イナズマイレブンGO3 DASH 〜宇宙人などいない、本当の世界大会〜   作:ふぉれスノ

7 / 9
今日はポケモンSVの発売日ですね。私はスカーレッドでホゲータを選んでパルデア地方へ旅立ちました。


第7話「韓国の紅き龍」

 

『先制された日本、ここからどう反撃していくのか!日本ボールで試合再開です!』

 

 剣城から天馬へのバックパスから試合が再開する。

 

「(前半のうちに追いつかないと...!)」

 

「(俺が必ず突破口を開く..!)」

 

「(僕が決めてみせる...!)」

 

「(チーム全体で攻撃の意思疎通ができていない...このままでは...)」

 

 チームの連携が取れていないことに焦る神童だったが、前線は止まらずに攻め上がる。

 

「雪村さん!」

 

 天馬からボールを受けた雪村は右サイドを駆け上がるが、すぐさま韓国のMF陣のプレスに囲まれてしまう。

 

「必殺技でダメならこれだ!はぁぁぁ!!」

 

 雪村が気を溜めると背中から紫のオーラが出現。大きな槍を持った氷帝が現れる。

 

「『豪雪のサイヤ』!!」

 

『雪村、ここで化身を発動!パワーで無理やり突破するか!?』

 

「『アイシクルロード』!!!」

 

 氷を纏った、必殺技よりも強力なシュートが地面を這いながらゴールに向かう。しかしシュートコースには案の定ジョンホが必殺技の体制。

 

「『じばしりかえん』!!」

 

 縦回転で地面を這うシュートに対しボールの上側を擦るようにシュートブロック。先程のシュートほどのパワーダウンはしていないようだが、さらにGKドヒョンが止めにかかる。

 

「任せろ!「『大爆発張り手』!!は!は!は!は!は!はいぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 シュートブロックとキャッチ必殺技に雪村のシュートは完封された。

 

「化身シュートでさえ通用しないのか...!」

 

『日本の攻撃はまたも韓国の完璧なディフェンスに完封されてしまった〜!!』

 

「みんな!前のめりになりすぎるな!…シュートが防がれる以上、なにか解決策を考えないと突破は厳しい!」

 

 焦る前線の選手たちに神童は声をかけ、自身も解決策を熟考する。

 

****

 

「ドヒョン!!」

 

 そして韓国はチュンユンの指示ですぐさま速攻。ドヒョンからジフンにボールが渡る。

 

「何度も同じ手にかかると思うな!」

 

 速攻を完全に読んでいた護巻は紫のオーラを纏い、消え現れを繰り返しながらジフンに近づく。

 

「『バニシングカット(G3)』!!」

 

「ナイスカット!護巻!」

 

 ボールを完全に奪った護巻はオーバーラップしながら攻め手を探る。

 

『両者一進一退!このまま韓国リードで折り返しか〜!?』

 

「(神童が言っていた通り、なにか解決策を考えないと…FWにパスが繋げられないことには直接シュートするのは難しい…かと言ってロングシュートを打っても()()を殺されてシュートブロックで止められる...。ん?()()……そうか!!)」

 

 護巻は相手の敵陣で突然立ち止まり、黒裂へバックパス。

 

「黒裂!お前の技なら通用するはずだ!」

 

「俺の技…。…!!そういう事か!」

 

 ボールを受けた黒裂は護巻の意図を汲み取ると、体を捻りながらボールへパワーを溜める。引いた足をクロスボウのように弾き、つま先でトウキック。

 

「『バリスタショット V3』!!」

 

 ボールの中心をとらえたシュートはゴールへ一直線。

 

「何度やっても同じだ!『じばしりかえん』!!」

 

 ジョンホは先程と同じように必殺技を発動しシュートブロック。しかし黒裂のシュートは威力を落さず、逆に威力が増してゴールに向かって行く。

 

「何!?」

 

「すごい!シュートブロックされても威力が全く落ちてない!!」

 

「そうか!『バリスタショット』はトウキックでボールの中心をとらえた無回転シュート。スピンでシュートの回転を殺すシュートブロックは逆効果だ!」

 

「止める!!大爆発張り…ぐあぁぁぁ!!」

 

