「……知らない天井だ」
言ってみたい言葉ランキングの上位に常にいる例の言葉を言いながら周りを見渡す、清潔にされている空間や独特の匂いからおそらくここは病院だということがわかる。あれほどの怪我をしていたのだ、病院に運ばれるのが順当であろう。さて、あれからどれほど経ったのだろうか、まさか一年とか経ってないよな、それよりもウォーターホースは大丈夫だろうか、手遅れでしたとかだったら俺があんな大変な目に遭った意味がなくなってしまう……知りたいことは沢山あるが取り敢えずは目が覚めたことを伝えるべきだろう。取り敢えず目についたナースコールらしきものを押す、こういうのってちょっと押しづらいよね。
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あの後すぐに看護婦の人が来てくれた、義父さんに連絡も入れてくれたらしい。
バンッ‼︎
「「
すっげぇ勢いで義父さんと梅雨ちゃんが入ってきた!病室の扉が勢いで一瞬変形していたが大丈夫だろうか、取り敢えず返事を返すことにする。
「うん、全然平気!見てよこの腕、ムキムキでしょ⁈、いやぁ逆に元気すぎて困るッ────!」
「お身体に障りますのであまり激しく動かないでください……」
全力で元気なことを表現しようとしたら、怪我している部分がいてぇし、看護師の人にも注意されてしまった──恥ずかしい!──しかし、それを見た二人は冷静さを取り戻したらしい。義父さんがどこか呆れた様子で話しかけてくる。
「ハハハ、思ったよりも元気そうで何よりだよ」
「人間って意外と頑丈なんだって、身をもって実感したよ、
「ちょっと楽観的じゃないかしら、一歩間違えたら本当に死んでしまうところだったのよ?」
「へへッ確かに、ごめん」
梅雨ちゃんに注意されてしまった、正論だから一切反論することができない。けれども、個人的には終わってみれば悪くはない結果なんじゃないかって思う、真技能も身につけたしミルコのサインをもらう約束もできたし……そういえばサイン貰ったっけ?
「失礼します、早速ですが親御さんも来たことですし、竜人さんの容態について説明させていただきますね」
さっき梅雨ちゃんたちが大ダメージを与えていた扉をゆっくりと開けて入ってきた医師らしき人物が俺の身体のことについて話し出したが、多分サイン問題が気になって全然頭に入ってこない気がするな……。
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「──これで竜人さんの容態については以上です」
医師の方から受けた説明だと、少しのリハビリをすればすぐに退院できるらしい、最悪この“個性”ならば体が動かなくてもヒーローは目指せるとは思うが、やはり体は動いたほうがいいだろう、何もなくてよかった。医師は説明をした後すぐに退室していった。
「ともかく、後遺症がなくて良かったね、竜人」
「十分重症なんだからしっかりと安静にするのよ」
「善処するよ」
腕立てぐらいなら出来るかなと思っていたがしっかりと釘を刺されてしまった、その後は退室の時間が来るまでいくつか言葉を交わした。
さて、二人は部屋から出て行ってしまったが何をしようか、目覚めて即激しい運動をするのは流石に傷に障るだろうし──入院期間が延びるのは避けたい──義父さんに渡された鞄の中にあるゲーム類ももうクリアしたものなのでなんとなくやる気が出てこない、他には何かないかと鞄を漁って出てきたのは遊○王のカードであった、一人でやれと?……触手使えばいけるか……いいだろう!
「デュエル開始の宣言をしろ!磯野ぉ!……デュ、デュエル開始ーッ!」
ガラガラー
「邪魔するぜー」
「──ミ、ミルコ⁈なんでぇ⁈」
一番人に見られたくないタイミングに一番見て欲しくない人が来てしまった、よりにもよって何故一人で遊戯○ごっこしてるときに来るのか、罰か?罰なのか?……俺はいつのまにかそんなにも悪いことをしていたのだろうか。
「なんでって、おめーがサイン欲しいって言ったんじゃねぇか、いらねぇのか?」
「ありがたくいただきます‼︎」
そういえば名前を教えてなかった、自己紹介をしてサインを貰いつつ握手もしてもらう、もしマスキュラーに遭遇しなければ握手のみだったので奴にも感謝しておこう、そういえば奴はしっかりと豚箱にぶち込まれているだろうか。
「そういえばよ、やっぱり
「はい!今のところは雄英が第一志望です」
「お、そりゃあ良いなインターンとか職場体験とかの時は連絡入れてくれよ?受け入れるからな!」
「本当ですか⁈ありがとうございます!」
「お前はなんか全身全霊って感じがして気に入ってんだよ、
ヒーロービルボードチャート上位に位置している彼女が言うのであれば間違い無いのだろう、これで雄英に受からなかったら恥ずかしいなまだ二年生だが気を抜くことなく勉強していかなければ……それにしてもヒーローへの道がより明確に見えるようになったが、他の道に進みづらくなってしまったな、まあ元々周りには宣言しているし今更か。
「じゃあアタシはもういくぜ、また機会があったら会おうぜー」
「はい、有難うございました」
早々にミルコは退室してしまった、名残惜しいが彼女にも仕事があるのだろう仕方のないことだ、むしろしっかりと約束を守ってくれたことに感謝しよう……また暇になってしまった、ミルコが来る直前に机に並べてそのままにしていた◯戯王もやる気を無くしてしまった、そもそもカードゲームは多人数でやるものだ、なんで一人でやろうとしたのだろうか。
コンコン
また誰かがお見舞いに来たようだ、意外と俺は人望があるのかも知れない、恐らくだが見流と間賀重*1がお見舞いにでも来たのだろう、入室の許可を与える。
「どうぞー」
「やあ、初めまして」
「どなた?」
扉を開けて入ってきたのは全然知らない男であった、本当に誰、怖いっ⁈