エリが家に来て早一週間弱。流石に平日家でひとりぼっちは可哀想だからあれこれ考えた結果。
「アミ」
《はい、マスター。何のご用でしょうか?》
こんなの作りました。今返事したのは俺がエリの為に作ったAI。此奴はエリの話し相手にもなってくれて、エリが寂しがらなくなるから安心してる。何かあったら俺のスマホに現れて教えてくれる。
それにご飯を電子レンジに入れとけば昼ご飯の頃にアミが暖めてくれる。
「今エリは何してるか教えて貰っても良いか?」
《yes、エリ様はただ今睡眠しております。・・・・端末画像を室内監視カメラに切り替えます》
そうして写し出されるのはぐっすり寝ているエリの姿。
「ありがとアミ。またエリが起きたら話し相手にでもなって上げてくれ」
《承知。あとマスター、私はマスターの道具です。道具にお礼は言わないものです》
「違うよ。アミはエリと同じく家族だよ」
《家族検索・・・・・・・・・完了。家族とは夫婦とその血縁関係にある者を中心として構成される集団。そして「固いよ」・・・何がでしょうか?》
「アミは考え方が固いよ。まあこの先もまだまだ長いからじっくり考えていけば良いよ」
《了解しましたマイマスター》
「うん。あ、そうだ。家の周りに不審者はいたか?」
《NO、そのような存在は確認されませんでした。引っ越し業者が確認されたぐらいです》
「わかった。ありがと」
《・・・・・どういたしまして》
「うん」
アミとの交信を切った後は普通に授業を受けて家に帰る。
☆
「アミちゃん」
《何でしょうかエリ様》
「お兄ちゃんはいつ頃帰ってくる?」
《心配しなくてももうじき帰って来ますよ。正確には後5秒程です》
「本当に!」
《はい》
「ただいまー」
タイミング良く帰って来た一騎にエリは正に親を待っていた子供の様にトコトコと駆け寄る。それを一騎は抱きしめ持ち上げる。
「ただいまエリ」
「お帰り」
「可愛いな~。良い子にしていたか?」
「うん!」
「よしよし。じゃあ今日は何が食べたい?」
「うーん・・・あ、お客さん?」
「だね」
折角エリが何が良いか悩んでいるときに来るなんて。誰だろう?こんな日に配達来るお願いした覚え無いけど?
「エリ、ちょっとごめんね。アミ」
《はい。マスター》
エリを下ろしてドアの近くでアミを起動する。
「誰が来たか教えて」
《了解、確認します。・・・・・・・訪れたのは女性の様です。武器等は確認されません、一般人と認識します》
「確かに気配もそうだな。ありがと」
通信を切って返事して出ると、家の前にはピンクのショートヘアーが特徴の穏やかそうな女性がいた。
「こんにちは」
「・・・!」
「あのー」
女性は一騎の顔を見ると目を見開き一瞬驚きの表情を浮かべる。それに疑問を思い一騎はもう一度声をかける。
それに女性ははっとし、挨拶をする。
「こんにちは。親御さんはいますか?」
「居ないです」
「じゃあ何時頃帰って来ますか?」
「いえ、俺と妹の二人暮らしです」
「え!?ふ、二人で!ほ、ほんとに!?」
「はい。それで何のご用でしょうか?」
「あ、えっとー今日隣に引っ越してきた発目と言います」
発目か。確か今日はアミが引っ越し業者がいたと言っていたがこの人のことか。
「俺は不死黒一騎と言います。それで、おいでエリ」
一騎に呼ばれ、エリはトコトコ出てくると一騎の後ろに隠れながらも小さくお辞儀をする。
「エリです」
「こんにちはエリちゃん。私は発目メトリよ、これからよろしくね」
「・・・うん」
頷いたエリを見て微笑んでいると何かをおもいついたように手を叩くメトリ。その光景に二人は首を傾げる。
「もし良かったらお近づきの印にご飯ご一緒しませんか?」
「どうするエリ?」
「いいの?」
質問をして首を傾げるエリを見てメトリは優しく微笑む。
「ええ。エリちゃん達さえ良ければ」
「・・・したい」
「よし。じゃあご一緒させて貰っても良いですか?」
「ええ、勿論よ」
☆
「やあ、こんにちは」
「こんにちは」
「・・・こ、こんにちわ」
