命の危険を感じてブラック企業を退職したのに……   作:オリジーム

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総合評価:432p

―――――どっかで天災でもあったかな?


位置に着いてぇ~よぉぉーい。ッドガーン!!! 

「モスティマさん、お覚悟を」

 

剣を抜き、構え、相対するは俺が知ってる中で5~6番目当たりに強いモスティマ。実力不明、戦い方不明、全てが不明でなんなら何故ここに居るかも不明な相手だ。対してこっちはこの鈍ら一本のみ。

 

うん、どうやって逃げよう。

 

元々このセーフハウスは緊急時とかでは無く、一時的に滞在する場合とかに宿舎として使っていた建物だ。

だから襲撃とか逃走とか一切考えられておらず、本当に雨風と防犯さえ出来ていれば利便性は二の次でいいやとこの建物を手に入れてリホームする際は考えていた為にリホーム前の状態である、元ガンショップの要素を色濃く残している。今いる部屋だってそうだ。今いる部屋は元々弾薬や在庫関係を仕舞う倉庫だったもんで防犯上の観点から外への窓が無いし、壁を破ろうにも厚さ400㎜を超える鉄筋コンクリート製の壁だからやるにしても骨が折れる。あと本当にやるとしても生憎と今は爆薬の備蓄が無いから無理だ。まぁーそんな部屋だから出入口も当然一つしか存在せず、それが今現在モスティマが塞いでいるアレって訳だから絶望ぉー

 

いや本当にどーしよ、逃げ出せる気がしねぇーぜ。

 

 

「アルペジオ、君がそのつもりなら私にも考えがあるよ」

 

うわぁ、あれがエクシアの言っていた二つのアーツユニットかぁ……普通一つしか使えないのに二刀流とか怖すぎだろ。

ま、ま、まぁとりあえず現状を変革させ、何をするにしてもこの人をどうにか突破しなきゃ話にならないな。ホンっと誰だよ、この部屋に荷造りした荷物置いてたの! って俺だよ! 確か昨日ぐらいにコウテイから辞める事を却下されても直ぐに逃げ出せるように此処に置いたの俺だよ! クソがァ!!!

 

剣を構え、足を摺り、腰を入れる。

 

クソ! ってか昨日の時点でこんな状況になるだなんて誰が分かるか。俺ってば本当に不幸に愛され、嬉しすぎて涙出てくらぁ!

まぁそんなんで確かに最悪な状況だが、不幸中の幸いかモスティマと出会うのが廊下じゃなくて助かった。廊下は何故か天井が低く作られてるからな、もし振り上げなんかしたら天井に剣が刺さって文字通りのENDを迎えちまう。その点この部屋なら広さは十分。俺の鈍らを振っても問題ないスペースがあるから自由に戦える……っと思いたい。

 

「……ッ!」

 

勢い良く一歩を踏み出し、俺はモスティマへ突撃する。軍属だった頃の経験で知ってるがこういうモスティマのようなアーツを扱う術士やボウガンなどの遠距離武器を主体とする相手との戦闘はこちらがどれだけ素早く相手の懐に入れるかがカギになるからな。

 

「ふふ、君から来てくれるなんて……やっぱり私達両お―――――」

 

何か言ってるようだが今は知らん! どうせこの人の事だ、何かふわっふわしたいい加減な事だろよぉー!!!

俺は突撃するがそれで何かを察したようで彼女は廊下側へとバックステップ。両手で持つ杖からちょくちょくアーツブッパしてきて地味にうざったいぜ。

身体に感じる衝撃を受け止めながら俺は突っ走るが……ヤバいな、場所を移されてしまった。

ホントは正面から斬り付けて遠くへぶっ飛ばし、その間に逃げるつもりだったが予定変更。確かこの廊下は壁はさっきの部屋と同じぐらいに厚みがあったはずだが、天井はベニヤ板程度の厚みしかなかったはず、切り上げて屋根裏へぶっ飛ばしてやらぁ!

