命の危険を感じてブラック企業を退職したのに…… 作:オリジーム
この俺さ!
って事で難産でしたお納めください。
それにしてもバベルおもろすぎ。前ドクター最高にヤベー奴で最高か???
何故彼は────何故あんな風に戦えるのかしら?
「いやっふぅぅぅ!!! ブベラッ!」
海の怪物。古き時代から戦い続けた侵略者。本来ならば地上の人ではそうそう対抗出来る相手ではない筈なのに……彼は違った。
「っぺっぺ、口の中に砂が入ったじゃねぇーか!」
どう見ても致命傷な一撃を受け、遠くまで吹っ飛ばされたはずなのに、起き上がった彼に傷はない。かすり傷一つ負っていない彼はすぐさま起き上がると私でも躊躇するほどの怪物の軍団へと突撃する。彼曰く鈍ら、ろくに斬れもしないと自称する身の丈ほどの大剣を振り回すと易々と怪物の皮膚を切り裂き、青色の体液を噴出させ絶命させる。数々の敵を屠り続けながら突撃する彼、しかしその眼前に身の丈以上の個体が立ちふさがる。
イカにも似た個体はその長い触手を縦横無尽に操り彼に襲い掛かった。彼と出会う前の私なら私でも敵うかも分からない個体に遭遇した時点で死を覚悟するけれど、彼なら大丈夫だと今の私は知っている。
結果として目でも追いきれないその触手は彼によって易々とその大半が切り落とされた。怪物の悲鳴が耳に響き渡る。だが同時に死角から数本、彼の体に絡まり拘束を試みようとするが易々とそれは引き千切られる。そのまま彼の突撃は止めることは叶わず、彼はそのまま身の丈以上の個体へと切りかかる。
「おっしゃデカいイカゲットぉぉぉぉぉ!」
絶命した個体は上位個体だったようで有象無象の怪物達が彼の掲げた屍骸を目にして明らかに動揺しているのがわかる。明確な隙が生まれた、私は奴らへと襲い掛かった。
「ッ!」
だが、硬い。私の全力でも一太刀で切ることのできない皮膚。斬られたことによってこちらへ振り向く前に一度斬った場所へ抉るように剣先から貫くことによって怪物は死に伏した。だが倒したのは有象無象のうちの一体。何故私でも一撃で倒せない怪物を彼はあんなふうに軽々と倒すことができるんだろうか? 思わず戦いながらも私は彼との出会いを思い出す。
彼との出会いは偶然だった。
バウンティーハンターをやっている私は帰り道の道隆、偶然にも港町に立ち寄っていた。町は賑わっており、この地には珍しく鉱石病にも偏見のない平和な場所だった。その光景に私は何となく懐かしくなって人気のない場所で腰を下ろし、海を眺めていると……彼はやってきた。
「うーみーはーひろいーなーこうだいだなぁー」
最初は怪物の上位種かと思った。だけど彼の雰囲気はそれに似てもにつかわないほど乖離しているので何故あの怪物達と間違えたか、今でもわからない。けれど彼からは普通とは違う異質な雰囲気を醸し出していた。
「つーきーがーのぼ──―って、テラに月はあるのか?」
不思議な人。そんなおかしな雰囲気の人が武器も持たず、呑気に歌いながらゴミ拾いしてるんだから私は妙に気になった。何故海の怪物、それもシーボーンと呼ばれる上位種に似た雰囲気と私が間違えたかを。だから彼を知るべく私は彼を監視するようになった。
「ふぅー 今日も大量大量……小物だけど」
「仕方ないだろどういう訳か小ぶりの獲物しかかかって無かったんだから」
「不思議だよなぁ」
ある時は港で。
「よってらっしゃい見てらっしゃい、新鮮……とはお世辞でしか言えない野菜がそろってるよ!」
「一言多い!」
「ハーイ、ザック!!!」
ある時は町で。
「ひゃっふー! 賞金稼ぎらしく狩りの時間じゃー!!!」
「ネズミ退治だけどな」
「神の名のもとに懺悔の時間じゃぼけぇー!!!」
「うっせ!」
ある時は教会でと。彼は様々な場所へ足を運び、彼の自称している賞金稼ぎというより便利屋のような生活をしていた。私生活はどうかと言うと彼も私と同じ旅人のようで宿を生活拠点して生活しているようだった。
