命の危険を感じてブラック企業を退職したのに……   作:オリジーム

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んー 今回もヤン要素が薄いなぁかなり物足りないぜ。ってか、期間が空き過ぎて書きたい内容が上手く書けない……もどかしい。


進撃の逃走劇……の、はず

 走るよ走るよーどーこまでもー。イェラグ特有の独特な凝った装飾の施されたやたらと高い天井を有す廊下、真っ赤な絨毯の敷かれ数々の見るからにお高い美術品が飾られたその場所を俺達二人はひた走る。真っ赤なフードを被った女はその頬を真っ赤に染め、まるでデート中の生娘の如く見るからに嬉しそうに走っているがその相方となる男の方、つまりは俺の方はそれとは間反対だと思う。だって自覚出来るぐらいには青ざめながら必死で走ってるからネ! 

 そしてそしてそんな俺達の後方より追いかけて来る集団が────うん。どう見ても脱走者である俺達を取っ捕まえようとしている追手ですね、間違いない。

 

「ぎゃぁあああああ! 殺されるぅぅぅぅ!!!」

「そこを止まれ、侵入者ッ!」

 

 いや止まろうにもアンタ達が俺達を追いかけながら攻撃性を付与したアーツや高速で飛ばして来る矢なんかを寄こすから足を止めようにも止まった途端、俺達の未来は想像に難くないから止まれないんですけどぉぉぉお!! ってかアンタ達俺を捕まえる気ゼロだろコノヤロおおおおお!! 

 

「レッド、昔やった追いかけっこを思い出す」

「暢気に昔を思い出してる場合か!」

 

 全力疾走で逃げ続ける俺と何処か余裕のあるレッド。まぁレッドは生まれながらのハンターだから納得だな。

 

「しっかしどうやって逃げた物か……」

 

 俺はレッドと一緒に入り込んだロッカー内にて考える。あと何故入ったレッド、一緒のロッカーに入る必要性は無いだろうが。

 

「レッド、カリュウドサンとまた居られて、幸せ」

 

 俺の心からのツッコミは他所に、密着状態のレッドは上目使いでまるで懐いた犬の如き俺の貧相な胸板へと顔を擦り付けて来る。そしてそんな光景を目の前で見た俺は────

 

「ッん"!」

 

 可愛い(可愛い)

 

 ────まぁ死にかけるよネ。

 

 レッドの純粋さと天然だろうけどあざと過ぎる可愛さに萌え殺されそうになりながら思考を無理矢理切り替えて俺は頑張って考える、このクソったれな現状を打破する方法を。

 この建物内は追手、つまり巫女であるエンヤを守る親衛隊のホームグラウンドだ。既に逃走開始から俺の自慢の一つである割と正確な腹時計の具合から見て既に一時間が経過している。俺は逃げる事に関してはペンギン急便一の腕があると自負しているし、今回の相方であるレッドは凶悪な原生生物蔓延る森で育った生まれながらの凄腕ハンター。そんな俺達が本気で逃げ回っていると言うのに一考に逃げ切れる予感がしない、コレはかなり不味い状況だ。むしろ何度か逃げ込む先に先回りされる事も多々ある事を考えるに捕まるのも時間の問題か……やべぇーな。確実に俺達は追い込まれている、まるで追い込み漁の如く。そう頭の中で結論付いた所でレッドの目付きが鋭く変わり、その綺麗な瞳はロッカーの外へと向けられていた。

 

 

「敵。数、三」

「っげ」

 

 やっぱり俺達の場所はバレてるって訳か。

 ゆっくりとロッカーの覗き窓を除き込むと三人ぐらいの兵士がこのロッカー室をくまなく探しているのが見える。そしてその一人がロッカーの中まで探し始めた事を考えるに見つかるのも時間の問題……か。こりゃやべーな。

 

「どうする?」

 

 レッドがキョトンと俺へと問う。どうするって言われても困る、だって実質的に考えて選択権は一つしかないのだから。まず降参して投降する事は論外だ。恐らくだけど俺の身の安全は保障されるだろうが、俺を逃がしてくれたレッドの安全が分からないからな。そんで戦うにしても俺は素手での戦闘はアホみたいに弱い。昔脱獄した収容所の牢獄仲間が言うには俺には全く才能が無いらしく、冗談でも今後素手で戦うなと言われてるからな。

