奏side
うーん。完全に忘れてた。
これから数日間は天気が崩れるんだった。
朝起きて情報収集のために支度をしようとするが外を見ると大雨が降っていた。
「ぁ…。ふーん。」
土砂降りだな…雨粒一つ一つが大きい。地面の土を降ってくる勢いで抉るんじゃないかくらい。
雨雲を破壊してもいいが……ここで能力を使うのは疲れる。
焦ることでもないから能力は使わないことに決めた。
「ならこの数日は家で過ごすか…」
昼ご飯を食べたら大図書館に行き少女の故郷の情報を漁ってみることにする。…そんな都合よくあるとは思わないが……
「ひとまずっと……!?」
ソファから立ち上がろうとした瞬間、後ろから誰かに抱きつかれた。
「ん……。」
「…なんだラプラスか…びっくりした」
少しはだけてパジャマを着ているラプラスがいた。
肩が見え、ボタンの隙間からは豊満な胸がチラリと目に映る。
何千年と見てきたが完全には慣れない。
「おはようラプラス」
「ん……おはよう。」
「そういえば午後から大図書館に行っていいか?」
「いいけど……何するの?」
ラプラスは眠たげに目を擦りながら問いかけてくる。
「あの子の情報収集だよ。今日は天気が悪いから出かけるのはなしにする」
「わかった……」
ラプラスはそう言ってキスをしてくる。突然で少し驚くがラプラスのしたいようにさせておく
「ん……っ。まだ寝てくる」
「ははっ、おやすみ。」
〜数時間後〜
ハウラと二度寝したラプラスが起きてきたので少女を起こしに行くことにした。
「入るぞ〜?」
ノックをするが返事がなかったので一声かけて部屋に入る。
少女のはまだぐっすりと寝ていた。
俺はカーテンを開けつつ少女を起こす。
「おーい。朝だよ〜。」
「……んん。」
さすがにこれだけじゃ起きないか…。
「ん……。」
カーテンを開け終わったので少し揺すって声をかけたら直ぐに起きた。
「おはよう。よく眠れた?」
「おはよう……お父さん……」
んん?お父さん??
まだ寝惚けてるのか……そのままにしておこうか。
「まだ眠いか?」
「眠いけど…もう起きる。」
「そっか、なら一緒に行こうか。」
俺と少女は手を繋ぎリビングへ向かう。
リビングへ向かっている道中も話しかけられたがお父さんとして振舞っておくことにした。
「あら、おはよう。」
「おはよう〜。」
「おはよ……!?」
お母さんが2人いることに疑問を持ち驚いて目が覚めたのか、
顔を真っ赤にしながら俯いてしまった。
「ゎ……私…奏さんに…お父さんって……」
俯きながら小さな声でつぶやく少女。
それに反応したラプラスとハウラは目を光らせる。
「なら私たちがお母さんね!」」
母性を発揮し少女を撫でたり抱き寄せたり。
少女も少し困惑しつつも顔には安心したような表情が浮かんでいた。
「それ言えばあなた名前は?」
「……あっ!」
完全にこの子の名前を聞くの忘れてた。
危うく名前が少女になるところだったよ。
「ちょうどいいや!みんなで自己紹介しようよ!」
「いいわね。ちょっと待ってね…今…」
ラプラスが人差し指を動かすと魔法陣が出現する。
そして空中に大きなモニターが映し出される。
その先に映っていたのは輝夜だった。
「おぉ〜なんだこれ…」
「これは簡単に言えば念話の1種ね。少しだけ扱うのが難しくなってるわ。」
へぇ〜と内心感心しつつラプラスを見る。
「何よ」と少し照れながら反応してくれた。可愛い。
『あっ、映ったわー!えーりーん!……違う!うどんげじゃない!えーりーん!』
画面が光だし、そこには輝夜の姿が映し出された。
まだ寝起きなのかピンクのパジャマで髪も少し乱れてる。
「話を進めやすくするためにもう輝夜と永琳には話してあるわ」
「おお、ありがたい。」
『お待たせー!それでどうしたの?』
永琳と輝夜が集まったので話を始めることにした。
少女のの紹介から俺たち5人の軽い自己紹介。
「奏さん、ハウラさん、ラプラスさん、永琳さん、輝夜さん。ですね!」
「そうですよ〜!よく出来ましたね〜」
「えへへ〜」
ハウラは頭を撫でながら少女を褒めまくる。少女も嬉しそうだ。
そして少女の番。だが少しだけ申し訳なさそうな顔をする。
「私の番なんですけどその…私…名前が無くて……」
「「「「!?!?」」」」
「その、故郷では生贄に選ばれた人は名前が取り上げられるんです。その前に名前はあったのですがそれも仮名と言われていて……。」
「なんか……ごめんよ?」
「い、いえ!」
一気に気まずい空気になった。
その故郷は一体どんなところなのだろうか。何に生贄を捧げているのだろうか。
様々な疑問が浮かんでくるが今はそれを振り払う。
「…えっと、良ければ皆さんが作ってくれませんか?」
「君がそうしたいならいいけど…。じゃあみんなで案を出していこうか。」
「なら私からはデアトートを立候補に…」
「それはやめとこう。」
向こうの世界の友人の名前を出してくるハウラだが俺はすぐさま止める。
もし向こう世界に少女を連れて行った時どんな顔してデアトートに会えばいいか分からなくなるわ。
「う〜ん…」
ラプラスの方を見ると真剣に考えてくれている。
「今の季節は冬でしょ?……氷とか?…あっ!」
何かを思いついたようだ。ラプラスはハッとした顔をしてこちらを見る。
「氷雨とかは……?」
「いいね〜。永琳と輝夜は?」
『私達からはね〜。……どうする永琳?』
『何故そこに振るんですか…そうですね、ラプラスと同じ冬関連なら霧氷とかでしょうか?』
『いいわね!私達からは霧氷よ!』
「霧氷ね。じゃああとは俺か」
心做しか少女のがこちらを瞳をキラキラさせながら見てくる。
すごい期待されてるわこれ……
少しの間に黙って考えるが何も案が出ない…。
(難しく考えたらダメだよな。俺の好きな物で行こう。)
対象は花に絞り考える。
……花の中なら桜とか梅とか好きだな。庭に植えるくらいだし
あとは……。
「おっ!これだ!」
『ゴクリ……』
「ゴクリ……」
みなが何故か喉を鳴らす中、俺は言う。
「俺からは椿を候補にする!」
「椿ですか……!」
『決まったわね!』
「椿を名前、苗字をどうするかだけど……」
「わ、私奏さんと同じ苗字がいいです!!」
「は!?!?」
『え!?!?』
「……。」
「ダメ……ですか?」
ヴッ……
そんな目で見ないでくれ…。心が痛い。
ハウラ達もジト目でこちらを見てくる。
「あ、あの〜それでいいですか?」
「「後でなんでもしてくれるならいいよ」」
だいたいされることは目に見えている。
覚悟はできているので少女名前をこれからは佐伯 椿 とする事にした。
「…よし、決まったな。君はこれから佐伯 椿だ。」
「佐伯 椿……佐伯 椿……」
少女は何度か復唱すると皆の方を向き改めて挨拶をする。
「佐伯 椿です!これからよろしくお願いします!」
こういうの場面書くの苦手ってことに最近気づきました!乙!