無個性でもヒーロー目指す!。   作:斬る斬るティー

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第65話:反撃の時

 

 

 

「オッラァ!!コッラァ!!」

「違え!もっと顎をクイクイやんだよ」

「オッラァ!」

「まだまだァ!爆豪を思い出してやってみィ!!」

「ゴッラァ!!」

「そう!良い感じ!!」

 

 神野区に到着した緑谷達は自分たちが学生、しかも雄英生とバレないように鈍器・大手(ドンキ・オオテ)で服屋かつらを買い緑谷達は変装する。

 

「パイオツカイデ―チャンネーイルヨー!

「なるほど変装か」

 

 変装を思いつかなかった轟は感心する。

 

「夜の繁華街!子供がうろつくと目立ちますものね!」

「八百万…創造で創ればタダだったんじゃねえか?」

 

 ただ、八百万が自分で作る方がタダの上に時短にもなったのにと思い問いかけると八百万はアワアワし言い返す。

 

「そそそれはルール違反ですわ!私の"個性"で好き勝手に創り出してしまうと流通が…そう!国民の一人として…うん回さねばなりませんもの!経済を!」

「そうか、すまなかったな」

「…(入りたかったんだな鈍器に)」

 

「お、雄英じゃん!」

 

 突如背後から『雄英』という言葉が聞こえ緑谷は振り返ると街中にある大型ビジョンに雄英の記者会見の様子が映され、根津、相澤、ブラドの三人が頭を下げていた。

 

「この度、我々の不備からヒーロー科1年生26名に被害が及んでしまったこと、ヒーロー育成の場でありながら敵意への防衛を怠り、社会に不安を与えたこと謹んでお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

「メディア嫌いの相澤先生が」

 

 雄英への質問や回答の遣り取りを効き周りの一般人は守れてないなどと言い、非難の声が上がっていた。

 守れていないのは事実だが、それでも内情を知る緑谷達からしたら叫んで否定したかったが、グッとこらえてその場を立ち去る。

 

 

 

 ☆

 

 

 時と場所は変わり、死柄木達の居るbarでは対等な立場としてスカウトを受けた爆豪は拘束を解かれると同時に爆破し戦闘態勢を取る。

 

「黙って聞いてりゃダラッダラとよォ……!馬鹿は要約できねぇから話が長ぇ!」

「死柄木…!!」

 

「要は嫌がらせしてぇから仲間になってくださいだろ!無駄だよ!俺は…俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた。誰が何言ってこようがそ・こ・ァ・もう曲がらねぇ」

 

 相澤が信じたとおり爆豪は決してヴィランに懐柔される事は無い。

 

(つーか無個性野郎も誘拐されてんのかよ)

 

 テレビから自分だけでは無く一騎のことの追求もあり爆豪は誘拐されたのが自分だけでは無いと知り驚いた。

 

「俺はまだ戦闘許可解けてねぇぞ!」

「バカか?コイツ…。」

「自から茨の道選びやがった…」

「刺しましょう。」

「嘘でも懐柔されたフリしとけばいいものを。やっちまったな。2人とも」

「したくねーもんは嘘でもしたくねぇんだよ俺ァ…こんな辛気くせーとこ長居する気もねえ」

 

 ゆらりと手を上げた死柄木に黒霧が止めに入ろうとした時

 

 ――ギロリ。

 

 死柄木が鋭い目を向ける。

 

「ッ!」

「手を出すな…コイツらは大切なコマだ」

 

 落ちた手のアクセサリーを拾い顔に着ける。

 

「出来れば少し耳を傾けて欲しかったな。お前らとは分かり合えると思ってた…』

「ねぇわ」

「いつまでも寝言ほざいてんじゃねぇ」

「仕方ない。ヒーロー達も調査を進めると言っていた。悠長に説得してる時間もない。先生、力を貸せ」

 

 手助けを求む死柄木の言葉にあわせテレビ画面がブツンと消えたと思うと違う画面が映り男の声が聞こえる。

 

「………いい判断だよ。死柄木弔」

 

 

 ☆

 

 

