無個性でもヒーロー目指す!。   作:斬る斬るティー

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 明けましておめでとうございます!!

 お久しぶりです!
 全然更新できなくてスミマセンでした(__)これからは頑張ってして行くぜ!!週一だけど(小声

 仮免までは頑張るンゴ!


林間合宿編
第58話:林間合宿


 

 

「雄英高は一学期を終え、現在夏休み期間中に入っている。だが、ヒーローを目指す諸君らに安息の日々は訪れない。この林間合宿で更なる高みへ。プルスウルトラを目指してもらう!」

 

 林間合宿当日、A組が乗るバスの前で相澤が皆に目的を話してから出発までの少しの時間全員が合宿の話しで湧き上がっていたいると

 

「えぇ!? なになにA組補習いるの!? つまり期末で赤点取った人がいるってこと!? えぇおかしくないおかしくない!? A組はB組よりずっと優秀なはずなのにぃ!? 優秀な不死黒君が居るはずなのに!? あれれれれれれれ~~「フン!」 アッフン」

 

 相変わらず心がアレな物間が煽ると拳藤が洗練された綺麗な手刀で物間を静めると片手で軽々と持ち皆に謝る。

 

「物間怖ッ!」

「ま、まぁ私らはA組と仲良くしたいと思ってるからこれから宜しくね」

「ん」

 

 気絶した物間をB組の男子が呆れながら回収していると、出てきたB組女子を見て峰田がよだれを垂らし完全アウトな目を向ける。

 

「ハァ、ハァ……よりどりみどりかよ」

「お前ダメだぞ、そろそろ」

「もし何かしたら全力で鉄砕叩き込むからな」

「・・・はい」

 

 峰田の反応に切島がツッコミ一騎が睨みながら警告すると峰田は顔を青くして大人しくなるのを見て拳藤のもとに向かう。

 

「よ!拳藤」

「あ、不死黒の作ってくれた簡易テストマジでドストライクだったよ」

「それは良かった」

 

「不死黒サンのお陰で国語が89点でした!」

「おっ頑張ったな。よしよし」

「~♪」

 

 撫でられた角取は尻尾が付いてブンブン振っている姿を皆は幻覚した。

 

「?」

「ん」

 

 角取を撫でているときに一騎は裾を引っ張られてそっちを向けば小大が一騎の裾を引っ張っていた。

 

「ん」

「ん?」

「んん」

「ん!」

「ん」

「ん」

「ん~♪」

 

 

(((((なんであれ()で会話が出来るんだよ!!??))))

 

 二人の会話を初めて聞いたA組は何故『ん』だけで会話できるのか分らず驚愕するなかユエはお兄様だからです!と胸をはる。

 

「不死黒!お前のくれた簡易テストのお陰で何とか筆記赤点取らずに済んだ!!ありがとな!!」

「おう」

 

 熱く話しかける鉄哲に一騎は笑顔で答えると二人は軽くハイタッチをして手を握り笑い合う。

 

 

「不死黒さん、B組の皆さんとも凄く仲がよろしいですわね」

「当然だよ。お兄様をお兄様として見れば、格好良くて優しくて料理が上手くてイケメンで頭が良くて勉強も教え上手で努力家でときにはノリが良くてこれ以上に無いほどに出来たお人でしょ?」

 

 ユエの言うとおり確かに一騎を無個性の色眼鏡を通して一騎を見るのでは無く不死黒一騎として見ればあまり非の打ち所の無い程で出来た人間だが、それでもユエの評価は高すぎると普通なら思うが。

 

「確かにそうですわね」

 

 ユエの影響をもろ受けしている八百万はユエの言った事を全肯定してしまう。

 

 

「あ、そう言えば物間の言い分からしてB組には補修居ないんだな」

「あ~」

 

 歯切れの悪い言い方に一騎が首を傾げると鉄哲は「物間だけ補修だ」と言って一騎は思わず「あっ」と声に出してしまった。

 

 一騎が親しく話すことで他のA組もB組と交流している時に拳藤が今日の一騎のテンションの高さを不思議に思い声をかける。

 

「てか今日の不死黒テンション高いね」

「当然!林間合宿とか初めてだもん!」

「・・・ん?」

 

 林間合宿に初めての参加、それに拳藤は思わずどう言う意味?てな感じを顔に出してしまう。

 

「あ、小学校の時はまぁ色々有っていけなくて、中学の時は露骨な無個性差別で参加させて貰えなかったんだ。だから林間合宿や修学旅行とかの参加は初めてなんだよ」

 

 一騎の説明通り小学校も中学校も露骨な無個性差別が有ったうえに教師も差別側だった所為で学校のイベントに参加しないと言えば、普通ならどうしても参加させようと動くのに教師はわかったの一言で全てを片付けた。

 本当に一騎が通ってた小中はクズ学校で体育祭や文化祭も一騎はした事が無かった。

 

 言葉の説明を聞いた皆は動きが完全停止してしまい真顔で普通にしている一騎を見つめ、次に何人かがユエに目を向けるとユエは悔しげに表情を歪ませて俯くだけだった。

 

 

「どうしたみんな、そんな変な顔して?」

 

 皆の変な戸惑いに一騎は意味が分らず小首を傾げる。

 

「「ふ、不死黒!!」」

「ん?うお!?なんだ上鳴、切島?」

 

