報告集『栄冠なき英雄達』   作:趣味全開人生

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とある犯罪組織の被害を受けているハイメイジェンでとある犯罪組織のトップ達が極秘裏に会合するとの情報を掴んだプロジェクト・オーダーは、一般人の巻き添えも辞さない無差別攻撃で彼らを排除しようと大規模な戦車部隊を送り込んで警備にあたっていたハイメイジェン軍を物量で圧倒しようとするが、そこにPOCUの戦車部隊であるタラルラス隊が救援に駆け付ける。


その一方で、犯罪組織のトップ達が集う列車を待ち構えるようにプロジェクト・オーダーの別動隊が動き出していた――――




報告書034『鋼鉄の獣たち:後編』

 

 

――――プロジェクト・オーダー所属のリンクス120軽戦車とKF41リンクス歩兵戦闘車で構成された大部隊が線路を封鎖すべく動き出し、線路を目指して前進する――――

 

 

 

――――その直後、部隊を先導していたリンクス120が爆発炎上した。

 

そしてゼネラル・エレクトリック TF34エンジンの轟音を轟かせながら漆黒のA-10が上空を通り過ぎる。

 

 

《こちらレックス・リーダー、プロジェクト・オーダーの別動隊を確認――――攻撃を開始する》

 

 

酸素マスクに内蔵されたマスク越しに本部にそう報告したパイロットが操縦桿を操作し、機首を再び地上に向ける――――そしてGAU-8 アヴェンジャーガトリング砲の轟音が響いた次の瞬間には複数のリンクスが無残な躯となり果てた。

 

 

 

《悪いな、アンタ達に恨みはないが無差別攻撃はさせるわけにはいかない》

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

一方、ハイメイジェン軍の救援に向かったタラルラス隊のエイブラムス。

 

 

既にハイメイジェン軍の99B式や100式との連携でパンター戦車の大多数を躯に変えていた彼らは残敵の掃討をハイメイジェン軍に任せ、次の敵と対峙すべく方向を変えた――――

 

 

 

――――その砲口が睨む先にはT-14戦車の大部隊が迫っている。

 

 

と、そこへハイメイジェン軍の指揮官が搭乗する99B式戦車に通信が入る。

 

 

 

『こちらB部隊所属の車両、敵からの攻撃で行動不能――――援護を求めます!』

 

――――それは最初にT-14の砲撃を受けて行動不能になった車両からの通信だった。

 

 

「そこで待て、救援を向かわせる!」

 

上空を飛行する無人機のカメラ情報を呼び出し、当該車両の現在位置を確認――――マップ上に赤いマーカーが付く。

 

 

 

「POCU所属タラルラス隊、聞こえるか?こちらはハイメイジェン軍――――我が方の味方車両が敵の砲撃を受けて行動不能になった――――だが乗員は生存しているようだ。無人機からの観測情報によればあなた方の方が近い。彼らを救ってくれないだろうか」

 

 

『こちらタラルラス隊、了解した。安心してほしい』

 

 

タラルラス隊からの頼もしい返答に安堵する指揮官だった。

 

 

 

――――行動不能になった100式戦車を護るように1両に対して複数のエイブラムスが盾となる形で囲み、迫りくるT-14部隊に砲撃を浴びせる。

 

 

「敵は頑丈だ。履帯を狙え!」

 

 

車長がそう指示を出し、主砲が轟音を響かせるたびにT-14が1両、また1両と動きを止められる。

 

 

「とりあえず進軍は止められそうだが――――敵はまだ生きている、このままでは膠着状態になるな――――」

 

 

 

――――そこへ何発ものAGM-65マーベリック空対地ミサイルが飛来し、20数両のT-14を直撃。無人砲塔が破壊され、そこから炎が吹き上がる。

 

やがて頼もしいエンジン音と共に漆黒のA-10が飛来した。

 

 

《こちらタルボ・リーダー。これより敵を掃討する》

 

 

 

そしてアヴェンジャーの雄叫びが響くたびにT-14が1両、また1両と戦闘不能になっていく。

 

 

 

 

――――その頃、犯罪組織のトップ達が会合場所として利用していた列車はPOCUからの連絡で緊急停止し再度の連絡を待っていた。

 

 

 

――――だが、トップ達はその知らせに顔を青くしていた。

 

 

攻撃を仕掛けてきたのはプロジェクト・オーダーという組織だという――――明らかに狙いは自分達だろう。

 

 

そこにPOCUがやってきてプロジェクト・オーダーを攻撃している。だが、それはあくまでも一般人を巻き添えにしないためだ。

 

 

そして、既にここに自分達がいる事はPOCUにばれている。

 

 

 

そこへ密かに呼び出した軽装甲車が駆け付け、降りてきたギャング達がトップ達の乗る最後尾車両の扉を開錠する。

 

 

「ボス!お客さん方!助けに来ましたぜ!」

 

 

「おお!待っておったぞ!」

 

 

 

駆け足で乗り込んだトップ達の安全を確かめた部隊長が発車の指示を出し、猛スピードで味方部隊を目指す装甲車。

 

 

「――――見えた!」

 

 

数百メートル先に展開するギャングの地上部隊――――それを見たトップ達が安堵の表情を浮かべた次の瞬間、後方から飛来した空対地ミサイルが次々と戦車や装甲車を喰らい、鉄屑へと変えていく。

 

 

プロジェクト・オーダーのリンクス部隊を掃討したレックス隊が標的をギャングに変更したのだ。

 

 

 

「う、うわあああああ!」

 

 

トップのひとりがドアを開け、地面へと転がり落ちる――――そして先ほどまで乗っていた装甲車をアヴェンジャーの咆哮が呑みこみ、中に乗っていた残りのトップやその他のギャングを車両もろともバラバラにする。

 

 

 

「あ……ああ………」

 

派手に燃え上がる、装甲車だった残骸――――そして人間だった黒焦げの肉片――――それを見て恐怖のあまり失禁する。

 

 

 

「し、死にたくない……」

 

這いつくばりながら必死に逃げようとする――――が、レックス・リーダーはそれを見逃さなかった。

 

 

 

「これまでの悪行、地獄で悔いろ」

 

死刑を宣告する裁判官の如く、死刑を行う執行人の如く冷たい声と共に地面に這いつくばる憐れな標的に狙いを定め、引き金を引く――――

 

 

 

鋼鉄の豪雨が降り注ぎ、地面が耕される――――そして土煙が収まると、そこには何も残っていなかった。

 

――――少し赤くなった土以外は。

 

 

 

「――――こちらレックス・リーダー。標的の死亡を確認。繰り替えす、標的の死亡を確認」

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

レックス・リーダーからの通信を受けたタラルラス隊の指揮官が無線を緊急用の周波数チャンネルに変えてマイクに呼びかける。

 

 

「交戦中のプロジェクト・オーダー部隊、聞こえるか。君たちの標的は既に我が方の航空部隊が仕留めた。もう攻撃する理由は無い筈だ――――戦闘を停止して貰いたい」

 

 

『――――分かった。直ちに戦闘を停止する』

 

 

 

タラルラス隊指揮官からの通信でPOCUとハイメイジェン軍の戦車部隊が砲撃を止める――――その数秒後にプロジェクト・オーダーの戦車部隊も主砲を沈黙させるのだった。

 

 

 

 






――――如何でしたか?いきなりですが次回は別作品としてR18のエッチな内容を書いてみたいと思います。

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