無個性でもヒーロー目指す!。   作:斬る斬るティー

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第3話:印照才子

 

 

「黙れ貴様ら!」

「もし下手な行動をしたら速効で殺すからな!」

「ほら、ちんたらしてんじゃねぇ!とっとと全員のスマホ集めろヤ!!」

 

俺はただいま絶賛立てこもり事件の人質中~・・・え、何コレ。

 

 

 

 ~数時間前~

 

 

 

 

「ハァハァ・・・」

 

オールマイトにヒーローになることを否定されたが、俺は未だに諦め切れずに鍛錬し続けている。今日は休日だから山の中を走まわっていた。それ以外には、今は殆ど残って無い武術・格闘術の本を買いあさったりして色々とベ知識も磨いてきている。今は

 

二虎流

天童式戦闘術

そして、中国武術とかだ。

 

中国武術は凄いね四千年以上の歴史が有り役に立つことばかりだ。でもその殆どは個性社会になって廃れて行ってしまった。もう書物を探すのですら一苦労だよ。

 

「あ、もう11時だ」

 

さっさと家に帰ってごはん・・・・そういえば食材は何も無かったな。街の方まで降りて買いに行こうか、ついでにご飯も食べよ。

 

 

そして雰囲気の良いカフェに入ったら人質になって今に至る。

 

 

「ッチ!もう警察やヒーローが来やがった」

「どうする?」

 

犯人は何か話さしてる。犯人は全員、異形型の個性でしかも武装者で4人。人質は俺を入れて23人か・・・ん?話し合いが終わったのか?あ、あれ?

 

「い、いや!離して!」

「黙ってこい!」

「息子を帰して!」

「五月蠅い!」

 

ヒーロー達の見せしめの為か犯人は数人を連れて行った。男の子と女生徒二人って!あの女子生徒は同じ学校の先輩だ。

 

「ま、待ってくれ!」

 

ん?

 

「見せしめで殺すならソイツにしてくれ!」

 

そう叫んだ男性は俺を指さす・・・ってあの人はよく学校で俺を殴ってる先輩だ。 あー全員コッチを見た。あのひとヒーローに成るって言ってるくせに自分が身代わりになる根性は無いのかよ・・・。

 

「そ、そいつは無個性だ!親にも捨てられて死んでも誰も悲しまねぇ!」

「・・・ふーん。そうなのか?」

「まあはい。俺は無個性ですよ」

「予定変更だ。おい!このガキを見せしめに殺してこい!」

「はい」

「まじか・・・まあいいか」

 

 一騎は乱暴に立たせられると拳銃を向けられ外に連れて行かれる。外に向かう途中に横目で周りを見る。

 

 極限の状態でこそ人の本性はよく出る。誰も一騎の事を心配する者は居なかった。人質の人達は自分じゃ無くて良かったと、三人殺されるのが一人になったしかもソイツは無個性と来た。だれが心配するだろうか?

 それどころか役立たずの無価値の無個性人間が三人を助けれた、本望だろうと言い訳を見つけ納得をする。

 

 

 

外に連れて行かれたら店からそれなりに離れた所に沢山の警察とヒーロー達が居た。腕は後ろで結束バンドで固定されて全く動かせない・・・まあ、この程度引きちぎれるけど。

 

「犯人に次ぐ!無駄な抵抗はするな!その子を速やかに解放をしろ!」

「そんな事言われて従う犯人がいるかよ!」

 

ごもっとも。そんな事言われて、はい分かりましたなんて聞き分けの良い奴なら犯罪なんて犯すわけ無いか。 およ?少し離れた所にいるのは18禁ヒーローミッドナイトだ。確かに立てこもりとかだとあの人の個性が有利か。

 

「俺達は本気だ!さっき提示した条件が飲めないのなら人質全員を殺す!」

「何を・・・!」

「その為に此奴は見せしめだ」

 

 男は銃を一騎の後頭部に着けると引き金に指をかけ、ひきがねを絞る。そこに一切の躊躇はない。

 

――パン!

 

 銃声が響く。誰もが一騎が死んだと思う。だが

 

「な!」

 

一騎は一瞬で結束バンドを引きちぎると後ろを向き拳銃を上に向け銃撃を凌ぐ。

 

「悪いな。俺にも俺の野望があるんだ。ダカラお前らの為には死んでやれない・・・魔弾」

 

――カチッ! ドッン!

