真奈瀬晶は混乱していた。
ただでさえ理解の埒外にある夢の世界がもはや自らの想像力の範囲を逸脱している。
おそらく自分だけではない。そばにいる仲間たちもこの……自分の人生が、どこか手の届かないところでズレてしまったかのような、足元がおぼつかないような感覚を覚えているのかもしれない。
……しかし。
しかしだ。
恐怖はある。驚きの余り立ちすくんでいる。しかしそれでも、自分の胸を満たすその理屈を超えた感慨もまた、掛け値なしに本物なのだと理解できた。
『
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嵐を震撼させる圧とともに、豪雷もかくやという咆哮が迸った。それに伴い、無数の軍勢が荘厳とさえ思える蛮声を轟かせる。
その軍勢をまとめあげる主もまた、紛うことなき別格の存在である。
怪物としか言いようのない、巨躯の双頭狼が、口から業火を吐き出しながら、黄金に輝く双眼を剥く。
その獣が率いる絢爛な戦車に腰を下ろす少女もまた、騎獣に劣らぬ---否、彼女こそがそれらを染め上げる圧倒的な王。獣性の持ち主であった。
「……ふむ」
……しかし今、その凛々しい顔は困惑に歪んでいた。
彼女が睥睨する、その視線の先では……
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無数に放たれる咒法を透過しつつ、神野は嗤う。
「セージ……人がせっかく盛り上がっているっていうのに、水を指すなんてヒドイじゃないか」
「黙れよ蝿が、前々から腹に据えかねてはいたが、いよいよ許せん。今ここで---ッ!」
遠距離攻撃に見切りをつけ、直接解法を叩きつけるべく間合いを詰めようとした聖十郎であったが、直後弾かれたようにその場を離れる。
次の瞬間、その場に無数の刃が雨あられと降り注ぐ。
「……邪魔だぞ。引っ込んでいろ傀儡ども」
そう吐き捨てる聖十郎の目の前には、夜叉の面をかぶった挑発の女が佇んでいる。
自身にかけられた言葉に一切反応することもなく攻撃を続行する面の女。
その様子を見てすかさず揶揄しようとした神野もまた、別の見えざる敵の攻撃を受ける。
「……痛い、なァ」
その様子は今までの怒涛の攻撃をいなしていた時の態度とは異なり……霞のように実態が曖昧であった神野にも攻撃が通用するということの証左でもあった。
そして、強者の争いの中で見事に不意を打って水を差した張本人。
それまでに出てきた異質な存在たちに負けず劣らず、その異常な闘争を意にも介さず飄々とした態度を崩さぬその男は、薄ら笑いを浮かべて眼下の惨状を見下ろしていた。
久しぶりなのでちょっと短め。
きっと彼が標準語だったらもっと戦真館二次創作が多いと思うんだ(真顔