今回は物間ファンの方々は本当にごめんなさいになります!!
「予選通過は上位44名!!!残念ながら落ちちゃった人も安心なさい!まだ見せ場は用意されてるわ!!そして次からいよいよ本戦よ!!ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバリなさい!!!」
ミッドナイトの説明が始まり、後ろのモニターの文字がドラムロールと共に回転する。
「さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど~~~……何かしら!!?言ってるそばから、コレよ!!!!」
そしてミッドナイトが鞭を振るった瞬間に映し出された文字は騎馬戦と表示された。
「参加者は2~4人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ!」
そこから騎馬を13号とマイクとあともう一人で騎手がオールマイトの姿が映された。
「13号先生女子なのに凄い腕力」
それを見て一騎は思わずそんなことを思ってしまった。
「基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど一つ違うのが……先ほどの結果に従い各自にポイントが割り振られること」
「入試みたいなポイント稼ぎ方式か。分かりやすいぜ」
「つまり組み合わせによって騎馬のポイントが違ってくると!」
「あんたら私が喋ってんのにすぐ言うね!!!」
砂藤と葉隠がミッドナイトの説明中に理解した内容を口に出す。するとミッドナイトはピシャンと鞭を振って怒るが、すぐに説明に戻る。
「ええそうよ!!そして与えられるポイントは下から5ずつ!44位が5ポイント、43位が10ポイント……といった具合よ。そして……上を行く者には更なる受難を。雄英に在籍する以上何度でも聞かされるよ。これぞ"Plus Ultra"!」
そこまで言ってから「そして!」と言って鞭の先を一騎に向ける。
「1位の不死黒くんに与えられるポイントはなんと!!・・・・1000万!!!!」
そう言われると皆の目線が一騎に集まる。一騎の1千万を取れば通過は確定なのだから当然と言えば当然だ。
「制限時間は15分。振り当てられたポイントの合計が騎馬のポイントとなり、騎手はそのポイント数が表示された"ハチマキ"を装着!終了までにハチマキを奪い合い保持ポイントを競うのよ。取ったハチマキは首から上に巻くこと。取りまくれば取りまくるほど管理が大変になるわよ!そして重要なのはハチマキを取られても、また騎馬が崩れてもアウトにはならないってところ!」
皆そこまで説明を受けてルールを十分理解できた。
「"個性"発動ありの残虐ファイト!でも……あくまで騎馬戦!!悪質な崩し目的での攻撃等はレッドカード!一発退場とします!それじゃこれより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!」
チーム決め開始と同時に生徒は騎馬を決めるのに移動する。
「お兄様~組みましょ!」
「おう」
「不死黒さん!あなたの1位を利用させていただきますよ!てか、利用させて下さい!」
「素直だね~」
交渉始まって直ぐに一騎は騎馬を二人確保し残り一人となる。そこで一騎が決めた残り一人の元に行く。
「なあ、組もうぜ心橾」
「は?」
声を掛けたのは普通科の心橾だった。
自分に声を掛けると思って無かった心橾も驚いた表情を浮かべ直ぐに怪訝な顔をする。
「なんで俺だ?」
「お前と組みたいからってのはダメっぽいな。お前の個性は初見殺しだろ」
「な!? なんで」
「あの時言ったのは嘘。殆どの奴の個性も知ってるよ。まあ、AとB以外のクラスの奴の個性は強い奴だけだけど」
