無個性でもヒーロー目指す!。   作:斬る斬るティー

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第10話:嫌な再開

 

 

「そろそろ時間だな」

 

雄英入試の日の夜に雄英から電話が来て後日、雄英に訪れて欲しいと言われたから今日は雄英に来ている。

 

「ちゃんと五分前行動が出来るとはな」

「!?」

 

声が聞こえた方を振り向くと、無精髭を生やしヨレヨレの・・・言い方は悪いが汚い服を着た男が立ってた。殆ど気配を感じなかった。誰この人?

 

「ホームレス?」

「違う。雄英教師の相澤消太だ。よろしくね」

「これは失礼仕りました! 拙者、この度出頭を申し渡されました。不死黒一騎と申しまする」

「知っている。あと喋り方が可笑しいぞ」

「あぅ・・・」

「私も居るわよ、不死黒君」

 

 そう言って現れたのはSM嬢のような過激なコスチュームに身を包み、両手を頭んぼ後ろで組んだ女性、18禁ヒーローミッドナイトだ。

 

「ご無沙汰しております。ミッドナイトさん」

「ミッドナイトさん、不死黒と面識があったんですか?」

「えぇ、2年ほど前の立てこもり事件で面識があったの」

「なんであの時に言わなかったんすか」

「あの時はオールマイトさんの驚きが大きくて忘れていたわ」

 

 てへ、と言うミッドナイトと溜め息をつく相澤。それを見て一騎は「あはは」と苦笑いをするしかなかった。

 

オールマイト・・・。ダメだな、どうしても名前を聞くと嫌悪感が湧いてしまう。悪いのはどう考えても俺なのに、オールマイトは正論しか言ってないはずなのに・・・。

 

「どうした?」

「大丈夫?」

「大丈夫です」

「そうか、それじゃあ着いてこい」

「はい」

 

 目的の場所に向かう途中に一騎は何故今回自分だけ呼び出しを喰らったのか気になりその質問をすると、帰って来た答えは一騎の運動の能力の事に関してだった。

 

「一騎君、私からも質問しても良いかしら?」

「なんでしょうか?」

「貴方はなんでヒーローを目指すの?」

「今の社会をぶち壊す為です」

 

 ミッドナイトの質問に今の社会を壊すためと、なんの躊躇も戸惑いも無くそれどころか顔色一つ変えずに即答する一騎に2人は驚き思わず足を止めて振り返ってしまう。

 

「どうしましたか?」

「い、いや。何でも無い」

「なんで社会を壊すなんて思うの?」

「その()()()は、お二人が個性持ちだからそう思えて言えるんです。無個性ならこんな事を思っても不思議では無いかと」

 

 そして一騎は一呼吸を置くと更に言葉を続ける。

 

「今の個性主義社会は無個性には生きにくい世の中なんです。個性を持たないだけで、生きる意味を存在意義を存在価値を努力を夢を全部否定され、謂われの無い暴力を振るわれる。

 その暴力を振るわれてる無個性を大人は教師はそしてヒーローは助けてくれない。たとえ助けてと手を伸ばしても・・・誰も助けてくれなかった。」

 

 語った後に「ま、俺だけかもですが」と笑顔で言う一騎のその笑顔が、無理に作ってるのが分った二人はどれだけ辛い人生を歩んできたのかを想像してしまった。

 そして何より二人は同じヒーローで有りながら助けを求める者を無個性と言う理由で見捨てたヒーローに苛立ちを覚えていた。

 

「でもお二人が無個性がヒーローを目指すの変と思うのも分かります。俺も憧れのヒーローに無個性ではヒーローに成れないと言われたので」

「・・・え」

「なんですか?」

「その一騎君に言ったヒーローって・・・」

「誰かは言いませんよ。言ったのが誰かが分かれば問題になりかねないので」

「・・・そう」

「ついたぞ」

 

 あれこれ話しているウチに目的の場所に着き、教室内に入ると窓側にネズミでありながら個性を発現した根津校長を初めとしてその場に居るのはプレゼントマイク、ブラドキング、セメントス。エクトプラズム、スナイプ、13号というそうそうたる顔ぶれが座っていた。これに加え相澤とミッドナイトも加わるのだ。

 

「初めまして、不死黒一騎と申します」

「私は校長の根津なのさ! とりあえずその子の椅子に座って欲しいのさ」

 

 そして促されるまま椅子に座ると一騎と根津は数秒間目を合わせると根津が先に口を開く。

 

「今回呼ばれた理由は相澤君から聞いてると思うけど、私達雄英側は君が何かしらの個性持ちだと思っているんだ」

あ”?

