奏side
俺が少女の部屋に忘れ物をしたため再び向かっている最中、
部屋の中から声が聞こえる。
「1人は……いやだよぉ……」
それは少女の嗚咽。誰かに助けを求めるような悲痛なものだった。
俺はすぐさま部屋の扉を開け中をみる。
そこにはベットの上でボロボロと涙をこぼす少女の姿があった。
「ぁあ……うぅぅ…っ、奏…さん…」
涙を流しながらこちらへ五感全てで訴えかけてくるようだった。
俺はその姿を見ると無意識的に少女を抱きしめていた。
「大丈夫だ。君はひとりじゃない」
その少女を安心させるように、慰めるように何度も何度もそう言い聞かせる。
昔の自分と境遇が似ているかだろうか、酷いように少女の気持ちが分かる。
まるで世界の端っこに置き去りにされたような感覚。
触れ合うことの出来ない海底に突き落とされる感覚。
大袈裟に聞こえても仕方がない。
少しだけ離れてもこの状態に陥る少女は余程過酷な人生を歩んだのだろう。
その後何度も言い聞かせていると少女は泣き疲れたのか、はたまた安心したのか眠ってしまった。
そっとベットに寝かせ、さっきのこともあるので起きるまで部屋でいることにした
???side
(ここは……?)
気がつくと部屋ではなく、深い暗闇で1人は立っていた。
(あぁ、そうか。私は……)
先程まで奏さんに抱き締められながら泣いていたのだ。
奏さんの暖かさがまだ残っている。
少し恥ずかしいような……
それはそうと、ここは何処だろうか。
当たりを探索しようとするが何も無い。
走っても走っても見えてくるのは闇。
だがある方向には一筋の光が見える。
「おかぁ…さん?」
自分の意思とは勝手に声が出る。
記憶で覚えていなくとも心で覚えているのかもしれない。
その光の先にはお母さんとお父さんと思わしき人物が椅子に座りながら話している姿が見える。
これは…私の記憶…?
「あな…の…にえ……の子に……定…わ。」
「……らはや……さい……に…れて…いく……だ…。」
途切れ途切れ聞こえてくる懐かしい声。
だが何故か恐怖心が湧いてくる。
何度もその会話を繰り返す中段々と何を言っているかがわかってくる。私は恐怖しほとんど声が出せない。
そして次ははっきりと聞こえた。
「あなた、今回の生贄はあの子に決定したわ。」
「なら早く祭壇へ連れていくべきだな。あの方も喜んでくれることだろう。」
「ぁ……ぁぁ……」
全て思い出した。私は……私は……。
ある日、いつも忙しい母が休暇を取ってきて山にピクニックをしに行こうと言ったのだ。
私は母と何かができるのがとても嬉しく無我夢中に着いて行った。
長いこと山道を登りお昼ご飯を食べようとして母から
「近くの河で手を洗ってきなさい」と言われたのでそのまま河に行く。
そして……手を洗っている最中誰かから頭を水の中に押し付けられたのだ。私は必死に藻掻くが力が叶わずそのまま……。
水の中から最後に見えたのは苦悶に充ちた表情で私を押し付ける母の姿があった。
気がつくと大きな化け物の前にいた。ひと目で全体を捉えるのは難しいほどに大きい。
……そこからは想像もしたくない苦痛が身体中を走り私は気を失ってしまった。
「思い出した……。私は…」
そこで私は目を覚ましてしまった……。
そろそろ超召喚祭が始まりますね。絶対ラプラスとテフレア引く!!!