自身の個性を知ってる事に驚き更に怪訝な顔を向ける心橾。そんな事お構いなしかの様に一騎は心橾に右手を出す。
「上に行きたいんだろ? なら俺を利用しろよ。心橾」
諦めたかの用に溜め息を吐くと心橾はその手を握る。それを了承とみた一騎達は笑みを浮かべる。
「それじゃ、作戦会議をしようか」
と、作戦会議をするが至って簡単なモノだった。一騎が騎手、ユエが前騎馬で左後ろ発目、右後ろ心橾に決った。
一騎の鉢巻きを取ろうにも一騎の動体視力なら簡単対応出来る為に異論は無かった。
「作戦はこれで決まりだな。ところで心橾」
「なんだ?」
「俺に個性使ってみてよ。ちょっと実験したくて」
「馬鹿か?」
「ヒドイ!?」
「っ!?」
一騎が答えた後に普通にしてるのに心橾は驚きユエと発目は分らず首を傾げる。
まず、心橾の個性は『洗脳』。洗脳する意志を持ってした問いかけに返事をした者を操ることができ、簡単な動作を命令することができる。ハズだったが、一騎にその洗脳が効かなかったのだ。その驚愕が心橾は顔に出ていた。
「あーやっぱり」
「なんで」
「効かないんだ?か。簡単だよ、洗脳って事は精神系個性。なら精神を強く保てば良いだけ。ただその保つのがとてつもないだけでな」
平然と答える一騎の言葉に心橾は「ほんとに無個性かよ」と内心思った。そして心橾の個性をしたユエは驚いた。
「洗脳って」
「・・・」
ユエが底まで言った後に心橾は目線を下げる。いままでこの個性の所為で色んな人にヴィラン向きと言われて来たからだ。しかし。
「心橾の個性、ヒーロー向きだろ」
「はい!!超ヒーロー向きです!」
「は?」
「だろ!コレが普通科は可笑しい。あの入試は相澤先生風に言うなら合理性に欠ける。だよな」
「全くその通りですね」
なのに目の前に居る二人は自信の個性をヒーロー向きだと言って盛り上がってるのだ。それを内心嬉しいと思うも顔には出さない。
「ば、馬鹿なこと言ってないで作戦の内容を詰めるぞ」
「おう」
「はい」
☆
『よぉーし組み終わったな!!?準備はいいかなんて聞かねえぞ!!いくぜ!!残虐バトルロワイヤルカウントダウン!!』
『面白い組合わせだな』
決った組を見て相澤が呟き。マイクから開始の合図が出された。と、同時に全員がいっせいに一騎の騎馬に向かう。
「おー大人気」
「良かったな」
「嬉しくないよ」
「っ!お兄様」
一騎と心橾が話してる間に足もとが沈むのを感じたユエが声を掛けると一騎は不適に笑う。
「それじゃ、やろうか!ユエ!」
「はい!二人とも! 気張って下さい!」
そう言うと騎馬は一瞬で空に飛ぶ。既にユエ、発目、心橾の体にはユエの血の入ったチューブを体に巻き付けていた。後はそれをユエが操るだけで簡単に騎馬は空を飛ぶことが出来る。
まさかの行動に全員が驚くが長距離攻撃が出来る常闇のダークシャドウと耳朗のイヤホンジャックが向かう。
「心橾さん、一旦手を離します」
「わかった」
「赤血橾術・
血液で槍を作るとイヤホンジャックを弾いて退け、槍を小さくして複数作ると常闇の騎手である緑谷に向かって投げ飛ばす。
「ッ!」
「常闇くん!」
「ああ!ダークシャドウ!」
「アイヨ!」
槍血が飛んで来た事により、常闇は急遽ダークシャドウを戻し迎撃に当てる。
多くの騎馬が自分たちに向かってるときに空に飛び回避したために奥側はスペースが有りそこに着陸する。
『さ~~~~まだ2分経ってねえが早くも混戦混戦!!各所でハチマキ奪い合い!!1000万ポイントを狙わずに2位~4位狙いってのも悪くねぇ!!』
「奪い合い? 違ーな!これは一方的な略奪よぉ!」
マイクの実況に異議を唱えたのは峰田の騎馬だった。それはなんと体格の良い障子が背中に峰田と蛙吹を乗せて障子が守ると言った風変わりな騎馬だった。