 

 

 少し前、場所は変わり。

 

 

「どうしたんだい?そんなに外をみて」

 

 脳無生産工場となっている廃工場そこでオール・フォー・ワンはずっと二階の手すりに座り天窓から満月を見つめる黒地に金色のインクで模様が描かれた狐面を身に着けた人物に語りかける。

 

「せんせーも気づいてるでしょ?外にヒーローと警察?が沢山いるよん♪」

 

 狐人はボイスチェンジャーを使ってるのか男とも女とも判断が着かない声で答えると軽い掛け声で飛び降り着地すると月光でその姿が見える。

 

 黒無地の和服に1本の日本刀を腰に差し狐面、そして色が落ちたと思える程の白髪が特徴の人物。

 

「そうだね。君も――」

 

『先生、力を貸せ!』

 

「・・・・・言い判断だよ弔」

 

 突如ブラウン管テレビから死柄木の声が聞こえるとオール・フォー・ワンはその判断を褒め狐人は両手を頭の後ろで組み歩きだす。

 

「じゃぁちょっときになることが有るからそっちに行くね~」

「気を付けるんだよ」

「・・・・・・・・誰にいってんの?」

 

 狐面の目の部分からギロリと赤い瞳がAFO捕らえるも直ぐ狐人は前を向く。

 

「先生の生徒だよ~。そんな簡単にゲガしないって~」

「ふふ」

 

 狐人が闇に溶けるように消えるとほぼ同時に廃工場が急襲される。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「どーもォー、ピザーラ神野店です———」

 

「・・・あ?」

 

 爆豪はパチパチと手の平で小さく爆破させ全員が戦闘態勢に張ったとき気の抜けた様な声が扉から聞こえ全員の意識がそちらに行く。

 

 

 

 

 

「SMASSH!!」

 

 

 

 突如スピナーの背後の壁が壊されオールマイトが姿を現わす。

 

「黒霧!ゲート!!」

「先制必縛 ウルシ鎖牢!!」

 

 オールマイトの姿を見ると同時に死柄木は黒霧にゲートを出させるもそれより先にシンリンカムイが迅速に全員を拘束する。

 

「オォールマイトォ!!」

 

 しかし死柄木だけはシンリンカムイから伸びる木を掻い潜りオールマイトに迫り触れようと手を伸ばす。

 だが当然そんなものがオールマイトに届くわけ無く、死柄木は簡単に殴り飛ばされカウンターへと叩きつけられると拘束される。

 

「何そっちから来てくれてんだよ、ラスボス」

「木?こんなもの俺の炎でも「逸んなよ。大人しくしておいたほうが身のためだぜ?」 がっっぁ・・・」

 

 荼毘が蒼炎で木を燃やそうとするもそれより速くグラントリノは荼毘の意識を刈り取る。

 

「もう逃げられんぞ敵連合…何故って!?我々が来た!!」

 

「ッ」

(これが・・・ステインが認めた男!?)

 

 敵連合はオールマイトの気迫に気圧される。

 

「黒霧!!脳無を持ってこれるだけ持ってこいィ!!!」

「すみません死柄木弔…所定の位置にあるはずの脳無が…ない!!」

 

 既に脳無生産工場も襲撃を受け黒霧が持ってこれる脳無は一体も無かった。

 しかも黒霧はエッジショットの『忍法千枚通し』で気絶させられそのうえ既に死柄木、黒霧、荼毘以外の連合メンバーは全員身元が暴かれていた。

 

「ッ!爆豪少年!! 不死黒少年は!?」

「あァ!知るか!最初っからいねェよ!!」

 

「!! 死柄木弔ぁ!!」

「オールマイト・・・」

 

「不死黒少年は――」

「こんな…あっけなく…ふざけるな…うせろ…消えろ…」

 

「何処だぁ!!!」

「お前がッ!!!嫌いだぁぁ!!!!!!」

 

 

 死柄木の叫びと共に周囲に大量の脳無が湧き出す。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 少し前。

 

「Mt.レディにギャングオルカ…No.4のベストジーニストまで!」

「虎さんもいますわ!」

 

