無個性でもヒーロー目指す!。   作:斬る斬るティー

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第16話:委員長決めとマスコミ

 

 

疲れた。昨日、家に帰ってから指をリカバリーガールに治して貰ったのユエにバレて凄く怖かった。

 

 

『お兄様。なに怪我を他の人の個性で治しているんですか?お兄様の怪我を治すのは私の役目です。私だけの特権なんです。擦り傷から骨折、部位欠損。その全てを治すのは私だけなんです。一京歩譲って病院で怪我を治すのは許します。ですか!あんなババアの個性を使って怪我を治すなんて許しません。私の治癒は私とお兄様なら部位欠損だろうとなんだろうと、死んでいなければ下半身失っても完全に治せるんです。いいですか、これからは怪我を治すときは私に言って下さい。私はお兄様になら道具の様に扱われようと構いません。むしろ私の所有者になってくれて嬉しいです。なので、怪我はこれから私に言って下さいね。例え取れた指をくっつけて貰っただけでも許しません。もし次も同じ事したら同じ箇所を怪我させます。心臓ならその心臓を抉り取って新しい心臓を作ります。指もそうですよ。良いですね、お兄様?』

 

 

こんなんだった。しかも治して貰った指の所を舐められたと思ったら噛み千切られた。そして新しく作り直されたよ。怖いよ?こんなこと出来るの?初めて知ったよ。

しかもその指を目の前で食べちゃったし。そのあと妖しく微笑んで「美味し」って言ってから舌舐めずりするし。ユエってあんな性格だっけ?

 

「どうしました?お兄様」

「ナンデモナイヨ」

「そ、ですか? あ、そういえばメイちゃん朝遅かったけど今日は何を作ってたの?」

「それはですね! ジャンピングシューズです! ジャンプの時に靴底のバネが起動して、大きな反発を生み高くジャンプが出来るサポートアイテムです!」

「因みに今俺が履いてるシューズがそれだよ」

「ほへー」

「でもバネが仕込まれてるから歩くのに少し違和感があるな。あと中心が少し膨らんでるから重心がズレる」

「やはりですか。・・・ん?」

 

 戦闘訓練の翌日、何時もの様に三人で登校していた一騎達は、学校前に人だかりができてるのに気づく。

 

「なんですか?あれは」

「マスコミだな。オールマイトが教員してるからその事を聞きたいんだろ」

 

 ユエの質問に答える一騎。だがその時、一人のマスコミが校内に入ろうとした瞬間に警報が鳴ると同時に壁みたいなのが地面から生え、侵入が出来ないようになる。通称、雄英バリア。

 

「・・・お兄様。私達どう登校しましょう?」

「そうだな~。・・・そうだ」

 

 ポン、と手を叩いて何かを思いついた一騎はユエと発目に耳打ちをする。

 

「流石お兄様です! 聡明です!」

「ありがと。それでどう? 発目」

 

 過大評価するユエの頭を撫でてる間に発目にも訪う。

 

「はい。良いですよ」

「よし!それじゃあやるか」

 

 まず、横断歩道が青になると一騎は反対の歩道付近まで走って行く。それにマスコミも気づき、コメントを求めようとするが、すぐに一騎が後ろを向き片膝立ちした事に戸惑い動きを止める。

 

(行きます!お兄様!)

 

 次にユエは一騎と目が合うと走り出し、組まれた一騎の手を踏む。するとタイミングを合わせて一騎は手を思いっきり振り上げる。そうするとユエはマスコミは勿論、雄英バリアも普通に飛び越え。校内に入る。

 

「発目」

「はい」

 

 マスコミが頭上を飛び越えているユエに釘付けになっている間に一騎は即座に発目の元まで戻り発目を横抱き、所謂お姫様抱っこをするとマスコミに向け再度思いっきり走る。

 

「しっかり掴まれ!」

「はい! ドッ可愛いベイビーの本領見せて下さい!」

「おうよ!」

 

 横断歩道の半ばまで行くと、そこで信号が点滅し始めるが少ししゃがむと勢いよく跳ぶ。

 

「うわっと!」

「キャ」

 