「それあり!?」
「テクニカルなので有りよ!!」
有りなようだ。
「梅雨ちゃん」
「なにかしらユエちゃん?」
「大丈夫?セコハラされてない? そのエロブドウ第1種目でモモちゃんのお尻に引っ付こうとした痴漢魔だよ?」
「・・・・だ、大丈夫よ今の所は」
「もしされたら言ってね、エロブドウの眼瞼挙筋を斬って粛正するから」
「心配してくれてありがと」
「オイラをなんだと思ってんだよ!!」
「「エロブドウ」」
「チクショー!」
叫びながら峰田は大量にモギモギを一騎に投げつけるも一騎はそれら全部を余裕で躱す。それどころか、発目作の捕縛ネットガンを発射して飛んで来たもぎもぎを全部纏めて捕縛網に絡め障子に返す。
「よし!後退した! 足もとに注意して抜けてくれ!」
「「「了解!」」」
もぎもぎゾーンを抜けると次は葉隠の騎馬が迫ってくる。
「不死黒くん! 此所で会ったが100年目!その鉢巻き貰うよ!!」
「まだ100秒ぐらいしか経ってないよ!」
一騎のツッコミも虚しく葉隠は「者ども!かかれー!」と言って突進してくるが、それよりも一騎は葉隠の違和感に気づいた。
「なあ、葉隠」
「なに?」
「鉢巻きどうした?」
「え?・・・あー!鉢巻きが無い!? 何時のまにー!!」
「よしユエ、今の内だ。方向転換、方向転換」
「はーい」
そこから更に上手いこと攻撃を躱していき、五分ぐらい経った頃だった。一騎の騎馬の前にB組の騎馬が立ち塞がる。
「やあ、A組の無個性君」
「ユエ!心橾!発目! 気を付けろ!アイツはB組の物間。個性はコピーで触れた奴の個性をコピーするぞ!」
「気を付けます!」
「わかった」
「私は別にされても大丈夫ですよ」
返答を聞きながらも一騎は物間から目を離さずに周りに気を配る。
「やっぱ障害物ではわざと下の順位を取ってA組を観察してたか。クラスぐるみか?」
「感が良いね。まあ、クラス全員の総意って訳では無いけど良い案だろ」
「あっそ」
一騎が物間と話してる間にユエは血液の塊を周囲に放ち何かすると牽制していた。
「でさぁ。君って本当に無個性なの?」
「何が言いたい?」
(やっぱり、個性関連で揺さぶると感情が揺れたか)
眉間に皺を寄せて苛立った声を出す。一騎が個性持ち呼ばわりされるのを嫌ってることを予測した物間は感情を操れている事を実感する。
「そう目くじら立てないでよ。顔の傷も相まって、ますます堅気に見えないよ」
「御託はいい!」
「おーコワイコワイ! A組は皆こうなのかい?その怖さでサポート科の彼女と普通科の彼を脅して騎馬にしたのかな?組んでくれる子が居ないから。まいいや、本題は」
既に一騎は苛立ちが積み上がっていた。それこそ、周りを警戒する事すら忘れて。
「君って一体――」
不適な笑みを浮かべる物間にユエと珍しく発目がもの凄く警戒する。
「いくら学校に寄付したんだい?」
「・・・・・は」
何を言われたのか理解出来なかった。寄付?金?目の前の男は自分が実力で取った席を金で買ったと言った。
それを理解した瞬間に一騎は驚いた表情になる。それを見た物間は更に下卑た笑みを浮かべ、言葉を続ける。
「だってそうだろ?じゃないと無個性なんかが!ヒーロー科、ましてや首席になれるわけないだろ?」
「違う、俺は実力で取った」
「じゃあ!本当は個性が有るんじゃないか!」
「っ!」
「第1種目見てたよ!個性有る者達よりも速く走ってさぁ、大差でのゴールなんて無個性で出来るわけ無いじゃん」
「ち、違う俺はむk「それに!」」
「見てたよ!入試の実技の時を!!君が0Pを駆け上がり殴って破壊する姿!あんな馬鹿げたことが出来るのは個性持ちぐらいだろ!無個性?ホントにそうかな? 遅れ咲きに個性が発言する例だって珍しくは無い!
