無個性でもヒーロー目指す!。   作:斬る斬るティー

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昨日は投稿日時間違えたぜ!いつもは土日なのに。


第41話:ヒーロー殺し

 

 

 

「よし!朝飯も美味かったし、それじゃあ行くか!」

「ウッス!因みに何処行くんですか?」

「決めて良いぞー。何処に行きたい?」

 

何処に行きたいか。特にないな~・・・強いて言えばユエに会いたいけどここから九州ってかなり離れてるしな。まぁ毎晩ビデオ通話してるけど。

・・・飯田大丈夫かな?L○NE送っても記録無視だし。彼奴が行ってるのは確か・・・。

 

「保須か」

「じゃあそこ行くか」

「え?」

「ンじゃぁ行くぞ」

 

思わず呟いたのが採用された! ミルコさん屈伸とかして準備してるけどそうじゃない!

 

「ここから保須に行くとしたら昼過ぎになりますよ!?」

「良いだろ?別に」

「・・・ち、因みに行くのは電車「なわけねぇだろ」 ですよね~」

 

淡い期待も虚しくミルコさんにまたお姫様抱っこされてしまった。

 

 

「安心しろ。今度は優しくしてやるから・・・・力を抜いて身を委ねろ」

 

スッゴいキメた顔してイケメンボイスで言ってくるけど!

 

「なにをですか! ねえ!なにを!」

「舌噛むぞ」

「いやぁあああああああ!!!」

 

 質問するも虚しく無視されミルコが跳躍した事で咄嗟にミルコの首に腕を回し抱きついて叫ぶ。

 

「あら?」

「ん?」

 

 ミルコが跳びたって直ぐに仕事が終わり家に向かっていたメトリとトウシがその姿を捉える。

 

「あれはもしかしてミルコか?不死黒君が体験先で行ってる」

「間違いなくそうね」

 

 二人は話した後にメトリは先ほどまでとは違う笑みを浮かべる。

 

(体育祭に出てたから当然かしら。ようやく見つけれたのね、ルミちゃん)

 

 

 ☆

 

 

「「・・・」」

 

 薄暗く古びた落ち着いた感じのバー。

 しかしそこに不釣り合いにも手を沢山身に付けた死柄木と包帯状のマスクを身に着け、赤のマフラーとバンダナ、プロテクターを着用し、日本刀と数本のサバイバルナイフを身に付けている男、ステインの二人が向き合う。

 

 ステインは脇に装備しているナイフに手を掛け問う。

 

「貴様らの目的は何だ」

「とりあえずはオールマイトをブッ殺したい」

「・・・興味を持った俺が浅はかだった」

 

 死柄木の返答にステインは殺意を醸し出し、心底失望と言った溜め息をつく。

 

「信念無き殺意に何の意義がある」

「殺しに信念なんか要らねぇだろ」

 

「「・・・」」

 

 死柄木は立ち上がりステインと向き合い、二人の間には殺伐問いした空気が流れる。

 

「し、死柄木 弔。ここで戦闘は――」

「いいじゃないか」

「・・・エリク」

 

 黒霧が止めようとするもカウンターで飲んでたエリクがそれを止め氷の入ったグラスを傾ける。

 

「関白 弐壱七をロックで」

「飲んでる場合ですか」

「ロックで」

「・・・畏まりました」

 

 

 ~数分後~

 

 

「貴様らの一団に俺も加われだと。なにを成し遂げるにも信念、思いが要る。それが無い者、弱い者が淘汰される」

「いってー。強すぎだろ」

「ヒーローの本来の意味を失い、偽物が蔓延る社会も力をいたずらに振るう(ヴィラン)も粛正対象だ」

 

(粛正ねぇ~。若いのに良い眼をしている)

 

 ステインの静かに燃える眼をみてなにかを思いつきニヤリと笑う死柄木。

 そしてステインと死柄木の遣り取りを横目でみてからエリクはスマホの着信に気づきとある画面を見て更に影のある深い笑みを浮かべ日本酒を一気に飲み干して氷を噛み砕く。

 

