報告集『栄冠なき英雄達』   作:趣味全開人生

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世界に対してテロリスト及び犯罪勢力の掃滅及び各国への武力行使を宣言した武装組織プロジェクト・オーダー(以下、P.oと省略)は日本国の首都・東京への攻撃を実行に移した。


UMAP(国際機動平和維持部隊)及び自衛隊が応戦する中、POCU航空部隊所属のスコミムス隊が戦場に現れる――――!!




報告書015『プロジェクト・オーダー:後編』

 

 

「東京湾上空に展開している空自の戦闘機部隊に告ぐ!」

 

 

スコミムス隊に命を救われたF-15SJのパイロットが通信機で周囲の味方に呼びかける。

 

 

 

 

 

 

「POCU航空部隊が救援に来てくれた!今のうちに態勢を立て直すぞ!」

 

 

その声に応えるようにバラバラになっていた戦闘機隊が再び集結し編隊を組んでいく。

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

『よくも仲間を!』

 

 

 

後方に迫るフランカーもどきのパイロットらしき声が通信機から聞こえてくる。

 

 

 

 

機体を左90度バンクさせ、操縦桿を一気に引っ張るとそれに応えて機体が急旋回した。

 

 

ミラーを覗くと敵機もぴったりくっついてくる。

 

 

 

「腕が立つようだな!だが――――」

 

 

瞬時に操縦桿とラダーペダルを巧みに操作してコブラ機動に入る。

 

 

 

 

『なっ――――』

 

 

 

 

 

立ち上がった機首が重力に引かれて前へと倒れ、先ほどまで後ろにいた敵機が視界に入る。

 

 

「伊達に純愛の為に戦っちゃいない!」

 

 

 

 

トリガーを引き、機銃弾がフランカーもどきを引き裂いていく。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

少し離れた空域で乱戦状態に陥るP.oと空自の戦闘機。

 

 

 

後ろの敵機を何としても振り切ろうと急上昇、急降下、急旋回を繰り返す機体、その後ろから離れまいと必死に食らいつく機体。

 

 

しかし、敵味方が入り乱れたこの空域で同士討ちを恐れて誰もがトリガーを引くのを躊躇する――――そんな場に漆黒のSu-33が飛び込んでいく。

 

 

 

瞬時にフランカーもどきを捉え、次々とトリガーを引いていくその手に迷いは無かった。

 

 

 

爆散した敵機に目もくれずイーグルを追いかけ回している機に上から襲い掛かり、ミサイルを叩き込んだかと思うと次の瞬間にはF-16改が追跡している機を斜め後方から機銃で撃ち抜いていった。

 

 

 

 

 

「この状況で敵機だけ正確に落としているのか…!?」

 

 

瞬く間にスクリーンから敵機の表示が消えていく様子に空自パイロットはただただ驚愕するばかりだ。

 

 

 

 

 

「これが…スコミムス隊か」

 

 

その様子はまさに他の者を寄せ付けぬ空の王者だった――――

 

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

「複数の機で奴らを取り囲んで撃ち落とせ!」

 

 

P.o航空隊を率いる指揮官の号令に従い複数のフランカーもどきがSu-33を追いかけるが、決定的な所で決して後ろを取ることは出来ず、ひらりひらりと躱されていく。

 

 

 

 

「馬鹿な――――数ではこちらが上だぞ!しかもこうして囲んでいるというのに――――」

 

 

 

するといきなり、そのSu-33は急降下を始めた。

 

 

 

 

『逃がすか!』

 

 

P.o側のパイロットのひとりが機を急降下させて追いかける。

 

 

 

 

 

 

雲を突き破り海面が見えた瞬間、視界でSu-33が180度バンクを取ったのを確認したパイロットの脳裏に疑問が広がる。そして次の瞬間――――

 

 

一気にスピードを緩めたかと思うと海面に機首を向けた状態でコブラ機動を繰り出した――――

 

 

 

 

『ば…馬鹿な!?』

 

 

急降下を続けるフランカーもどきのコックピットでパイロットが真上を見ると、そこには機首をこちらに向けるSu-33の姿が。

 

 

 

そのまま機銃弾を叩き込まれたフランカーもどきが爆散、その煙を突き破るように上昇したかと思うとSu-33はそのまま次の敵機にミサイルを叩き込む。

 

 

 

そんなスコミムス隊の技量を前にしてP.o側の指揮官は完全に勝機を見出せなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

「――――これがスコミムス隊……!作戦失敗だ!全機ただちに撤退しろ!」

 

 

 

 

P.o航空隊に対して発せられたその通信は、誰が東京湾上空の制空権を手にしたかを知らしめる合図となった――――――――

 

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

航空隊が東京湾上空の制空権確保に失敗するや否や、東京の市街地で戦闘を続けていたP.oの兵士達は次々と敗北を認め白旗を掲げていく。

 

 

 

 

 

こうしてP.oによる東京攻撃は失敗した。しかし――――

 

 

 

 

 

「奴らの目論見は成功したようだな――――」

 

 

マヤ大国のPOCU本部で日本のニュースを見た司令官が苦々しい顔をする。

 

 

 

 

「攻撃による社会の混乱、買い占め、物価高騰、為替レートの変化………日本が被った経済的なダメージは人的被害のそれに匹敵する」

 

 

「はい。世界との交易が生命線である日本にとっては大きな打撃ですね」

 

 

司令官の言葉に同意するリー・ベクター。

 

 

 

 

 

――――そんな時だった。将校が慌てた様子で入ってきたのは。

 

 

 

「どうした、緊急事態か!?」

 

 

ノックもせず飛び込んできたのだ――――只事ではないだろう。

 

 

 

 

「司令官!向こうから……プロジェクト・オーダーから会談の申し出が!」

 

 

 

「――――――――会談……?」

 

 

 

 

 






如何でしたか?



次回はプロジェクト・オーダーのトップとPOCU司令官が直接対峙します!


あとお色気要素にもチャレンジしますのでお楽しみに!
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