君のクラスの緑谷君のようにさぁ!本当は君も個性持ちなんじゃないのかなぁ! 不死黒君!!」
そこまで言われると俯く。雄英に来てまでも無個性が原因で自分の努力を否定される。
雄英のヒーロー科に受かる者にまで血の滲む努力を否定された。剰え、個性持ち呼ばわり。首席を金で買った者呼ばわり。その事実は一騎に言い表せない程の感情で襲ってくる。
「お、おい不死黒!」
「・・・」
肩が下がり、完全に戦意喪失したと見る物間は内心ほくそ笑む。
「(やっぱり優秀な者ほど壊れやすいね)
ま、最初に喧嘩を売ったのは君だろ?無個性君」
そして騎馬に指示を出し鉢巻きを取りに行こうとする。騎馬の男子達も物間の言いように思うところが有り、一騎の暗い顔をみて 申し訳ないと思いながらも進む。自分たちのこれからの活躍がかかっているから。
着々と一騎に近づき鉢巻きを取れると確信した物間は喜ぶが、彼は気づいてない。怒らしてはいけない女を怒らせたことを。
「巫山戯るなぁ!無個性差別主義者がぁあぁあああ!!」
ユエのその叫び声は轟の氷結を作る音や爆豪の爆破音が収まった時だった為に会場中に響いた。響き渡った。
そしていきなり無個性差別主義者などと怒鳴り声が聞こえれば全員動きを止めてその方を見てしまう。
「巫山戯ないで!貴様に何が! お兄様の努力の何が分るの!!
無個性と分ってから差別にあって謂われの無い暴力を振るわれた!それでも、ヒーローに成るため文字通り身を削ってまで努力して来てヒーロー科の席を!首席を取ったの!
それを、それを!金でかった? 巫山戯た事を抜かすなぁ!!!」
ユエは殺さんとばかりに物間を睨む。そして出していた血液の塊も感情に呼応すかのよう震え出す。
「そもそも雄英が金を出して入学させてくれるような、超ド三流高に見えるの!
巫山戯るな。・・・貴様、貴様な様なクズが生きてるから無個性差別がなくならないんだぁああ!!!」
「お、おいユエ」
「そうですよ!」
怒るユエに声を掛ける一騎。それを遮るように次に発目が叫ぶ。
「あなたに何が分るんですか! 不死黒さんはヒーローになるために、無個性差別で暴力振るわれて傷だらけになっても!決してやり返さずに、ヒーローに成るために寝る時間も削って! 時には鍛練で骨を砕いても鍛練し続けて此所まで来たんです!その事を知らない人が、不死黒さんの努力を侮辱しないで下さい!!」
「は、つめ」
決して怒らない、怒りとは無縁だと思っていた発目の怒りを見て一騎は驚愕して目を見開く。
「貴方達本っ当に不愉快!!」
ユエは殺意の籠もった眼で物間達を睨む。そして方向を変えて歩き出すが、ほかのB組の騎馬が取り囲むように点在していた為に一番近い小大のチームを睨む。
「なに、貴女たちもそこの無個性差別主義者の仲間?」
低く優しさを感じないどころか殺気すら乗ってる声での質問に小大チームは大きく首を左右に振るって否定する。それを見てもユエは睨みは止めない。
「じゃあ退いて!邪魔!!」
その一言で小大チーム所か他のチームも距離を開けて退いていく。そして歩いてく不死黒チームの鉢巻きを取りに行く者は1チームも居なかった。あの爆豪と轟ですら。
