入学初日
日本には”言わない美学”というものがある、”言わぬが花”という諺や、”月が綺麗ですね”という告白の台詞などからも伝わってくるだろう、ハッキリと物事を伝えない方が丁寧で深みがあるとされている。けれども俺はやっぱり、伝えたいことを明確に話した方が相手としては分かりやすいし、曲解される危険もないと思うんだ。
「めっちゃ可愛いよ梅雨ちゃん‼︎前のセーラー服も似合ってたけど、今の雄英の制服の方が俺としてはしっくりくる気がするな」
「あら、お世辞が上手なのね」
「本音に決まってるでしょ!」
だから雄英制服姿の梅雨ちゃんを早口で褒めるのは気持ち悪いどころかとても良いことだと思う。
さて、受験も終わってもう四月、いつのまにか出来てた梅雨ちゃんとの距離も詰めることができて、雄英に入学する日となった、梅雨ちゃんはもちろん、俺もしっかりと公安特殊推薦枠とかいう公安が俺のために作ったらしい枠でしっかりと入学することができる。
尚、一応試験ということで筆記と実技はあったのだが、筆記は公安の詰め込み教育を受けている上に“個性”も知能強化が混ざっているため、実技のVS巨大ロボは普段からもっとヤバい奴と戦っているので両方とも苦労することなく突破することができた。
「そろそろ行かないと遅刻しちゃうわ、急ぎましょう」
「そうだね、俺まだ電車で雄英まで行ったことないから案内頼むよ」
「ケロっ」
前に雄英に行った時は車で送ってもらったから道のり知らないんだよね。一応スマホで調べれば自力で行けなくもない気もしなくもないが、スマホと睨めっこしてるうちに遅刻なんて洒落にならない。まあ実のところ単純に梅雨ちゃんと登校したいだけなのだが、そんなこんなで自分の欲望に従いながら梅雨ちゃんの隣を歩く。
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電車に乗って数十分、そこらの高校だったら絶対に真似できないであろう全面ガラス張りとかいうイカれたデザインの校舎に入る、この学校で不良になったら全部のガラス割って周るのが大変そうだな。
「この学校広いわね、迷っちゃいそうだわ」
「しかもこの校舎の他にもいくつか施設も待ってるからね、流石は教育施設の最高峰だよね。さて1-Aはどこだろ?」
ちなみにクラスは入学前に届く書類で知った、B組の人には失礼だけど、A組な事に安堵したよね。
「ここかな?」
「すごく大きいドアね」
バリアフリーまで完璧かよ、俺の背の二倍を超える高さのドアを開けて中に入る、えーと?俺の席は──。
「おっ、俺の後ろか、俺は切島 鋭児郎よろしくな」
「九頭竜人です、よろしくね」
席順は推薦枠とか関係無く名前順で、俺は切島と口田の間だった、話し易い人が近くにいて良かった。ここで会話を途切れさせてはいけないと思い、さらに口を開ける。
「切島はさ、好きなヒ「バァン‼︎」……」
凄い勢いでドアを開けたのはみんな知っての通り爆豪勝己、入学初日から尖ってるなぁ。爆豪はそのまま自分の席へ一直線、ドカッと荒っぽく座って机の上で足を組んでいる、ということは。
「おい君、何をしているんだ⁈机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者に申し訳ないと思わないのか⁈」
「思わねーよ、てめーどこ中だよ端役が!」
原作通り、飯田と爆豪が言い争い始めた。
「いきなり喧嘩とかアイツら元気だなー」
「初日に退学する人が出てくるかもね」
この後、緑谷、麗日さん、相澤先生が来て体操着を着てグラウンドに出ろというお達しが下ったため着替えてグラウンドへ。
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「「こ、個性把握テストォ⁈」」
「雄英は”自由”な校風が売り文句、そしてそれは”先生側”もまた然り」
ということで爆豪にボールを投げさせる、“個性”なしだと67mだった記録が大体700mに、記録が十倍以上になったのも驚きだが、爆豪の一発でボールに爆風を乗せるテクニックだろう失敗したらボールが地面に叩きつけられてしまうだろう、さすが天才と言うところ。
「なんだこれ、すげー面白そう‼︎」
「……面白そうか。よし、トータル成績は見込みなしとして除籍処分としよう」
数多のライバルを押し退けてやっと入ってきた雄英に初日で除籍なんて、なんで酷いことを言うのだろう。しかも、原作では除籍なしでことなきを得たのだが、“個性”の応用ができなかった場合は本当に除籍するんだから怖いことこの上ない。
さて、態々雄英の枠を公安に作ってもらったんだ、除籍回避は当たり前だがいい成績目指してみようか。
『ツギ、九番ト、十番、準備シロ」
「あいあいさー」
まず、クラウチングスタートの姿勢をとります、とったら触手を足の裏にくっつけておきます。
『サン、ニー、イチ──START‼︎」
始まりの合図が来たら、触手で自分を押し上げて初速をつける‼︎後は自分の走るタイミングに合わせて下ろす足をまた触手で押し上げる、これを繰り返すだけである、これが俺の移動技《
『4秒48』
「うーん?」
