女性恐怖症のIS   作:概念

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SIDE---織斑千冬---

 

「これは・・・なんというか、異常だな」

「はい、異常ですねー」

織斑千冬と山田真耶の両名は任務によりとある廃墟に、訪れていた

千冬の携帯端末に緊急の任務が入ったのがつい三十分前

到着してすぐに見せられた廃墟の一室の光景はあまりに異常だった

唖然二人が見つめる先には一つの黒いISの機体があり、それを中心にして丁度半径2.5メートル程の血で描かれた完全円(パーフェクトサークル)

更に加えると少し細いがどうやら操縦者は男、しかも明らかに十代

「発見時の状況は?」

千冬が聞くと先にきていた識別班が状況を説明してくれた

「発見時はこの周りに18人の男性が倒れていました、その倒れていた集団というのはここら辺で有名な『運び屋』だったんですが、まぁそれは後ほど資料をご覧下さい。その集団はいずれも貧血の症状が見られました、後ははほとんど現状と変わりありません。それと・・・」

識別班は懐からカッターを出して刃先を出す

カッターはどこにでも売っている市販のものだ

「ご覧下さい」

識別班はそう言うと10cmぐらい伸ばした刃先だけをを円の中に入れる

すると

シュル・・・キン!

音が鳴った瞬間にはカッターの刃は粉々に砕け散っていた

「今のは・・・触手・・・ですかね」

確かに一瞬で見えたのは触手だった

円の中心にあるISからするりと出てきた触手が一瞬にしてカッターの刃を打ち砕き、そして戻っていった

「武器になるものをあの円の中に持ち込むとこのようになります。ISでの侵入し解除しようと試みたのですが、先程の触手に阻まれ失敗、現在膠着状態です」

「ふむ・・・ぎりぎり行けるか・・・」

「え?何か言いましたか?」

中心にあるISを見るとそこにはさきほどと変わらずに動く気配がなくただ佇んでいる

佇んでいるというよりも膝をついて傅いていると言ったほうがいいか

「織斑先生、どうしましょうか?」

「山田先生、私たちに言い渡された任務はなんだったか?」

聞くと真耶は慌てて携帯端末を取り出して内容を確認する

「えぇ?と・・・事態の収集と未確認IS所持者の連行です」

「そうだな。では、行ってくる」

「え?行ってくるって?えぇ?!?」

千冬はそう言うとスタスタと識別班が計測のために設置した簡易テーブルから適当なガバンを手に取り、また、スタスタと円の中に入っていった

「うわ?!って、あれ?触手がこない?」

そのまま歩いていきISのあるところまでつくとガバンを持っている手を高く掲げ・・・

スッパァーーーーーン!

そのまま景気よく振り下げた

「「えぇーーーーーーーーーーーーー!」」

そこにいる全員が唖然である、本人を除いて

SIDE---中務神楽---

 

「痛っっっっったぁ!何!?何!?」

強烈な頭頂部への痛みと共に急速に意識が覚醒した

「起きたか寝坊助め、起きたのならばさっさとそのISをしまえ」

女性の声が聞こえ、驚いて前を見るとそこには想像以上に綺麗な女性がいた

「うわっ」

反射的に目をそらしてその人を見ないようにする

「なん、なんなん何なんですかっ?」

「お前いま「なん」を何回言った?まぁいいからさっさとISを解け、危害は加えん」

女性はISを解けというがIS?ISって・・・

「!?」

自分の体を見てみるとこれはどう考えてもISを装着している

「は!?え!?なにこれっ!?どうなってるの!?」

黒いISは音もなくただ自分の手足に同調し視界にはあらゆる数値などが表示される

 

それはあまりにも自然な状態で意識しなければまるで生まれた時からこの状態であったかのような感じだ2

「なんだ?自分で展開したのではないのか?仕方ない、いいかただ戻れとISに念じるだけでいい、難しいことは必要じゃないISを動かしているのならわかるだろう?」

確かに操作法などは頭の中に思い浮かんでいる、落ち着け、落ち着け

「戻れっ」

淡い光とともに体に装着されたISが腕輪へと戻っていくのを感じる

そして完全に元の腕輪の形に戻る

「っ・・・」

その瞬間、体を何かが駆け巡った気がした

頭がふらつく、立ちくらみみたいだが少し違う気がする

平衡感覚が保てない、あれこれって倒れて・・・

 

ボスッ

「おっと、大丈夫か?」

誰かに抱きとめられる

その瞬間、声に戦慄した

女性だ

自分は今、女性に触れている

女性に抱きとめられている

優しく、しかしながらそこには確かに安心感がある

そう、まるで話に聞く「母親」のように・・・

思考がそこまで及ぶ前に、既に行動は行われていた

ほとんど入らない力でその女性を突き飛ばす

「ん?お前もしかして男…くっ!?」

その女性が苦悶の声をあげて地面に尻餅をついた

突き飛ばした反動で自分も倒れるがそれどころではない

来る・・・

・・・何であなたみたいな子が生まれてきたのかしら・・・

やめて

・・・あなたなんか私の子じゃない・・・

やめてよ、お母さん

・・・あなたなんて・・・

それ以上、それいじょういわないでっ!

・・・.う・ま・れ・て・こ・・・

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「!?」

目を瞑り、目を塞ぎ、ただただ叫ぶ

何を訴えるためではなく、その次の言葉が聞こえないように

ここで喉が潰れて声が出なくなったとしてもいいとさえ思える

聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくな・・・

まるで誰かに安全レバーを引かれたかのように、神楽の意識は急速に薄れていった

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