POCUの調査でその存在が明らかになった世界的な犯罪組織ポーリュプス。
彼らが南米大陸北部・アティアント豪商連合領内に建設した巨大な施設、そこに置かれた本部を叩くべくプロジェクト・オーダーが独自に攻撃を行おうとしていた――――
――――南米大陸北部:アティアント豪商連合領
夜空に轟くジェットエンジンの音。星が広がり月光が優しく照らす空を駆け抜ける黒い影。
それはプロジェクト・オーダーがシベリアン・ロシアのSu-57をベースにして開発したステルス戦闘機「オーディン」で構成された10数機の編隊だった。
「これよりポーリュプスの要塞――――トラロックを攻撃する。準備しろ」
先頭を飛行する機のコックピットで隊長が指示を飛ばし、機のEOTSが捉えた前方の要塞をHMDに映す。
「用意はいいか?――――攻
攻撃開始、と言おうとした次の瞬間には地上から放たれたレールガンの砲弾がオーディンのコックピットを貫通し、爆炎が夜空を照らした。
「散開しろ!真っ直ぐ飛ぶな!」
指揮権を継承した士官が通信機に怒鳴りながら操縦桿を倒す。
しかし、トラロック要塞の防空施設はその名の由来たるアステカ神話の雨と雷の神の如くレールガン砲撃を無数に繰り出して不規則に飛行するオーディンを正確無比に撃ち抜いていく。
「畜生!!こうなったら要塞に突っ込んでやる!」
パイロットが操縦桿を倒し、エンジンを最大出力にする。
轟音を響かせながら上空から砲弾の如く真っ直ぐ突入するオーディン――――だが、そこに極超音速で撃ち出された砲弾が直撃し、機体は爆発四散した。
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同時刻:ミストルテ国・POCU本部
「ポーリュプスがアティアント豪商連合領に建設した本部ですが文字通り難攻不落の要塞です。レールガンおよび極超音速ミサイルによる強固な防空施設が存在し、それらは宇宙空間に打ち出された静止衛星のセンサーと連動しています」
タブレットを操作しながら説明するベクター。それと同時に司令官のPCに施設の衛星画像が表示される。
「よって空爆で施設を破壊する事は困難です。ステルス機であっても衛星のセンサーに引っかかって要塞に接近する前にミサイルかレールガンで撃墜されます」
「我々の目を引き付ける囮の要塞に随分とカネをかけるんだな、ポーリュプスは」
要塞の強固な防空設備に感心する司令官。そこにデスクの電話が鳴る。
「統合情報部から、か……私だ」
「司令官、あの要塞について新たな情報が分かりました。そちらに転送いたします」
統合情報部の責任者の言葉通り、PCに新たな情報が転送される。ベクターのタブレットからも音がした辺り、そちらにも情報を回してくれたらしい。
「――――あの要塞自体は囮ですが、現地の犯罪組織を丸ごと雇って運営させているようですね。しかもあの要塞の圧倒的な武力を背景にならず者達が周辺でやりたい放題している、と」
「まったく……放っておくわけにもいかないな。あの要塞を潰すぞ」
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数日後:アティアント豪商連合領内
ジャングル内を進む兵士達。彼らの動きに無駄はなく、常に周囲への警戒を絶やさず隙を見せない姿はまさに精鋭のそれだった。
――――そして彼らの戦闘服には「POCU」の文字が。
選抜特殊作戦部隊『ARES』。それが彼らの名だ。
――――要塞付近にある村の娘たちが根こそぎ攫われ、とある廃村に集められているとの情報がもたらされた事で本部は海上作戦部隊による攻撃の前に彼女達の救出を決定。
場所がPOCUに対して敵対的なアティアント豪商連合領という事もありARESを潜入させて救出するというプランが立てられたのだ。
「いいか、なるべく気付かれないように敵を無力化しろ。気付かれて囚われている女性達に何かがあってはいけない」
指揮官が部下達にそう命じると、隊員達から「了解」との返答があった。
「よし――――もうすぐ村だ。いくぞ」
如何でしたか?次回はARESの皆さんがご活躍しますのでお楽しみに!