矛盾点などありましたら言ってください。
(30分位で作ったからぐちゃぐちゃです)
私は今から人を殺す。
他ならぬ親友を殺す。自分の都合のために殺す。
……この世界には強者と弱者とが存在する。今から簡単な質問をする。自分が強者として、強者と弱者とが存在する場合、どちらの味方をするか。
臆病者なら強者と答えるだろう。
偽善者なら弱者と答えるだろう。
私は違う。力を持つから何かに怯える必要はない。偽善を行ったところで私の評価を変える者もいない。
だから私は答える。「全てを受け入れる」と…。
……話を戻そう。私がこのは、親友だ。殺すと言っても、実際に暴力をもって殺すわけではない。ただ約束を守ってもらうだけだ。
時は遡り、私は悩んでいた。何を隠そう、私には今邪魔な者がいる。よりによって自分の親友を邪魔者と称するのにはは理由がある。
力を持つ彼女が邪魔だ。人の癖に中途半端に力を持つ彼女が邪魔だ。力を持つ癖にそれを誇示しない彼女が邪魔だ。強い正義感を持つ彼女が邪魔だ。その癖妖怪に愛される彼女が邪魔だ。その癖人に愛されようとしない彼女が邪魔だ。
妖怪は人よりも強くてはならない。そうなっているからだ。力で敵わない人が知恵を使い、一人の僅かな力を持つ『象徴』を中心に妖怪と均衡を保つ世界を私は望んでいた。しかしその『僅かな』力を持つ一人が世界の理を壊した。
「彼女は一人でも妖怪と闘える」
その事実だけで世界の均衡は大きく崩れ去った。妖怪は人を襲えないことに苛立ちを覚え、人は妖怪よりも『中心となるべき象徴』をより恐れ、『中心となるべき象徴』は一人で全てを守ろうとしていた。端的に言えば私の望む世界と逆に物事が動き出したのだ。
今はまだよい。彼女が生きているのだから。しかし、彼女の死後、ここはどうなるのか?
妖怪は無差別に人を襲い、人々は恐怖する。恐怖のなかで次が起きるのかと言えば、争いである。恐れた人々は、その心のスキマを人から奪うことで埋めていく。
だから私は彼女を消さなければいけない。
しかし、方法がない。私の能力をもってしても幻想卿に生きる数多の生き物の記憶と忘却の境界を操るのは困難だ。しかも彼女のことは多くの人が良くも悪くも脳裏に刻み込まれている。引き剥がすのは困難だ。
時は現在に戻る。宴会の最中、彼女に伝えたいことを伝え、もう宴会も終わっていた。
今は親友と、その思いの人との甘い一時だ。無粋なまねはしない。静かに見守るのだ。残された僅かな時間を、そうとも知らずに懸命に生きる彼女を見守らなくてはいけない。それが私が『親友』としてできる残り少な麗とである。これからは非情で胡散臭く、悪名だかい『幻想卿の管理者』として彼女を見なくてはいけない。そう思うだけで胸が締め付けられる。
その時、男の言葉が私に奇跡を与える。
『もし生きて帰ってこなかったら、忘れてやる。』
この言葉で私の計画に欠けていたピースが全て当てはまる。
後は簡単だ。
香霖堂が一人になったときにさらい、適当にけしかけ契約させる『もし○○が死んだら自分の○○に関する全ての記憶を消す』と。渋るだろうが、いい意味でも悪い意味でも単純な彼のことだ「彼女のことが信じられないのか?」とでもいえば契約してくれるだろう。
もし彼女が生きて帰ってくれば、それでよかったと笑顔で迎える。
もし彼女が死んでしまえば、彼女に関する記憶を失った香霖堂の記憶を幻想卿に生きる数多の生き物の記憶と共有させればいい。1から全ての記憶を書き換えることはできないが、一人でも彼女のことを完全に忘れてしまっている人がいるなら話は違う。利用できるものは全て利用する。それが私の『幻想卿の管理者』としての行動理念だ。
■■■■
そうして様々な下準備をしているうちにルーミアが暴れだした。
多くの人が襲われている。この状況を見逃す彼女ではない。そのうち来るだろう。私は最後の仕上げに取りかかる。
ようやく来た。
私の理想の幻想卿を、強者を、弱者を守るため私は冷徹になる。非情になる。そうしなければ耐えられないから。
■■■■
戦況はやはり○○の防戦一方だ。ダメージこそ少ないがかなり疲労している。
そんな彼女をみて、私は涙を流す。親友を見殺しにするようなことやはりできるわけがない。
何度も飛び出そうとした。しかし、出てはいけない。私は『幻想卿の管理者』なのだから。幻想卿のためだけに動かなければならない。そうなっているのだから。
……彼女に呼ばれた。親友って言ってくれた。私は彼女をスキマからずっと見ている。涙で顔を歪めながら見守っている。早く終わってくれと何度願ったことだろう。それも叶わない……。
……ここで意識が飛んだ。
■■■■
式の籃にたたき起こされ目を覚ます。
「籃、異変はどうなったの?」
私は焦る気持ちを必死に押さえながら籃に『幻想卿の管理者』として尋ねる。
「博麗の巫女は敗れ、亡くなりました。」
私は絶望する。
自分で望んだ結果のはずなのに、心が壊れるような音がする。
「そう、遺体はどうしたの?」
「今は香霖堂さんがどうしてもというので彼に預けてあります。」
そのあとに、「私もその方がよいと判断しましたので……」と続け、口を紡ぐ。
「わかったわ。貴女は橙をつれて被害の状況を確認してちょうだい。必要があるなら怪我人の治療なんかもお願い。」
「わかりました。」と彼女は答え、その場を去る。
私も動かなければならない。幻想卿を守るために。
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香霖堂のもとへ到着する。
話を伝えると、彼は殆ど放心状態のようだ。それならば話は早い。早くことを終わらせよう。そうしなければ私が耐えられなくなる。
彼から記憶を消去する。そしてそのまま、幻想卿に生きる全ての彼女に関する記憶を消すため妖力を練る。
その時ふっと思い出した。
外界に住む誰かの言葉だ、
『人は忘れられたときに本当の意味で死ぬ』
それならば彼女を私の中で生き続けさせよう。酷いことをしてしまった分。優しくしてあげなければならない。
それが私ができる『親友』として、『幻想卿の管理者』として一匹の妖怪としてできる最後のことだから……。
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これからどうするか、それについては考えてある。ルーミアの力だけでも封印できたのだから、おまけで約束を叶えさせてあげよう。
霊夢は香霖堂に預けることにした。それが彼女の願いの一部であるから。そして一応『博麗麗女』の肩書きがある以上霊夢は神社を無闇に離れるわけにはいかない。だから香霖堂も博麗神社で寝泊まりさせることにした。
香霖堂には「やりたくない」といわれたが、
「あなたしかいないのよ♪」
と上目遣いでお願いしたら快く受け入れてくれた。やっぱりかわいいは正義ね♪
それと霊夢には実践的な格闘術ではなく、遊びに近い霊弾の撃ち合いを近くの妖精たちとさせている。これからの幻想卿のため、悲しむ人が少なくなるにはこれがベストだと思うからである。
「相手の命までは奪わないこと。美しくあること。勝っても必要以上に相手から奪わないこと。……こんなものかしら。」
私は今、新しい幻想卿のためのルールを決めている。
彼女のような悲劇を起こさなくていいように……。