「なぁ、なんでお客さんのハズの俺がキッチンで働いてるんだ?」
「しゃべる暇があったら肉の一枚でも焼きなさい! 4番テーブル注文だよ!」
「ひえぇー」
実際に彼の料理を食べた感想だけど……大変美味ではあったわ。変わった料理だったけど……もんじゃって何かしらね? 料理はともかく私は彼を様々な視点で観察していたわ。見ているうちにもっと多くの情報が欲しくなった私は同じ宿へと場所を移し、彼を私は見続け、そして記録していった。誰と何処で会ったのか、どこで何をしたのか。その時の食事、就寝の時間。生理的現象の時間や彼の好みまでも……本当に様々な情報を得ることができた。けれど……結果として彼は海の怪物とは関係ない人物だとわかっただけだった。それどころか様々な人と交流し絆を結んで次の仕事へつなぐ……かかわる人が皆不幸になる私とは真反対の人だという事がわかり……今考えるにうらやましく思ったんだと思う。
だから私は彼の受けていたこの町での依頼を着きとめ担当官の人を多少手荒な手段になったけれど説得、合法的に彼と接触する機会を得たわ。
「スカジよ」
「アルペジオ……です」
初対面の彼はどういう訳か私に対して警戒していたわ。今でもどうしてかはわからないわ。彼の好み的に私は外れてない筈でどちらかというと好意的に見てくれると思っていたんだけど……どうしてかしら?
それはともかく彼の依頼は海岸の浜辺。会話はないまま彼と一緒に何度も訪れた浜辺へと向かったのだけど……そこにはどういう訳か海の怪物の軍団が今まさに海から上陸している最中だったわ。
「まるで軍隊のようね」
「ひ、ふ、み……とにかくいっぱいだぁ」
見たことの無い個体ばかり。軟体動物のように触手を全身に生えていて一目で嫌悪感を感じさせる見た目。彼はこいつらの事をタコと言っていたけれど、知っていたのかしら? 一体ならともかく軍団では私でも手に余る。そう考えた私は私たちの過ごした町を放棄するしかないと考え、彼にそう伝えようとしたのだけど、彼は違った。
「タコ焼きの時間じゃ!!!」
「ッ!」
一人、背に背負った剣を持って突撃し始める。彼の戦闘も観察していたから知っているが、お世辞にも能力は高いといえない。なのでどう考えても海の怪物に対して敵うはずがない、自殺行為だ。私はとっさに彼を救うべく彼を追いかけた。あったばかりの関係だけど、彼を死なせるわけにはいかないのだから。けれど、その心配は憂鬱な事だったと思い知る事となる。
「タコの辻斬りじゃゴラァ!」
彼の一太刀が怪物を両断した。
私の剣でも一太刀では両断できなかったその硬い皮膚をまるでステーキを両断するかのように綺麗に、そしてすんなりと両断した。なので最初はあの剣に何か秘密があるかと思ったけれど、過去彼の部屋に潜入して見た剣は刀身にも錆が浮いていてあまり手入れがされていなかった事を考えるに両断できたとしてもあのように綺麗にはいかないだろう。
だから直観的に彼自身に秘密があると考えつく。現に私でも耐えれないであろう攻撃を何度も受けているのに体には毛が一つなくピンピンとしている。
「斬ッ! からの斬ッ! 斬ッ! 斬ッ! 斬ッ! の、3連単特賞じゃぼけぇ!」
身体能力も上がっているようで私の把握している身体データとは乖離しすぎているほど、縦横無尽に動き回り海の怪物を屠る。私が一体相手している間に4体倒している事を考えるに凄まじく上がっているんだと思う。最初こそ怪物の動きに惑わされてたみたいだけど中盤になるにつれてそれにも慣れていき、後半に至ってはほとんど作業と言える光景だった。
「ふぅー案外雑魚だったな」
殲滅し終わり後に残るは怪物達の屍の山。このような光景はこれまで見たことがなく、私一人では決して成すことができなかった思う。だからこそ、そんな事を軽々と成し遂げた彼は、あなたは――――