 2人は一騎に駆け寄り肩を組むと明るく話す。

 

「じゃぁ!初めての林間合宿を消えない思い出にしようや!!」

「そうだぜ!夜は皆で話したり合い枕投げやろう!!」

 

 いきなりの事に一騎はたじろぎながらも返事をすると続々と皆が一騎に駆け寄り声をかける。

 

「不死黒君!林間合宿では大量の木を燃やしたキャンプファイヤーとかやるんだよ!!」

「それに皆と夜通しだべったり騒いだりしようぜ!」

「お菓子とかも大量に持って来たから!」

「恋バナしよ!」

「不死黒さん!トランプにUNO、花札、人生ゲーム、チェス、オセロといろんな物をご用意致しますわ!」

 

 皆の必死な言葉に一騎は驚くも直ぐに笑顔を浮かべて頷くとAB問わず男子は一騎の周りに集まりわちゃわちゃとし始める。

 なかなか荷物を積んでバスに乗らない生徒に相澤は溜め息を付くと髪を逆立て声をかける。

 

 

「何してるお前ら、AB別れて早くバスに乗り込め」

 

「「「「「「「はい!!!!!」」」」」」

 

 

 

 ☆

 

 

「お兄様、此方へどうぞ」

「うん」

「ももちゃんはこっち」

「はい」

 

 ユエはバスの1番後ろに行き一騎を左に八百万を右に座らして2人の腕に抱きしめてほくほくと幸せな笑みをこぼす。

 

(ユエはかわいいな)

(ユエさんが可愛すぎますわ!!)

 

 バスは発進し少してから相澤は皆にこの後の説明を始めるが

 

「音楽流そうぜ!夏っぽいの!チューブだチューブ!」

「席は立つべからず!べからずなんだ皆!!」

「バッカ夏といえばキャロルの夏の終わりだぜ!」

「終わるのかよ」

「ウチもポッキー貰って良い?」

「いいよ~!!」

 

 青春真っ盛りの若者達がこれからのイベントに向かう道中をただ大人しく席に座って待っていられる訳がなかった。

 カラオケを始める者やお菓子を食べてお話しする者、しりとりを始める者と様々だった。

 

 当然、一騎達も。

 

「ユエ、ほらあーん」

「あ~ん!ん~っ美味しい」

 

 差し出された一口チョコをパクッと食べると本当に美味しそうにするユエ。いや、もしかしたら一騎が食べさしたからかも知れないが。

 幸せに笑うユエを見て笑みを浮かべると生チョコに爪楊枝をさして次に八百万に差し出す。

 

「八百万も食べる?」

「は、はい//」

「ほら」

「あ、あーん//」

(ももちゃんのあーんってなんかエッチ~なぁ・・・)

 

 垂れた横髪を耳に掛けてる仕草を見てそんな事をつい思ってしまうが、直ぐにあることに気づく。

 

「ももちゃん」

「なんでしょうか?」

 

 口元を片手で隠しながら首を傾げユエに目を向けるとユエは唇を片手の中指でゆっくりと触り妖艶な笑みを浮かべる。

 

「私と間接キスだね♡」

「ッ//!?!?!?!?」

 

「や、八百万ゥ!!?」

 

 顔からボンと煙を出して真っ赤になった八百万を見て一騎は叫び、ユエは「ニャハハハハハハ」と笑う。そのあとしばらくの間 八百万は顔を両手で隠し窓の方を向いてずっと「違うんですの狙ったとかでは無いんですの」と言い続けていた。

 

「ももちゃんは私との間接キス嫌だった・・・・?」

「そ、そんな訳ありませんわ!!」

 

 悲しそうに目を伏せるユエに八百万は一瞬で振り返ると両肩をつかみ否定する。

 

「じゃぁあ嬉しい?」

「はい!勿論!! ・・・・・・・・・・ハッ!!」

 

 顔を赤くしながらも嬉しそうに顔をほころばせるユエを見て嵌められたと悟りまたしても顔を真っ赤にして蹲る八百万にユエは抱きつく。

 

「ももちゃんだ~い好き♡」

「ッ~~////」

 

「・・・あれ?」

 

 楽しんでいるユエを見て一騎も幸せに笑ったそのとき、バスが速度を落としたのを感じ取るのと同時に後ろを走っていたハズのB組のバスが消えていることに気づく。

 そしてA組を乗せたバスは見晴らしのいい軽い空き地に止まり相澤の一声で皆がバスを降りる。

 

 バスを降りると本当に何も無い只の空き地、いや休憩所の様な場所だった。

 

「なんの目的もなくでは、意味が薄いからな」

「よーう! イレイザー!」

 

 声の聞こえた方を見ると猫っぽいコスチュームを着たヒーローが2人と子供が一人。

 

「煌めく眼でロックオン!」 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」

 

 二人のヒーローは名乗りを上げポーズを取る。

 

「今回お世話になるプロヒーロー『プッシーキャッツ』の皆さんだ」

 

 4人一組で山岳救助をメインにするプロヒーローの登場に暴走したようにヒーロー説明する緑谷に水色のコスチュームを着たピクシーボブが「キャリアは12年にもなる」と聞いて緑谷の口を封じ鬼気迫る表情で「心は18!」と言いながら顔を鷲掴む。

 