 発目の作ったジャンピングシューズはかなりの威力を発揮して、ユエ同様マスコミと雄英バリアを飛び越え敷地内に入るのを成功する。

 

これ凄いな。四階ぐらいまでは跳んだぞ! しかも着地の時はバネが衝撃を吸収してくれて足に余り負担は無かった。・・・でも、流石にダメだったな。他の生徒も凄い見てたしマスコミにも絶対撮られたよな。

 

「人を抱えた状態でも凄い飛びましたね、お兄様」

 

 敷地に入ったときに先に入っていたユエが駆け寄る。

 

「だな。着地の時は足に余り衝撃無かったよ発目」

「では後は歩きやすさの問題ですね!」

「そうだな」

「ところでお兄様」

「なに?」

「いつまでメイちゃんを抱っこしてるんですか?」

「「・・・あ」」

 

 

 普通に話ていたが、飛び越える際に落ちないように発目は一騎の頸の後ろに両手を回してしっかりと捕まりくっついたままだった。

 

「わるいわるい」

「いえ。それよりシューズ返して下さい! モット改良を進めます!」

「はいどうぞ」

「お兄様、何時もの靴です」

「ありがと」

 

 そのあとは、三人とも普通に話長歩くが校内への入り方が入り方だったために、既に中に居た人達には凄い見られてる上に相澤にも睨まれていたが完全スルーで平然を装っていた。

 

 ☆

 

 

「おはよう」

「おっはー!」

 

 教室に入ると何人かは既に来ており、挨拶に返事をしたりして席に向かう。

 

「おはよう御座いますわ。不死黒さんユエさん」

「おはよう、八百万」

「もーもちゃん! 朝のハグ~からの~おは~」

「はい。おはよう御座います」

 

荷物置くなり八百万に抱きつきにいったなユエは。なんか親友を通り超して家族みたい。そうだ、葉隠探さないと。何処に居るかな~・・・って。

 

「葉隠、何故俺の背後にピッタリと着く?」

「おー!よく分かったね」

「気配ダダ漏れでよく言う」

「本当に気配探知能力って有るんだね~」

「まあな。それよりメトリさん達から伝言。葉隠のコスチューム今週中には出来るって」

 

 昨日は一騎の身に色々あったが放課後は葉隠も一緒に帰り、メトリ達に頼み葉隠専用のコスチュームを付くって貰える事になったのだ。

 今日はその報告と出来上がる大体の日にちの報告だった。

 

「おおー! 本当にありがとー不死黒君!!」

「おうおう、落ち着け。お礼はコスチュームが出来てからで良いよ~」

「あう・・・」

「・・・あ」

 

 腕を大きく振り喜ぶ葉隠の頭に手を置いて撫でる一騎。それで動きが止ったのに疑問を持つが自分がまた葉隠の頭を撫でてるのを理解するとその場に両手両膝を着いて落ち込んでしまう。

 

「ごめん、違うんだ。 ユエにしていて癖になってるんだ。ごめん、本当にごめん。下心とか無いんだ」

「大丈夫だよ! 不死黒君くんに撫でて貰うのなんだか落ち着くんだよね!」

「気を使ってくれてありがとね」

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

「予鈴が鳴ったら席に・・・よし。

 昨日の戦闘訓練お疲れ。ブイと成績見させてもらった。爆豪、お前もうガキみたいなマネするな。緑谷、個性の制御が出来ないから仕方ないじゃ通さねえぞ。俺は同じ事言うのが嫌いだ。個性の制御さえ出来ればやれる事は多い。焦れよ緑谷」

 

 朝のHRが始まり、相澤の小言に爆豪は俯いて、緑谷は焦燥感に駆られながらも返事をする

 

「そして不死黒」

「俺?」

「次からは誰かとペアを組んでしろ」

「あーい」

 

 それからも何人かの人にお小言を言ってからHRの本題を切り出した。

 

「急で悪いが、今日は君らに学級委員長を決めてもらう」

 

(((学校っぽいの来たー!)))