さっきまではお祭り騒ぎだったのに今は物音1つたたない程静まった空間になる。そして物間もようやく今の状況に気づいたが、もう遅い。A組は無論、B組、拳藤を初め何人かに軽蔑の目を向けられてるのに気づく。
『物間チーム。それが終わったら直ぐに放送室まで来い。ブラド、お前もだ』
A組では今まで聞いた事無いぐらい低い怒りの籠もった声で話す相澤に驚く。
『へ、HAY!タイムリミットは半分切ってるぞ!!気を付けろよ!!』
ここで無理矢理マイクがテンションを上げる。それに合わせて死んだ空気を壊そうと選手達は無論観客達もさっきまでとは比較にならない程に声を上げる。
爆豪も爆発音を更に大きくする。
「お兄様、大丈夫ですか?」
「兄ちゃんは大丈夫だよ、ユエ」
一旦落ち着けるところまで移動したあとに心配したユエは尋ねるが、一騎は大丈夫と告げる。だが、ユエは暗い表情になる。
「お兄様がそういう時は大丈夫じゃ無いときです」
その呟きは一騎には聞こえなかったが発目と心橾の耳にはしっかりと聞こえていた。
「心橾、ごめんな。発目もごめん、こんなんなるつもりじゃなかったんだ。」
「俺がお前を利用するために組んだんだ。だから気にするな」
「気にしないで下さい」
「・・・よし!それじゃあ行くか!」
少し気まずい空気になった時に一騎が両頬を叩き元気よく声をかける。
「お兄様?」
「折角、ユエと心橾と発目が俺と組んでくれたんだ!それを無駄には出来ない!」
「そ、うですね!お兄様!」
「ええ!まだ私のドッ可愛いベイビーを全然使って貰ってませんからね!」
「俺は本戦に進めれば何でも良い」
三人の返答を聞いて一騎は少し笑うと大きく息を吸う。
「しゃあああああ!!」
いきなり大声で叫んだためにまた全員が一騎の方を向く。そして見たのはさっきまでの暗い顔では無くて、明るい顔になり笑顔を浮かべていた。
「ポイント!取りに行くぞぉ!!」
「「「おお!!」」」
一騎の掛け声に三人が答え動き出す。それをA組の面々は嬉しく思いまた挑みに掛かる。
「よし!今度こそ貰うよ、不死黒くん!」
「オイラはもう失うモノがねぇ! フルアタックモードで挑め障子!」
そう言って葉隠チーム模擬もぎを投げながら峰田チームが突っ込んでくる。
「飛べ!ユエ」
「はい!」
一騎からの指示でまたしても空に飛ぶ。
だが、次は1回目みたいには行かず巨大な爆音と共に爆豪が攻めてくる。
「逃げ回ってんじゃねぇ! 無個性野郎!!」
「やっぱ来たか。俺だけが空中で迎え打つ!」
「お、おい!」
そう指示すると一騎はいきなり騎馬から飛び降りる。それを心橾は心配するがユエが「お兄様なら大丈夫」と自信満々に言ってるために何も言わずに騎馬は着陸する。
「来いよ!爆破魔ァ!!」
「アァ"!!」
飛び降りた一騎は発目作のジェットパックで落下せずに浮いた状態のまま爆豪を迎え打つ。
「シネ!」
「お前がな!」
爆豪は手を伸ばし爆破をすると、バランスを崩すために手を伸ばし鉢巻きを掴みに掛かる。対する一騎もジェットパックを止めて落下しながら爆豪の伸ばす手を払っていく。
『おいおい!アイツら高所から落下しながらの攻防してるぞ!大丈夫か!?』
「どうした!空中戦は得意じゃないのか!」
「チッ! ・・・!」
爆豪は拉致が開かないと思い爆破を使おうとした瞬間にそれを見越した一騎が爆豪の右手首を掴み、右フックを放つ!