 

「戦うしか、ないだろうな……」

「うん」

 

 彼女がコートにしまっているナイフを抜いた音が微かに耳に入る。数の有利を覆すには奇襲一択。レッド1人ならこの状況でも十分勝てる見込みがあるだろうが俺と言う枷がどこまで影響するか不安だなぁ……ま、頑張るか。

 

「……殺しは無しだ」

「分かった。レッド、殺さない」

 

 覚悟を決め、拳を握り直しそして────飛び出した。

 

「なッ!?」

「ッ!」

 

 まずはレッドが飛び出し目の前にまで迫った追手の顎を正確に霞め、脳を揺らして気絶させる。

 

「侵入者発見!」

「ッ!」

 

 直後飛んで来る弾丸を気絶して崩れつつある追手の体を踏み台にして飛び上がり、空中で錐揉み回転しながら避けると彼女はナイフを投擲する。投擲されたナイフは正確に部屋の奥にいる敵の喉へ直撃すると、追手の嗚咽と共に頭を下げたタイミングでレッドが飛び掛かり馬乗り状態へ。何度か頭を地面へと叩きつけて意識を奪おうとしていた。俺はどうしたかって? 入口側に突っ立てた追手を床に叩きつけてましたとも。一仕事終えて、ふぅっと額に浮かんだ汗を拭っていると突然背筋に悪寒が走る。そして脳裏に嫌な予感が過り振り返ると────

 

「よくも仲間をッ!」

「──―ッ!」

 

 ────凶器を振り下ろす、予想外の四人目の姿がそこにはあった。油断した、まさかこんなに早く駆け付けてくるとは思わなかった四人目の可能性。予想出来なかった俺はそのツケを払わされるかの如く、振り下ろされるその鋭利な凶器が目に入っていた。この剣を防ぐ手段を今の俺は持っていない。いや、正確に言うなら持ってはいるが一瞬では対応出来ないってのが言い訳だ。死と言う現象が明確になって行く状況の中、脳内では走馬灯の如く自分の経験した過去の出来事が過り続けていた。あぁー、こんなことならアイツにあの剣を返しとけばよかったな。何て後悔を抱きながら思わず目を瞑ってしまう。それは痛みに対する人間が自然と行ってしまう防衛反応であり、同時に痛みに対する覚悟だ。だが、その俺の抱いた覚悟は窓の割れる音と共に響く嫌となるほど近くで聞いていた二発の銃声と共に無駄に終わる事となる。

 

「やほー無事?」

 

 偉く気軽な呼びかけ。聞き覚えのある声に反応し、目を開けるとそこには────

 

「……ッゲ、厄を呼び込む天使だ」

「えぇー! 折角助けたのに酷いよアルペジオー!」

 

 真っ赤な髪に天使の輪っか。俺にとっての救いではなく厄を呼び込む天使(サンクタ)である元同僚兼友人と言うより悪友、エクシアの姿があったのだから。

 

 

 

 

 

「っで、エクシアは何で俺に引っ付いたままなんでしょうかねー?」

「レッド、不快。早く離れて」

「いーやーでーすー!」

 

 エクシアに助けられた俺達はまたも追手から逃げる為に廊下を突き進んでいた。けれども今度はメンバーが変化しており俺、レッド、そして俺の顔に引っ付く形で逆肩車状態で抱き着いて来ているエクシアが追加されていた。ってかマジで退いてくれませんかね? 俺の視界ってば誰かさんの真っ黒なスパッツと薄く透けた下着で塞がれてんだけど……アレ? すっごくデジャブを感じるゾ。具体的には戦場で俺のパートナーだった田舎の方言が抜け切れてない戦友。アイツ元気にしてるかなぁ……油断すると土場のある場所なら何処でも芋植えて育てだすから心配だなぁ。

 

「今度はもうハナサナイカラ……」

「いや、離してくれないと俺コケちゃうんだけど……アイタタタタタタ! 太腿で俺の顔を挟むなバカ者がぁ!」

「でも嬉しいんでしょ?」

 

 ハァ? テメェ、以外と余裕アリやがるな? それにこんな状況でそんな質問して来るなんてふざけるなよエクシア。

 

「トラブルメイカーとは言え美少女の太ももに挟まれてるんだから当たり前だよなぁ? (嬉しいはず無いだろこの馬鹿天使がッ!)」

 

