奏side
「よし、みんな準備は?」
「大丈夫よ〜」
「おっけー!」
「大丈夫です!」
翌日、俺達は早速旧魔境へ向かうことにした。俺、ハウラ、ラプラスは特に持っていくものはないが、椿には魔理沙から貰った魔道具を幾つかもたせている。
俺は皆が準備を完了させたのを確認すると紫ちゃんにお願いした。
「じゃあ紫ちゃん、お願いね」
「…えぇ、わかったわ。」
紫ちゃんは少し躊躇いながらスキマを開く。
ここに来て不安に思ったのだろうな。俺はそれを察して安心させる
「大丈夫だよ紫ちゃん。俺達は絶対に死なないから。」
紫ちゃんはその言葉でポカンとしてこちらを見てくる。
その数秒後、「ふふ」と持っていた扇子で口元を隠し笑いながら
「必ず帰ってきてね。死んだら許さないわよ」
「あぁ、肝に銘じておく。」
その言葉を最後に俺達は隙間の中へ入っていった。
暗いスキマの中を歩き進む。ふとして少しした先に光が見え始め、次第にその光は大きくなっていく。
スキマを抜けると旧魔境と思わしき場所へ出た。
だがその光景は呆気を取られるほど綺麗で空気も澄んでおり、艶やかな草が生い茂る草原が広がっていた。近くで流れる川のせせらぎや、小鳥たちの囀りが辺りに響く。
「え……?」
思わず驚いてしまう。想像してた場所と全然違ったからだ。
俺はてっきり全体的に暗く、薄気味悪い場所かと思ってた。
「……」
後ろではハウラと椿も呆気を取られて驚いていた。
その中でラプラスは平然とした様子で辺りを探索している。
「長年放置されてた場所だからね。人や妖怪、魔族の手が入ってないのでしょう。…ほら、あっちを見て。」
そう言ってラプラスの指さす方向には薄らと大きな神殿が見えている。あそこがラプラスの言っていた所か。
この件を解決すべく、俺達は真っ直ぐに神殿へ向かっていくのだった。
「けどさ、こんなに誰も居ないものなの?」
神殿がはっきりと見えるくらいの距離は歩いた位の所で、ハウラはそう言う。
確かにかなりの距離を歩いたが誰ともすれ違っていない。
影やその気配すらも感じ取れない。
「私も本で見た限りの情報しか知らないわね。こんなにも何も出ないなんて逆に不気味。」
「たしかにそうだな…前になにかここであったのか?」
「ここで神話生物同士の大戦があったらしいわ。一種の縄張り争いみたいな感じ?今ここにいる神話生物は選ばれ抜いた最強に等しい存在が跋扈してるわ。」
「跋扈って言ってる割には全然いないけどね」
「確かに。気配すらない」
「うぐっ…けど本の知識だから!」
「皆さん気を抜きすぎでは…??もう着きましたよ?」
椿に言われて気がついたが俺達は神殿のすぐ前に着いていた。
近くで見るとすごい迫力だな…紅魔館に引けを取らない大きさだ
入り口と思われる部分に鉄で作られた看板のようなものがあった。そこに書いてある文字を見てみるが…
「…なんて書いてあるんだこれ…?」
「私も読めないわ。」
「私も。」
「当然私もです」
何万年と生きてきた俺やハウラ達にも分からない文字が書いてあった。けど俺から見たら文字じゃなくて絵みたいなかんじでかいてある。
恐らくこの神殿の名前が書いてあるのだろう。ここに入ることには関連しないから無視だな。
「椿。ちょっと待って」
「はい?」
ラプラスに呼び止められた椿はどうしたのかとラプラスの方を見る。
ラプラスは手を椿はの方へ向け何かポツリと呟く。瞬間椿の体が光を纏う。
「わわっ!」
「何したのラプラス?」
「物理・魔法完全霧散結界を付与したのよ。あとは各身体能力強化の魔法ね。色々とセットになってるから詠唱しなきゃいけないのは面倒だけどね。その分効果は絶大よ。」
なんだそのパチュリー、魔理沙が聞いたら家に押しかけてきそうなやつは。
「ラプラスさんの言う通り、いつもより体が軽いです。」
「これで一応は大丈夫ね。結界にも超再生をつけてるからすぐには壊れないわ。」
「超再生…」
ラプラスの使う魔法に驚愕しながらも俺達は神殿へと入っていくのだった。
次回からはもしかしたら戦闘になるかもです。╰(‘ω’ )╯三