「あれ?ステインは?」

「もう行きましたよ」

「まじか」

「おい」

「あ?」

 

 考え事している間に何時の間にか終わってることにがっかりしてると、死柄木は苛立ちの声でエリクを呼ぶ。

 

「お前のとこにヒーラー居たろ」

「あぁ、エリザベートのことか」

「そうだ。怪我治せんだろ、呼べ」

「それが人にものを頼む態度かよ。そして答えは嫌だ」

「あぁ"」

「なんで価値も無いガキの為に仲間を呼ばないとならない?それにアイツも気に入った奴にしかアレはやらないよ」

「何奴も此奴も死ねよ!」

 

 着いて行こうとしたのに治癒目当てで残ったのに即答で断られ苛立った死柄木はエリクに近寄り右手で顔に触れる。

 

「死柄木弔!?・・・な!」

「・・・なんで!?」

 

 エリクの顔を掴んでもエリクの顔は崩壊どころかその兆しすら一切見せない。そのことに死柄木達は驚き、そしてエリクはギロリと眼を動かし指の間から死柄木を睨む。

 

「いつまで触れてるつもりだ。とっとと離せ」

「あっぁ・・・・・・」

「死柄木弔!?」 

 

 ただ軽く死柄木の額にデコピンをしただけで死柄木は意識を失い倒れる。いきなりのことで黒霧は驚きを露わにしエリクを見るも。

 

「・・・っ」

 

 何処までも冷たい眼を見て息が詰まり、言い知れぬ恐怖を感じた。

 

「黒霧、保須にゲートを開け。俺もステインと話したくて態々来たんだ」

「何故保須だと分ったのです?」

「彼奴の思考を考えれば子供でも分る」

「そうですか。それではどうぞ。私は死柄木弔の介護を」

「サンキュウ。じゃあ金は置いとく、釣りは取ってとけ」

 

 そういって財布から一万円を出してゲートを潜る前に黒霧は呼び止め気になったことを問う。

 

「あの、1つ良いですか」

「なに?」

「何故崩壊の個性が効かなかったのですか?」

「崩壊速度が遅かっただけ」

「そうですか」

「それじゃ」

 

 今度こそゲートを潜りステインの元に行く。

 

「このお金は玩具?ですかね?」

 

 そして黒霧は置かれた聖徳太子の絵柄の一万円を見て首を傾げ、その札を画面越しで見ていたオールフォーワンが答える。

 

『それは大昔の旧一万円札だね』

「旧一万円札・・・」

『見たところ本物、そのての者に売れば百万は下らないだろうね』

「え!!?」

 

 

 ☆

 

 

「よお、ヒーロー殺し」

「ハア・・・・・貴様は飲んだくれていた男」

「間違っては無いけど言い方。まあいいか。俺はエリクサーだ」

「お前はなぜヴィランをしている」

「野望を叶えるためだ」

 

 ステインの問いかけに即行で答えるエリク。そしてステインはエリクの目をじっと見つめる。

 

「その目、どうやらお前には信念があるようだな」

「当たり前だ。お前よりも何十年も生きてんだ」

「貴様は20前後だろ」

「この世には個性なんて有るんだ。人を見かけで判断するな。人の姿をした化け物も少なくないぞ、坊や」

「っ!」

 

 今までにプロヒーローを17人も殺害して23人を再起不能に追い込んだステインですら先ほどまでと違うエリクの瞳の中を見て言い知れぬ恐怖を覚え咄嗟に両脇にあるナイフを掴み構える。

 いきなりでもエリクは笑顔を消さずにいて、ステインはある言葉を思い出した。

 

 Beware that, when fighting monsters, you yourself do not become a monster… for when you gaze long into the abyss. The abyss gazes also into you.”