「ここら一帯は私らの所有地なんだけど、あんたらの宿泊施設はあの山の麓ね」

「遠ッ!?」

「え…?じゃあ、何でこんな半端な所に」

「ハハ、まさかな」

「バスに戻ろうか。な?早く戻ろうぜ?」

 

 マンダレイの言葉に何人かは嫌な予感を感じた何人かは後ずさりバスに戻ろうとする。

 

「今は午前9時30分。そうね、早ければ12時前後かしらん」

 

 その言葉で予感は確信となり一斉にバズに戻ろうと振り走り出す。

 

「ダメだ……おい…」

「も、戻ろう」

「バスに戻れ!早く!!」

 

「行くぞユエ!」

「はい!」

 

「12時30分までに辿り着けなかったキティはお昼抜きね」

「悪いね諸君。合宿はもう始まっている」

 

 先回りしたピクシーボムの個性で地面がうねり津波のように皆を襲い崖から突き落とす。ただ2人を除いて。

 

「ねぇ今2人だけ先に行かなかった?」

「行きましたね。まぁ彼奴らがいたら他の奴らの訓練になりませんしね」

 

 マンダレイの言葉に相澤は溜め息交じりに答えるとマンダレイは苦笑いの後に咳払いをして崖の下に居る皆に説明する。

 

「私有地につき、『個性』の使用は自由だよ!今から3時間!自分の足で施設までおいでませ!!この“魔獣の森”を抜けて!!」

「“魔獣の森”!?」

「なんだそのドラクエめいた名称は…」

「ぎえええあぁぁぁっ!!?」

 

 魔獣の森という名に皆が反応を示すと峰田の叫び声が響きそちらに目を向けると名前の意味を理解した。だって明らかな化け物がいるのだから。

 

「あ、あの先生!!」

「どうした八百万」

 

 そんな中、八百万は律儀に挙手をして見下ろしてる相澤に質問を投げかける。

 

「不死黒さんとユエさんがいらっしゃいませんが?」

「彼奴らならもう先にいっているぞ」

 

「「「「「はぁああああああ!?!?!?」

 

 相澤の説明に驚愕の声が響く、中には「なんで!?」と言った疑問や「勝手すぎるだろ!!」と言った文句が上がるもそれらは相澤の次の言葉で掻き消える。

 

「お前ら、彼奴らはたった2人で文句を言わず既に先に行っている。何時まで彼奴らの背中を追うつもりだ、何時まで彼奴らに任せるつもりだ。彼奴らに追いつきたければ彼奴らに文句を言いたければお前らの力だけで乗り越えてみせろ」

 

 その言葉で全員は土の魔獣に向き直りその顔には覚悟と強い意思が込められていた。

 

「そうですわ、私達だけでもやれると不死黒さん達に証明致しましょう!! 僭越ながら、指揮は私がおこなわせて頂きます!! 行きますわよ皆さんッ!!!!!」

 

「「「「「「「「「おう!!!!!!」」」」」」」」」

 

 

 八百万の指揮のもと、一騎とユエを除いたA組は魔獣の森に挑む。

 

 

 

「なんか変わったねイレイザー」

「別に変わってなんかないですよ」

「そう?」

「それより早く宿泊施設に向かいましょう。不死黒は昼前には着きますよ」

「まさか、あれは私達ならって意味よ」

「・・・」

「・・・マジ?」

 

「ねぇイレイザー!さっきから監視用魔獣に持たせたカメラに不死黒君と水無月ちゃんの姿だけ写んないんだけど」

「マジ?」

 

 マンダレイは本当にマジかと言った顔になり驚いていた。

 

 

 

 ☆

 

 

「お兄様」

「ん~?」

 

 うようよしている土の魔獣にバレないように一騎達はアニメの忍者の様に木々の枝を足場にしてその上を素早く移動していた。

 そんな時ユエの呼びかけに一騎は立ち止まり後ろを見るとユエが不安な表情で後を見ていた。

 

「皆さん置いてきてしまいましたが大丈夫だったでしょうか?」

「大丈夫だろ。彼奴らだって強い、俺等が居なくてもなんとかなる」

 

 ユエの隣に行き言い終わると頭を優しく撫で「そして」と言って言葉を続ける。

 

「八百万には多人数に一斉に指揮を出せる指揮技術を叩き込んだしな」

「・・・それもそうですね」

 

 納得したユエは前を向くと一騎と共に地面に降りる。

 地上に降りた一騎の目的を理解したユエは降り立ってから顔を上げると右眼を中心に刺青の様な痣が浮かべる。

 

「赤血橾術――」

 

 しかし、痣は一瞬で消えると次に額から頬まで縦線が浮かび下側の端が目尻に届くような横線の模様が浮かぶ。

 

「赤鱗躍動・載」

 

 赤血橾術・赤鱗躍動の出力を更に上げた技。その強化は従来の2倍以上になる。

 

「その姿・・・」

「ふっふふ~隠れて特訓していたんです!因みにあともう一つ上の技が有るんですが今の私では使えません」

「凄いな・・・」

「 !」(ᓀ‸ᓂ) 

 

 胸を張ってえっへん!と誇らしげな表情をするユエに一騎は笑みを浮かべ撫でると直ぐに此方に向かう大量の土の魔獣に向きな直り、右拳と左手の平をぶつける。

 

「準備運動の為に地上を走るぞ」

「はい!後は後続の為に数を減らすんですね」

「まぁね。 本気で行くぞ!!」

「はい!!」

 

