【現在___2073年】
___懐かしい場所に足を運んだ。
たびたび掃除をしに来てはいるが、管理者と神主がいないため一週間たてばすぐに雑草まみれになっている。本堂は町の人たちからの要請もあり、崩れないように補強工事が入ったが、やはり人が来ないため汚れがところどころ見える。
ここは『篠ノ之神社』。神社としてだけでなく、『篠ノ之流』という独特な流派の剣術を扱っている道場も備えている珍しい神社だ。
目を瞑ると、七年前まで
____これは九年前の記憶だ。
九年前は二人と初めて出会った時だ。道場で鍛錬をしていたら、師範こと
【九年前___2064年】
__高校三年生、年齢にして18歳。性別は女、いわゆるJKである。
学校での成績は全学年中トップ。男女年齢問わず人気があり、憧れの眼を向けらることもある。しかし評価はバラバラ。教師からは「子供の皮を被った大人」という冗談まで言われる始末。この冗談には少なからずドキリとした。
近所の評判は悪くない。むしろ過大評価並みである。昔からおばあちゃんっ子だった故か、ご年配の方のほうが接しやすく、ボランティア活動には積極的に参加しているのでご年配に好かれやすい。そのため、話すことは
ついでにお菓子やら野菜やら、おすそ分けなどをよく貰う。
例えを上げるなら『MH4G』『3DS』『PS4』『BIOHAZARD』『BF』『SAO』『アズレン』『艦これ』『蒼焔の艦隊』『プリコネ』『ウマ娘』『イニDZERO~Arcade』『シンゴジ』『ロスワ』『ダンカグ』『千本桜』『仮面ライダー(平成ライダー&ゼロワン)』etc……50~60年もの前の話題を好む故に、彼女は同じ趣味を持つ親友と呼べる友が少ない。
そんな彼女は、自宅の自室で一口大の氷をかみ砕きながら『塩の街』というライトノベルを呼んでいた。
「___うむ、やはりこの本は面白い」
ラノベを閉じ本棚へ戻す。そして、護身用として懐に隠していた小太刀と
そんな彼__否、
そして、彼がこの世界に来た経緯としてはまさにテンプレ展開であった。『大型トラック』、と言えば察していただけるだろうか。そう、
真っ白な部屋で
【人は憧れを目の前にすると警戒心が揺らぐものである。気のゆるみや、転生させてもらえるのでは?という期待が強ければ、例え殺されたとしてもソレを許してしまうものである。】
さらに死なせてしまったお詫びとして、決まってはいるがとある世界の原作開始前に転生させてくれること、お詫び__いわゆる神様特典を三つもくれるというではないか。
転生できる、特典がもらえると聞いた瞬間、彼は思った。
___テンプレだなぁ。
「テンプレだなぁ」
口にも出していた。
それほど衝撃的であり魅力的なのだ、神様のお詫びもとい
そしてそのプレゼントを、彼は迷うことなくもらうことにした。だが、その前に転生先を教えてもらうことにする。その転生先に合った能力にしなければならないからだ。所謂適材適所というものだ。ゆえに聞いた。「どこに転生するのか」と。
神は答えた。
「ISの世界です」
・・・・・・・・・・・・????