その拳は爆豪の顎を捕らえる。
「あ」
捕らえたのは顎だが、正確には顎先をかする様に綺麗に捕らえたのだ。その所為で爆豪の脳はかなり揺れて失神しない代わりに、しばらく動けなくなった。
そして瀬呂が回収する前に爆豪が奪っていた鉢巻きを全部奪う。そして瀬呂が回収するタイミングで捕縛網を使い爆豪を完全に動けなくする。
「む・・・こせ・・・や・・・うが」
『不死黒の奴、爆豪を一発KO! しかも奪ってた鉢巻き全部奪ったぞ! だが、地面まで15メートルもないぞ!』
「「ユエ!/お兄様!」」
二人が叫び、一騎は体勢を整え勢いよく踏み出した瞬間に二段階ジャンプをした。しかもそれを何回も繰り出し30メートルほど跳ぶ。
『え、なにあれ・・・? HAY!イレイザー! 説明プリーズ!』
『あれは恐らく不死黒とユエの息の合ったコンビ技だろう』
『どゆこと?』
『ユエが血を飛ばし、不死黒がそれを足場にして上昇した』
『なるほど!てか、お前は水無月のこと下の名前で呼ぶんだな!』
『苗字だと凄く機嫌を悪くするんだ』
『まじ?』
『まじ』
マイク達がそうこう言っている間に一騎はジェットパックを使って無事に騎馬に戻る。
だが、目の前には轟チームが居た。
「そろそろ貰うぞ」
「時間は半分切った。足止めるなよ!」
気合いを入れて言うが目の前には轟チームだけではなく、峰田、葉隠のチームとB組のチームも攻めてくる。
「無差別放電!130万ボルト!」
「痺れステッキ!」
上鳴の無差別放電が辺りに広がるが、発目作の痺れステッキの充電モードで自分たちに迫る電撃は一騎が一人で請け負う。
放電が止み次第に轟の氷撃が迫るがユエが一リットルほど血液を使い防ぐ。
「血は大丈夫か?」
「はい。もう既に造血は済ませてます」
「よし。俺達から見て常に右側をキープしろ」
その指示の通りに轟達が動く度に右側に移動する。そのあと左右を氷結で塞がれ後ろは場外になるために完全に袋のねずみ状態に。
「良く見てるな不死黒」
「皆、聞いてくれ!最後の攻撃を仕掛ける。俺の最速を出す。それを防がれれば俺は使えものにならなくなるが、頼んだぞ轟君!」
「ああ」
「それで行きましょう!」
「最後の賭けだ!」
「トルクオーバー『レシプロバースト』!」
レシプロバースト。エンジンのトルクと回転数を無理矢理上げて、約10秒間だけ爆発的な推進力を生み出す飯田の裏技である。しかし、使用後は反動でエンストしてしまうというリスクをもつ技でもあった。
『は!?はやー! 何が起きた!』
飯田は一気に駆け抜けた。その速度ではプロヒーローですら目で追えない速度を出していた。その為に発目と心橾は何が起きたのか分らず驚愕する。
だが、この男は違った。
「飯田のそれは確かに速いよ。ただ、目で追えて反応出来る程度の速さ。エリクは無論のこと、脳無に比べると断然遅い」
そういって右腕を横に伸ばし手を広げると、そこには轟の鉢巻きがあった。
一騎は轟が迫って来たときに、伸ばしていた手を払いのけ、そのまま逆に鉢巻きを奪ったのだ。
「すまねぇ、飯田」
「うそ。あの速度に反応出来るんですの!?」
「マジか!?」
流石に自身の奥の手を遅いと言われ、ショックを受けるも何処かやはりかと飯田は思ってしまっていた。
「じゃあな。ユエ」
「はい!文字道理、出血大サービス!」
悪戯っぽく言うと新しく用意した一リットルの血液を轟達を閉じ込める檻として利用する。
そのまま走り轟の氷結で動けなくなっていたB組の拳藤から鉢巻きを奪取する。
それから動けない爆豪、轟、と守るに徹してる緑谷チーム以外から全ての鉢巻きを一方的に奪い取った。
『しゅーりょー!!さあさあ!結果はコレだ!ってやべえな! 鉢巻き持ってるチームが4チームしかないぞ!
つーか!不死黒、多すぎるだろぉ!!』
1位:不死黒チーム。
2位:轟チーム。
3位:爆豪チーム。
4位:緑谷チーム。
この順位で第2種目は幕を閉じた。因みに物間チームは周りからの目線とかに耐えきれず(特に騎馬の子達が)、リタイア。その為に持ってた鉢巻きも除外された。
いや、最初の物間なら無個性なのに脇役どころか主役付近の座に居る一騎にここまで思っても可笑しくないかなと思ったんです!ごめんなさい(_ _)
次回「休息」
それでは、期待せずにお待ち下さい。
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