 

「ガッハ!!」

 

 驚き油断している男の鳩尾手の平を当てると金属のような独特の起動音が一騎から鳴ると男は後ろに吹き飛びカフェの中まで吹き飛んだ。その距離は軽く数メートルまで行っていた。

 

「な、なんだなんだ!」

「お、おい!」

 

 心配した敵の仲間の二人が一騎に気づく。が、一騎は2回軽くジャンプをして姿勢を低くすると地面を蹴り縮地で敵に近づき手前の敵を殴り敵二人を壁と挟む。

 

「数時間は痛むぞ」

 

腰を落とし右手で拳を作り右肘を敵に当てる。そして左手は開き右拳に当てる。

 

「破ッ!」

 

二人の男は刺し貫かれたような痛みが内臓に響き、意識を手放し倒れ伏す。僅か1分もしないうちに三人の犯人を戦闘不能にしてしまう。だがあと一人は既に一騎に拳銃を向けていた。

 

「テメエよくも!死ね!」

 

 発砲された弾丸は真っ直ぐ一騎に迫る。だが

 

「二虎流 橾流ノ型・流刃」

 

 弾丸は一騎に当たることは無く、突如と弾道がずれる。

 

「は?な、なんだよそれ!」

 

 男は何度も撃つがその全てが一騎に当たることは無い。

 それにも驚く事だが何より犯人が周りに居た者が驚いたのは一騎が素手で弾丸の軌道を逸らしていたことだ。

 

「な、何なんだよ!お前やっぱり個性持ちか!?」

「違うよ。コレは只の技術」

「はぁ?」

「側面から力を加えることで、打撃の軌道をずらす守りの型。今みたいに銃弾の入射角を見極めれば手の甲の骨で弾道を変えて受け流す事も出来る」

「入射角を見極めるだと!?そ、そんな事!」

「出来てたろ?それに銃口、目線、指の動き。この三つさえ気を付ければ良いだけだ。後はちょっとした勇気だけだ」

「ふ、ふざけ「終わりだよ」速!」

 

 男が気が付いたときには既に一騎に懐まで入り込まれていた。

 

「天童式戦闘術 1ノ型5番・焔火扇!」

 

 気づいた時には時既に遅し、男の鳩尾に渾身の右ストレートが深々と突き刺さる。そして男は吹き飛ばされ背後の壁に激突して気絶する。

 

「・・・ば、化け物」

 

 静寂の中誰かが呟いた。それに一騎は周りを見渡すと全員はヴィランを見るような怯えた目を自分に向けていることに気づく。子の居る人は子を守るように抱きしめ、自分と目が合うと小さな悲鳴を上げる者もいた。

 そして直ぐにヒーロー達がなだれ込むが、ヒーロー達は中の現状を見て驚愕をしていた。犯人と思わしき人達は倒れ気絶してさっき見せしめで殺されそうになっていた者だけが立っていた。

 

「こ、これは流石に」

「ねえ君、話良いかな」

「はい」

 

 

 

 ☆ 

 

 

 

 

 

 

 

あの後は夕方ぐらいまで事情聴取を受けた。てかミッドナイトさんのあの服装(コシュチューム)はダメだろ。刺激強過ぎん?戦い方悩殺系だったけあのお人?

 

「ねえ!」

「はい・・・?あ、先輩」

 

 一騎を呼び止めたのは、薄水色のロングヘアーでどこかお嬢様の様な雰囲気を醸し出していて、立てこもり事件で見せしめに殺されそうになっていた女子の先輩だった。

 

「何の用でしっょうか?えっと確か、二年二組の印照才子 先輩」

「私の事を知っているのね」

「はい。二年でIQ150を持った天才がいると聞いた事が有るので」

「そう・・・」

「それで何のご用でしょうか?ストレス発散で殴りたいとかですか?」

「違います!!なんでそうなるの!?」

「先輩も知ってますよね?俺が無個性だと。そんな俺に学校の人で俺に声をかける人は大抵は暴力を振るうためか暴言を吐くためですので。無論その中には二、三年の方もいますので」

「うっ・・・そう。それは何と言うか・・・ごめんなさい」

 

 バツが悪そうな、気まずい顔をしてしまう才子に一騎は首を傾げる。

 

「先輩が謝る事なんて無いですよね?俺に暴力を振るった事無いんですから。それで何のご用ですか?」

「え?」

「俺は事情聴取で一時間半もかかってた。そんな俺を呼び止めるって事は先輩は俺を待っていたんですよね?もしかしたら同じく事情聴取を受けてたとか家が近いとか有りますが」

「結構頭が回るのね。そうよ貴方を待ってたの」

「何故ですか?」

「聞きたいから」

「何をですか?」

「なんで貴方は何も無かった様な顔を出来るの!」

「はい?」

 

 いきなりのよく分からない質問に一騎は心底分らないとでも言うような声を出し首をかしげる。

 

「あの事件はあの人が貴方の事を言わなければ貴方が危険な見に陥ることは無かった。そして何より貴方はあのヴィラン達を制圧したのに誰も貴方に感謝をしなかった。いいえ、それどころか貴方を怯える目で見ている者も居ました。何故貴方は何事も無かったかの様に出来るの!」