理解が出来なかった。だからもう一回聞いた。
「IS__インフィニット・ストラトスの世界です」
その瞬間、速攻で特典を決めた。
一つ『女にしてくれ。』
二つ『蒼焔の艦隊で所持していた艦艇を戦技・性能・クルー・パーツもそのままで、艦娘・KAN-SENみたいに纏ったり具現化できる。』と頼んだ。
三つ目は、決める前に訪ねたいことがあったからそれから聞くことにした。
一つ目に関しては、性転換してみたいという欲望などからではなく、単に『女性の方が都合がいいから』である。理由として『IS』の世界は簡単に言えば『女尊男卑』が蔓延っている世界だからだ。
彼は
二つ目に関しては、男の浪漫『軍艦に乗ってみたい』という想いからである。戦艦・重巡に乗って巨砲が撃ちだす砲弾が敵艦を木端微塵にするのが見たい。空母に乗って大空へと飛び立つ戦闘機・爆撃機を見たい。軽巡・駆逐艦に乗って発射された魚雷や爆雷が敵艦を引き裂くのが見たい。潜水艦に乗って見つかったら終わりというスリルを味わいながら敵艦を魚雷で狙い撃ちたい。そんな思いで生前プレイしていた『蒼焔の艦隊』を引っ張ってきたのだ。それに転生した世界に『
だが、これは自分が『蒼焔の艦隊』という存在を忘れたくないためだけに付けてもらうものだった。海で出して政府とか誰かに見られたら大変だ。それに、彼は別に原作に関わろうとは思っていないし、IS(機体の方)に関するめんどくさい勉強をしたくないからIS(機体の方)とも関わりたくはなかった。関わったところで、恐らく周りは女尊男卑主義者だらけ、優劣の差別、穏健・過激・反IS・亡国機業などの争いに巻き込まれるのも、元にはなるが
『女尊男卑』という、ISという作品を見た時から『男尊女卑』という単語よりも言いやすくなってしまった概念から想像できることに頭を痛めながら、三つ目に関して__何故三つもくれるのか尋ねた。
この時に余計なことを考えずに決めておけばよかったと後悔することとなった。
原作無介入/無視を撤回し、原作介入を思いっきりすることを決意した。
そして、後悔と言う感情以上に怒りでいっぱいになった。
神の口から聞かれたことは、なんとも胸糞の悪い事だった。
端的に言えば、【悪意】から世界を見る屑な転生者達が能力を使って『
そして、崩壊阻止のために『IS』という世界を悪意なくみて純粋に楽しんでいる彼の魂に目を付けたのだという。
だが、ここで一瞬だけ考えてしまった。
この神様は本当は、崩壊の阻止をさせるために、
しかし、どちらにしろ、能力はもう二個決めてしまったので後戻りはできないと悟った。
そして同時に、原作キャラたちを__主人公たちを守らねばと誓った。何が何でも、どんな手段を使ってでも____
____例え誰かを殺し、失望されることになろうとも。
だが、一人では原作キャラを全員守ることはできない。各キャラは別々の地域や国に住んでいるし、一部に関してはどこにいるかもわからない。
主要国は日本、イギリス、中国、フランス、ドイツ、アメリカ・・・・・・その中で、物語上鍵となる国は『日本』と『ドイツ』だ。日本は、主人公組含むほとんどのキャラクターが勉学に励む学園がある国であり、ISもこの国
ちなみにだが、原作キャラの中には
亡国機業も救うためには接触が必要だ。だが、どこにいて、何処に本拠地・支部があるかもわからない。探し出すためにも、圧倒的な量の各国の情報と、国を動かせる権力または繋がりが必要だと考えた。故に彼は、最後の一つを転生特典ではなかなかに類を見ないであろうものにした。
__________。
「・・・・・・わかりました。そのように手配します」
神様が一瞬目を閉じて再度開けた時、瞳の奥の色が変わっていたような気がした。
「・・・・・・・・・・・・手配が完了しました。お好きなタイミングで転生出来ます」
____感謝する。
つい、と言えばよいのだろうか。癖で頭を撫でてしまった。
幼女神様が一瞬キョトンとして、すぐに「なにを・・・・・・」と言いたそうな顔をしている。「ただの癖だ。気にするな」と言って、手のひらに収まりそうな小さな頭をもう三回くらい撫で回す。
三回撫でまわし終わり、名残惜しそうに手を離し、早速やってくれと頼む。
神様は「わかりました」と短く答え、両手を何もない空間にかざす。すると、空間に歪みが生じ真っ白な光を放つ
純白の光を放射状に放つ穴の前に立つ。すると、勢いよく回れ右をし軍靴を鳴らしながら姿勢を正し、背筋を伸ばす。軍帽は取らずに、神様に視線を落とす。神様もまたこちらを背筋を伸ばしながら見ている。
男は指先までピンッと伸ばした右手をやや右の額まで上げる。敬礼だ。
少女もまた、敬礼をする。
二人は瞬きすらせずに、お互いの眼を見続けた。10秒経った後、二人とも敬礼を解く。
男が「行って参ります」と叫んだ。神様は「行ってらしゃい。あの子たちを、よろしくね・・・♪」と言ってほほ笑む。
部外者が見ると、戦場へ往く父を敬礼で見送る娘と、敬礼で見送る娘に敬礼で応える父だろう。しかし、当事者の二人は違う。男は、「あいつが生きていたら、こんな子になっていただろう」と。神様は「わたしが生きていたら、いつになっても甘えてたんだろうなぁ」と。声には出さず、心の中でつぶやく。
男は微笑を浮かべ、穴へと振り向きそのまま歩き出した。光の強さが一層濃くなる____。
髪の毛・・・さらさらだったな・・・・・・。
どうもあの髪質は触ったことがあったように感じる。
あの触り心地は、さくらに似ていた。
___てなことがあったわけですよ。
あ、どうも『荒神』です。え?さっきまでシリウスっぽかったのに、なんだこの温度差は、だと?
