触手と俺のヒーローアカデミア   作:金剛もやし

15 / 16
委員長

 

 

「オールマイトの授業はどんな感じです?」

 

「そうですねぇ、まだ数回しか授業を受けていないので分かりませんが、ナンバーワンヒーローとしての経験からくるアドバイスはとても的確でためになると思います」

 

 

 という記者のインタビューから今日の学校生活が始まった、最高峰のヒーロー育成機関は生徒に語彙力も求めるらしい。

 

 

「教師としては今後に期待といった感じです、流石のオールマイトも何でもできる完璧超人とはいきませんね」

 

「なるほどご協力いただきありがとうございます!」

 

「いえいえ、それでは」

 

 

 とりあえず頭に出てきた言葉を口にしてやり過ごす。気づかないうちに背中には汗が流れていた、こういうのは苦手だ。全く、記者という生き物はアポと言うものを知らないのだろうか?

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

「さて、急で悪いが今日は君らに……学級委員長を決めてもらう」

 

「「学校っぽいのきた──‼︎」」

 

 

 俺が私がと、クラスのみんなが一斉に手を挙げる、普通科ならばただの雑用係だろとここまで手が上がることはないのだが、ここはヒーロー科だ、きっとこの役職につけばみんなを導く能力が鍛え上げられる、優秀なヒーローを目指すなら出馬するべきであろう。

 

 俺はしないけど。

 

 

「静粛にしたまえ‼︎、”多”をけん引する責任重大な職務だぞ、『やりたいもの』がやれるものではないだろう、ここは民主主義に則り真のリーダーを決めるというのなら投票で決めるべき議案……!」

 

「「そびえ立ってんじゃねーか‼︎何故発案した⁈」」

 

「日も浅いのに信頼もクソもないわ飯田ちゃん」

 

「そんなんみんな自分に入れらぁ」

 

「だからこそ、ここで複数票を獲ったものこそが真にふさわしい人間ということにならないか⁈……どうでしょうか先生‼︎」

 

「時間内に決められるなら何でも良いよ」

 

 

 先生にも許可をもらったことだし、いざ投票。

 

 

────────────────────────

 

 

「僕、三票ー⁈‼︎」

 

 

 見事三票を集め、委員長の座を得たのは緑谷くん、自分が委員長になれるとは思わなかったのだろう、とても驚いている。

 

 

「くっ、さすがは聖職と言ったところ、簡単になれる役職ではないということか……、しかし俺に一票入っているのもまた事実!投票してくれた人、ありがとう‼︎」

 

 

 そう言って教室の前で頭を下げた飯田くん、ちなみに彼に投票したのは俺である、彼に投票するのが一番原作に影響がないし、なんか面白い反応しそうだなと思ったからである。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

「ここに来るたびに人の多さに圧倒されるなぁ」

 

「ヒーロー科の他にサポート科、経営科も一堂に会するからな」

 

「お米がうまい!」

 

「アツアツだからね」

 

「きっと調理が早いからよ」

 

 

 委員長が決まった日の昼休み。緑谷くん、飯田くん、麗日さん、梅雨ちゃんの四人と昼食を共にしていた。

 

 

「いざ委員長やるとなるとつとまるか不安だよ……」

 

「ツトマル、ツトマル」

 

「自分から立候補したんだからやるしか無いわ」

 

「やめたきゃやめれば良いよ」

 

「大丈夫さ、君のここぞという時の胆力や判断力は”多”を牽引するに値する、だから君に投票したのだ」

 

「でも飯田くん、委員長やりたかったんじゃないの?メガネだし」

 

「メガネって関係あるのかしら?」

 

 

 それ俺も思った。

 

 

「やりたいと相応しいか否かは別の話、俺は正しいと思う判断をしたまでだ、人を導く立場はまだ俺には早いんだと思う、上手の緑谷くんが就任するのが正しい!」

 

 

 誰がふさわしいなんて考えて譲っていたら、いつまで経ってもキャリアアップできないぜ〜?

 

 

 ウゥーー‼︎ウゥーー‼︎

 

 

「警報⁈」

 

『セキュリティ3が突破されました、生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください』

 

 

 避難を促すアナウンスが生徒をさらに混乱に誘う。

 

 

「セキュリティ3って何ですか⁈」

 

「校舎内に誰かが侵入してきたってことだよ!三年間でこんなの初めてだ!君らも早く!」

 

 

 飯田くんがその場にいた普通科の生徒に質問をする、ここまで警備がしっかりしている学校に誰かが入ってきたならば不安も一入だろう、生徒がパニックになりながら逃げ惑うのも当たり前だ……さてと。

 

 

「竜ちゃん?なんでカメラを取り出したの?」

 

「あの窓見てみて、報道陣がいるだろ?奴らを逆に報道してやろうと思って」

 

 

 マスコミ嫌いなんだよね、いつか痛い目に合わせてやりたいと思っていたんだ、ちょうどいい、触手で自分を持ち上げて写真を構える。よし、なかなか良い絵だな、しかし本当に倫理観が欠如している、同じ人間とは思えない。

 

 

「ほら、梅雨ちゃんも上がって来な、人の波に飲み込まれるよ?」

 

「その軽はずみに“個性”を使う癖、やめた方がいいわよ」

 

 

 とは言いつつも、ぴょいと新しく生やした触手に乗ってくる、人の波に揉まれるのは誰でも嫌だろう。

 

 

「九頭くんッ!」

 

「どうした飯田くん?」

 

 

 周りの人よりも目立っていたせいか、必死な表情をした飯田くんに話しかけられた。

 

 

「俺に…あそこまでの道を作ってくれ‼︎」

 

「OK!」

 

 

 飯田くんが指差した先、非常口までの道を人と人の隙間を見つけて触手を生やしていく、最大まで触手を伸ばしたらL字型に曲げて良い感じに道を作っていく。

 

 

「こんなんでどうよ?」

 

「ありがとう!じゃあ行ってくる!」

 

 

 触手で道まで持ち上げたら着地させたと同時に走り出していった。自分の上で人が駆け出していたら流石に気づくのか飯田くんに注目した人が増え出した、“個性”を使って加速までした飯田くんが非常口の上あたりにビタンッとぶつかって一言。

 

 

「皆さ〜んっ!大丈〜夫‼︎」

 

 

 飯田くんの大胆な行動にみんなは彼の言葉に耳を傾けることができるくらいの余裕は取り戻すことができた。

 

 

「侵入してきたのはただのマスコミです!大丈夫!雄英生として相応わしい行動をとりましょう!」

 

 

 とどめのこの一言で皆んなは完全に落ち着きを取り戻すことができるようになり、マスコミも警察が到着したことにより撤退、いつもの平穏を取り戻すことに飯田くんは成功した。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

 その後は緑谷くんの指名で飯田くんが委員長になってめでたしめでたし。

 

 後日、事件の一部始終と関わった企業をまとめたネットニュースがバズって企業の株が大暴落したのはまた別の話、まあ因果応報だよねー。

 

 

 





 毎度ご視聴いただきありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。