ラーナ様、リアルワールド(現実世界)に来たる!   作:Brahma

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第2話 ラーナ様、「でんき」を知る

カタリナ(野猿)side

 

「この「でいすぷれい」は何で動いているんだ?」

「電気です。」

「あれも「でんき」といわなかったか?」

ラーナ様は蛍光灯を指さした

「はい。「でんき」というのは、明かりのように照らすものと動力と両方を指す言葉なので...。」

「ややこしいな」

「ランプのようにつけたり消したりできるのか?」

「はい、このスイッチを押せば」

あっちゃんが部屋のスイッチを何度か押してつけたり消したりする。

「ほう。「すいっち」やらを押せばつくのか?火属性魔法や手でランプをつけなくていいのだな。」

「はい。」

「この「明かり」は、どういう仕組みなんだ?」

あっちゃんがネットで検索する。

「えーと、蛍光灯は、管の内側に蛍光物質が塗ってあって、管の中には水銀の粒がはいっていて、フィラメントから放出される電子の粒が水銀の粒や蛍光物質にぶつかって光るもので、1856年、ドイツのガラス工ハインリッヒ・ガイスラーがガラス管に低圧の気体を封入してガラス管の両側の電極に電気を通すと発光するガイスラー管を開発したのが起源とされる。1926年ドイツのエドモンド・ゲルマーが内側に蛍光物質を塗って光を均質に白く発光する蛍光管を開発し、その特許をアメリカのジェネラル・エレクトリック社が1934年に購入。日本では、東芝が1941年にマツダ蛍光ランプとして発売したが、国産が開発されたのは1953年である...。」

「ほう「でいすぷれい」はそういう使い方ができるのか。「百科全書」みたいだな。」

(う~ん、いちいち驚かれてやりにくいなあ)

「正確には、これはいくつかの機関がつくったものを回線で流したり、電波で飛ばして表示するんです。」

「ほう、カタリナが言っていた「かがくぎじゅつ」ということか?」

「そういうことです。」

「マキちゃん...。」

「あっちゃん、Fortune Loverで見ていてわかるように向こうの世界は魔法でいろいろ解決してるんだよ。」

「いやいや「かがくぎじゅつ」とやらも魔法のようだぞ」

「たしかに」

「ラーナ様、これが「すまほ」の先祖になる「でんわ」ですよ。」

「黒くて重そうだな」

「この、丸いところに番号があってこれを回すとつながるみたいです。」

「117をかけてみてください。」

ラーナ様がダイヤルを指で回す。

「ラーナ様、回し終わったらいちいち指をはなすんです。」

「こうか?」

「はい。耳に当ててみてください」

『ピッピッピッポーン、ただいま午後6時20分20秒をお知らせします。』

「ほう、時間を知らせてくれるのか?」

「177を押せば天気予報を教えてくれます。」

「なに?天気までわかるのか?」

「はい。」

「戦争とかするときに天気が事前にわかったら全然有利になるな。そんなにここでは戦争するのか?」

「いえいえそんなわけじゃないです。雨が降りそうだったら傘を持っていけるじゃないですか?」

 

「ラーナ様、わたしの「すまほ」に電話してみてください。」

「桁がおおいなあ」

「いまは「すまほ」は一人1台ですから」

プルルルル...

スマホが鳴る。

「はい、内野です。」

「ラーナだ。カタリナ。線もないのになぜ話せるんだ。」

「外へ行きましょうか?」

「懐中電灯持っていこう」

「うん」

電柱の上を照らす。

「あそこに基地局があって電波を飛ばしているんです。」

「「きちきょく」?「でんぱ」?なんだそれは?」

「ラーナ様、まずこの世界の文字と発音を覚えましょう」

わたしとあっちゃんは五十音の表をラーナ様にみせる。

「あいうえお...」

口を開いて発音し、ひらがなとカタカナを覚える。

漢字は単語で覚えた方がいいので、まずラーナ様が興味をもった電気、電話、電波、基地局、科学技術を漢字で覚えてもらう。

そして由来を漢和辞典で引いてみせる。

「ほう。技術とは、手で巧みに枝を扱うさまから文字ができたのか」

ラーナ様の知的好奇心はすさまじい。漢字、ひらがな、カタカナをたちまち覚えてしまった。

「マキちゃん、ラーナさんってすごいね。」

「だって、学生時代天才少女と呼ばれて魔法学園の成績トップだったんだよ。そして今は魔法省の管理職。日本なら東大卒のエリート公務員だよ。」

「たしかにFortune LoverⅡの設定資料集にあったけど、こうまのあたりにするとすごさを思い知らされたよ。」

「あっちゃん、いまさらりと言ったけど、Fortune Loverに続編が出るの?」

「うん、昨日発表されたばかりだよ。ただ開発期間があるだろうから出るのは2年後かな」

 

そのときだった。

「敦子、夕食よ。内野さんも来ていたら一緒に召し上がっていただきなさい。」

「はあい。内野さん、行こう。」

わたしとあっちゃんは、ラーナ様にちらりと振り向く。

「うむ。行ってくるがいい。私のことは気にするな。かえって前世ソフィアの母親を驚かせることになるからな。」

 

さて、わたしとあっちゃんは、佐々木家で夕食をいただいた。しかし、ラーナ様のことが気になって仕方ない。

 

 

今日の夕食はなんとかごまかせた。しかしラーナ様は元の世界にもどれないので、あっちゃんの部屋にいるしかない。

 

ラーナ様が来てから、あっちゃんは、部屋に鍵をかけるようになったようだ。それから食事のあまりを持っていくようなら何か飼っているのか疑われかねないことから、仕方ないので二人で高校の購買で余分のパンを買って持っていことにした。

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