女性恐怖症のIS   作:概念

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投稿予告月曜だと思って焦ってたら水曜だった月曜24時


<第三章>ジュンビキカン【再会と理解】 1.

放課後、手続きを最初に終わらせたオルコットさんは

 

せいぜい頑張ってくださいな、そうでないと弱い者いじめをしているのではないかと疑われてしまいますわ

 

などという言葉を残して悠々と教室を出ていった

 

その直後

 

スパン

 

「いってぇ~」

 

目にも留まらぬ速さの出席簿が一夏の頭を襲った

 

「お前は何を熱くなっている馬鹿者」

 

「いや、覆水盆に返らずというか、男の意地ってものが・・・」

 

スパン

 

「その程度の事で熱くなるな、入学当初で一日に何回もIS戦闘実戦を行う生活は送りたくないだろう」

 

「ぐぅ・・・」

 

「はぁ、もういい、お前はISの基礎でも勉強していろ、問題は中務、お前だからな」

 

「僕・・・ですか?」

 

「そうお前だ、普通なら戦闘許可が出ようはずもない未確認IS、しかし政府は戦闘許可を出した」

 

今自分とあの黒いISは未確認機体とその所有者(おまけ)という認識でIS学園に保護されている状態だ

 

そのためIS学園は現在全IS所持国家に問合せをしてコアの所在をたしかめてもらっているところ・・・らしいのだが

 

確かに自分の不安定な立ち位置でISを起動するだけならまだしも戦闘を行うなんて正しい判断とは思えない

 

「『万一』の事故が起きないようにお前はこの一週間、アリーナを使ってISを動かせ、そしてなにか問題があったらすぐに報告しろ、これがアリーナ使用許可証だ」

 

カードのような許可証を受け取る、そこには今日の日付けから一週間となっている

 

「え、千冬ね・・・織斑先生、俺の分は?」

 

「お前は自分で許可を取れ、今は専用機もない。それよりも今日の朝私が言ったことを覚えているか?」

 

「う゛」

 

参考書と電話帳と間違えて捨てたんだっけ?

 

それで1週間ですべて覚えろと言われていた気がする。

 

まぁ、あれに書いてあることはほとんど基礎の事だったし覚えてしまえばなんていうことはない

 

「大体お前は・・・」

 

織斑先生が一夏に対して説教を始める

 

先生、一夏に対してはより一層厳しいな、身内だからろうか

 

でも誰に対しても不可能な事は要求しない、織斑千冬とはそういう人だ

 

スパンッ

 

だいぶ厳し目ではあるけど

 

「話は戻るが、中務。加えて本日付で一週間、中務は授業に出なくていい。自分のISの把握に努めろ」

 

え?

 

「一週間も授業休んで大丈夫なのかよ?」

 

「無論一週間後にテストを行うが中務の習熟度なら大丈夫だろう。入学前に少し勉強を見させてもらったが・・・織斑、お前と比べるべくもないな。暇なときに中務に教えてもらえ」

 

「う゛ぅ・・・お、おねがいします」

 

い、一夏がどんどん萎れていく

 

「あとは・・・お前たちの部屋だが、織斑は後で山田先生に聞け、中務は・・・」

 

「私の部屋ですね」

 

声のする方を見るとそこには凛と立つ女性の姿があった

 

『聞き覚えのある』どこかのお嬢様のような和やかな声

 

『見覚えのある』歩くたびにサラサラと靡く黒い髪

 

その自分にとって数少ない覚えのある女性は微笑した

 

「久しぶりね神楽君、元気にしていたかしら?」

 

「あ・・・うん、元気・・・でした」

 

「え、神楽、この女の人知り合いか?」

 

一夏の問いにコクリと頷く

 

この人は・・・

 

「はじめまして織斑一夏君。神楽の姉の中務禊です。神楽がお世話になってたようね、ご迷惑をおかけしました」

 

「あ、いや、神楽とは遊んだりしていただけだし迷惑ってほどじゃ・・・」

 

「先生も、うちの弟がお世話になりました」

 

「うむ、家族のお前に話を通さずに話を進めてすまなかったな」

 

この人は確かに僕の姉である中務禊その人だ、だけど・・・

 

「お前の姉ちゃんスゲー清楚な人だな、俺の姉とは大違・・・」

 

スパァンッ!

 

「い゛ッってぇー」

 

「何か・・・言ったか?」

 

先生、迫力がやばいです。今のは過去最高速度じゃないだろうか?

 

だって目に見えなかったし

 

一夏も一夏で何でわざわざ地雷を踏みに行くかな?芸人根性というものだろうか?

 

そんなことを考えながら横を見ると我が姉はクスクスと笑っていた

 

「学校の案内やその他は全てお前の姉に言ってある、荷物を部屋に置いて学校についていろいろ教えてもらえ。お前がアリーナで練習するときも必ず同伴させる。それと・・・」

 

今まで俺に話していた先生は姉に向き直って一瞬だけいつもより真剣な顔をした

 

「中務禊、お前は・・。」

 

「・・・はい、わかっています」

 

加えて姉の笑顔に少しだけ影がさした

 

しかしそれは一瞬だけ

 

「じゃあ神楽君?部屋に行こうか?そのあいだに案内できるところは案内しちゃうね?」

 

そう言って応接室を出て行く姉

 

「あ、うん・・・」

 

「神楽、お前自分の姉は大丈夫なのか?」

 

「僕を助けてくれた人でもあるからね、けど・・・」

 

「けど?」

 

「神楽君?何してるの?」

 

「あ・・・ご、ごめんなさい。じゃあ一夏、後でメールするよ」

 

「おう、お互いに頑張ろうぜ」

 

「・・・そうだね、頑張ろう」

 

その場を後にすると無言で歩き出す

 

そう頑張ってなんとしても勝たなくてはいけない

 

負けたらなら奴隷

 

その一言を聞いた瞬間から自分の頭の中の温度は氷点下まで冷え切っていた

 

絶対に奴隷にはなりたくない、戻りたくない・・・あんな生活に・・・

 

無言の道中は奴隷回避の方法を模索し続けることに神経の殆どを費やした

 

よって

 

「ここが今日からあなたの部屋になります・・・神楽君?」

 

「・・・えっ?あ、はい。」

 

病院からな帰り道、よく本を読んでいて知らないあいだに家についていることがあるが流石に人の後を追えるとは思わなかった

 

「これが鍵ね、じゃあ中に荷物を置いて着替えましょうか・・・ふふっ♪」

 

手動のドアを開ける姉の後ろ姿は機嫌が良さそうだ、何かいいことでもあったのだろうか

 

そう思って姉が開けてくれた部屋の中に入る

 

なんの警戒もせず、ただ導かれるままに

 

バタン、カチャリ

 

音に不信感を抱いて背後を振り返る

 

すると後ろ手で鍵を掛けた姉はこちらを見たまま先ほどと変わらぬ・・・

 

いや、先ほどとまったく同じだが何かが違う・・・そんな微笑を浮かべている

 

「これで万が一私の手から逃れてドアにたどり着いたとしても鍵を開けるために最低でも1秒の時間を要するわ。一秒あれば、私はあなたを確実に捕らえる事ができる」

 

「姉さ・・・」

 

「そのまま、荷物を床に置いて三歩後ろに下がりなさい、こっちを向いたまま・・・ね」




次の投稿は金曜日の22時でおなしゃしゅ

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