触手と俺のヒーローアカデミア   作:金剛もやし

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発現

 

 この世界での個性というものは、身長とか顔つきとかではなく個人に宿った異能のことである。その名の通り個性の種類も様々で、オールマイトの”ワン・フォー・オール”のような規格外の力を発揮する個性もあれば、ホークスの”剛翼”のように翼を生やして飛び回ることができるようになったりなど個性同士の共通点が無いのである。

 

 

 土曜日の昼下がり、喉が乾いたので机にあるコップを取ろうとしていた時にこんなことを考えた。

 

 

 え?何故こんなことを考えているのか?そんなことは目の前を見れば簡単にわかる、フローリングに生ている、大体電柱くらいの太さで自分の2倍くらいの高さの毒々しいヘドロみたいな緑色をしたそれは誰がどう見ても触手としか形容できない。その触手が机の上の俺のコップを掴んで揺らめいでいる光景である。触手の動きの影響でコップの中身が飛び散っている。

 

 

 ちなみに義父さんの個性では無い、義父さんの個性は”吸盤”といってどんなツルツルの壁でも手足で張り付くことのできる個性である──ぶっちゃけ梅雨ちゃんの劣化なのだけれど──この前山で岩壁をスイスイ登っていくのを見たから嘘では無い。

 

 

 ってかそんなこと考えてる暇なかった、早く触手を止めないと──って考えていたら触手がピタッと固まった、どうやら操作可能らしい。ついでに干してある雑巾を取らせようとイメージするが触手が伸びる距離には限界があるのか三メートルほどの長さになって固まった。諦めて椅子でも使って取るか──。

 

 

 シュルシュルー‼︎

 

 

 そう思った瞬間フローリングからもう一本の触手が生えてきた、今度の触手は大体五メートルくらいあり簡単に雑巾を取ることができた。受け取った雑巾で床にこぼした牛乳を拭こうとしたのだが。

 

 

「あれ、何処にこぼしたっけ?」

 

 

 こぼれた牛乳があった場所にはさっき生えた長い触手のみである。おそらくこの個性は何も無いところでは三メートルほどの大きさが限界だが、牛乳を吸うことによって大きくなったのだろう──触手と牛乳の関連性が見えないが──ともかくこの個性謎が多い、もっと調べないと。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 ということで、色々と実験してみた。まず生やすことのできる本数なのだが液体なしの場合は今のところ十本程度が限界であった、それ以上生やそうとイメージすると頭が割れるように痛くなる、というかそれで気絶してしまった──義父さんにすごい心配された──しかし、十一本目の触手が生えそうになっていたのを確認したので練習次第で扱える触手も増やすことができるだろう。

 

 

 そして、牛乳を吸うと触手がさらに大きくなったことについてなのだが、牛乳だけではなくそれ以外の液体でも一部可能であったが大きさに違いがあった。その中でも一番大きくできたのがスポーツドリンクが牛乳と同じく五メートル程で、ただの水は四メートル、オレンジジュースは三・五メートル、何も無いところではやはり三メートル程しか伸ばすことができなかった。共通点は未だに分からない。

 

 

 次に触手のパワーについてなのだが、何も無いところだと触手一本でうちの洗濯機を持ち上げるくらいの出力はあった。また、スポーツドリンクを吸わせたりすれば中身の入ったタンスを掴んで動かすことができた、少々物足りない気もするがここも個性を伸ばせばもっと強くなるという根拠のない確信があった。そもそもこの個性は数で押し潰すような戦法の方がベターな気がする。

 

 

 そうそう、戦いとはあまり関係のないことなのだが触手の色も変更することができるらしい元々の色は余り綺麗とは言い難いので触手の色は基本的には黒色を使って行こうと思う。

 

 

「ふふふ」

 

 

 自分の個性の強さ具合に思わず喜びの声が溢れる、これって十分雄英高校目指せるくらいの強個性なのでは?女の(ヴィラン)の全身を弄る第二の18禁ヒーローとして活躍する未来を想像してワクワクが止まらなくなった。

 

 

 善は急げとも言うし早速雄英目指してトレーニングと勉強の開始である、個性の使用は裏手の山で幾らでもすることができるし、勉強なんかも親に頼ればなんとかしてくれるだろう、さて何から始めようか……。

 

 

「──そうだ!梅雨ちゃん呼ぼう!」

 

 

 昨日やった一対一の個性ありの鬼ごっこがいいだろう、俺は触手で捕らえる訓練ができるし、梅雨ちゃんは足場の悪い山で走れば足腰の強化に繋げることができるだろう。今日は土曜日なので明日の日曜日に誘ってみようか。梅雨ちゃんの家はここから大体十分くらいのところなので車などもいらないし後で連絡してみよう。

 

 

 それまでに梅雨ちゃんを捕らえる練習でもしてみようか、俺は自分の体に触手を巻き付けながら明日の予定に心を躍らせていた。

 

 




キャラ紹介
・九頭 蕃 (くず しげる)
 この二次創作の主人公の義父、未だに息子との距離感を掴み切ることができてはいない、結構心配性なところがある、気絶した息子が触手に囲まれていたのでめっちゃ驚いた。
 ちなみに八百万家ほどでは無いが九頭家は、山を何個か持てるくらいには力のある良家である。
 個性は”吸盤”手のひらでどんな壁も張り付くことができる、自身の体重の五倍くらいの負荷には耐えることができる。名前の由来はこの個性ので九頭の九(キュウ、吸)と蕃(バン、盤)から。
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