「おらぁ!」
最初に仕掛けてきたのはマスキュラーであった、というよりもこちらが襲いかかってくるまで動かなかった──こっちから動いたら正当防衛って言えなくなるからね──マスキュラーがしてきた攻撃はタックル、強い、硬い、速いの三拍子が揃っている彼が距離を詰めつつ攻撃するのには最も適している行動と言える、ただのヒーローでは反応することすらできずにこの一撃でやられていただろう。
しかし、ただのタックル程度でやられる俺ではない、冷静に足元から勢いよく触手を生して大跳躍をすることによって、マスキュラーの上を行く……いや、ただ回避するだけじゃ勿体無い、躱されたことに気がついてブレーキをかけてこっちに振り返りそうな奴に一撃喰らわせてやろう。
新たに触手を生やし、それを足場にしてさらに高く跳躍し、高さが極みに達した時!触手で自分の足を押し込みながら奴の頭に向かって思いっ切り叩きつけるッ!
SMASH‼︎
「──ハハッ痛てぇな!」
できたっ、エセ
「やるなぁ坊主!だが詰めが甘いじゃねぇか!」
CHATCH!
叩きつけていた足をマスキュラーに掴まれてしまった、これは絶体絶命の状況だ〜(棒)……なんてね。元から自分の身体能力に期待なんてしていない、冷静に《メタモル》で硬質化した触手をマスキュラーの筋繊維で覆っていない部分である脇腹を狙って勢いよく突き出す。
ZAP!
「──グハッ、テメェ……!」
「ハハハッ!詰めが甘いと言っておきながらダメージを負った気分はどうですかぁ〜?」
「テメェ……」
すぐさま筋繊維を張って身を守られてしまったが、その隙に拘束から逃れることができた上に、受けたダメージもそれなりに大きそうである、さらに、煽って怒りで思考力を奪っていく。もしも、相手が冷静さを取り戻してあの速度でフェイントなども含めて襲いかかってきたら流石に反応しきれない。
BUMP! BUMP!
マスキュラーは殴ってくるが勿論触手で身を守る、一発目のパンチは触手一本じゃ威力を抑えきれず追加で四本の触手を使ってなんとか止めた──触手ってダメージを受けすぎると弾けるように消えるのか、もし俺がまともに食らっていたら……──、二発目は《メタモル》で生成した粘液を纏った触手を使って地面へマスキュラーの拳を流す、こっちの方が触手の操作に使う思考領域が少なくて済むのだ。
「ああもう!ちょこまかと避けんなガキィ!」
「避けてませーん、攻撃を捌いてるだけでーす!」
そんなことを言い合いながらもマスキュラーの拳を捌きつつ奴の脇腹に向かって触手で叩く、何の変哲もないただの触手なため奴が一撃食らってから纏ったしなやかで打撃に強い筋繊維の装甲を突破してダメージを与えるなんてできずちょっとうざがってる程度の反応しかしないがそれで良いのだ、俺は新しくヒーローが助けにやってくるのを待っているだけで良いのだから。
そんなことを考えながら奴と距離を取る、マスキュラーは突撃の構えをとる。なんだ、また同じ攻撃か今度は当たる直前に《メタモル》で硬質化した触手を突き出して自分から刺さりにいかせてやろうか。
──そう思っていた瞬間マスキュラーが視界から消えた。
「──ッ⁉︎、ガフッ⁉︎」
「チッ、そのレインコートに粘液をつけてやがったか、気持ち悪い野郎だな、いやそれよりもこの状態じゃあお前は反応できないらしいなぁ!ハハハッ、安心しろ最後まで楽しんでやるからよ!」
危ねぇ、レインコートに触手から出た粘液をつけていなかったらさっきの攻撃で死んでいた、痛え、多分肋骨とか何本か逝った気がする。クソッ油断していた、当たり前だろ、ロクに戦闘訓練も受けていない、ちょっと修行していただけのクソガキがマジモンの
目の前にはさっきの俺に翻弄されていた先程のマスキュラーの姿はなく、全身にさっきよりも分厚く筋繊維を纏い、元々巨体だったその身をさらに膨張させている、まさに怪物と呼べるような見た目の
「お前は誇ってイイぜ、なんせさっきのヒーロー様にもこの姿は見せてないんだ、俺はお前の実力を認めてこの姿を晒してるんだぜ」
「うっ……」
「この状態の俺はさっきよりも速い!硬い!強い!、さぁ第二ラウンドを始めようぜ、グチャグチャにしてやるよ」
厳しい展開になってしまった。
戦闘描写が難しい、投稿が激遅だけど許して……