「一体……?」
「あぁそうだ!」
そう考えたところ彼は突然腰かけていたひと際大きい個体から立ち上がると小さい個体を手に取る。そしてもう片方の手で剣を持つと突然海の怪物の亡骸を調理し始めた。
「!?」
信じられないが、彼にとって海の怪物は単なる食糧でしかないのだろう。
「タコウメェ、スカジも食べる?」
「……いえ、私は辞めておくわ」
「美味いのに勿体無い」
その証拠に彼は傍目から見ても凄くおいしそうに調理した怪物を食べている。体に何かしら異変がないかとも考えたが、彼の様子を見るにやはり変化がないようだ。これは怪物達の対抗手段として本格的に彼の体を調べる必要があるけれど……私にはその術がない。仲間が生き残っていれば何か手段があったのかしら?
その後はつながりができた事から遊びに誘われるようになり、自然と町にいる間は一緒に行動するようになった。
「スカジー、野菜屋のおばさんからにんじんもらったけど食べる?」
「まさか生で食べるわけじゃないわよね?」
「それこそまさかさ、ちゃんとキャロットスティックに加工済みさ!」
「なら、いただくわ……美味しい。見た目に反して本当に器用よね」
「うまうま」
当然その間も観察や記録はやめなかった。それによって彼の食の好みなどの裏付けがとれた。
だが、そんな生活は長くは続くことなく彼は町を離れる事になってしまう。その時の私はその事を知らず、彼を相棒として誘おうとしていたが、彼はその時には既に町にいなかった。あったのは置手紙のみ……直接言ってくれればいいのに。
去ってしまった彼。
けれど、私は焦らない。
彼も賞金稼ぎ、いつか会える。
そう考えて長い間一人で旅をしていたけれど……結局会えることはなかった。だから彼のあの独特の雰囲気を感じ取った時は驚いた。まさか地上ではなく、空の方向に感じるだなんて思ってもみなかったんだから。その後は空飛ぶ乗り物から彼を救い、地上に降りた。眠っているようでその寝顔は記録にある通りかわいらしく見える。いつまでもこの顔を見ていたいけれど、私には彼に聞かなければいけない事がある。私と一緒に旅をしてくれるかどうかをっと。だから――――
「ここで邪魔してくるのは予想外だわ」
私たちが休んでいた浜辺。そこに攻めてきたのはあの時に倒した海の怪物に近い生き物たち。おそらくあの時倒した群れの残党なんだと思う。だから問題なく倒して彼に私の思いを伝えることができると思っていたんだけど……
「あーれー」
その声を最後に彼はまた、いなくなった。
※誰かさんに対する好感度表
・平均値
交流の無い一般龍門市民:0%
交流のある友人龍門市民:50%
交流のある親しい龍門市民:100%
恋愛関係にある龍門市民:150%
・交流のある人物達一覧
テキサス:?39%
エクシア:?82%
クロワッサン:??8%
ソラ:-999%
モスティマ:?90%
W:?00%
スカジ:?39%
修道女:???%
マッターホルン:100%
シルバーアッシュ:143%
クリフハート:???%
プラマ二クス:?94%
ケルシー:?11
レッド:??1%
芋女:???%
シルクハットおじさん: ???%
ランタンのお嬢ちゃん: ???%
???:数えるのもバカらしいほど高い。
???:あんたら血が繋がってるだけに男の好みは同じですかぁ????
元カノ:測定不能
クエスチョンマークを取って欲しいキャラ
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モスティマ
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W
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プラマ二クス