着替えた後にエリと一緒にお隣さん家に来たらガタイのいい人が出迎えてくれた。思わずエリは一瞬で俺の後ろに隠れたけどちゃんと挨拶はしてくれた。
「俺は発目トウシだ。よろしく」
「はい。俺は不死黒一騎と言います。そしてこの小動物みたいで可愛いのがエリです。ほらエリ」
「こんにちは」
「うん。こんにちは」
「ふふ。じゃあ今からご飯を作るわね」
「俺何か手伝いますよ」
「あら、良いの?じゃあお願いするわ」
「はい。えっーと発目さん?メトリさん?」
「私達は上の名前だと紛らわしいから下の名前で呼んで貰って良いわよ」
「わかりました」
今日作るご飯は引っ越してきたから蕎麦みたい。引っ越し蕎麦って奴だな。俺が作るのは味噌汁と天ぷらだ。にしても犬のぬいぐるみを抱きながらテレビを見てるエリがカワユス、
「よし、そろそろ完成かな~」
「不死黒君。料理上手ね」
「何時もしてますから。和洋中何でも出来ますよ」
「あら、凄い!」
「どうも! っとエリ手伝ってー」
「はーい」
「おや、お利口さんだ。じゃあ俺も何かする事あるか?」
「じゃあ不死黒君が揚げてくれた天ぷらを運んでくれますか貴方」
「勿論」
「仲の良い夫婦・・・あれ?そう言えば娘さんは?」
「あー明なら恐らく地下で開発中かしら」
「?」
開発中ということに疑問を持ち首を傾げる。そんな一騎を見てメトリは答える。
「私達はね、夫婦でサポートアイテムを作ってるの。それで娘もよくアイテムを作って部屋に籠もりっきりになることが多いのよ」
「へー。あれ?この辺りってそんな構造だったけ?」
「一年ほど前から工事してたのよ。まあ業者の人が個性を使えばパッパと終わっちゃうからね」
「そうなんでs『BOOON!!』 !?!?!」
「キャア!」
「エリ!!」
突如の爆発音と少しの揺れに驚き小さい悲鳴を上げるエリ。それに一騎は急いでエリに駆け寄り強く抱きしめ周りを警戒する。
なんだんだ!?爆発!?もしかして組のh「あーまた失敗したか」え?
「そのようね」
「えっとー」
「明もよくアイテムを作るんだがな、下手をすると今回のように開発途中で爆発したりするんだよ」
・・・軽!?え?トウシさんの反応軽くない?もっと心配とか「爆発とかよく有るから慣れたんだよ」・・・・・あ、そうなんだ。凄く遠い目で言ってる。
「大丈夫?エリ」
「うん」
「ビックリさせちゃってごめんね」
「いえ」
良かった。・・・ん?ピンク髪のドレッドヘアーと、スコープのようになっている瞳が特徴の女性が出てきた。
しかもゴーグルを装備してエンジニア見たいなラフなスタイルして、スゴに様になってる。ザ・発明者!って感じの子だ。
「いやーまた失敗しました」
「明また失敗したな~?何作ってたんだ?」
「キック力増強シュー「それ以上は言ったらダメ!色んな問題で!」」
「ム!・・・? 誰ですか?」
「あ、初めまして、不死黒一騎と言います。コッチは妹の」
「エリです」ペコリ
「どうもです!・・・良い匂いがしますね~」
「明、もうご飯できるから着替えてらっしゃい」
「はーい」
明さんが着替えてもっどってきたら丁度ご飯の準備も出来て皆で楽しく食事をした。てかこんな人数でご飯を食べるの初めてだから凄く楽しかった。
今は食後のデザートを食べ終えてソファーで休憩中。エリに膝枕してあげてるとエリが寝落ちちゃった。そして明さんはすぐさままた発明の為に地下に籠もった。
「可愛い寝顔だね」
「ですね~。一日の疲れが飛ぶぐらいの癒やしです」
「ふふ。不死黒君その言葉まるでお父さんの言葉よ」
「出来れば兄のポジションで!・・・サトリさんトウシさん。娘さんの明さんは来週から俺と同じ学校に通うんですよね?」
「え?あ、ええそうよ」
一騎の雰囲気が変わった声色に思わず背筋を伸ばす二人。そしていきなり雰囲気を変えた事に疑問を持つが一騎の次の言葉を待つ。
「でしたら明日からは俺と関わらない方が良いですよ。明さんの為にも」
「・・・え、え?」
「なんでだい?」