 一騎は全集中の呼吸で身体能力を上げて硬く拳を握り、ユエは赤鱗躍動・載で身体能力をあげて焔丸を作るとお互いに目を見てから全力で走り出す

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

「うそ」

「アレ私らならって事だったんだけど・・・。私ら以上に速いなんて」

 

 時刻は10時58分。

 車で宿泊施設まで戻ってきたアマンダレイ達は一応12時までは外で待っといてあげようとしていたら到着から30分超で一騎とユエの2人が息切れどころか大した汚れも無く現れた事でマンダレイとピクシーボムは表情を驚愕に染めていた。そして相澤はやっぱりかといった顔をしていた。

 

「驚く事無いと思いますよ?」

「私達毎日朝と夜に山や森を走り回ってますので」

「このくらい何時もの鍛練の延長線上ですので」

「なんなら何時もの方がしんどいまであります」

 

 2人の息の合った言葉にマンダレイ達は更に驚き若干ショックを受けていた。

 

「ハァー。お前ら、自分の荷物を部屋までから12時まで自主練してろ」

「「はーい」」

 

 仲良く手を上げる2人に相澤はまた小さく溜め息をつくと腕時計を見てから宿泊施設に入りA組の個性特訓のメニューを考える。

 

「お兄様、折角ですから皆さんの分の荷物も部屋に運びますか?」

「そうだな。多分ヘトヘトできそうだな」

「よっと。お兄様の予想では何時頃に来ると思いますか?」

「う~ん、速くて四時頃で遅くても五時頃だと思う」

 

 戦った土魔獣の強さと数、そして足場の悪すぎる道などを考えて答えながら男子全員分の荷物を一気に持つ。

 ユエも一騎の回答を聞いてから女子全員分の荷物を持って2人はA組が使う男女の部屋に行き荷物を置いて鍛練衣装に着替える。

 

 

 

 ☆

 

 

「血鬼術 円斬旋回・飛び血鎌!!」

「ッ!? 予備動作無く広範囲攻撃!?」

 

 至近距離から予備動作無く螺旋状の飛び血鎌を直線の軌道で放たれた事で不意を突かれた一騎は一瞬反応が遅れるも次の瞬間には焔のように揺らめく。

 

「火天ノ型・火走」

 

 ユエの攻撃を全力で避けながら一騎はもし流刃を使えば手を持って行かれるなと考え冷や汗を流す。実際、円斬旋回・飛び血鎌の軌道上の地面は大きくそして深く地面が切り刻まれ抉られていた。

 

(流石はお兄様。重りを取っただけで攻撃が当たらなくなるなんて!)

 

「金剛ノ型・鉄砕」

「金剛ノ型・鉄砕・蹴!」

 

 腰を入れた蹴りで一騎の拳を迎え撃つ。

 

「あんな不安定な態勢からここまで強い一撃を放つなんて流石はお兄様。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなに離れても激しい戦闘音が聞こえるなんてね」

「我も1度手合わせを願いたいものだ」

 

 一騎とユエが模擬とは思えない程の激しい模擬戦闘を行なっている数十分前、ブラドとプッシーキャッツの残り2人の虎とラグドールも宿泊施設に到着し6人は現在まで生徒の大体な個性特訓の内容を詰めていた。

 

「今更ですがB組は大丈夫なんですか?」

「うむ!」

「虎が何日か前から数多のブービートラップを仕掛けていたから大丈夫!!」

「それに後半は我が入り殴る蹴るの妨害よ!!」

 

 虎は腕を組みゴゴゴゴと効果音がつきそうなオーラを出して言う。

 

「すみません」

 

 その時、虎が手合わせしてみたいと行っていた一騎がドアを開けて声を掛けるとその場に居る中でラグドールが1番興味深そうに一騎を見る。

 

「どうした不死黒」

「そろそろ昼餉の時間ですので厨房を貸して貰えるのでしたらご飯を作ろうかと・・・」

 

 一騎に言われ相澤は腕時計に移すと確かに時刻は12時に差し掛かっていた。

 最初マンダレイが12時までに来れなかった者は昼は抜きと言っていたが昼前に来ていた一騎とユエには昼ご飯があるのに用意するのを完全に忘れていて眉間に手を押さえ作るのをお願いしようとする前にラグドールが話す。

 

「不死黒君、あなた本当に無個性なんだね」

「え?」

「あちきの個性はサーチ!見た相手の居場所や個性の弱点なのど情報が~わかる!!」

「っ!?」

「それで言うと妹のユエユエっちの個性、特に治癒が凄い!!」

「まっあっ」

 

 個性情報が分る、それはダメだユエの個性の秘密がバレる!?横に立つユエを見てそう思い待てと言おうとするも頭の中で

 

 何処まで、何時、ヤバイ、止めなければ、でも先生達にバレた、知られる、逃げる、何処に?どうやって?ユエに逃亡生活させる、ユエの人生が、始末する、ダメた、ヤバイ、どうしよう、どうしようどうしようどうしよう。

 

 とうの考え頭を埋め尽くし声が詰まりただ虚しく口をパクパク動かすだけだった。

 

「どういう事ですか?」

「?それは」

 

 相澤の質問にラグドールは少し疑問に思いながらも答える。

 