構えを変え、剣を持ち直し更に踏み込んだ。

 

 

接近する俺と彼女。

 

 

何故か、この状況で頬を染めて満面な笑顔を浮かべる彼女と俺との距離がまるでキスするかのように急接近する時、俺はそのまま剣を左下から右上に斬り上げ……ようとしたのだが。

 

「――――な!?」

 

どういう事か踏み込んだタイミングに感じるはずの感覚が無い。まるで地面が抉れたかのように深くに足が取られた結果、俺はそのままバランスを崩す。

 

や、やべぇ。この土壇場でコケちまった!!!

 

色々なトラブルに巻き込まれる俺だが、このトラブルは流石に無理ポ。

頭が真っ白に染まって視界がまるでスローモーションかのように遅く感じる。コレはあれかな? 前にサルカズの草さんが語ってくれた死ぬ前に見るゆっくりとした光景って奴かな? 

俺の体はそのままの勢いのままバランスを崩し転倒。その結果、モスティマを押し倒すかのように前へ倒れていく。そして感覚的に分かる。彼女が俺へ腕を回し、拘束していっている事を。

 

畜生ッ!ハメられた。これはアレか、モスティマの罠か! 

 

確か今俺がいる場所はさっきまでモスティマが立って居た場所だ。そして彼女は時が操れるって噂で聞いた事がある。つまり、その二つを合わせて考えてみるに今回の場合は彼女は俺が突っ込んでくると言う未来を読み取り、踏み込むポイントへピンポイントで穴を掘って俺を拘束したってワケダ。クソがぁ、やっぱり俺は勝てないのかぁぁぁあ!!!

 

倒れ行く俺の視界。そして不意に視界へと入る、容姿だけならドストライクな好みの整った顔。何が嬉しいのか先ほどと同じ笑顔を浮かべたモスティマはこちらを見続けていた。けど、それが一瞬で変貌する。

突然驚愕とも取れる表情へ変わった直後、背後から耳を塞ぎたくなるような爆発音と熱が感じられ身体が急激に更に押し出された。

 

な、何だ!?

 

走馬灯か何かの影響で早くなった思考でも混乱し、その直後視界はブラックアウト。そのコンマ数秒後に額へ激しい痛みを感じるのと同時に俺意識は一瞬途切れる事に――――

 

 

「――――ッハ!」

 

ならなかったんだよなぁーコレが。

唐突だが俺ってば一時期、トランスポーターの片手間正体隠して爆弾魔と組みヤベェ―組織を潰してた時期があったんだよぁー まぁ、そん時は俺も毎日のように起こる文字道理のデスマーチとパーティーに対するストレスがマッハだった時期だから若気の至り的な感覚でおかしくなってた時期だったから今考えてもやべぇとは思う。が、今回はそん時の経験が生きたらしい。

確かに意識は失ったと思う。けど目に入った景色に砂埃がかなり上がってたとところを見るに失っていた時間は一瞬だろうな、きっと。ってかそう考えてぇや。

 

「に、逃げないと‥…」

 

どういう訳で爆発したか知らないがコレはチャンスだ。今すぐ移動するならこの砂ぼこりに紛れて逃げ切れるかもしれない。

そう思った俺はすぐさま行動に移した。何故か下敷きになってるモスティマをそのままに、吹っ飛ばされた荷物が入ったリュックと正直いらないけど有った方が得をする剣を回収すると土煙で充満する通路を走る。

 

「斬ッ!」

 

障害となる扉は斬る。ぶっちゃけ此処のドア木製だからコイツで斬った方が開けるより早い。外に出ると空には満天の星空。

うわぁーきれー なぁーんて感想も浮かばない訳ではないが今はこれからの俺の辿る人生の分岐点。景色に見惚れて足を止める訳にはいかねぇ! ってか、龍門だってのにマジで綺麗な夜空だなぁ、オイ!