 脳無生産工場ではMt.レディの攻撃を合図にベストジーニスト達は脳無の拘束に虎はラグドール救出に動く。

 

「ヒーローは俺達などよりもずっと早く動いていたんだ…!」

「すげぇ…」

「さぁすぐに去ろう。俺達にもうすべきことはない!!」

「オールマイトの方…かっちゃんと不死黒君はそっちにいるのか…」

「オールマイトがいらっしゃるのなら尚更安心です!さァ早く…」

 

 

「やぁやぁやぁ!今宵は言い満月だねぇ~。きみたち」

 

 退散しようと動き出した緑谷達に気軽な声がかかる。

 

(ヴィ、ヴィラン!?)

(いつから居やがった!?)

(気配がしなかった!?)

(それに此奴)

(途轍もなっく強い。翠鈴さんと同じく呉の方でしょうか)

 

 狐人の登場に緑谷達は驚き冷や汗が止らず、全員震え出す。あの轟ですら狐人から発せられる歪な気配に手が震える程。

 

「ごめんね~怯えさしちゃったかな?何かさっきからちっぽけな気配がうろうろしてたから来たんだけどもしかして迷子~?・・・にしては全員見た感じ高校生だけどキャバ嬢いる?・・・コスプレ?

 まぁとりあえず・・・」

 

 一人喋っていた狐人が刀の柄を握った瞬間、緑谷はフルカウルを最大限発動し轟は左手に炎を灯し切島は全身硬化して八百万を守るように動き飯田はレシプロを発動しようとするが・・・

 

 

 

「え?」

「は?」

「う、そ」

「クッ」

「そんな」

 

 

 

 

 

 次の瞬間、緑谷は両腕、轟は左腕、飯田は両足、切島は右腕、八百万は右足を一瞬で切り落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――

 

 ――――――

 

 ――――

 

 ――

 

 

 

 

「「「「「!?!?!?!」」」」」

 

 驚きで瞬きすると切り落とされた箇所はなんとも無く血の一滴どころか傷一つなかった。

 全員確かに刃が皮膚を裂き筋繊維や血管をそして骨を断つ感覚を感じた。なのになんとも無いことに困惑を隠しきれず全員腰が抜けその場に座り込んでしまう。

 

「へぇ~。確かに斬る幻覚を見せたのに全員耐えた。普通は気絶したり発狂する者も居るのになぁ~。斬ったのが首じゃ無かったからか?それとも此奴らヒーロー候補生?」

 

(げ、幻覚?幻覚を見せる個性か?)

 

 狐人の言葉に緑谷はどういった個性かを考えると「まっいっか」と言った声が聞こえ顔を上げるとしゃがんだことで目線が並んだ狐人と目が合う。

 

(赤い瞳・・・)

 

「ここは今から戦場になって危ないから早く逃げな~」

「は?」

「えっとね~この道をってヒーローに見つかるとヤバイ?ならコッチの道を進んで通路に出ると左に進んで突き当たりのT字路を右に言って2本目の十字路を左に行ってしばらくすると大通りに出て避難できるよん♪」

 

 指を差してクルクル動かし生き場所を教える狐人に全員訳が分らず困惑する。

 

「動くな!止まれ!」

 

「およ?もうか。それじゃ君達は気を付けて帰るんだよ~」

 

 狐人はヒラヒラと手を振った瞬間に廃工場の方からドゴンと壮絶な轟音と共に辺り一帯が吹き飛ぶ。

 

 

 ☆

 

 

 

「おぉ~凄いねあの爆発君」

 

 オール・フォー・ワンの後ろに影の様に現れた狐人は死柄木たち六人相手に捕まらないように上手く逃げ回る爆豪に称賛を送る。

 

「戻って来たんだね」

「おぅ無傷よ~。それよりどうする?弔君手伝う?あの程度のガキなら簡単に殺せるよ?・・・ん?」

 

 カチャリと柄を握り抜刀の構えをする狐人にオール・フォー・ワンは手を前に出して制する。その行為に狐人はコクリと首を傾げAFOを見上げる。

 