 

 実技試験のことでと聞いてはいたが突如、死に物狂いで努力して身に付けた技術や力を個性と言われたことで思わず殺気を放ち威嚇してしまう。

 その殺気は相澤達が驚いてしまう程のものだった。だが、根津だけは一切驚かず冷静に話し出す。

 

「気を悪くしてしまったらすまいのさ。だけどね、実技の君のあの動きや力は無個性の者が出せるとはどうしても思えないのさ。

 僕達は無個性の子があそこまで出来るのを初めて見た、だから今回呼んだのは君が無個性と証明して貰うためなんだ。僕達の無知を許して欲しいのさ」

 

 立ち頭を下げる根津を見て一騎は一息吐くと立ち上がり深々と頭を下げる。

 

「此方こそすみません。確かに無個性があんな動きをしていたら疑ってしまうのは当然でした。それに対して少し殺気を放ってしまいました。すみません」

 

 自分の反応が間違っていたと謝る一騎。だが教師陣はそれよりも一騎が先ほど放った殺気がそこらのヴィランを遥かに上回る物だったのを『少し』と言ったのに驚く。

 そして一騎は席に座り直し、話の本題に戻る。

 

「それで不死黒君の無個性証明だけど、相澤君に協力して貰うのさ」

「つまり相澤さんの個性『抹消』を俺に使ってその状態でなにか運動の試練をクリアすれば良いんですね」

「そうなのさ」

「一騎君はなんで彼の個性を知ってるの?」

 

 一騎が相澤の個性を当てた事に驚きミッドナイトが質問すると一騎は不思議そうに首を傾げて答える。

 

「なんでって、相澤さんは抹消ヒーローイレイザーヘッドですよね?」

「ああそうだがなんでそう思った」

「2年前の夜中に貴方を一度見たことがありまして、今日後ろから歩き姿を見て重心の移動や歩き方で相澤さんがイレイザーヘッドだと認識しました」

「は、ハハ。それじゃあ始めようか」

 

根津さんが変な笑い方をしてから面接じみた三つ目の試練が始まった。

っても相澤さんが俺に抹消を使ってる間に作られた分厚めのセメントの壁を殴り壊したり、沢山に増えたエクトプラズムと百人組み手みたいなのをしたりを2時間ぐらいして疲れた。

 

「ねえ、物を粉々にするパンチはどうやっいているの?」

 

 二重の極みに疑問を持ったミッドナイトが質問すると一騎は気まずそうな表情を浮かべる。

 

「企業秘密です」

「なんで?」

「必死こいて身に付けた技をそう易々教えたくないからです」

「そう、それは残念ね」

 

 残念な表情を浮かべ諦めるミッドナイト。そして検査は終わったために根津が話す。

 

「以上で終わり、君が無個性と証明されたのさ!」

「それは良かったです」

「最後に一つ質問しても良いかな?」

「はい」

「そこまでの強さは並大抵の努力じゃあ身につかない。どうやって身に付けたんだい?」

「・・・無個性がヒーローに成るんです、普通の人(個性持ち)の何千何万倍の努力をしてようやく一人前の努力になるかもなんです。そしてその何倍もの努力を何年も続ける!ただそれだけです。

 無個性から勇気や努力を取ったら何も残らないので」

 

 もの凄くいい顔をして言う一騎に教師達は思わず感心してしまう。

 

 

「そうか。・・・折角の休みの日にきてもらってすまなかったね」

「いえ、それではしつr「わ~た~し~が~!」 嘘だろ・・・」

 

「不死黒少年に~!会いに来たー!!」

 

 大声で言って勢いよく入って来たのは誰しもが知る№1ヒーロー、オールマイトだった。

 

「お、オールマイト・・・!」

「久しぶりだね、不死黒少年!」

「な、なんのようですか?」

「私は君に言わねばならないことがある」

 

 その言葉を聞いた瞬間にあの日言われた無個性ではヒーローに成れないともう一度言われると思い一騎は2歩後ずさりしてしまう。

 

 

 

「なんですか」

「私は君に謝らなければならない」

「・・・は」

「あの時、君の努力も何も知らずに否定した」

 

止めろ謝るな。今さら、今さら否定したことを無かったことにするな!

 

「不死黒少年」

 

やめろやめろやめえろ・・・・・ヤメロ! 割れる、今まで抑えてた何かが割れて出てくる。

 

「すまなかった」

 

あ、ああ、ダメだ、体の奥底からあふれ出る。

 

「君はヒーローになr「巫山戯るなああああ!!」 !?」

 

な、何してる俺!?早く謝らないと!