「俺は・・・・・・・・・・無個性です」
「「!?」」
「あ、でもエリは個性持ちなので仲良くしてあげて下さい」
深く頭を下げる一騎を見て二人は少し呆然としてしまうが、二人は直ぐに我に戻り一騎に頭を上げるように促す。
「無個性だからってなんでそんな事を?」
「・・・! 今の世は個性主義です。無個性の俺には行きにくい世界です。そして俺は学校では虐められてます。そんな俺なんかと関わっていたら発目さん達に悪評が付きます」
「不死黒君。君は・・・優しい子だな」
「はい・・・はい?!」
「私達は気にしないわ」
「え? いや、ち、ちょっと」
予想谷しなかった言葉に一騎は思わず立ち上がりそうになるが、エリを落としそうになり慌てて座りエリの頭を優しく元の位置に戻す。
「不死黒君、誰かの為に自分と関わらないようにさせる。君は優しいね」
「そ、そんな事は」
「あるよ。な?」
「ええ、そうね貴方。不死黒くん、私達はそんな優しい君と関わりたいわ。私達からお願い出来ないかしら?」
「貴方達は優しいですね」
この人達の目も声も一切嘘をついてない。才先輩と同じでこの人達は本当に信じてもいい人達だ。
「不死黒君」
「はい」
「話してくれないか?君に何が有ったのか。信じて・・・貰えないだろうが信じてくれ。私達は君の味方になるよ」
「分りました」
それから俺は話した。無個性と分かってからの日々、父と義母に振るわれてきた
二人は静かに話し終わるまで聞いてくれた。サトリさんはズッと涙を流していた。
「これが俺の過去です」
「なにそれ!?酷い話だわ!親なら子供に暴力では無く愛を与えるものでしょ!?」
「ああ!全くだ!」
優しいなこの人達は。
「不死黒君。今まで辛かったね」
「良く耐えたね。偉い」
実の子にするように二人でそんな優しい言葉を、優しい眼を俺にしないで欲しい。
あぁ、ユエと才先輩とは違うこの優しさは危険だな~。
「甘えたくなる優しさだ。あ、そしてエリはこの子の家の事情でしばらく預かってるんです」
「じゃあ妹と言うのも」
「実際は違います。ただエリが俺を兄として見てくれて、お兄ちゃんと呼んでくれるので、俺にとってエリは妹なんです」
「不死黒君は本当に優しいね」
その言葉に恥ずかしそうに微笑みながら寝ているエリの頭を優しく撫でる。そんな一騎の姿を見た二人はまるで本物の兄妹の様に思っていた。
「あ、あそう言えば一騎君が学校に行ってる間はエリちゃん家で一人なのよね?」
「あーまあそうですね。でも一人って言っても絶対に一人では無いですよ」
「?どうゆうことだい?」
「これです」
二人に見せるのは一騎のスマホ。
「「?」」
「アミ」
《はい。マスター、何のご用でしょうか?》
「「!?」」
「違うんだアミ。この人達は新しい隣人さんなんだ挨拶して」
《初めまして。私はサポートAIのアミと申します。以後、よろしくお願いします》
「ふ、不死黒君・・・これは人工知能?」
「はい」
「つ、作ったの?」
「エリの為に作りました」
「「・・・スゴ」」
《マスター》
「なに?」
《挨拶をスルーされました》
「あ、ごめんなさい。私は発目メトリよ」
「俺は発目トウシだ。よろしく」
《発目メトリ様、発目トウシ様。マスター、エリ様共々以後、よろしくお願いします》
「しっかりした子だね」
「だな。(不死黒君は天才だった)」
一騎の作ったAIに驚き感心する二人であった。
「それで聞いたのはどうしてですか?」
「あ、もし良かったら一騎君が学校に行っている間家で預かりましょうか?」
「良いのですか?」
「その方が君も安心できるだろ?」
「そうです、けど。ご迷惑になりませんか?」
「ご近所は助け合いよ」
「不死黒君、君は今までほぼ一人で頑張って来たんだ。これからは俺やメトリをいくらでも頼ってくれ」
「本当に優しいですね。では来週からお願いで来ますか?」
「うん」
「ああ」
一騎は頼れる人達に出会う事ができ嬉しそうに笑みをこぼす。
だがエリを狙う黒い影は着々と近づいていた。