「あのこの治癒、増血効果はもとより本人と不死黒君はどれだけ大怪我や部位欠損も無条件で治せて、他の人も欠損先があれば断面をくっつければ治せる!しかもリカバリーガールの様に体力の消耗といっただいしょ――

 

 

「黙れぇえええええ!!!!」

 

 っ!?」

 

 怒鳴り声と共に浴びせられる強烈な殺気にラグドールは恐怖し体を跳ね上がらせると椅子から転げ落ち震えながら一騎を見る。他の皆も大小様々だが、少なからず全員一騎に恐怖した。

 ヒーローとして活動し時には悪意から殺気を向けられ慣れている相澤達が、只の学生の殺気にだ。

 

「ユエの個性をべらべら喋るな!殺すぞォ!!」

 

 一騎の殺す、それは爆豪のような只の口の悪さや虚勢から来るものでは無く本当に『殺す』その覚悟があると実感させるほどだった。

 

「ユエ後ろに。・・・」

 

 威嚇しながらも一騎は左手でユエを背後に移動させゆっくりと後ろに下がり通路に出ると横目で左右を確認して超スピードで逃走経路を考える。とりあえずはこの場から逃げること、その後の生活はユエにはできるだけましな生活、あるいはエリクに頼ることを優先して一旦置いておく。

 

「ま、待て不死黒!」

「じゃぁそれ以上近づくな」

 

 いままでの一騎からは想像できないほどの低く冷たい声を向けられ相澤は一瞬身を引いてしまうも直ぐに切り替えて声をかける。

 

「わたった。これ以上近づかないから話しをしよう」

「・・・」

 

 その言葉に一騎は答えずただ鋭い目を向けるだけだった。しかし返事はしないが脚を止めて自分を見てくれたことで相澤は会話の余地をはあると内心胸をなで下ろす。

 

「不死黒、お前がユエの治癒の詳細を知られないようにしていたのはユエが回復道具に使われるのを危惧してだな」

「・・・はい」

「俺達はユエを回復道具として使うことは絶対にない」

 

 相澤は言い切る。

 普段の一騎なら言われた言葉を信じるだろうが、ユエの身や命に関わる事が絡むととことん疑り深くなる。特に大人やヒーローに対しては、だから返す言葉は決っている。

 

「信用出来るか」

「っ」

 

 一騎の目を見れば信用できていないことなど分るが、生徒の口からしっかりと言われ相澤は心が締め付けられるのを感じた。

 しかし一騎はそんな事は知らず言葉を続ける。

 

「初の戦闘訓練の時、緑谷と爆豪の止めるべきだった試合を最初ユエの個性(治癒)を宛てにしてオールマイトは止めなかった」

「不死黒!その件に関しては我々教師もすまなかったと思っている!だからイレイザーは放課後にその事を知りオールマイトをちゃんと叱った」

 

 ブラドが一騎に向けて叫ぶ。彼の言うとおりオールマイトは放課後に戦闘ブイを見た相澤に止めなかった理由を聞かれ正直に答えると床に正座させられ相澤そして話しを聞いた根津にそれなりの時間叱られていた。

 

 そしてブラドは脚を一歩前に出すも直ぐさま射殺すような目を向けられ脚を戻す。話しを聞いて一騎は少し目を閉じると直ぐに相澤の目を見る。

 

「相澤先生ならそうでしょうね」

 

 その声は表情はさっきとは打って変わって優しげだった。

 相澤ならそうだと一騎は分っていた。だってヒーロー基礎学のとき時折誰かが不注意で怪我を負ったとき相澤は必ずユエではなく婆さんの所に行って治して貰えと言っていたから。

 

 だから、相澤消太なら信用できる。

 

「相澤先生ならそういうって信頼できるでしょうね」

「なら!」

「けど、今の俺の目に映るのは相澤先生ではなく、プロヒーローのイレイザー・ヘッドなんです」

 

 一騎の言葉に誰もが困惑した。だってどちらも相澤消太なのだから。だがそれでも一騎は教師としての相澤とプロヒーローの相澤は別人に見えていた。

 

「どう言う意味だ」

 

 意味が分らず相澤が問いかけると一騎はまた鋭い目付きに戻り相澤を見て口を開く。

 

「だってよくいうじゃないですか、合理的にって」

「っ!」

「合理的にだったら。ユエの気持ちなど無視してユエに治癒を使わせまくることでしょ」

「ち、ちが・・・・そんなつもりは」

 

 相澤は気づいた。自分は教師としては信頼されていてもヒーローとしては信頼されていなかった。いや、不死黒一騎はミルコ以外のプロヒーロー全般信頼できていないことを。

 

「ヒーローは自己犠牲が人助けが本文。でも、俺はユエが道具として使われる可能性があるのなら治癒をおいそれと使わせない」

「お兄様・・・」

 

 その言葉はヒーロー失格。それを愛しの兄に言わせてしまったことにユエは罪悪感で覚えるもそれと同等かそれ以上に嬉しさを感じていた。そして一騎は内心で本当に俺ってヒーロー不適合者だよなと自分に悪態を着く。

 

「俺のこの考えが悪なら悪で良いです。俺はユエの為だったら何度でも悪になる。 必要ならユエを殺して俺も死ぬ」

 

 大事な妹を自分より大事な妹のユエを殺す、その言葉に一騎の覚悟がどれほど込められているのかよく分かる。

 