 

「なにが、なにがすまなかっただ!」

 

もういいや。いまはこの感情に全て任せよ。

 

「ふ、不死黒君」

 

 一騎の怒声に驚きながらも根津は声を掛け落ち着かせようとするが、一騎の耳にその言葉は届いていなかった。

 

「あれから何年経ってると思ってる! アンタに夢を無個性だからと否定されてからどれほどの月日が経ったと思ってる。それを今さら!すまなかっただぁ”ー!!

 どうせ本当はすまないとか思って無いだろ!無個性差別じみた発言したの消したくて謝ってるだけだろ!」

 

「ち、違う!」

「触んな!!」

 

 落ち着かせようとしたオールマイトの手を払いのけると、殺意を込めた鋭い目付きで睨み付ける。

 

「違う?だったらなんでもっと早く来て言ってくれなかった。否定されてからどんな気持ちで過ごしてきたと思う!なんでもかんでも、無個性無個性無個性!そのくだらない理由で夢まで否定された!

 なのになんだ!今更手の平返して、夢を否定したことをすまなかった?君はヒーローに成れる? 巫山戯るな!フザケルナ!ふざけるなぁ!!」

「わ、私は」

 

「今分かった。お前だ、お前みたいなのが上にいるから今のご時世も無個性差別があるんだ!!お前は俺にとっての(ヴィラン)だ!!」

「っ!!」

「所詮お前は・・・・・・・・・画面越しのヒーローだ。

 

 お前に憧れた自分が死ぬほど憎いよ」

 

 教室を一騎の殺気が埋め尽くす。しばらくの静寂の後に深く息を吐くと一騎は根津達の方を向き深く頭を下げる。

 

「失礼します」

 

 ただ一言言うと教室を出て行く。そしてオールマイトは未だに放心していた。

 オールマイトは入試の日の夜に一騎を調べていたのだ。そして分かったのはヘドロヴィランの時に緑谷の次に飛び出し緑谷と爆豪を助けヴィランを倒した事、初めてあった数日後には立てこもり事件で一人で複数の異形型ヴィランを制圧した事を知ったのだ。そこで自分が言った事を後悔し今回謝ったがそれは逆効果だった。

 

「オールマイト」

「はい」

「ちゃんと話してくれるね」

 

 根津は放心していたオールマイトに話すように促す。そしてオールマイトは一騎との出会いと自分が何を言ったのかを包み隠さず全て話す。

 

 

 ☆

 

 

 

 

 教室を出てしばらくしてから一騎は帰り道を知らないことを思い出し途方に暮れていると、丁度自動販売機コーナが見えたためにそこで休憩を取っていた。

 

「は~絶対に落ちたな」

 

 ソファーに大きくもたれ窓の外を見て思い出していた。ついさっき自分のした出来事をやり過ぎたと思っていた。

 だが、そのやり過ぎはオールマイトにでは無く、言い過ぎて自身への悪評になったと思いその為にやり過ぎたと思っていた。もう既に一騎の中ではオールマイトは憎い相手でしかなかった。

 

「さてそろそろ行くか。迷子だけど・・・笑えね~」

 

 一気に飲み干したペットボトルを投げ捨てると3メートル離れたにペットボトル用のゴミ箱に狐を描き綺麗に入る。

 

「ねえねえ。君どうしたの~?」

「ファッツミー!?」

 

 考え事をしていた為に突如真後ろから声をかけられたことに驚き変な声を出し急いで振り返ると、水色のロングヘアが特徴の美少女がいた。

 

「ふぁっつみー?」

「あ、スミマセン。いきなりで驚いてしまって」

「そうなの? 驚かせてごめんね~。それで困ってたみたいだけどどうかしたの?」

「あ~、帰り道が分からなくなって」

「迷子?」

「・・・はい」

 

 目を逸らして答える一騎にそうなんだーと答えた女性はもの凄く優しい目で一騎を見る。

 

「ねじれー! 何してるの~!」

 

 一騎達に近づいてきたのは桃色のショートヘアとピアスが特徴でボーイッシュな感じの女性だった。

 

「あ、有弓! この子迷子みたいなのー!」

「そんな大声で言わないで」

 

 ねじれと呼ばれた女性は一騎が迷子なのを有弓と言う女性に言うが、一騎はあまり大声で言わないでと思うが事実な為に否定できずにいた。

 

「ちょっとねじれ、そんな事大声で言ったらこの子が可哀想でしょ!」

「あ、そうだった。ごめんねー」

「いえ、事実なので大丈夫です。あ、俺は不死黒一騎と言います」

「私は波動ねじれだよ~よろしくね~」

「アタシは甲矢有弓だよ。校門まで案内するね」

「ありがとう御座います」

「・・・そういえば君この学校の制服じゃ無いね」

 