 

「巻き込まれる前に逃げないと」

 

俺は走る。背後からは更に起こったであろう連鎖爆発の音とか誰かの何かを呼ぶ声とか色々と聞こえたけど俺は走る。

何度か知り合いに遭遇、マフィアの抗争に何故か巻き込まれたりしながらも何とか俺の指定した時間に間に合い、そこで待機していた黒塗りの車へ一目散に飛び乗った。そして一言。

 

「間に合ったか!」

 

「えぇ、それも時間ぴったりに」

 

運転席のフォルテの男がそう答えると車は進み出す。そして俺の中では心より安堵で支配された。よかった、これでもう安全だ。

 

「ごめんなマッターホルン、俺の問題に巻き込んだりして」

 

「いえ、これも主の命ですので。問題ありません」

 

俺が飛び乗った車はパーティーなどから安全に逃げる為に用意した逃走手段だ、これを使って今より龍門から脱出する。俺にはこの都市は相性災厄過ぎんよ。ちょっと出歩いたぐらいでやべぇー奴らとエンカウントする都市なんて自分から出て行ってやらぁ!

って感じでほんとは1人でも脱出したかったんだが俺のこれまで龍門内で紡いで来た絆と言う呪縛の影響でそうは問屋が降ろさなかった。

訳あって俺は龍門から出る場合ちょっと面倒な手順を踏まなきゃならない。でもそうすると俺が町から出たってのがバレバレなうえに行方を暗ます事が出来ない。だからと言って秘密裏に出ようにも警備の為に展開している龍門近衛局は割と厳重な警備体制敷いてるから普通の手段じゃ出る事はまず不可能だ。

だから当時の俺はこの逃走計画を練るのに際し考え悩みまくった。この最大にして難関過ぎる問題をどう解決したか、と。

考えに考えて悩み‥‥‥‥んで考え出したのが俺の友達に頼るって戦法。つまりはコネを使ったってワケダ。

 

いやぁー流石はエンシオディスだ、たった半月程度で逃走手段を用意してくれたんだから。やっぱり持つべき友は権力を持ったCEOだな!

 

ってな感じで用意した手段だからこそ、俺は心から安心して車に乗ってられるんだよな……

 

「ところで――――」

 

「はい」

 

暗い夜道を走る車。外から見える景色は段々と活気があふれて行き、外へとつながる門のある都市部へと近付いて行っているのを確認できる。

だけどそんな状態で俺は一つ気になってしまった。

 

「――――どうしてそんなゴツイマスクしてんの?」

 

ザ・ガスマスクって感じのマスクをしたマッターホルン。彼の性格は知っていた為に違和感バリバリでオカシイと思っていたけど、何かしらアレルギーでもあるのかなぁー程度に流してた。けどさ、既に結構時間経ってるってのに一向に外さないのは流石に気になるぜ。いや、マジで何でつけてんの?

 

「気付いてしまいましたか……」

 

いや、それで気付かない方がオカシイから。どれだけ俺の目は節穴だと思われてたんだ? 彼は熱いのかエアコンの装置を弄りながら運転を継続する。

 

「実は私はある密命を受けてまして」

 

「みつ、めい?」

 

あ、なんか眠くなってきた。あれかな? 昨日までデスマーチの連続だったから安心して今、疲れが出て来たかな? やべぇーなぁー……

 

「はい」

 

あぁーマッターホルンの声が霞んで聞こえるぅー。頭ふわっふわしててくそねむいぃー せっかくはなしてくれてるとちゅうだってのにききとれねぇー

 

「なぁーい、よぉーわぁ?」

 

もうむりぃーねるぅー……ぐぅzZ

 

「あなたの――――確保です」

 

なんかマッターホルンが言ったみたいだけど俺は寝るぜ! きっと次目覚めた時は龍門の外で大いなる自由が俺を待っているんだろうなぁ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたに神の祝福を。あなたに幸が有らん事を」

 

 

 

 

 

「……お、おはようございます?」

 

 

 

 

目が覚めたら拘束されながら巫女殿に祈られてて草。

 




書きあがったけど……マジで何でこんなに伸びてんだ? わからな過ぎて草も生えぬ。

アル「マッターホルン、今回依頼した時エンシオディスっていたっけ?」
マッター「ええと…確かいませんでしたね」
アル「最終確認の時は?」
マッタ―「………いませんでしたね」
アル「もひとつ質問いいかな、今回の密命は……誰の指示だい?」
謎の一般通過市民「!」
マッタ―「……貴方のような勘のいい人は少々苦手ですね」(睡眠ぶしゃー)

端的にまとめると今回の出来事ってこんな感じじゃない?

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