いやいやあらすじにもあっただろう【おふざけ有】って。これがあるからメタ発言も言えるし言うし、そっちに話しかけたりできるのだ。私限定だけが・・・・・・残念。
メタいのはここまでにして、真面目に行こう。
『塩の街』を本棚に戻し、銃刀の手入れを終えた私は、席を立ち中身の入った竹刀袋を斜めにかける。稽古の時間が迫っている。読みふけっていたようだ、急がねばならない。師範は時間に厳しいからな。遅れたら素振り千回だ。因みに前科有だ、私は。
部屋のドアを開けながら、ふと昨日師範から言われたことを思い出す。
『奈落くん、ちょっといいか?』
『はい、なんでしょう?』
『明日、千冬くんの弟くんである一夏くんが入門することになった』
『彼がですか?』
『うむ。体験の時に太刀筋を見てみたが、千冬くんに似ていい筋をもっているからな、つい__』
『入ってみないかと誘ってしまった、と?』
『ああ。 そこでだ、千冬くんと一緒に君が世話をしてくれないか? 子供の世話は得意だろ?』
『そうやっていっつも私に任せますよね? ただでさえ篠ノ之流は玄人向けなんですから』
『そこはすまないと思っている。 それで、頼まれてくれるかね?』
『いいですよ。どちらにしろ、多分私から世話をしに行くと思うので』
『ああ、それもそうか。それじゃぁ頼んだよ?』
『ええ、頼まれました』
ということがありました。
___アァ・・・早く会いたいなぁ・・・・・・。
私は
そういえば諸君らは一夏きゅん・・・失礼、一夏君の出生を知っているだろうか。知っている方は、まぁ、想像がつくのではないかね? 知らない方は、ウィキに記載されているから『IS〈インフィニット・ストラトス〉』で調べて見ておくといい。結構闇が深いぞ、彼は。・・・・・・いや、彼等は、か。
まぁ、私が変態でもあるし、彼の
さて、一夏くんが剣道体験に来ていた時から会話したり、剣道場での千冬ちゃんのことを一夏くんに話したりしてある程度のパイプを繋げてはいるが、これからそれ以上に関係は濃くなっていくであろう。
そして、これが重要。『
____私がもらった能力はどちらかといえば物理系で特性も物理だからな。殴る、蹴る、
その転生者は良くも悪くも『力こそ正義』思想であり、催眠系などは想い至らなかったらしい。___ようは暴力こそが圧倒的な力と思っている暴漢だ。両親や周りの人間が暴力をしたゆえに、暴力=
二人目の方だが、こちらは友好的らしいが、ISの世界に転生と聞いた瞬間二つの感情があったらしい。一つ、
___因みに二人目の能力は察しているだろうが「
まぁ、こっちは害はなさそうだし、屑による妨害が無いとも限らないので部下を使って見張らせているから原作開始までは安心だろう。
さて、と。整理はこれくらいにしておこう。他のことは後々ということで。
んじゃ
___次回がいつ投稿されるか知らんが。【
うおっと! これ以上遅れたら本気で素振り千本する羽目になるから今回はここまで!
「
彼女に与えられた特典は__
一つ目「女性として生を受ける」
二つ目「蒼焔の艦隊で所持していた艦艇を艦娘・KAN-SENみたいに纏ったり具現化できる」
三つ目『「全世界の各国政府と自衛隊・軍隊との関係の樹立」』
__の三つである。
しかし、このうちの一つ、「能力」に分類される二つ目の「蒼焔の艦隊で所持していた艦艇を艦娘・KAN-SENみたいに纏ったり具現化できる」__この能力が、とある神と別の
主人公の名前はゴッドイーターの『アラガミ』とフリーホラーゲーム「奈落」から取りました。
あと、主人公が呼んでいたラノベは普通にAmazonでも売ってます。皆さんも読んでみましょう。
金と
因みにサブタイトルはドイツ語。