 そしてユエの一騎への思いは壮絶で、一騎から与えられるのが例え暴力でも死でもユエは喜び礼を言って両手貰い受け取るだろうと相澤は確信していた。

 実際一騎の後ろに居るユエは顔が見えないが今の表情は何処までも幸せそうに嬉しそうに頬を緩ませていた。

 

「不死黒お前の覚悟は分ってる。だからもう一度言う、俺達はユエを回復道具として使わない」

「口でなら何とでも言えますよ」

「だから誓う」

 

 一騎とユエはヒーローを目指すがミルコ以外のヒーローを信頼しきれない。そして一騎とユエがヒーローを信頼できなくなった原因がヒーローにもある。実にありふれた皮肉な話し。

 

「相澤消太の名とプロヒーローイレイザー・ヘッドの名に誓って」

 

 これはヒーローを育成するものとしては間違っているのだろう。

 

「俺は水無月ユエの個性の秘密を勝手に口にしないし人生を潰すようなことはしないと誓おう」

 

 十人いれば十人とも肩入れしすぎと言うだろうし、相澤自身教師失格だと思うが、それでも良かった。

 相澤は一騎達に知って欲しかった、信じられるヒーローはなにもミルコだけでは無いことを。

 

「・・・」

 

 普段の相澤からは想像できない程の真剣な眼差しに一騎は目を見開き僅かに驚くも直ぐに表情を戻しチラっとブラドとプッシーキャッツの四人を見る。

 

「お、俺もイレイザーと同じだ」

「私達もよ!」

「えぇ!」

「にゃ!」

「うむ!」

「・・・ッ」

 

 見られたことに気づいたブラドが慌てて言ってからマンダレイ、ピクシーボム、ラグドール、虎も同じだと意を示す。

 それをみて無意識に警戒が緩んだのを感じた一騎は気を締めて口を開く。

 

「くっ口でなら何とでも言えますよ」

「そうだな」

 

 言われた事に相澤は即答すると一騎の目をしっかりと見る。

 

「だからもし此所の誰かが勝手に人に喋ったり、お前が裏切ったと思ったら俺を殺してくれて構わない」

「なっ!?」

「イレイザー!?」

 

 その言葉は全員を驚愕させるには充分だった。

 一騎は驚くも直ぐに俯くと次の瞬間には相澤の眼前に一瞬で移動する。

 

「「「「「!?」」」」」

 

 マンダレイ達は一騎の動きの初動すら眼で追えず消えた様に見え驚愕するも相澤だけは一切驚かずに一騎の目を見続ける。

 

「・・・んで、なんでですか?貴方はそんなキャラじゃないでしょ」

 

 消え入りそうな声で吐き出された一騎の言葉を聞いた相澤はしっかりと答える。

 

「一度しか言わないからよく聞け。 俺達はお前達の味方だ」

「っ・・・!」

 

 相澤消太が信用できる人であることは分っていた。だから

 

「信用できなくても良い。ただ俺達はお前達の敵では無いとそれだけはわかっていてくれ」

 

 最後の言葉を聞いてクシャリと表情が歪み一騎は俯く。その姿を見て相澤はそんな表情も出来るのかと思ってしまった。

 

 少しの目線の交差の後に一騎は深く溜め息をついて戦闘態勢を解く。

 

「分りました信頼します1割有るか無いかですけど」

「あぁ、いまはそれで充分だ。ユエもそれで良いか?」

「はい。私はお兄様の決定に従うまでです」

 

 ユエの言葉にみな一安心し、一騎は深く頭を下げる。

 

「相澤先生、非礼な態度申し訳ありませんでした。どのような処罰も甘んじてお受けします」

「気にしなくていい」

 

 

 一騎は相澤に謝罪した後にラグドールにもしっかりと謝罪をしてからマンダレイ達に厨房を使う許可を貰い部屋を出る。

 

 

 

「・・・ふ~」

 

 残った相澤達は椅子に座り先ほどの子とを思い返していた。特に相澤は目頭を押さえ背もたれに体重を掛け天井を見上げる。

 

(不死黒のヒーローに対する考えを甘く見ていた・・・。ミルコさんは特別と言う事か)

 

 相澤は一騎が少なからずヒーローを信頼できていないのを分っていた。しかしあそこまでデカいとは想像していなかった、もしかしたら自分に対してだけとも考えるがあの感じからして違うと考え相澤はこれからどうするかと考える。

 その時に学生時代の今は亡き友の姿を思い浮かべる。

 

(彼奴なら俺よりももっと不死黒達によりそって・・・)

 

 そこまで考えて考えを辞めて姿勢をただし話し合いの続きを始める。

 

 

 ☆

 

 

 部屋を出てから厨房に行く廊下の途中で一騎は後ろを歩くユエの方は向かずに話す。

 

「ユエごめんな。勝ってに話しをして」

「いえ、お兄様は私の為に言った事です、謝る必要は一切ありません」

「・・・俺はユエを殺すっていったのはっ? ユエ?」

 

 足を止め振り返ろうと瞬間にユエが背後から抱きついて振り返る動きを止めた。抱きついてきたことに一騎は疑問に思い顔だけ後ろに向けるも俯いてるから顔が見え無かった為に少しこのままいようかと言って足を止める。

 

 