「殺すのはダメだよ。彼は弔の大事な駒になるからね。」

「お熱だね~オッエェ~」

「それより」

「ん?」

「そろそろ下がった方が良いよ。なんたって、オールマイトが来る」

「だね。じゃぁ先生が危険になるまで手出しせずみとくね。でも何かあったら呼んでね」

「あぁ」

 

 後方に跳び脳無生産の残骸の中に入ると同時に空からオールマイトが現れAFOと衝突する。

 

「全て返してもらうぞ!オール・フォー・ワン!!」

「また僕を殺すか?オールマイト!!」

 

 オールマイトの拳をオール・フォー・ワンは簡単に受け止める。たったそれだけなのに途轍もない風圧が起きるもオール・フォー・ワンはなんてこと無いように話し出す。

 

「随分と遅かったじゃないか。BARから5キロ余り…。脳無を送り込んで優に30秒経過してからの到着。…衰えたね、オールマイト」

「貴様こそ何だその工業地帯のようなマスクは!だいぶ無理してるんじゃないか!?」

「言うじゃないかオールマイト」

「もう私は五年前の過ちを犯さん!爆豪少年も不死黒少年も取り返し!お前と連合を刑務所に打ち込んでやる!」

「それは…やることが多くてたいへんだな。お互いに」

 

 軽口を叩いた後にオール・フォー・ワンの腕は肥大化し風圧の様な物でオールマイトを吹き飛ばしオール・フォー・ワンは気絶している黒霧の個性を強制発動させて死柄木達に爆豪を連れて撤退することを進める。

 

 

「オールマイト、久しぶりだなぁ~。あっははは・・・お前を見てると殺意が止らないのはなんでだろうなぁ~」

 

 後ろに下がった狐人は工場の屋根に腰を下ろしまたオール・フォー・ワンに突撃するオールマイトを見て口元を大きく歪めてギラギラした殺意の目をオールマイトに向ける。

 

 

 

 

 そしてオールマイトとオール・フォー・ワンが激突しているとき緑谷は考えていた。

 

(考えろ、考えろ。何故不死黒君はいない?もう一つの方で既に保護されたと考えるべきか?

 いや、今はそう考えてかっちゃんを助けることを。かっちゃんは囲まれて逃げることが出来ない。何処か、一瞬でいいかっちゃんを助け出せる瞬間が何処かに必ずだ)

 

 緑谷は思考を回しそして思いつく、爆豪を助け出す作戦を。

 

「飯田くん…皆」

「ダメだぞ…緑谷君!」

「違うんだよ!戦闘行為にならず助け出せる方法が一つだけある」

 

 緑谷の言葉に全員真剣な表情で耳を貸す。

 

「奴らは僕らに気づいてない!これまで散々出し抜かれてきた相手に、今度は僕達がそれをできる立場にある!そしてそのまま手の届かない高さから戦場を横断する!ヴィランのボスはオールマイトを食い止めてるけど、これは逆もまた然り!!」

 

 そして作戦は、先ず轟が高く跳べるように氷でジャンプ台を作り緑谷はフルカウルになり飯田はエンジンを吹かし、硬化した切島を担ぎ壁をぶち破る。そして氷のジャンプ台を使い空高く跳び爆豪に来て貰うもの。

 

 

「ワオ~これは弔君達爆発君に逃げられるな」

 

 狐人は呑気に笑いながら言う。

 

「来いィ!!!」

 

 戦場の上空を横断した緑谷と飯田に支えられた切島が爆豪に手を伸ばし叫ぶ。

 その声を聞いた爆豪は目を見開く。爆豪の次の行動に気付いた死柄木は爆豪を掴もうとしたが次の瞬間、爆豪は爆破で跳び上がる。

 

「バカかよ!」

 

 切島の伸ばされた手を掴み呟くと、飯田の推進圧に爆破を合わせあっという間に戦線離脱する。

 

「どこにでも…現れやがる!!」

「マジかよッ…!!」

「誰か遠距離攻撃を持っている奴は!?」

「2人とも気絶している!」

「アンタら、くっついて!!!」

 

 マグネはコンプレスとスピナーにをくっつけさせる。マグネの個性は男にN極、女にS極を付与することがでる。これにより男2人をくっつけ生まれる反発を使いコンプレスを吹き飛ばす。

 

「反発破極 夜逃げ砲!!!!

