東方の世界で自由に生きる。   作:はるなが

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クリプトの方では今パンドラ作ろうとしてるんですけど、交易ポイントが足りなくて苦戦してます……。


第五十六話

奏side

 

「ハウラっ!ラプラスっ!混沌らを少しの間頼めるか!」

 

「わかった!任せて!」

 

「わかったわ!」

 

 

俺はそう言うとハウラ達と別行動をとるために椿の背を掴み遥か向こうへぶっ飛ばす。

 

「ふっ!」

 

椿はされるがままに、いくつかの建造物に穴を開けながらぶっ飛ばされる。

一応軽くはしたつもりだ。これでは死なないはず。

 

 

 

俺は吹っ飛ばした先に目を見据える。

 

兵器になった椿を元に戻すことは不可能だ。

俺の能力を使ったとしても流れ込んだ魔力全てを除去することは出来ない。

 

だからせめて戦闘不能の状態にするべきだ。

椿を傷つけるのは避けられない……。どうするべきだ…?

 

 

俺は椿の飛んで行った方に目を向ける。

音を立て崩れていく建造物の中心に一瞬、光る何か。

 

そして刹那、光すらも超越する速度で6つの光芒が飛んでくる。

その全ては俺の体を焼き焦がす程の威力。当たれば重症は避けられない。

 

「ーッ!」

 

俺は体を空中で捻りその全てを避ける。

そして椿の無機質な声が耳に届く。

 

「……。敵を捕捉。殲滅開始。」

 

 

そこには薄く白い装甲を纏った椿の姿。

椿はこちらに手を向けると周りに浮かんでいる五つの槍が飛んでくる。

 

「はぁっ!」

 

俺は紅煉で飛んでくる槍を全て弾き落とすが、それらはふたたび俺の命を刈り取ろうとこちらへ向かってくる。

 

槍一つ一つが意志を持っているかのような動きだ。

的確に関節や首を狙ってくる。

 

紅煉と槍がぶつかり、生み出される無数の火花は儚く散っていく。

 

「……なかなか近づけないなッ…」

 

槍を弾いている最中、視界に映ったのは椿の持つ青い結晶から、幾つもの光芒が放たれこちらにむかってくるものだった。

 

「おっと!」

 

音を裂く速さで迫ってくる五本の槍を捌きながら光芒を避けるのは紅煉1本だとさすがに厳しい…がいいトレーニングにはなるな。

 

 

 

ふと椿の方を見ると、大きな魔法陣を展開していた。

直感的に危険を感じた俺は五本の槍の隙間から飛び退き、その場から距離をとる。

 

「……。敵に慈悲は要らない。神撃。」

 

そして椿は詠唱を完了させると俺の半径100メートル以内が無数の斬撃で満たされる。

 

「うおっ!」

 

さすがに紅煉だけだと厳しすぎるので蒼天を取り出し斬撃を相殺していく。

 

注意深く観察していると斬撃を生み出しているのは、椿の背に生えている羽と同じ、天使の羽だった。

 

「…。ここ。」

 

椿が手を振り下ろすと同時に上からものすごい衝撃が加えられる。

 

「ぐぁっ!」

 

重すぎる…。重力を1億倍にしたような衝撃が上から加えられ、何とか腕でガードをするが思わず膝をついてしまう。

 

衝撃の正体は、混沌たちを越える、石で出来た巨大な手だった。

俺を上から殴りつける形でいる。

衝撃と威力が俺を貫通して、地面にクレーターを作り上げている。

足場が崩れるのも時間の問題だ。

 

「……。まだ足りない…。」

 

 

「うぐっ!!」

 

椿が手を振り下ろすと今加わっている2倍の威力が加わる。

骨が軋み、悲鳴をあげ、この一撃で体力を殆ど持っていかれる。

 

その中で俺は渾身の力を振り絞り、体を反転させ巨大な手に殴り掛かる。

 

「はああああああああぁぁぁ゛!!!」

 

声を上げながら手を殴りつけるが、まだ力が拮抗している。

辺りには衝撃波を生み出し、空間が歪み始めている。

 

「足りねぇ゛!!!まだまだ!!」

 

「……。まだ。」

 

椿は再びこちらに手を翳すと、槍を飛ばしてくる。

 

「ここでかっ!!」

 

渾身の力じゃ足りない!!さらにその倍の力をっ!!

 

 

「ああああああああぁぁぁあああ゛゛っ!!!」

 

 

瞬間、手はベコッと凹み、遅れてその衝撃が手全体に行き渡り、ヒビが入る。俺はそのまま拳を振りかざすと石でできた手は粉々に砕け散った。

 

そしてすかさず3本の槍を紅煉と蒼天でいなし、2本の槍へ持ち変える。

 

「はぁっ!!」

 

俺は掴んだ槍をとある場所に投げ返す。

……それは椿の後ろの魔法陣。

 

「ーッ」

 

椿はそれを屈んで避けるが、ちょうど魔法陣には直撃。

ガラスが割れる時のような音を立て、魔法陣は砕け散る。

 

 

「ぁ………。」

 

か細い声が椿の口から漏れだし、その場へ力なく倒れた。

 

「当たりだな。」

 

椿に流れ込む新しい魔力の奔流の源が、あの背にあった魔法陣だ。

あの魔法陣からは莫大な魔力が椿へ流れ込み、椿が本能的に抑えていたであろう元ある魔力を刺激。

 

そして兵器としての力が再発したのだろう。

 

 

俺は椿を被害が出ないと予想される場所まで避難させ、そこに寝かせる。

 

いくらハウラとラプラスが強いと言えど、相手は混沌。神話生物の中でもかなり上位のものだ。それを同時に五体相手するとなれば少し厳しいかもしれない。

 

 

俺はすぐさまハウラとラプラスの元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。珍しく奏が押されてましたね。

兵器としての椿はそれほど強力な力を有しているって言うことです。


まぁまだ奏は半龍になってない、人間の姿のまま戦ってるんだけどね。

あと、少し奏について説明。

・基本は人。その時に応じて、姿を変えれる。(人、半人半龍、完全龍化)

・基本能力は『破壊と再生を司る能力』しか使わない。
『地を創造する能力』に関しては殆ど使わない。

・奏の身体能力や、そのほかの強さの理由は『自分を進化させる能力』で身体能力や何やらを進化させている。

進化できる回数に制限は無く、効果は永久に続く。
身体能力や何ならの限界も能力でこじ開け、そこから進化させる。

そして現在は神に並ぶ強さ。

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