つきましてはことの経緯を説明致します」
神妙な表情で画面にはどこかの家らしき映像が流れていた。そこには明らかに張り紙や落書きなどがされていた。右下のテロップには、"遺族からの了承を得ています"と記載されていた。
「まずバッシング自体が始まったのは私が最初の動画を上げた時から数週間後になります。とある方からの情報をいただき、現地で調査を行った結果、その被害者家族のお子さんが通う学校の生徒達が私の動画を曲解し、生存者に当たる生徒を虐めてたと言う事実が判明いたしました。
しかもそれが私に以前歌ってみた配信をした際にスパチャを送っていた人物であることもわかりました。その人物に関しては個別で厳重に注意致しましたので、この度は誠に申し訳ありませんでした。」
ショッキンは頭を下げ、動画が終わった。
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「ったくよぉ〜!なんてことしてくれたんだよ〜!!」
「でも、しょうがないよ。同業の人もバッシング内容を動画に上げてたし、そう言った人たちと同一視されるのはおかしくないって」
スタッフがため息をつきながら煎餅を齧る。しかしショッキンはそれを取り上げて一口で残りの分をバリバリと齧り尽くし、飲み込んだ後にスタッフに顔を近づけた。
「いいか?俺は決してバッシング目的じゃない。再生回数を稼いで金を稼ぐ、その上で視聴者たちにも報道じゃ見えない真実を知らせたいからなんだよ!」
「ライブ事件を鴨がネギ背負って来たって言ったのは誰だっけ?」
スタッフが目を細め、問いかけるがショッキンは口をすぼめてあらぬ方向を見つめる。
「…とにかく、その街に行くぞ」
「ええ!?やめとこうよ、何されるかわっかんないって!!」
「いいから行くぞ!」
スタッフを連れ出し、ショッキンは現場へと向かった。
近くのコンビニに車を止めて少し歩くと、そこには明らかに他と雰囲気が異なる家を発見した。そこには「人殺し」、「お前だけ助かった」と言う内容の張り紙と落書きが見られた。
「ひっでえなオイ。撮っとけ」
「はーい…」
ショッキンが辺りを見回していると反対側から2人の男子学生が家を指差していた。そして石を投げようとしていたのがみえた。
「おい、カメラ!」
「え?やばっ!!」
カメラを向けられると男子生徒は怯えてその場から立ち去った。
「どうしたのよ?」
「あいつら…人のうちに石投げようとしてたぞ。ただでさえこんなことしてるってのに。なんで逃げるかなぁ、面白えシーンとして絵になるってのによぉ」
「なんですか!?」
すると家の奥から若い婦人が現れショッキンの胸ぐらを掴む。
「いでででで、ち…違いますよ!
俺たちはと、通りすがりのユ、ユーチューバーですってば!!」
「え?」
「えっと…ショッキンチャンネルって知ってます?」
家に上がった2人はお茶を差し出されていた。
「ど、どうも〜」
愛想笑いを浮かべるが娘と祖母からは警戒されていた。
「で?あなたたちは週刊誌の記者やあの人たちのようなことをしに来たんですか?でしたら帰ってください」
婦人が鋭い目で睨んできた。
(ど、どうしよう…)
ショッキンとスタッフが同じことを思いながらお茶を啜る。
「違います。私の目的はバッシングなどでは断じてありません。
動画の方を見られたかは抜きにして私が行っていたのは事件のノイズ災害の調査と考察です」
誠実そうな声色で話すが実際彼の狙いはバッシングされた一家の調査を知るためなので、おおよそ記者たちと変わらないのだが…
「ノイズ災害の?」
「はい、私はあの痛ましい事件を引き起こした人物を探しています。
ですが今回私の視聴者からここにバッシングが酷くなっているとの情報をいただきました、調査しにきた結果、さっき通りすがりの男子学生がお宅に石を投げようとしているのをカメラで撮ろうとし、こう言うことになったのです。断じてバッシング目的ではありません!」
「そうなんですか…」
(まっ、再生回数狙いだけどな)
頭を深く下げる一方で下卑た笑みを浮かべそうになったが、流石に空気を読んだのかそんな様子は微塵も見せない。
「この度は私の視聴者がご迷惑をおかけして申し訳ございません!」
「そんな、別に悪意があるわけじゃないのに謝らなくても…」
祖母らしき人物が困惑した。
「いえ、ですがこのような誤解を招いたのは事実。謝罪させてください」
スタッフもゆっくりとお茶を啜っていた。すると一気にお茶を飲み干して席を立った。
「お茶、ご馳走様でした。ほら行くぞ」
「え?もう!?」
「あ、あの!」
娘らしき人物が話しかけてきた。
「響ちゃん…」
「私あの事件で生き延びたんですけど…正直今とても辛いです…リハビリを頑張ったのに傷つけられてる。どうしたらいいんですか?」
娘の言葉を聞いてショッキンは目線を一瞬泳がせてからうなづき、答えた。
「し、知らん!」
「え、きっぱり言っちゃうの?」
「俺にはそんな経験がねえ、ンなもん自分でどうにかしてくれ。
ほら行くぞ!」
そそくさとショッキンは家から出て行った。
「ええ、待ってよぉ〜! お邪魔しました!!」
帰りの車内、運転はスタッフが行っていた。
「どうするの?あんな謝罪した手前、動画にするわけ?」
「お前なぁ、俺は潔白な考察者だってイメージをああいう奴らに持ってもらうんなら、適当に謝罪するんだよ。嘘でもいいからとりあえず姿勢を見せとくんだよ。
それにだ、動画増やせばその分再生回数稼げるぞ」
「ええ?潔白じゃなくない?それ」
「身内の不始末は俺がつける、なんてスタンスとったらファンの扱いがしっかりしてるって見せかけられるだろ?それって重要だと思うんだよ。
最近じゃ俺らみたいなのがデマを流してそれが原因でだんだん自殺者とか増えてるらしいし、それで叩かれる場合があるんだよ。それじゃ、今後の活動にも支障がでる。
それらしい言動を見せておけばとりあえずは騙せる騙せる。ってかあの家の表札をお前みてたか?」
「いや、ポスターだらけでわかんなかったよ!?」
「なんだよオメェ、見てねえのかよ!!」
すると車が急ブレーキをかけた。
「ねえ、あれ!」
スタッフが指差すと道路に倒れている男性がいた。
「んだよ、連れてくぞ!」
「え、なんでよ!」
「インタビューするんだよ!自殺者を救った男が見参って内容で決まりだ!!」
「ええ〜そんな無茶な…」
ショッキンの無茶振りに付き合わされ倒れていた男性を連れて自宅に戻ったのだった。
今回で一応無印の空白期間は終わります。次回から無印のエピソードになりますが、二課やフィーネなどといった勢力から割と小物すぎて相手にならないっていう現状が変えて行こうと思います。
直接対決とかもやってけたらなって思います
緊急 新たなアシスタント候補を募集します。視聴者(読者)の意見を参考にしたいので以下の4人の候補からこれだと思った方を選んでください
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地雷系
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おバカ系
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ナルシスト系
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ミステリアス系