「タイタンクリフ!!!」

 

 しかしMt.レディが巨大化したことでコンプレスとぶつかり爆豪達を守る。

 

「いってバカガキ共!!」

 

「クソ!まだ間に合う!」

「させねぇよ」

 

 次にトゥワイスを飛ばそうとするもそれより先にグラントリノが登場し即座にジェットを利用した高速の蹴りでスピナー、コンプレス、マグネを一瞬で昏倒させる。

 

「遅いですよグラントリノ」

「おめえが速いんだよ!それより俊典!またあのアイツ!緑谷!?っとにますますお前に似てきとるよ!悪い方に!!」

「保須の経験を経てまさか来てるとは……」

「ホントじゃ!?」

「しかし情けないことにこれで心置き無くお前を倒せる!!」

 

(あぁーあ、あれじゃぁもう捕まえられないな~)

 

 狐人は呑気に呟きオール・フォー・ワンは死柄木達とにらみ合うグラントリノを見る。

 

「やれやれ、一手できれいに形勢逆転か」

 

 と言うが直ぐに鋲突をオールマイトに向けて放つが、当然オールマイトはよけるが狙いはその後ろに居るマグネ。彼に鋲突を刺すと個性強制発動をしてゲートの前に居るトガに向かって気絶したメンバーが全員引き寄せられる。

 

「え!?そんなに急に来られても!?ふがっ!?」

 

 いきなりの事で焦りトガ達は衝突しゲートを潜る。そして死柄木は引きずられながらもオール・フォー・ワンに手を伸ばす。

 

「だ、めだ先生!!」

「大丈夫さ。君はまだやることがあるだろ?」

「でも!俺は!!」

「弔....君は戦いを続けろ」

 

 その言葉を最後に聞いて死柄木もゲートを潜りゲートは消える。

 

「SMASH!!」

 

 向かって来るオールマイトに対し『転送』を使いグラントリノを呼び寄せ盾として使い『衝撃反転』の個性によってオールマイトの腕にSMASHの衝撃を反転させ傷つける。

 右腕を膨張させて先ほど使った強力な空気泡と同じ物を放つがオールマイトは無理矢理相殺した上にグラントリノを取り戻す。

 

「心置きなく戦わせないよ?ヒーローは多いよなぁ、守るものが」

「黙れ」

 

 オール・フォー・ワンの言葉に笑みを消し怒りの表情でオールマイトはそう言いながらオール・フォー・ワンへ迫る。

 

「貴様はそうやって人を弄ぶ!壊し!奪い!つけ入り!支配する!日々を過ごす人々を!理不尽が嘲り笑う!私はそれが許せない!!」

 

 

「させるか」

 

 だが、此所で新手(狐人)の登場。

 狐人の登場でオールマイトはまだヴィランが残って居たのかと考えるも、狐人から感じる強い気配に左腕に力を込め拳を振り下ろす。

 

「知ってる?プロボクサーのパンチって~ちょっと下手に側面から力が加わると簡単に関節が外れたりだよ?・・・・こんな風にィ!!」

「グッゥウウ!!?」

 

 狐人は一歩身を引いてオールマイトの攻撃を避けるのと同時に側面から殴りオールマイトの肩関節を外す。

 

「グゥ!?・・・あぁああああああ!!」

「ウッそだろォ!!? この、脳筋がッァアアアッアァアアアアアア!!!!????」

 

 しかしオールマイトは上半身を勢いよく捻りそのひねりで生まれる勢いを使い遠心力で外された左腕を振るい狐人を裏拳擬きの技で勢いよく殴り飛ばす。しかも狐人を殴っても落ちない遠心力を使い関節を嵌めオール・フォー・ワンに迫る。