 案内中に有弓は一騎の制服が気になっていた。ヒーロー科の試験は昨日でその他の科は明日以降になるために疑問を問いかける。

 するとねじれもそれに気づいたみたいで疑問を持つ。

 

「あ、ホントだ~。ヒーロー科は昨日で他の科は明日からだよ~」

「いえ違います。俺は昨日のヒーロー科の試験を受けたのですが。個性関連で今日呼ばれたんです」

「へ~。もの凄い強個性とか珍しい個性とか?」

「ちょっとねじれ、そんなに聞いたら不死黒君も困るでしょ」

「大丈夫ですよ。そして俺は没個性どころか個性すら持ってない無個性人間です」

「「え」」

 

 無個性と言う言葉に二人は言葉を失い目を見開く。だが一騎は気にせず言葉を続ける。

 

「それで俺が沢山の仮想ヴィランを壊しまくったり巨大仮想ヴィランを破壊したのを疑問に思って俺を呼んだそうです。・・・どうしました?」

「一騎君、本当に無個性なの?」

「はい」

「すごーい! ねぇねぇ! 何かやって見せて!」

「えっええ!」

 

 いきなりのお願いに困惑するも、靴と靴下を脱ぐと「ではやります!」と言って勢いよく走り出す。

 まずは壁走りをして、一旦地面に着くと次は曲がり角の壁を駆け上がり5メートル以上はある天井をタッチして着地するとねじれ達の元までバク転で戻る。

 

「え、なにあれすご!?」

「あれで本当に無個性なの~?不思議ー」

「どうでした?」

「いや凄かったよ」

「うんうん! 凄かったよ! はい、靴と靴下」

「あ、ありがとう御座います」

 

 その後もねじれに色々とやって見せてと言われ困りながらも要望に答えていた。そしてなんとか校門まで送って貰い帰路につくことが出来た。

 そして今の一騎の中にはオールマイトの事など完全に無かった。

 

 

 

 ☆

 

 

 

 ~一週間後~

 

「ふ~。疲れた」

 

今日も何時もの様に朝の鍛練をしていた。何時もの様に朝早く起きて、ジョギングして、鍛練して戻って来た。でも何時もと違うのは。

 

「やあ、朝早くから精が出るね!」

「走っていたのか?」

「それプラス、鍛練してました」

 

家の前に根津校長と相澤さんが居た。

 

「今回来たのは君の将来に関してなのさ!」

 

オールマイトの事に関してかな?いやだな・・・。

 

「とりあえずどうぞ。あとスミマセン、一旦シャワー浴びてきても良いですか?」

「うん!いきなり押しかけたこっちが悪いのさ! 気にしなくても良いよ」

 

 オールマイトの事に関してならどうしようかと考えながら二人を家に入れ、お茶を出し一騎は急いでシャワーを浴びる。

 

 

 

 

「お待たせしました。碌なおもてなしは出来ませんが此方をどうぞ」

 

 碌な物が無いと言っておきながら一騎は高級な紅茶とお茶請けにチーズケーキを出す。

 

「このチーズケーキ美味しいね。何処の品かな?」

「あ、ごめんなさい。これは手作りです」

「手作りでこのクオリティーすごいね! 紅茶の入れ方も上手いし」

「お気に召して頂けたようで良かったです」

「不死黒、この紅茶良い香りだな。かなりいい物じゃないか?」

「ゴールドティップスインペリアルと言う茶葉です」

「高級茶葉じゃ無いか」

「俺なんかに優しくしてくれる人がいまして、その人がよく送ってくれるんですよ。そしてコレはお客様用に取っといた奴です」

「そうか・・・」

「はい」

 

 三人とも紅茶を一口飲んで少しの沈黙が続くと根津が頃合いかと思い話し始める。

 

「不死黒君。さっきも言った通り君の将来、雄英の合否の話をしにきたんだ」

「はい」

「率直に言うとね。君は・・・・・・・・・・・・雄英合格さ!」

「はい・・・・・・・・・・はい?」

「本来合否は録画された投影機を送るのだけど、君は異例中の異例だから私達が言いに来たのさ!」

「ちょ、ちょっと待って下さい!!」

「どうしたんだい」

 

 想像してなかった言葉が飛び出したことに驚き聞き返す一騎。

 

「いまなんて言いました?」

「君は異例中の異例?」

「その前です」

「本来は録画された投影機を送る」

「更にその前です! わざとでしょ!」

 