1-1

 

 必殺技を発動しようとしたドヒョンだが、『じばしりかえん』によってスピードが増した黒裂の『バリスタショット』に間に合わず不発に終わり、シュートはゴールネットに突き刺さった。

 

『ゴーーール!!日本のMF黒裂の鋭いシュートが韓国のシュートブロックをくぐり抜けゴールネットを揺らしたーー!!』

 

「ナイスシュート!黒裂!」

 

「この得点は突破口に気づいてくれた護巻くんのおかげだ。ありがとう。」

 

「俺じゃ絶対思いつかないです!」

 

「護巻、よく気づいたな!すごいよ!」

 

「お、おい、そんなに褒めんなって…」

 

「満更でもなさそうだな…」

 

****

 

「ほう、あのディフェンスの弱点に気づきましたか…ですが、このまま上手く行くとは思わないことですね…」

 

 韓国ベンチのチャンスウは再びを選手たちにアイコンタクトを送る。

 

「よし、あれをやるぞ。」

 

 韓国はキャプテンチュンユンの指示を受けすぐさまポジションに戻る。

 

****

 

『先制された日本、すぐさま1点を返し試合を振り出しに戻しました!この勢いのまま勝ち越すことはできるのか!?』

 

 神童は自陣に戻りながら次の攻撃について考えていた。

 

「(韓国はきっと黒裂を警戒してくるはず。厚くなる黒裂へのマークの裏をかくのが良さそうだな。)」

 

 失点した韓国から試合再開。ソヨンがチュンユンにバックパスをして攻め上がる。

 

「すぐに勝ち越してみせる!『ワンダートラップ V3』!!」

 

 進化してボール奪取スピードが上がった『ワンダートラップ V3』でボールを奪った天馬を筆頭に、日本の攻撃陣は敵陣に深く攻め込んでいく。

 

「黒裂さん!もう一度お願いします!」

 

 天馬はドリブル中にノールックでバックパス。黒裂は再び必殺技の体制に。

 

「今だ!!」

 

 しかしボールが黒裂に渡った瞬間、チュンユンの指示で韓国選手2人が黒裂へプレスをかける。

 

「やはり来たか!真狩、フォローに入れ!」

 

「はい!」

 

 黒裂への韓国のプレスを予測していた神童はすぐさまフォローの指示。その時、神童を横切ったチュンユンはニヤリと口角を上げる。

 

「(笑った?)」

 

 それを見た神童はさらに警戒を強める。

 

「始めましょう、我々の()()()()完全なる戦術を。」

 

 韓国ベンチのチャンスウはチュンユンと同じく口角を上げそう呟く。

 

「真狩くん!」

 

 黒裂はフォローに入った真狩にバックパス。しかしそこでチュンユンが指示を出す。

 

「竜の雄叫びを聞け!我らが必殺タクティクス、『パーフェクトゾーンプレス』!!」

 

「何だ!?」

 

 次の瞬間、韓国のDF陣が動き出しプレスに加勢し真狩の周囲を高速回転。

 

「「!?」」

 

 そして黒裂をマークしていたMF陣も黒裂と真狩の周囲を大きく高速回転。

 

「…!!」

 

「速い…」

 

「黒裂を警戒してくるとは思っていたが、まさかここまでするのか!?」

 

『これは…ファイヤードラゴンのDF陣が真狩を、さらにその外側に黒裂をMF陣が包囲!イナズマジャパンの連携がこの包囲網によって断ち切られてしまったー!!』

 

「なんだこの技は…!黒裂と真狩、それに俺たちまで分断しようというのか…!」

 

「残念だが、これは技ではない。…戦術だ!」

 

「何!?」

 

「見ていろ、2つの包囲網の動きを。龍がお前達を締め詰めてくるぞ…!」

 

「さあ、このプレッシャーからどう脱出する…?」

 

『2つの包囲網が、2人を押し潰さんとばかりに縮まっていく!黒裂と真狩、完全に孤立してしまったー!!』

 

「まずい…!」

 

「どうすれば、どうすればここから抜けられる…!」

 

 少しずつ縮まっていく包囲網に2人は焦り始める。

 

