六色の竜王が作った世界の端っこで   作:水野酒魚。

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最終章
第82.5話 書簡


前略 レーキ・ヴァーミリオン様

お手紙ありがとう。それから、結婚おめでとう。

いやーまさか君に先を越されるとはねー

ま、そうなるだろうと思ってはいたけどさ。

こっちはまあ、ぼちぼちやってます。オレは相変わらずだよー

この間、卒業式があってね。今年の首席はズィルバー君、と言いたい所だけど、残念ながら彼は次席。首席は別の女の子だったよ。

そう言うところまで君たち何だか似てるなあ。

あ、ズィルバー君は五ツ組の天法士になったよ。今年は五ツ組が三人も出たんだ。すごいねー

ズィルバー君は法具の研究をするために、しばらくは天法院に残るってさ。

手始めに、指を無くしたヒトのための義指型法具をつくるって張り切ってるよ。

学院に残るってところは、オレに似たかな?

まあ、彼は教師になるつもりは無いみたいだけど。

アニル姉さんは、無事に元気な女の子を生んだんだって。今はまだ仕事を休んでるけど、子供が乳離れしたらまた食堂で働くってさ。

コッパー院長代理は、卒業式を終えて引退されたよ。コッパー様が後継指名した時はそりゃー大騒ぎさ。

セクールス先生は、ほら、あんな感じのヒトだろ? やっぱり敵も多くてねー

それにコッパー様は穏やかな方だったから、それに甘えてた一派もいたんだよ。

そー言う人たちは戦々恐々さ。セクールス先生、やたらと厳しいからなあ。

オレもよく怒られてるよ。

でもさ、この前見習いから馬鹿者に昇格したんだよー

ん? 昇格じゃない? まあまあ。悪評も無いよりはマシっていうだろ?

そのうちオレも、名前憶えて貰えるくらいにはなるよ。まあ、何があの人の心の琴線に触れるのかはオレもよく解らないんだけどさー

もうじき、そうだなーこの手紙が君に届く頃には、今年の新入生が入学してくるよ。

今年はどんな生徒がやってくるんだろうなあ。毎年この時期はわくわくするんだ。

プレゼントを待ってる子供みたいにね!

あの、『学究祭』ではしゃいでいた、小さなレディは元気かい?

結局君が引き取ることになるとはなあ。

花嫁さんとも仲良くやってるかい?

君にまた会える日が来るのが、本当に楽しみだよ。

それまで、家族揃って健康に楽しく暮らしなよー

じゃあね。

 

親愛なる先輩、アガート・アルマンより。

 

 

拝啓、レーキ・ヴァーミリオンさま。

元気にしてる? お手紙ありがとね!

ちよっとニクスまで行ってて、あなたからの手紙受け取るのに随分時間かかっちゃった。

お返事書けなくてごめん。

あたしもウィルも、かわいい、かわいいウェスタリアちゃんもみんな元気一杯よ!

最近はウェスちゃんも走り回るようになって、もう、大変。父親と同じで、目を離すとすぐどこかに行っちゃうんだから。

あなたのトコにも子供生まれたんだって? おめでとう。

カァラちゃんもいよいよお姉さんね。あの子も随分大きくなったでしょ?

もう九歳だもんね。時間が経つのって本当にあっと言う間だわ。

あたし、五年前は自分が母親になるなんて、思っても見なかった。その前は結婚するとすら思ってなかったし。

あなたもそうだったでしょ?

自分が父親になるなんて、思ってなかったでしょ。

でも生きてるって、多分こう言うことなんだわ。思いもかけないことが、思いもかけないときに、次々起こるのよ。まったく息つく暇もないわね。

所で、『始めの島』のことだけど、少し動きがあったの。

黄成(こうせい)の文書館で古ーい地図が見つかったって。それがどんなものか、今度直接行って確かめて見るつもり。ま、今は金欠なんで、年内にはね。んーでも、あたし黄成の古語って苦手なのよね。どうしよ。

まあ、なんとかなるでしょ。あたしって天才だからね!

次に会うときまで、お互い頑張りましょ。

それじゃあね!

 

あなたの友、美人考古学者、ネリネより親愛を込めて。

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