「・・・俺は別に誰かに称賛やお礼の言葉が欲しくてやったわけではありません。自己満足ですね」

「・・・」

「それに俺はヒーローを目指してます」

「・・・え!?で、でも貴方じゃ・・・」

「無理ですね。無個性では・・・でもそれを誰が決めましたか?神ですか?違います。只無個性がヒーローに成れた前例が無いだけです。だから俺がその前例になります。その為には周りにどう思われようとどう見られようとも関係ありません」

「・・・!貴方は強いわね」

「そうですかね?」

「ええ、そうよ。・・・私もヒーローを目指してるくせに殺されそうになった時もの凄く怖く何も出来なかった」

「それは仕方無いですよ」

「でも!貴方が代わりになった時に心の中にあったのは罪悪感よりも死なずに済んだという安心感だけ」

「それも仕方無いですよ」

「それでも!私もヒーローを目指してるくせに!個性を持っていたくせに!何も出来なかった・・・ごめんなさい」

 

 才子は涙を流し謝る。あの時助けれなかったことお礼を言わなかったことに。

 

「謝らないで下さい」

 

 一騎は才子に近づきハンカチを渡す。

 

「貴方は本当に優しいのね・・・ありがとう助けてくれて」

「・・・! どういたしまして」

 

 お礼を言う才子に優しく微笑みかける。それに才子は渡されたハンカチを握り、涙を流しながら笑う。そして二人は近くの公園のベンチに移動する。

 

「先輩。此方どうぞ、ココアです」

「ありがと。・・・ねえ」

「何ですか?先輩」

「才子で良いわよ」

「呼び捨てはちょっとアレなので・・・才先輩でどうですか?」

「ええ、それで良いわ。私は貴方を何と呼べば良いかしら?」

「お好きにどうぞ。不死黒でも一騎でも」

「貴方、不死黒一騎って言うのね」

「あれ?名乗って無かったですか?」

「ええ」

「それはスミマセンてっきり俺の名前を知ってるものだと(悪い意味で)」

「大丈夫よ。私は一騎くんと呼ばせて貰うわ」

「分かりました」

 

 二人の間に少しだけ沈黙が流れる。そして最初にそれを破ったのは才子だった。

 

「ねえ一騎くん」

「何ですか?」

「一騎君はあの戦闘技術を何処で身に付けたの?」

「アレは全部本やネットで探して学んで身に付けました」

「はあ!?それだけで銃弾を逸らしたり出来るの!?」

「まあ、幼少の頃より鍛錬してましたから」

「それだけで出来るものなのね・・・ねえ、一騎くん」

「はい?」

「私に稽古を付けてくれないかしら?」

 

「はい? なんでですか?俺は無個性で戦う手段が無いからありとあらゆる武術と体術を取り入れたんですよ?」

「お世辞にも私の個性は戦闘向きとは言えない後方支援型なの。だから今日一騎くんの戦いを見て私もそう言うものを身に付けようと思ったの。だからよ」

「そうですか。・・・ごめんなさい。俺は余り既に力を持った人に教えるのは・・・って何してるんですか!!」

 

 才子は立ち上がると勢いよく一騎に頭を下げる。

 

「そこをなんとかお願い・・・します」

「な、何してるんですか!?才先輩!頭を上げて下さい!」

「ならお願い。私に稽古を付けて」

「なんで俺なんですか?」

「私も強いヒーローを目指してるからよ」

 

「・・・はあ~分かりました。教えますよ」

「ホントに?」

「はい。ただし・・・」

「ただし?」

「俺は毎日鍛錬をしています。それに付いてきて貰います」

「分かったわ」

「(即答かよ)それでは明日の朝五時に俺の家に来て下さい。住所はこれです。」

「分かったわ。ってこの住所はあの山の麓。学校まで一時間は掛かるわよね?」

「はい。普通に歩けばそうですが走れば30分ぐらいで付きます。それでどうします?やりますか?」

「勿論よ」

「集合に一秒でも遅れればそれで終わりです」

「承知したわ」

「分かりました。では明日」

 

 

 

 

~翌日・朝五時前~

 

 

 家を出ると家の前には動きやすいスポーツジャージを着て髪を後ろで一つに纏めている才子の姿が有った。

 

「うそ・・・」

「5時前。第一関門は突破ね。これでちゃんと鍛錬を着けてくれるのよね?」

「はい。でも本当に来るとは・・・

「強くなる為、勿論来ますとも」

(正直、才先輩が来ないことを祈ってた。俺なんかと関わって学校生活を大変になって欲しくないから・・・)

(恥ずかしく面と向かって言えませんが。今の私の憧れは一騎くん、貴方ですから。私は頑張りますよ絶対に)






自分的に印照才子はかなり好きな方なのでかなり主人公を支える感じで出します!
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