(知ってます、お兄様が私を守る為だったら自分の人生を潰し命を平気で懸けることも、いざというときは私を殺して守る事も。・・・あ~お兄様のそれは本当に愛を感じちゃうなぁ~♡」

 

 一騎はloveとLikeの違いを分らないがユエは一騎の思いを愛として受け止める。ユエに取っては誰が何と言おうと一騎のそれはユエ側(自身)への愛なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(お兄様、私はお兄様の中毒者♥)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目は蕩け頬を赤くし口は三日月の笑みを浮かべていた。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「やっと来たニャン!」

 

 午後4時過ぎ。マタタビ荘の前にはボロボロになりながらも魔獣の森を抜けてきたA組の姿が有った。

 

「や、やっと着いた~!」

「何が3時間……うそつき……」

「そうだそうだ!嘘つき―!!」

「悪いね。私たちならって意味。アレ」

「実力差自慢の為か……やらしいな……」

「ねこねこねこ」

 

 みなそれぞれ言いあうと砂藤の言葉にピクシーボムが受け流すと緑谷、爆豪、轟、飯田達を褒め唾着けとこと言い本当に唾を飛ばしていた。

 狙われなかった他は少し距離を開けみていると八百万が手を上げ相澤に問いかける。

 

「あのふ、不死黒さんとユエ・・・さんはどちらに?」

 

 支援攻撃を行ないながら指揮を執っていた八百万の疲労は人一倍高く息も絶え絶えに問いかけると相澤は八百万の背後を指さす。

 

「え?」

「ももちゃんって汗掻いててもやっぱり良い匂いだよね~」

「うっひゃん!!? ひゅえしゃん!」

 

 八百万が振り返るよりも先に誰にも気づかれずに背後を取っていたユエの方が速く八百万に抱きつく。突如の事で変な声を上げ疲れで上手く舌が回らなかった。

 

「ん~?なにももちゃん」

「ゆ、ユエさん達はいつ頃にご到着を?」

「私達は11時頃に着いたよ~」

「予想より3時間も速いですわ。ッん! あのそろそろニオイを嗅ぐの辞めて頂けないでしょうか!しかも首筋なんてンッ//」

「え~ももちゃん汗掻いててもフローランスの香りがするのに~?」

「お風呂に入った後でしたらお好きなだけ嗅いでもよろしいので!」

「じゃぁ我慢」

 

 回していた腕をパッと退けると八百万はふにゃふにゃととへたり込みユエは何時もの様ににゃはははと笑う。

 

 ユエと八百万がイチャコラしている間に緑谷が洸太に男の一番大事な物を殴られるといった事件が起きていた。

 

「荷物は既に不死黒とユエが部屋に持って行ってくれている。だがら17時半まで休憩して18時から食堂にて夕食。その後入浴で就寝だ。本格的なスタートは明日になる」

 

 相澤はそう言ってマタタビ荘に入り、女子はユエにお礼を言い建物に入ろうとするが、ユエはニヤけた顔を手で抑えているのが気になりお礼を言うどころでは無かった。

 

「ユエ?どうした?」

「不死黒 ユエ。不死黒ユエ・・・・うへ、うへへへへ。良いな~私も水無月なんかじゃ無く不死黒苗字が良いなぁ~いつか絶対になってやる」

「ユエさん・・・?」

「ん?なに?」

「あいえ、荷物運んでくださりありがとう御座います」

「気にしなくていいよ~」

 

 手を軽く振ってから一騎は中に居ることを伝え八百万の手を引いてマタタビ荘に入っていく。

 

 

 ☆

 

 

 

「「「いただきます!」」」

 

 その掛声で全員机の上に並べられた大量の食事にありつく。

 

「美味しい!!米美味しい!!」

「五臓六腑に染みわたる!!ランチラッシュに匹敵する粒立ち!!いつまででも噛んでいたい!……土鍋……!?」

「土鍋ですか!?」

「なんか腹減りすぎて妙なテンションになってんね。まぁ美味しいのは分るけど(この料理だと女として負けた気がする)」

 

 ピクシーボムやマンダレイも席に着いて食事を取っていると二人は昼にも食べた料理のできばえに驚いていた。

 

「みんな~お替わり沢山有るよ。そして切島の言うとおり米は土鍋で炊いてるよ」

 

 当然、作ったのは一騎だ。そしてこの林間合宿の間の朝昼晩のご飯は一騎が作ることになってるのだ。

 

「流石不死黒!!」

「サスフシ!」

「不死黒君もうお嫁に行けるよ!!」

「俺男だから婿養子とかでは?」

 

 などと軽口を叩きながらも一騎は慣れた手つきで差し出された茶碗にそそくさとご飯をついでいく。

 

「不死黒さん、やはり私の専属料理人になりませんか?月給はこれくらいで+αで」

「はは、その誘いは嬉しいけどヒーロー落ちた後に2番目の候補になるかな」

「ム!・・・」

 

 そして休日に一騎に鍛練を着けて貰う時には手作りのご飯やお菓子をご馳走して貰っていた八百万は食べることも趣味になり今回の件で本気で一騎を家のシェフにするか一騎を囲むか考え始めている・・・・断られたが。

 

「みんな俺的にはみそ汁が1番のおすすめだよ~」

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「デカイ露天風呂~!!」

「満点の星空だ~」

 

 晩ご飯を食べた一同はマタタビ荘に有る露天風呂で入浴中。

 