 

そこから皆の反応も凄かった。挙手しまくりでやりたいと言っていた。まあ、集団を導く学級委員長という役職はトップヒーローの素地を鍛える事が出来る為にヒーロー科の生徒からは人気が高い。

 

「静粛にしたまえ!」

 

 そんな様子を鑑みてか、真っ先に声を上げたのは飯田だった。

 

「多を牽引する仕事だぞ!やりたいからやれる仕事でもあるまい!周囲からの信頼あってこそ務まる聖務だと俺は思う……!民主主義に則り、真のリーダーを皆で決めるのなら……これは投票で決めるべき議案ではないだろうか!?」

 

飯田、臆すること無く良いこと言うが・・・。

 

「「「腕! そびえ立ってんじゃねえか!!」」」

 

「日も浅いのに信頼もクソもないわ飯田ちゃん」

「それに投票なんて、みんな自分に入れるだろ」

「むむむ・・・」

 

此所で蛙吹さんと切島の言葉がでて飯田が言い淀んだ。仕方無い。

 

――パァン!

 

手を叩いて皆の目線を集める。ことは成功だな。

 

「じゃあこおしよう! まず、投票をする」

「だから皆自分に「最後まで聞いてね~上鳴」 あ、すまん」

 

 一騎は黒板まで行くと出席番号一番から順に名前を書きながら喋る。

 

「みんな、メモ帳とか有ると思うからそれに名前を書く。そして重要なのは、書く名前は自分以外だ。もし同数ならその者達だけでもう一度投票。または、話し合いかジャンケンで。よし書き終わった。信頼は直ぐには無理でもこれから築いていけば良い。これでどう?みんな」

 

 手に付いたチョークの粉をはたき落とし振り返る。すると意外にも好評な反応だった。まあ、一騎自身はそんな反応になるとは思わずに驚いていたが。

 

「不死黒、もうお前が適任だしお前がしろよ・・・」

「はは。一応立候補はしますよ。でも、俺なんかに投票する人は居ないでしょ」

 

 相澤の言葉にカラカラと笑いながら答える一騎にユエが声を上げる。

 

「はい!私はお兄様に投票します!!」

「ありがと。じゃあ俺はユエに投票するよ」

「やった!」

 

(((それあり!!?)))

 

「それじゃあ締め切りは今から3分! はい初め」

 

 もう一度陽気に手を叩くと黒板に自分とユエの所に1本線を書く。

 

 

 

 

 

 

 

 集計の結果、不死黒11票、八百万6票、水無月2票、緑谷2票となった。

 

「なんでデクに!それに無個性野郎に11票!?」

「いや、オメーに入れるよりかは妥当だろ」

 

 爆豪の言葉に瀬呂が答える。そしてユエは右人差し指を口元に持ってきて自分に2票も入ってることに考える

 

「私に2票? 1票はお兄様だからもう1票は・・・は! モモちゃん!」

「そうですよ。ユエさん」

「ありがとー! それとお兄様、どうしました?」

 

 八百万と話てたユエは次に結果を見て固まってる一騎に声をかける。

 

「なにがどうして、こーなった・・・」

 

 自分にユエ以外の票は入らないと思っていた一騎は結果を見て驚くしか無かった。

 

「良いんじゃね!」

「そうだぜ! 戦闘訓練で他の人の試合で待ち時間の時、色々と的確なアドバイスくれたしな!」

 

 上鳴の言葉の次に切島が言うが、一騎は未だに悩んでいた。

 

「でも良いのか? 俺が委員長になって学校中に無個性っての分ったら皆がバカにされるかもしれなぞ?」

「いいと思うよ」

 

 一騎の言葉に意外にも耳朗が喋る。

 

「ウチ入試実技の時、不死黒が0P出たときに逃げる他の受験生を鼓舞して0Pに立ち向かうとこ見て凄いと思ったし。 何が言いたいかってーと」

 

 頬を少し赤くして頭をかきながら一騎を見る。

 

「誰かを纏めるってことなら不死黒が一番だと思う」

「耳朗・・・」

「そうだよ! それに不死黒くん、優しいじゃん!!」

「葉隠」

 

 それからも皆に言われ、少し悩むが直ぐに覚悟して顔を上げる。

 

「そこまで言われて答えないなんて漢じゃ無いな!」

「そうですよお兄様! それに無個性差別する人の言葉なんて無視です!!」

「そうだな。それじゃあ、標的に副委員長は八百万に頼めるか?」

「はい!」

 

