触手と俺のヒーローアカデミア   作:金剛もやし

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遅くて申し訳ない!
 
 
 


三者三様

 

 

 運がいいことになんの後遺症もなく、病院から退院することができた。しかし、入院している時はリハビリ以外の運動はだいたい禁止されてしまっていたので、感覚などが鈍ってしまっていた、今朝マスキュラー戦の時に生やした触手よりもひと回り小さい触手しか生やせなかった事を思い出して憂鬱な気持ちになる。

 

 

 マスキュラーと言えばあの事件がネットニュースになっていた、ミルコの応援が来るまでの時間をウォーターホースの二人のみで稼いだことになっていたが実は俺も少し出ていた、『手際よく作業を進め、市民の避難活動に貢献した将来有望な少年』みたいな内容だった、いや〜自尊心が満たされる〜。

 

 

 そんなことを考えながら道を進む、現在俺は委員長からの指示でヒーロー公安委員会の本部に向かっている、ちなみに行って何をするかは知らされてはいない、報連相の大切さを教えられなかったのだろうか、それとも何かサプライズが?歓迎会でもするのだろうか、それくらい穏便に済めばいいなぁ。

 

 

 さて、ヒーロー公安のビルの目の前に着いた、内部に入って窓口の人に用事と名前を伝えて、何処に行けばいいのか教えてもらった。

 

 

「えーと、エレベーターで降りて?、真っ直ぐ進んで右曲がって……?」

 

 

 ああ、あった、この扉かな?偉い人って何故か高いところにいるイメージがあったんだけどもまさか地下に居るとは。無駄にデカくて重い扉を開けて中に入る。

 

 

 ガコンッ‼︎

 

 

 思ったよりも重かった……。さて、内装は部屋というよりも体育館と呼んだ方がいいのではないかと思うほど広く、天井が高い──うちの学校の体育館よりデカいな……──しかし、どちらかって言うと何処かの実験施設という印象の方が強いと思う。何でできているのかは分からないが一目見ただけで”堅い”と分かる素材で壁と床が覆われている。

 

 

やあ!、九頭くん!病院以来だね!

 

「お久しぶりです会長、それで一体何処にいらっしゃるんですか?」

 

『上だよ〜』

 

 

 上を見るとガラス越しにこちらに手を振っている会長がいた、更に実験施設感が増してきた、まあ最も醸し出しているのは目の前の”アレ”であろう。

 

 

「それで会長?目の前のこれは……?」

 

 

 高さは大体二メートルぐらいの人型のソレは紅色のモノアイを爛々と輝かせながらこちらを見つめてくる。

 

 

『それは、 ヒーロー公安委員会(ウチ)で開発してた汎用型運搬機”キャリアー”さ、まあ少しだけ戦闘用に改造したけどね、今日はこれで君が本当にこの組織に入る資格があるか見させてもらうよ』

 

 

 少しというには余りにも凶暴すぎる見た目をしているこのロボットは多分とても雑な改造を施されたのだろう、元は緑色だった装甲が上から雑に赤色に塗りつぶされている。あと、腕のパーツも恐らく元はもっと小さかったのだろう、立っている姿勢でも地面着くほど大きい腕からは無理やり嵌め込んだせいかギシギシという音が聞こえる。

 

 

『……DESTROY!……DESTROY!……』

 

「凄い不穏なことを言ってるんですけどー⁈大丈夫ですかこれー⁈」

 

『ハハハ!マスキュラー相手にあんな善戦した君なら大丈夫!これはうちの研究グループが何も考えず大体三時間で適当に作ったものだからあの(ヴィラン)と比べたらただの鉄の塊さ!』

 

 

 三時間で雑だけどもしっかりとバトルマシーンに改造できるなんてとても優秀なスタッフなんですね‼︎ここまで来たなら引き返せない、いいだろうぶっ壊してやる‼︎

 

 

『……ターゲットを認識、排除します』

 

「くそう、かかって来いや‼︎ぶっ壊してやる‼︎」

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

「今頃竜ちゃん何してるのかしら……」

 

 

 先生の授業を聞きながら、私、蛙吹梅雨は自然とそんなことを口にしてしまっている、彼はずっと近くに居たから、居ないと調子狂うわね、今日退院って言っていたのだけれどやはり退院直後に学校には行きづらいものかしら?

