気が付いたら幽霊屋敷の主人になってました。   作:八雲ネム

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プロローグ

 幽霊屋敷、と聞いたら大半の人がリングを始めとするホラーな創作物に出てくる家屋を思い浮かべるだろうし、以前の俺もその1人だったのだが今の認識は大きく変わった。

 幽霊に該当する彼ら、魑魅魍魎とした存在であるゴーストタイプのポケモンは俺も含めた普通の人間にとって危険な存在でありながら、個人用にはかけがえのない存在でもある。

 その為、近くのコンビニとかへ行くのに車やバイクなどの足が必要となる程の田舎にある家屋が彼らの住処なのだが、電気や水道の他にネットなどの生活インフラが完備されているのでそれを元手に仕事や通販ができるからまぁ良いか、と思って生活をする事にした。

 

 何しろ、根っこの性格は人見知りの引き篭もり気質なのであまり外には出たくないし、なんなら今ある資産の合計が向こう30年は普通に生活できるレベルなのでグーダラ生活しても良い。

 まぁ、そんな生活は流石に暇すぎるのでイラストを描く場面を生放送で流したり、リアルタイムでゲーム実況をやるなどの動画配信をやる合間に家庭菜園をしたりしてそこそこ充実した日々を送っていた。1つの不満点を除いて。

 それは現実(リアル)ではなく、ゲームからアニメまで様々なコンテンツに広がっていた創作物としてのポケモンが存在しない事だ。

 

 一応、俺の記憶が確かならポケモンというコンテンツは世界規模で認知される程に有名だと思っていたのだが、この世界ではコンテンツは勿論だが制作会社すら存在していなかった。

 創作物として、ポケモンがいない世界かと思って今の世界で意識を取り戻してからネットサーフィンをしてガッカリした記憶がある。

 しかし、それに呼応する形で実体を伴ったゲンガー達が姿を現したので、彼らに出会えた興奮でガッカリした気持ちが吹き飛んだのは言うまでもない。

 

 さて、自己紹介が遅れたが創作物としてのポケモンを知っている一方で性別やどんな人間だったかといった記憶を思い出せず、今の世界では小さい頃から親がいない生活を送っていた記憶があるものの、ゲンガー達がいたのでそこまで寂しくはなかった。

 とは言え、今の自意識がハッキリしたのは中学を卒業する頃だったので、それまでの経験は長い夢を見ていたかの様にぼんやりしていた為、色々と抜け落ちている部分はあるだろうな。

 その為、今は佐藤 (たける)という名前を持つ18歳の若造なのだが高校は通学時間の問題で、通信制の所に入学して単位を取って卒業したので交友関係は殆どなかった。

 

 理由としては、ポケモン達の世話やきのみの栽培、家の清掃などを一手にやらないと行けないから何時間も掛かる通学時間をなくしたかったのが大きい。

 その分、世間知らずになったと思うがそもそもとして自分だけが彼らの存在を理解している現状において、人を殺す事に躊躇いのないゲンガー達を放置して他の家に長居する事なんて考えられない。

 それに、他の動物の様にポケモンは付き合い方さえ、間違えなければ相棒の様な存在になり得る事を世界に知らしめたいと思って動画配信をやり始めたので長期間、家を離れて活動する様な行動を当面は取らないと思う。

 

(放送開始時間だね)

「はいはーい、ポケモンチャンネルのヌケニンです。今日は雑談枠でやっていきますよ〜」

 

 その為、今日もポケモン達に囲まれて配信をしていくのだった。

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