まあ個性使ったなら普通くらいのタイムだろう、まだ競技は七つ残ってる、どんどんこなしていこう。
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第二種目、握力
「すげ〜540キロってあんたゴリラか?いやタコか⁈」
「俺590キロだから、俺の勝ちだぜ障子」
「むっ、悔しいな」
握力計に触手巻いて思いっきり握りました!、もう少し握力計の持ち手が広かったらもう少しスコアが上がってたな。
「タコに触手⁈スケベ過ぎるだろぉ」
「あまり親しくない人間にいきなり猥談とか頭おかしいんかお前?あと、その触手は俺、九頭竜人の個性だこれからよろしくな」
「おう、お前もいきなり罵倒から入ってるしお互い様だぜ、オイラは峰田、よろしくな」
なんて会話をしつつ障子と峰田と地味に輪に入ってきた瀬呂と自己紹介を済ませることができた。
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第三種目、立ち幅跳び
触手で自分をぶん投げた、着地も触手で安心安全、なかなかいい点数だったけど梅雨ちゃんには負けましたー、悔しい。
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第四種目、反復横跳び
触手で自分を掴み取って左右に行ったり来たりと動かしまくった、悪くはない点数。峰田の反復横跳びのラインの左右にモギモギを置いといて自分を弾き飛ばしまくるのはキモいなと思いました。
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第五種目、ボール投げ
投げたボールを触手でキャッチしてバケツリレーみたいにして運んだボールが地面に着くまで計測が終わらないやつで良かった、ちなみに俺の触手は俺が想像できるところ、つまり俺がしっかりと見えるところまでしか生やすことができない。よって記録は1557m、悪くはないしむしろいい点数だとは思うが麗日さんの
緑谷くんは原作通り指先100%スマッシュしてボールを飛ばしていた、隙を見計って話しかけて友達になりたいんだけど、いつ話しかければいい分からない。
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その後の種目もそつなくこなしていった、流石に除籍はないとは思うが順位はどうだろうか。
「んじゃ、パパッと結果発表していくぞ……あ、ちなみに最下位除籍は嘘な」
「「⁈」」
「君らの最大限を引き出すための、合理的虚偽」
「「はー‼︎⁇」」
というやりとりがありつつも、自分の順位を確認する、二位かぁ……八百万さんには流石に勝つことができなかった──持久走バイクはずるいでしょう──少し落ち込みつつも教室に戻る。
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あとは普通の高校がしそうな入学初日の行事であった、あとは家に帰るだけなのだが梅雨ちゃんは今日開かれる女子会に参加するらしいから一緒に帰れないらしいので一人で帰ることになるがその前に一つ用事を済ませておくとしよう。
ということで、教室の席でノートに何かを書き込んでいる緑谷くんに話しかける、やっぱり主人公とは仲良くなっておいた方が良いよね。
「凄いパワーだったね、負傷した指は大丈夫?」
「え、あ、九頭さん?」
「呼び捨てでも、なんならクズ野郎でも構わないさ、これからよろしくね緑谷君」
「う、うん。よろしくね九頭くん」
「ところでそのノートずっと気になっていたんだけど何書いてるの?」
「あ、これはね──」
緑谷君が書き込んでいたのは案の定ヒーローノートであった、初めて中身を見るけど凄い分かりやすくまとめてあるな、見習いたいくらいだ。
「ヒーローになる為に必要になりそうなことをこのノートに書き込むようにしているんだ、ちょっとオタク過ぎるかな?」
「いや、良いもの見させて貰ったよ、お礼と言っては何だけど俺もいいものを見せてやろう」
そう言いながら、おもむろにスマホを取り出してファイルを開いて見せる。
「──⁈これは」
「ミルコの必殺技さ」
「本当に凄いよ、ここまで深く一人のヒーローを分析することを僕はあまりしないから新鮮で面白いね!」
「まあ、似たような動きができるだけで本家と比べたら完全な下位互換になっちゃうんだけどね」
俺が見せたのはミルコの必殺技のコツを自分なりに解析して全部書き記したデータである、実は俺も緑谷君には敵わないけど結構情報をまとめるのが好きなんだよね。
「僕がまとめたミルコはね──」
「へぇー、どっちかっていうと攻撃って言うよりも、追跡の方を中心にまとめているのか」
「そうなんだ、これはね──ブツブツブツブツ」
「なるほど、でもそれなら──ブツブツブツブツ」
その後もヒーロートークと、データのまとめ方についての話が盛り上がった、結構仲を深めることができたんじゃなかろうか。それにしても学校が楽しみになる日が来るとは思わなかった、早く明日が来ないだろうか。
毎度遅くてすいません、このキャラとセリフが合ってないとかあったら教えてくださると幸いです。