 

 怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。

 

 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

 

 

「ここでまだやることあるんだろ?それは知ってるが少し話そうや」

「ハア・・・・話すことなど「話そう」・・・・ハア」

 

 断って行こうとするもどうしても本能がこの男(エリク)には逆らうなと告げ、渋々座り話を聞くことにすると、エリクは少し笑う。

 

「・・・お前に取ってヒーローとは何だ?」

 

 保須市の景色を見て少しの沈黙の後にエリクが先に口を開き問いかける。

 

「ヒーローとは見返りを求めてはならない。自己犠牲の果てに得うる称号でなければならないものだ」

「その1番がオールマイトか」

「そうだ。彼は真の英雄だ」

「そして、無個性差別をした」

「貴様」

 

 エリクの言い方にステインはナイフでは無く刀を振り抜きざまにエリクの首元に切っ先を向ける。

 

「それは英雄に対する冒瀆か!」

「事実だ。彼奴は無個性の子に無個性ではヒーローに成れないと言った」

「・・・」

「しかし、言われたその子は今は雄英生だ。無論、ヒーロー科のな」

「っ!」

「そのうえ、彼奴は3年間もあの子を放置したくせに無個性で力を示した途端にいきなり現れて『ごめん』と笑顔で言いやがった!それが何を意味するか分るだろ?

 そして彼奴は、あの子の手を振り払ったくせに、自分の欲を満たすために今度は望まれても無い救済を無理矢理しようとしてる!!」

 

「彼を侮辱するな!!」

 

 刀を横薙ぎに振るうがエリクは少し身を動かすだけで一太刀をわざと掠り傷が着くぐらいで済ます。

 そして即座にステインは刀に付いた血を舐めてからもう一度エリクの首元に目掛け刀を振るう。

 

「貴様は粛正対象だ!」

「狂信者か」

「なに!!?」

「分らなくもないが、話はまだだ」

 

 ステインは信じられないものを見た。彼の個性は『凝血』相手の血液を摂取することで、相手の身体の自由を最大で8分間まで奪う個性なのだが、エリクにはその効果が見られず、刀を背の方から摘まむように掴まれる。

 驚愕の表情を浮かべてるのを見ると直ぐに手を離しシャフ度でステインを見ると1枚の写真を見せる。 

 

「この子だ。無個性で雄英主席合格、体育祭優勝者。知ってるだろ?」

「・・・ハア・・・・・写真で見たことはある」

「この子がさっき言った無個性の子で、何れは英雄になるべき子だ」

「・・・」

「近いうちに会えるから聞いてみろ。さっき俺が言ったのが真実かどうかをな。そして確かめてみろお前のお眼鏡にかなうかどうかをな。一騎は魅せてくれるぞ」

「・・・」

 

 そこまで言われてステインは写真に写る一騎を見てからビルを飛び降り、何処かに消える。

 

「やぁ!ハンター。お帰り」

「ただいま。それでステインはどうだ、エリク」

 

 入れ替わるかのようにエリクの横にはハンターが立っていたが、のんきに挨拶を交わすと笑みを浮かべエリクは立ち上がり両手をポケットにしまう。

 

「アレは一騎の成長に役に立つ良い試練だ」

「そう・・・エリザベートは? 九州?」

「違う。連続出血殺人事件の女の子に会いに行った」

「あぁあの子か・・・なるほど。それよりワクワクしてるな」

「当然。一騎もここに来るから面白いのが見れるぞ」

「そいつぁー楽しみだぁ~」

 

 二人は狂気的な笑みを浮かべる。その瞬間に周囲に居た烏や鳩は一斉に飛び立つ。

 

(ステインとあたれば一騎はノーマルキャラからSRキャラに一気になる)

 

 ☆

 

 

「保須って意外にも栄えてんな」

「そうっすね」

 

 18時過ぎに一騎達は保須に到着すると高いビルの屋上から景色を眺めて至るのだが一騎はふてくされてそっぽを向いていた。

 それにミルコはガシガシと一騎の頭を乱雑に撫でる。

 