 こうして委員長決めは終わり、他の委員も速やかに決まり、昼飯の時間を迎えた。

 

 

「委員決め早く決まって良かったですねお兄様」

「そうだな。でも俺が委員長になるとは思わんかった」

「不死黒さん委員長になったんですか?」

 

 一騎が委員長になった事に珍しく驚き聞き返す発目。それに「そうなんだよ~不安しか無いね」と苦笑いを浮かべながら味噌汁を飲む一騎。

 

「お兄様なら大丈夫ですよ!」

「ありがとユエ」

「えへへ」

 

 一騎に頭を撫でられはにかむユエ。そんなユエを見て八百万が口を開く。

 

「ユエさんは副委員長やらなくて良かったのですか?」

「ん? あー、よかったって言うと嘘になるけど投票の結果だし何より! モモちゃんなら安心!それとお兄様は頼りになるから困ったときは頼ると良いよももちゃん!」

「そう、ですわね! 不死黒さん、不束者ですが、よろしくお願いします」

「・・・う、うんよろしく」

「はい!」

「モモちゃんのその台詞は嫁入り、嫁ぐみたいだよ?」

「ヘ?・・・っ!」

 

 ユエに言われ、自分が言った事を思い出し深く考えていき、理解すると途端に顔を真っ赤にして手で覆いうろたえだす。

 

「ち、違うんですの不死黒さん!決してそのようなつもりで言ったのではありませんわ//」

「分ってる。分ってる。落ち着け八百万、それ以上は墓穴を掘るぞ」

「はい//」

「ユエもあんまりいじってやるな」

「モモちゃんが可愛いから~」

「もーユエさん!」

 

 ユエの肩を掴んで揺らし、恥ずかしさから顔を真っ赤にして怒る八百万。そんな二人を一騎と発目は温かい目で見ていた。

 

 ウゥーーーーーーーーーーー!

 

 そんな時、突如けたたましい警報音が鳴り響いた。

 

「な、なに!?」

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは、速やかに屋外に避難してください』

 

 放送の直ぐ後に食堂に居た生徒達は一斉に行動し一つの出口に向かうため、大混乱を起こしていた。

 ユエ達も避難しようとするが、一騎は一向に動かず座ったままインカムを装着する。

 

「ハローアミ」

《はい、マスター。何のご用でしょうか?》

「雄英サーバに侵入して、侵入した奴らを教えて」

《了解しました。・・・・・雄英サーバに侵入・・・成功。校内の全監視カメラハッキング・・・成功。状況確認・・・完了》

「どうだった」

《侵入者は朝方、校門にいたマスコミと確認しました。 現在、プロヒーローイレイザーヘッド並びにプレゼントマイクが対応しています。スマホに映像を映します》

「ありがと。バックドアを作って隠して置いといて、侵入ログは全部消しておいて」

《了解しました》

 

 アミとの話が終わるとインカムを外しユエ達にスマホを見せ、侵入者の説明をする。

 

「どうしますか?不死黒さん」

「これを知ってるのは俺達だけ。なら俺達でなんとかするしかないよ発目」

「でもお兄様どうなんとかするんですか?」

 

 少し悩み人混みの中を見ると、切島と上鳴も自体の収集をしようと奮起するが、すぐに人混みに飲まれ姿が消えた事で一騎は作戦を思いつく。

 

「八百万!」

「ふぁい!」

「頼みがある」

 

 真剣な表情をして八百万の肩を掴み目を合わせる一騎。いきなりの事で八百万は変な声を上げ顔を赤くするが、何かを察し聞き返す。

 

「なんでしょうか」

「拡声器を創造してくれ」

「拡声器?・・・そういう事ですか! 分りましたわ・・・・・できました」

「ありがと」

 

 創造された拡声器を手に取ると机の上のご飯を全部退け机の上に立ち拡声器の音量をマックスにすると、思いっきり息を吸って叫ぶ。

 

「静まれー!!」

 

 キーンと音割れがするが全員の動きを止めて自身に誘目させる事に成功する。そして大勢の人に見られているが、臆すること無く続ける。

 

「お前らはおはしもって言葉を知らないのか!! まずは転けた人に手を貸せ! 慌ててたとしても踏んづけてしまったら最悪、殺すことになるぞ!此所は天下の雄英! そして俺達は天下の雄英生だ!!落ち着いて対処しろ!!