「(このままでは奪われてすぐにカウンターを食らってしまう…。すぐにボールを動かさなければ!)」

 

 神童は脳をフル回転させて打開法を探る。

 

「真狩!パスは出せるか!?」

 

「いえ!ピッチの方向がわからない上、パスコースが全く見えません!...見えるのは空だけです!」

 

「(どうにかしてパスを…。()……!そうか!()だ!)」

 

 神童は真狩の言葉をヒントに攻略法を閃き、すぐさま指示を出す。

 

「霧野!天馬!剣城!『フライングルートパス』だ!!」

 

「「「!!」」」

 

****

 

「そうか!あのタクティクスならパスを回せる!」

 

「貴志部、あのタクティクスって何だ?今神童が言っていたやつか?」

 

「ああ、HR(ホーリーロード)で雷門が使っていた必殺タクティクスだよ。」

 

 HR(ホーリーロード)の全国大会は『ロシアンルーレットスタジム』で試合が行われていた。試合ごとにランダムに選ばれるフィールドには様々な特徴があり、HR(ホーリーロード)全国大会3回戦『雷門VS木戸川清修』の試合は『ウォーターワールドスタジアム』で行われた。『ウォーターワールドスタジアム』ではフィールドが不規則に水没する『ピッチダウン』が起き、雷門と木戸川の選手達は苦戦を強いられた。そこで雷門は監督の鬼道が考案した必殺タクティクス『フライングルートパス』で『ピッチダウン』を攻略した。

 

「あ、だからあの3人なのか!」

 

「でもあのタクティクス結構ムズイんすよー」

 

「そうなのか?」

 

「はい、あれって自分が着地する前にジャンプをした相手に合わせてパスを出して繋げるタクティクスなんで、ジャンプのタイミングとかトラップの位置とかパスする相手とか、一度にたくさんのことを考えなきゃいけないんすよね。」

 

 『フライングルートパス』に参加経験のある狩屋は、2人にその難しさを説明する。

 

「確かに難しそうだな…」

 

****

 

「真狩、霧野の声が聞こえる方向に上向きにボールを上げてくれ!」

 

「上向きにですか!?」

 

「真狩、こっちだ!」

 

 神童の指示とともに霧野は真狩に近づき、位置がわかるようにボールを要求する。

 

「必殺タクティクス!『フライングルートパス』!!」

 

 神童の指示により真狩は霧野の声の方向にボールを上げる。次の準備のため天馬もジャンプ。その時、チュンユンの指示が飛ぶ。

 

「龍よ、今こそ()()姿()を見せる時だ!!」

 

 指示が出た瞬間、回転していた韓国選手の1人がジャンプ。すると包囲網が縦に伸び、真狩のパスがカットされてしまった。

 

「「「「「!?」」」」」

 

「何だと…!この攻略すら読んでいたというのか!」

 

****

 

「えぇ!?今のは成功する流れだったでしょ!!」

 

「『フライングルートパス』を防ぐには相手の動きを予測することが必至。上空でパスを回してくることは、最初からわかっていたのか…」

 

****

 

「たとえ龍であっても弱点は存在する。その弱点は強き者との戦いの中で補う!これこそが我らの真の完璧な戦術、『ネオ・パーフェクトゾーンプレス』!!」

 

 カットされたボールは包囲網の中に。

 

『おっと真狩ついにボールを奪われた!』

 

「くそっ、取り返してみせる!」

 

 ボールを奪われた真狩はさらに焦りを覚え強引にもボールを奪い返そうとする。しかし、包囲網は厚く、すぐに弾かれてしまう。

 

「真狩くん!」

 

「真狩!」

 

「まるで氷の壁だ…」

 

 韓国は奪ったボールを内側の輪と外側の輪の間を繋げ始める。

 

『ここでDFの輪からMFの輪にボールが回ったー!』

 

「…!!このスピードの中、なんて正確なパス回しなんだ!」

 

「さあ、奪えるかな…?」

 

 包囲網でボールを回すピョンミンは黒裂を挑発。追い詰められた2人の焦りをさらに加速させる。

 

「ああ、やってやるさ…!」

 