「いつまで拗ねてんだ。ガキか」

「だって下ろしてと言っても下ろしてくれないし、人が普通に居るところで抱きかかえるし、その状態で写真撮られるし」

「悪かったってそれより行くぞ」

「はーい」

 

 気軽に返事をしてから屋上から屋上へと飛び移り移動をする。基本は一騎が一人でするが、距離があるとミルコが手を握り引っ張る形で飛び移る。

 

「そういえば今日のお前軽いな」

「重りは全部外してきたので本来の体重とプラスでサポートの重さですよ」

「だからか。本来の体重は?」

「80ですよ」

「軽過ぎないか」

「身長180だと平均でしょ」

「そう――」

 

――BOOM!!

 

「! なんだ?」

 

 前方数キロ先で大きな爆発が見えたことで二人は驚くもお互いに顔を見て頷くと直ぐさま向かう。

 

「悪いが背負うぞ!」

「はい!」

 

 返事を聞いたと共に一騎を背負い、脚に力を込めて力強く跳躍する。高く跳躍すると直ぐに大通りに頭部に上顎や目が無い異形が眼に入る。

 

「脳無!」

「確か雄英を襲撃した奴にも居たって聞いたな」

「はい。形状は違いますがあの時は素でオールマイト並のパワーとスピード、個性は超再生とショック吸収です。まぁ、あのレベルのがそうポンポン居るとは思えませんが、今言ったのが最低ラインとでも考えて下さい」

「おう」

「・・・ん?」

 

 メールが来たことに気づいた一騎は無視使用とするも妙なざわめきを感じ画面を見ると差出人は緑谷となっていた。それを見てさらに嫌な予感が高まり中身を見る。

 

「これ・・・!江向通り4-2-10の細道」

 

って保須市か!? なんでクラスの一斉送信?・・・答えは、ヴィランだ!

でもなんでだ?彼奴も体験中で此所に来たとしたらプロと居るはず・・・って! 答えは簡単、彼奴はまた独断行動してんだ!!しかも自分一人では解決でき無いからのこれだ!!あークソクソ!クソッタレ!!

 

「おい」

「はい?」

「行ってこい」

「は?」

 

 ミルコは止ると一騎を下ろしそう告げる。思いもしない言葉に一騎は思わず思考停止するとミルコは続けざまにいう。

 

「それはこの付近だ、行ってこい」

「良いんですか?」

「お前の責任は私が取ってやる。好きに暴れてこい!!」

「・・・! ありがとう御座います!!」

 

 深く頭を下げると勢いよく駆け出そうとするが振り返り脳無が死体から作られてることを教え全力で蹴っ飛ばして大丈夫と告げると今度こそ勢いよく飛び出しビルを飛び降りると壁を蹴りながら目的に向かう。

 その後ろ姿を見届けたミルコは少し笑うと脳無が居る方へかけていく。

 

「死んだら蹴っ飛ばすからな一騎」

 

 

 

 

 

 

 

「見えた!って、緑谷だけじゃ無い!轟に飯田!後は知らない人だけどマズイ!!

 

 到着した一騎が見たのは轟が左腕に投げナイフ2本を突き刺され形成した氷壁を簡単に切り刻まれ窮地に陥った瞬間だった。

 

「させるか」

 

 直ぐさまデザートイーグルを構えステインに向け発砲する。

 

「チッ!」

 

 ステインは殺気を感じると共に発砲音を聞くといそいで跳んで後退する。そしてロングコートを靡かせながら降り立つ黒ずくめの男を見る。

 

「今日は邪魔が入りまくる。誰だ?」

 

 立ち上がると左手に持ったデザートイーグルをステインに向け右手でもった刀を肩に担ぐ。

 

「ダチを助けに来た只のヒーロー候補生だ!」

 





ミルコは一騎には激激激甘だね。

次回「野望 対 信念」

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