 それと、侵入したのは今朝のマスコミだ!!だから落ち着け!!」

 

 全てを言い終わるとのぼっていた机から降りると、ユエが声を掛ける。

 

「お兄様」

「なに?」

「このパニックは恐らく」

「学校中だろうな」

「では必然的に怪我人も」

「多いだろうな。少なく見て100かな」

「・・・お兄様」

 

 真剣な目を向けるユエを見て一騎はどうしたなど野暮なことは聞かない。ただ「いいのか?」と聞くとユエはコクリと頷く。

 

「わかった」

 

 そう言うとまた拡声器を使って声をかける。

 

「怪我をした人はコッチに来て下さい!手当をします!!」

 

 この掛け声の後に侵入してきた者がマスコミだと放送があり、自体は収集した。

 そしてユエは怪我人の治癒を行なう。

 

 

 ☆

 

 

「これで終わり」

「あ、ありがとう御座います!」

「はい。お大事に~」ニコ

 

 最後の人は治癒が終わると深く頭を下げてから急いで教室に戻った。それを見届けると一騎はユエに近づく。

 

「ありがとユエ」

 

 

 怪我自体は捻挫や打撲、擦り傷等とそんなに酷くは無かった。だが、なにぶん人数が多かった為にかなり時間がかかっていた。

 それでもなんとか全員の治癒が終わった事で一騎はユエを撫でてねぎらっていた。

 

「かなりかかったし、やはりももちゃんとメイちゃんには先に教室に戻って貰って良かったですね~」

「だな。ユエもお疲れな~」

「えへへ」

 

 そんな二人の下にランチラッシュが近寄る。

 

「ごめんね、二人とも。ほんとは教師である僕がどうにかしないといけなかったのに。不死黒君には騒動の収集、ユエ君には怪我の治療をして貰って」

「いえ、気にしないで下さい。あの時は俺がやりたくてやったことなので」

「私もお兄様と同じです」

「そう言って貰えると助かるよ。 相澤先生には僕から連絡しておいたから、遅れても安心して!」

「「ありがとう御座います」」

 

 二人はお礼をした後に、ランチラッシュからお詫びとお礼を兼ねて一週間分の食事無料券を貰って、教室に向かう。

 

「お兄様! 手を繋ぎましょ!」

「良いよ」

「恋人繋ぎで!」

「え?」

 

 一騎は驚きはするが、お願いを聞いて二人は仲良く恋人繋ぎで教室に戻ってるときに一騎が真剣な声で話す。

 

「ユエ」

「はい・・・?」

「今日のことでほぼ学校中にユエの治癒の個性が知れ渡った。だからこれからは生徒は無論、教師にも何処まで治せるか聞かれても裂傷か調子が良いときは骨折までと答えるんだ。良いな?」

「分りました!」

 

 全く疑うどころか疑問にすら思わず、元気に即答するユエを見て一騎は罪悪感を感じて、申し訳なさそうな顔をする。

 

「気にしないで下さいお兄様!あの程度の怪我なら細胞活性の個性を持った子でも治せますから。珍しくないですよ」

「・・・そうか」

 

 そう言われても未だに暗い一騎を見て「それに!」と言ってユエは一騎の前に行き向き直ると両手を握る。

 

「私はお兄様になら道具扱いされても良いですよ!むしろお兄様が望むなら、お兄様専用の道具にでも犬にでも猫にでもなりますよ!」

「それはやめて!!」

「にゃッハハハハ!」

「ほら、馬鹿言ってないで戻るよ」

「はーい」

 

 二人はまた仲良く手を繋いで教室に戻る。

 

 因みに怪我を治し終わると笑顔で「お大事に~」と言っていたために、この日を境にユエは白衣の天使ならぬ銀髪の天使と陰で呼ばれる。






ユエはアレだね、一騎のお願いなら即答でなんでもやる子だね。

次回「放課後鍛練」

それでは、期待せずにお待ち下さい。
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