夜を灯し駆け回る狐面の男〜内に秘める妖傀を想いの炎で焼き尽くす〜   作:桜桃 

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「絶対に諦めない」

 学校の屋上で星桜と凛、翔月と弥幸が円になってお昼ご飯を食べていた。

 星桜と凛はお弁当で、翔月は焼きそばパン。

 弥幸はというと。

 

「なんで飲むヨーグルトしか持ってきてないの赤鬼君……」

 

 星桜はお弁当を片手に、隣に座っている弥幸をジトッと見ていた。

 

「美味いから」

「好きなのはわかるけど、ご飯はしっかり食べないと体が持たないよ?」

「今まで問題なかったから別にいいでしょ」

「今までも同じ食生活だったの?! まさか、夜ご飯もヨーグルトじゃないよね?!」

「夜は逢花が無理やり食わせてくる」

「逢花ちゃんナイス」

 

 弥幸の言葉に星桜はガッツポーズをする。

 

「ところで、普通に四人で食べてるけどさ。私、赤鬼君と話したことないし声も今初めて聞いたんだけど。それに、マスク取ったらめっちゃ美形とか……。どこのアニメの主人公なのさ」

「そう言う君はどこの悪者だったのかな。自分で感情を爆発させてめんどくさいことして。友人を傷付ける余裕があるなら、這い上がる方法でも考えてた方が有意義だったじゃないの? 無駄に時間使ったね」

 

 凛が殴りかかろうとしているのを、星桜が「待って待って!!」と必死に止めていた。

 

 凛には弥幸についてや、昨日の出来事を星桜が出来るだけわかりやすく伝えた。足りないところとかは翔月も一緒に、理解出来ている部分だけでも付け足しながら。

 

「あんた、やっぱり話さない方がいいわね。残念なイケメンの代表よ貴方……」

「どうも」

「褒めてないわよ!!!」

 

 凛と弥幸は相性が悪いらしく、今でこれでは今後の付き合い方は難しい。それを察した星桜は溜息をつき、お弁当の中に入っていた肉団子をすくい取り頬張る。

 

「なぁ赤鬼」

「何」

「赤鬼の使ってる神力って、俺も使えるのか?」

 

 翔月の質問に星桜と凛は驚き、弥幸は「なんで」と一言返す。

 

「俺も戦えたらって思ったんだ。お前の手伝いも出来るし、もしお前が手の届かないところに妖傀が出現したら困るだろう。それに、二つ同時に現れたりとかしたら、人数が多い方が良いと思ってな」

 

 翔月はそう説得しようとするが、弥幸は顔を俯かせてしまった。乗り気のようには見えず、少し考えている。

 

「それなら私も参加したい」

「凛? でも、凛はまだ戦闘を見ていないでしょ? 安易に決めたらダメな事だと思うよ」

 

 凛も翔月の話に乗っかりそう口にしたのだが、星桜は今までの戦闘を目の当たりにしているため、心配そうに声をかける。

 弥幸もちらっと目を向けていた。

 

「私と望月は運動神経悪くないし、神力さえ使いこなすことが出来れば──」

「悪いけど、それは不可能だよ」

 

 弥幸は凛の言葉を途中で遮り、拒否する言葉を吐いた。だが、それは翔月も凛も分かっていたらしく驚かない。

 

「確かに危険だし、これから赤鬼には迷惑ばかりかけると思う。それでも俺達は力になりたいんだ」

「私は貴方に救ってもらった。なら、今度は私が他の人を救いたいの。そうやって想いをどんどん繋げていきたい」

 

 二人は何とか力になりたいと祈願するが、弥幸は一向に頷かない。

 星桜も不安げに翔月達と弥幸を交互に見る。

 

「別に、迷惑とか想いがどうのとか。そういうのはどうでもいいんだけど」

 

 弥幸の意外な言葉に、二人はキョトンと目を丸くする。

 

「え、じゃぁ何がダメなの?」

 

 凛がおそるおそる聞いてみると、弥幸が簡単に説明を始めた。

 

「そもそも、神力を扱える人間は限られてるの。代々受け継がれているとか、その才能に目覚めたとか。まぁ色々あるんだけど。多分君達は神力を扱う権利を得ていないと思うよ」

「な、ならどうすればいいの? 私達は貴方が救ってくれたみたいに、今度は他の人を──貴方のことも救いたいの。だから、何か方法は無い?」

「方法は無いわけじゃないけど、これはこれでめんどくさいんだよね。それに、君達には難しいと思うよ?」

「難しいって、一体どんな方法なんだ?」

 

 弥幸の面倒くさそうな言葉に、翔月が質問する。

 

「君達が精神力をコントロールし、神力に近い力を使うには僕の力を分けるしかない。それを僕達の業界では【(とも)】と呼んでいる」

 

 そう説明をし、翔月と凛は「じゃあ!!!」と同時に声を出す。だが、弥幸はすぐに察したらしく腕をクロスさせバッテンを作り「却下」と言い放った。

 

「なんでよ!!」

「めんどくさいのが一番の理由。そして、もう一つの否定理由は、僕の神力を分けるのにも条件があるんだよ。君以外の二人はもうわかってると思うけど最低条件として、ロウソク訓練をクリアしてもらわないといけないんだ」

 

 凛を横目で確認しながら弥幸は、欠伸を零しながら眠たそうに説明する。「まぁ、無理だと思うけど」と付け足した後、少し顔を俯かせてしまった。

 

「それなら俺はやるよ。絶対に諦めない」

 

 翔月の目は決意を固めたような真っ直ぐとしている。そして、凛も同じく真っ直ぐとした目で弥幸を見た。

 

「私も!! その、ロウソク訓練がどのような物か分からないけど、それが必要なら最後まで絶対にやりきってみせる!! だからお願いします!!」

 

 二人は弥幸に頭を下げ、お願いした。そんな二人に対して彼はなんの反応も見せず、俯き続ける。

 

「赤鬼君。ここまでお願いしているんだから少しは考えてっ──」

 

 星桜が弥幸に言い、顔を向けたのだが何故か言葉を止めてしまった。

 翔月と凛も不思議に思い、少し顔を上げ彼の顔を見てみる。すると、凛の怒りの声が屋上に響き渡った。

 

「ね、ねねねねねね寝るなぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」

「いってぇぇぇぇええ!!!!」

 

 凛の叫びとともに、弥幸の頭には鉄槌が落とされた。それに怒りの声も被さり、弥幸の悲鳴も一緒に鳴り響いた。

 

 弥幸は説明したあと、フードを深く被っているため表情が見えないことをいいことに目を閉じ寝ようとしていた。そのため、凛から鉄槌を落とされても、仕方がない。




ここまで読んでいただきありがとうございます
次回も読んでいただけると嬉しいです

出来れば評価などよろしくお願いいたします(*´∇`*)
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