 一騎の鬼気迫るようなツッコミに相澤は右手で頭を抑え深い溜め息をつき、根津は某夢の国のネズミみたいな笑い方をすると一言謝罪する。

 

「お茶目な冗談さ!」

「T・P・O!」

「ハハ! それじゃあ気を取り直して、不死黒君は雄英合格なのさ!」

「・・・合格。そう・・・・・・・・・・合格ですか」

 

 最初は嬉しそうに頬を緩ますが、だんだんと笑顔が無くなり遂には暗い表情になる。それを二人は不思議に思い相澤が訪ねる。

 

「どうした?」

「なんで合格なのと思って」

「「?」」

 

 一騎の答えに二人は頸を傾げる。そして続けざまに一騎は次の言葉を喋る。

 

「もしこの合格がオールマイトが言った無個性差別じみた発言を黙っていて欲しいとかの合格なら・・・要りませんよそんな合格は。そんな合格、俺に撮っては無価値です」

 

 睨むような一騎の目を見て、相澤は一騎が既にそこらのヒーローやヴィランより遥かに強いと理解し、

 根津はオールマイトが一騎に与えた憎しみと怒りを理解して、この場に居ないオールマイトに内心溜め息をつく。

 

「安心して欲しいのさ。この合格は君が実力で勝ち取った物だよ」

 

 そう言われ、安心した表情になると一言「すみません」と謝ると根津は「気にしなくて良いのさ!」と片手を上げて優しく答える。

 

「それで説明するけど、まず筆記は文句なし。それどころか満点!凄いね。

 続いて実技、ヴィランポイントはなんと80P! 実技でこれだけのポイントも凄いけど私達が見ていたのはこれだけじゃないのさ!」

「これだけじゃ無い?」

 

 不思議に思い頸を傾げる一騎に答えるの相澤だった。

 

「俺達教師陣が付けるレスキューポイントと言うのがある。それで今回お前に付けられたレスキューポイントは78P。金髪の男を降って来た瓦礫から助けたことや全受験生の中で一番最初に0Pヴィランに立ち向かったことが大きく評価されたな」

「合計で158P。そんなに・・・」

 

 思いもしなかったポイントの量に驚く一騎を余所に相澤は鞄からA4サイズの封筒を机の上に置き、根津は両手を挙げると今日1番の元気さを見せる。

 

「不死黒君、君は文句なしの雄英首席合格なのさ!」

「しゅ・・・首席合格!?!?!?!?」

 

 首席の言葉に、まるで餌を求める恋の様に口をパクパクさせ驚く。そんな一騎を相澤は年相応の反応もするんだなと安心し、根津は自分の様に笑顔になっていた。

 

「不死黒一騎、ここがお前のヒーローアカデミアだ」

 

「ああ、俺はようやくヒーローへのスタートラインに行く為のチケットを貰えるのか」

 

 ようやく自分のして来た努力が少しは報われた様に感じ、思わず涙を流す。

 

 

 ☆

 

 

 

あの後は少し入学にあたっての話を為てから二人とも帰った。因みに根津校長はチーズケーキを気に入ってくれたみたいで沢山お替わりしてくれたし、お持ち帰りもしてくれた。

 

「才先輩に報告しないと」

 

 prr

 

『はい、もしもし』

 

はや!?一瞬で出た!?今のマジで驚いた。

 

「もしもし才先輩」

『一騎くん!どうだったの?もう合否発表されてるでしょ?』

「・・・はい」

『(あれ?暗い?もしかして・・・)』

「俺・・・雄英受かりました!」

『・・・え!? ホントにホント!?』

「はい。今写真送りました」

 

『・・・ホントだ!しかも首席!?!? お、おめでと!』

「ありがとう御座います」

『何かお祝いしないと、今日は用事があるから・・・明日!明日絶っ対に一騎くんの家に行くわ!』

「お祝いなんて良いんですか?!」

『勿論よ!楽しみに待ってて』

「はい!期待しています」

『うん! それじゃあまた明日』

「はい。バイバイです」

 

よし!次は発目さん家に行かないとな。あの人達も喜んでくれるかな? 明も受かってるだろうし、高校デビューは頑張らないと!!

 

 

 後日、一騎の家に何千万もする家具や食器が沢山届いたとか。

 だが一騎はその価値を知らない。てか、興味が無い。






一騎、まさかの雄英首席合格!

そして、オールマイト。謝る時期やタイミングを間違えたな。
まあ、三年近くほったらかしにしてたらそりゃあ憎まれますわな。

因みにわたくしはオールマイト嫌いとかではありません。思いついたのがこんな流れだっただけです。



それでは!また次回。期待せずにお待ち下さい!
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