 あ、いっけね、思わず本音が出ちまった。ポロっと出た本音にエクシアがどんな顔をしているか確認出来ないが、確実にやべー顔してると思う。具体的には人を馬鹿にした顔。

 

「ムフフフ」

「!」

 

 おいレッド、そんなその手があったかみたいな顔でこっちを振り向くなよ。ちゃんと前見て走れバカ。俺を()()のように考え、慕ってくれているのはちゃんと鈍い俺でも自覚してる。だからって親しみの行為だとしてもこの行為はお前は冗談でもやるなよ。お前の脚力の場合、俺の顔が潰れてザクロ状態になっちまう。そんなフザケながらも走る俺達の姿を他所にちゃんと仕事をしてるメンバーも存在する。

 

「この先を右だ」

「了解ですテキサスさん」

「ん」

 

 救援に来てくれたメンバーのもう一人、頼りになるクールビューティーな元同僚ことテキサスさんだ。彼女はハッピートリガーで引き金を引いて、弾丸をぶっ放す事しか考えてないエクシアとは違い、隣で走る彼女は事前にこの建物の見取り図を入手してたようで脱出経路を案内してくれている。流石は極偶にではあるが人質を救い出すとか言う荒事を依頼として熟している人だ。

 確かに彼女に関してはプライベートで考えると問題は確かにある。いつの間にか俺の部屋に不法に侵入、そしてまるで家政婦の如く世話を焼き、何処に言っても必ず俺の前へと姿を現すこの人は明らかにやべぇ人、けれど腐っても彼女はプロのトランスポーターだ。戦闘能力は龍門で巻き起こる荒事を考えるに十分だし、俺と違って多数相手の室内戦も馴れてるだろから安心だな……安心だよな? 

 

「左から敵、数12」

 

 俺の不安を他所にやって来る敵さん。各自獲物を構えるが俺だけ武器を持たない為に何もする事が出来ない。手持ち無沙汰だな……仕方ない、アーツは苦手だけど使うか。

 

OVEorDEAD(オーブ・オア・デッド)

 

 俺はそう呼び掛けるように呟く。全身の力が少しばかり抜ける感覚と共に右手へと何かに引き寄せられる感覚が発生。そして、俺の求めてた剣が飛んで来る。

 

「「「「ぎゃぁぁぁああ!!!」」」」

「へ?」

 

 様々な敵を巻き込み、左側に続く目装飾の施された壁を突き破って――――あ、キャッチ? 割とどんくさい俺に出来る訳ねーだろ。

 




次回あたりに表裏出来るかな? 
あと剣の名前、ようやく出せた。感想は励みになるのでよろしくです!

【モジュール:OVEorDEAD(オーブ・オア・デッド)

何時、何処で作られたかは誰にも分からない。彼の話では割と新しい武器のはずだがその割には経年劣化で付いたと思われる所々に傷や錆が多く、メンテナンスを任されているヴァルカンはこの剣は年代物だと語る。銘打たれている名前も掠れ、辛うじて読める程度にしか残っていない一刀の剣。アーツユニットが組み込まれたこの剣がどんなアーツを発生させるのか、扱っている本人も知らないと言う。しかし刀身から放たれるサルカズのみ聞こえる不快音を考えるに対サルカズ族を考えて作られた武器に違いないはずだ。
そんな武器を彼はどんな理由があって何時も腰に差し、常用しているのか……誰にも知らない。


※誰かさんに対する好感度表

・平均値
交流の無い一般龍門市民:0%
交流のある友人龍門市民:50%
交流のある親しい龍門市民:100%
恋愛関係にある龍門市民:150%

・交流のある人物達一覧

テキサス:?39%
エクシア:?82%
クロワッサン:??8%
ソラ:-999%
モスティマ:?90%
W:?00%
シャチ:???%
修道女:???%
マッターホルン:100%
シルバーアッシュ:143%
クリフハート:???%
プラマ二クス:?94%
謎の名医:???
レッド:??1%
芋女:???%←new!








???:数えるのもバカらしいほど高い。
???:あんたら血が繋がってるだけに男の好みは同じですかぁ????
元カノ:測定不能

クエスチョンマークを取って欲しいキャラ

  • モスティマ
  • W
  • プラマ二クス
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