 

 

 彼の姿が頭から離れない。竜ちゃん、外ハネした濃紺の髪とずっと覗いていたら吸い込まれてしまいそうな深い青色の瞳が特徴的な彼、ずっとヒーローに憧れていたのは知っていたけれど、まさか(ヴィラン)と戦っちゃうだなんて驚いたわ。

 

 

 竜ちゃんってとっても不思議な子なの、私は感情を表情に出すのが苦手で幼稚園の頃にお友達が上手に作れなかったところに一番最初に声をかけてくれたのが彼だったの。これだけだとただ社交的な子なだけなのだけど、竜ちゃんが弟達の世話をしていたり、家事もこなしてくれていたりしているのが当たり前になっていたのにこの前気づいたの。

 

 

 理由を聞いたら“個性”の訓練だって言っていたのだけれどそれなら私の家じゃなくてもいいし、きっと他に理由があると思うの、また今度聞いてみようかしら。

 

 

 思い返せば竜ちゃんと差ができてしまったように感じる、度々“個性”を使った鬼ごっこは行ってるのだけれど最近は彼に捕まる回数が増えていき、物理的に身長も頭一つ分程の差をつけられてしまった、今回の件でヒーローを目指すものとしても差をつけられてしまった気がする、いつか彼に追いつける日が来るかしら?

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

「フフ……」

 

 

 男がいた、どうやら手に持った一枚の紙を見つめてニヤニヤとしている、喜びを隠しきれないといった様子である。

 

 

「会長、どうでしたか?」

 

「ああ、これを見てくれ」

 

 

 そんな男に後ろにいたヒーロー公安委員会の幹部が話しかける。会長と呼ばれたその男、色見 (しきみ)は九頭竜人の能力が数値化され書き込まれている紙を男に見せる。

 

 

「……へぇ、結構高いじゃないですか、でもその頃のホークス (NO.2)の方が高かったですよね」

 

「当たり前だろ、ホークスは幼少期から仕込んできたんだ、逆に彼が自主的な訓練だけでここまで迫っていることを褒めるべきだと思うよ」

 

 

 それに、と会長は話を続ける。

 

 

「最近はトレーニング法も新しくなっていてね。君は“個性”を鍛えるのに一番効率の良い方法を知っているかい?」

 

「……青年期にひたすら“個性”を使うことですよね?」

 

「最近まではそうだったんだけど、中国のある研究所が新しく個性の成長について発見をしてね、なんでも死の危険を感じると君の言った方法よりも格段に“個性”が飛躍したらしくてね」

 

「まさか⁈」

 

「もちろん、出来るだけ配慮はするよ、もしかしたらこれでオールマイトを超えるかもしれないんだやるしかないだろ?」

 

「……」

 

「全く、彼の将来が楽しみだねぇ〜」

 

 

 男は微笑う、彼ともう一人しか居ない薄暗い部屋の中で。ただ一つ言えることは彼はただ平和を望んでいるということであろう。

 

 

 




 
 
主人公のプロフィールが遅すぎでは?


  九頭 竜人(クズ リュウト)

九頭’sヘア 濃紺色、外ハネの癖は絶対に取れない。

九頭’s顔  爽やかなイケメン、肌にも気を遣っているイマドキ男子だ!

九頭’s全身 着痩せするタイプのマッチョ、オールマイトみたいな身体を
目指していたが体質が合わなかったので瞬発力に極振りだ!

九頭’s服装 取り敢えず清潔感を目指したつまらない格好だぞ!

・イケメンで気遣いもそれなりにできるので女子からモテるが、そういう女子は自分と梅雨ちゃんに向ける顔が違う……ってなって皆んな離れていくぞ!身長は中二の今の時点で大体170センチほど、まだまだ伸びるぞ!

 個性 触手顕現

・その名の通り地面から触手を生やすぞ!
・触手は質、量によって頭への負担が変化するぞ!
・今の限界は触手33本、体調でここら辺は変わるぞ!
・特殊技能《メタモル》を習得している。変化した触手は通常の触手の三倍くらいの負担が頭にかかる。
・《メタモル》は今のところ硬質、光源化、粘液纏、マスキュラーとの戦闘で変形も可能に!可能性の塊だぞ!
 
 
 
 
 
 
 
 この“個性”の本質はそこではない。
 


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