「不死黒~そんな離れてないでこっち来いよ!」

「俺は此所でいいよ」

 

 露天風呂にはなんと一騎の姿も有ったのだ。

 最初は食器の片付けとかで皆とはずれてお風呂に入ろうとしたが、切島や上鳴に誘われマンダレイ達には片付けは自分たちがすると言われ逃げ場を無くし遂には轟も会話に入って来たことで一騎は断念し入浴することにした。

 

「けどよ、そんな端っこで岩に隠れながらじゃ休まらねぇだろ」

「いや充分だよ!だからそんなにこっち来なくて良いよ!てか来ないで・・・・・」

 

 近寄ってくる切島に手を向けて慌てて止める一騎を横目で見た轟は少し自身の火傷痕を障子は口元を撫でてから一騎に近寄ろうとしたそのとき

 

「やめたまえ峰田君!君の行為は己も女性陣も貶める決して許される事では無い恥ずべき行為だ!!」

 

 飯田の注意するこえが聞こえ皆がそっちを向くと峰田が頭のもぎもぎを手に取り壁にくっつけていた。

 

「やかましいんスよ」

 

 清々しい笑顔で言った峰田は目の色を変え壁を昇る。

 

「壁とは越えるためにある!!“Plus Ultra”!」

「速っ!!」

「校訓を穢すんじゃないよ!」

 

 たった数秒で壁の上側まで行った峰田をもう誰にも止められないと誰しもが思った次の瞬間、湯船からそれなりの水柱が立ち三回ほど壁を強めにノックしたような音が鳴ると峰田から悲鳴が上がる。

 

「グッギャ!? だ、誰だ・・・・・・・よ」

 

 最初は怒ろうとするも直ぐに勢いは無くし次第に顔を真っ青にし震え出す。

 

「・・・オイ」

 

 一騎は右手で峰田の顔面を掴むと左手で壁の天辺を掴み落ちないようにぶら下がると峰田に少し殺意を向け掴んでる顔を近づかせ目を合わせる。

 

「お前俺が居る目の前でユエの裸を見ようだなんて良い度胸しているな。この間ので懲りてないのか?このまま頭握りつぶしてやろうか」

 

 頭蓋骨を握りつぶす。いまの一騎なら本当にやってしまいそうな程事に峰田は明らかに震え出す。

 

「なぁ個性使って覗きしようとしたがそれは立派なヴィラン行為だろ?・・・・・なんで黙る?さっきまで元気に騒いでたろ?何とかいえよ」

 

 なにも言わず震える峰田を冷めた目で見た一騎は深く溜め息をつくとただ一言「潰すか」と冷たく呟き3メートル程の高さを気にも止めず壁を掴んでいた手を離すと軽やかに着地し峰田を地面に叩き付ける。

 

「あ、やりすぎた」

 

 ことはせずにすれすれで止めて峰田を置いて手を離すと完全に白目を剥いて泡を吹き気絶していた。それをみて一騎はごちると上を見上げる。

 

「洸太君も止めようとしてくれてありがとね」

 

 フリフリと一騎が手を振るのを見て皆が顔を上げると顰めっ面で見下ろす洸太を見ると彼はフン!と鼻を鳴らし出ようとしたその時。

 

「峰田ちゃんならヤると思ったわ。最低ね」

「不死黒、そのまま叩き潰しちゃえ」

「洸太君!も守ってくれようとしてありがとね~!」

「ウェイウェーイ!!」

 

 名前を呼ばれたことで反射的に振り返った洸太はそのまま女子の風呂を見てしまった。小学生の洸太は女子の裸は刺激が強すぎたらしくバランスを崩し男子湯の方に落下してしまう。

 

「おっと」

 

 一騎は落ちてきた洸太を優しく受け止めると完全に気絶してると呟きマンダレイの元に連れていこうと皆に話してから脱衣所に向かう。因みに峰田は完全に無視、多分彼は自業自得だ。

 

 

 

「・・・」

「何してんだ尾白?」

 

 一騎が出て行ってから男子湯と女子湯を隔てている木製の壁を摩る尾白に上鳴が声をかけると尾白は困惑した表情を浮かべながら口を開く。

 

「不死黒さ、この壁を足場にして駆け上がったよな?」

「ん?そうだが?」

「この壁湿ってるうえに若干濡れて凄く滑りやすいんだけど・・・」

 

 尾白の言いたい事がわかった皆はなにも言わない、ただ上鳴が尾白に近づき肩に手を置くと一言。

 

「彼奴のあの運動神経に突っ込んだら恐らく・・・いや、確実に負けだ」

「・・・・そ、うだね」

 

 納得?した尾白はまた湯船に浸かり、皆は満点の星空の下の露天風呂を楽しむ。・・・一騎の体中の酷過ぎる傷跡を無理矢理考えないように忘れて。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

「・・・」

 

 洸太をマンダレイの元につれて行く前に服を着ようとしていた一騎は洗面台に有る鏡に映る自分の傷だらけの体を見て暗い表情を浮かべる。

 

「ほっんと醜い(汚い)身体」

 

 自分の体に汚い者を見るかの様な目を向ける。

 

「みんなに、特に洸太君にこんな汚いもの()を見せるなよ」





初っぱな文字数多いし重いね色々と。


次回「林間合宿②」

それでは、期待せずにお待ち下さい。
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