「くそっ!こんな壁、すぐに破ってみせる!黒裂さん!」

 

「ああ、わかった!」

 

「2人とも、落ち着くんだ!」

 

 2人の焦りを汲み取り声をかける神童だが、黒裂と真狩はボールがある内側の包囲網に向かってボール奪取を試みる。しかし韓国選手はそれを確認しアイコンタクト。ボールを外側の包囲網にパスして突然高速回転を止めると、包囲網が姿を消す。

 

「「何!?」」

 

 足を出した両者は正面衝突。黒裂の足裏が真狩の膝に激突。それによってバランスを崩した真狩の膝が黒裂の太ももに強打。

 

『なんと、黒裂と真狩が激突!信じられない展開!チームメイト同士でクラッシュだー!』

 

「ぐっ…!」

 

「あぁぁ!!」

 

 衝突した2人は足をおさえてもがき苦しむ。日本選手は2人のもとに駆け寄る。

 

「真狩!!」

 

「黒裂!!」

 

「2人とも、大丈夫か!」

 

「悲劇だ。しかしこの悲劇はあの2人が自ら招いたもの。徹底したプレッシングによって相手を封じ、恐怖によって精神を支配する。更には攻略法までも封じてしまう。こうなるともう正常な判断はできない。」

 

「精神を支配するだと…?」

 

「現に君も混乱している。これこそが我らファイヤードラゴンの()()()()必殺タクティクス、『ネオ・パーフェクトゾーンプレス』!!」

 

『ピッピーッ!!』

 

『ここでホイッスル!スコアは1-1の同点で折り返しです!果たして日本は韓国の必殺タクティクスを封じることができるのか!?』

 

****

 

   ドイツ・ヘッセン州。とあるホテルの一室。   

 

「ついに出たな、あの必殺タクティクス」

 

「俺たちとの試合で突かれた弱点を補って進化した『ネオ・パーフェクトゾーンプレス』。チャンスウの経験を次世代にも継承しているわけか…」

 

 10年前、FFIアジア予選決勝「日本代表イナズマジャパンvs韓国代表ファイヤードラゴン」では韓国が同じく『パーフェクトゾーンプレス』を発動。苦戦を強いられたイナズマジャパンだったが、監督の久遠、司令塔の鬼道によって空中でのパス回しが弱点であることを見抜き、必殺タクティクス『ルート・オブ・スカイ』で『パーフェクトゾーンプレス』を攻略した。

 

「あの進化したタクティクスをどう攻略する、神童。」

 

「そろそろ出発の時間だな…」

 

「ああ。あいつを呼んできてくれるか?」

 

「わかった。…円堂!!そろそろ出発するぞ!」

 

 豪炎寺は洗面所で身支度をしている円堂に声をかける。

 

「ああ!準備万端だ!!」

 

 そう言って洗面所から出てきた彼は上半身はシャツにジャケットを羽織っているが、下半身は寝巻きのズボンを履いたまま。

 

「…円堂。もう一度鏡を見てみろ…」

 

「え?やべ、ズボン履き替えるの忘れてた!!」

 

 自分の姿を見て慌てて着替える円堂に豪炎寺と鬼道は頭を抱える。

 

「こりゃ夏未も毎日大変だろうな…」

 

「それと円堂、バンダナは外していけ。顔が割れている以上、いつもの格好で行動するのは危険だ。」

 

「それもそうか…そういえば2人もなんか雰囲気違うな…」

 

 豪炎寺はいつもの逆立った髪を下ろし、鬼道はトレードマークのゴーグルを外し、代わりにサングラスをかけている。

 

「そうだ、試合はどうなった?」

 

「黒裂が1点返して同点で折り返し。だが『パーフェクトゾーンプレス』で日本の攻撃が完全に防がれている…」

 

「そうか…まあ!大丈夫だ!あいつらを信じよう!」

 

「そうだな。」

 

「よし、準備完了!出発だ!!」




今作では、必殺技の進化によるパワーアップが原作よりも大きいイメージで描いています。『バリスタショット V3』は韓国ゴールを奪えるほどパワーアップしています。今後も必殺技の進化を多様していこうと思っていますので、お楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。