 狐人が吹き飛ばされた事で一瞬意識が自分から途切れたオール・フォー・ワンのその顔面に向け左拳を振り抜く。

 

 

 

「DETROIT SMASHッ!!!!」

 

 

 

 拳が顔面にモロに張り地面に叩き付け暴風が吹き荒れる。

 

 

 

 

 

「がッハ! ゴホゴホ・・・クッソが。」

 

 吹き飛ばされ数回バウンドをして瓦礫に叩きつけられた狐面の端や目の部分から大量に血が噴き出す。

 

「ゴッハハァハァ・・・チックソッタレ。至る所の骨は砕けたし内臓潰れるししかもこの感じ、脊髄損傷による下半身完全麻痺か。動かねぇ~たっく」

 

 狐人は唯一なんとか動く右腕を動かし近くに落ちていた金属片の破片を手に取る。

 

 

「こうなれば、■に■り(リセット)だ」

 

 

 

 ――ザシュッ!

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

「嫌に感情的じゃないかオールマイト。似たようなことを前にも聞いたよ。先代ワンフォーオール継承者、志村菜奈から!」

「貴様の汚れた口でお師匠のなを口にするな!」

 

「理想ばかりが先行し、実力の伴わない女だった…!ワン・フォー・オール生みの親として恥ずかしくなったよ。実にみっともない死に様だった。どこから話そうかな…!」

「貴っ様ァァアアアア!!!」

 

 恩師を侮辱されたことでオールマイトは感情的になったことで隙が生じオールマイトはオール・フォー・ワンの次の攻撃に反応出来ず吹き飛ばされてしまう。

 

「Enough!!」

 

 上空を飛んでいたヘリに衝突しかけたオールマイトをギリギリでグラントリノが受け止め地上に降りる。

 

「6年前と同じだ!落ち着け!!そうやって挑発に乗って!奴をとらえ損ねた!腹に穴を開けられた!お前のダメなとこだ!奴と言葉を交わすな!」

「……はい…」

 

「前とは戦法も使う個性も何もかもが違うぞ!正面からは有効打にならん!まずは虚をつくしかねぇ…!まだ動けるだろ!限界を超えろ!正念場だぞ!」

「はい…!!」

 

 グラントリノの言葉でオールマイトは意識を切り替え、オール・フォー・ワンは個性を発動して力を溜めながら話す。

 

「弔がせっせと崩してきたヒーローへの信頼……決定打を僕が打ってしまってよいものか…。でもね、オールマイト。君が僕を憎むように、僕も君が憎いんだぜ?」

 

 オールマイトに対して、マスクが壊れた状態で言葉を継ぐオール・フォー・ワン。

 

「僕は君の師を殺したが、君も僕の築き上げてきたモノを奪っただろう?だから君には可能な限り醜く、酷たらしい死を迎えてほしいんだ!」

 

「デケェのが来るぞ!避けて反撃を!」

「避けて良いのかい?」

「ッ!?」

 

 オール・フォー・ワンの指摘でオールマイトは後ろに目線を送るとそこには崩れた瓦礫に挟まれ逃げ遅れた一般女性がいた。

 

「おいっ!」

「君が守ってきたものを奪う…」

 

 そして放たれる途轍もない威力の衝撃はをオールマイトは左腕で受け止め、相殺する。

 

「まずは怪我を押し通し続けてきたその矜持。惨めな姿を世間に晒せ。平和の象徴」

 

 煙が晴れた時、オールマイトの姿は、トゥルーフォームになってしまっていた。

 

「頬はこけ、目は窪み!!貧相なトップヒーローだ。恥じるなよ。それがトゥルーフォーム本当のキミなんだろう!?」

 

 嘲笑いながらオール・フォー・ワンはオールマイトに言うが、等のオールマイトはそれでも一切心が折れることは無い!

 

「・・・」

「…身体が朽ち、衰えようとも…その姿が晒されようとも…私の心は依然、平和の象徴!!一欠片とて奪えるものじゃあない!!」

「素晴らしい!参った、強情で聞かん坊な事を忘れてた」

 

 だがそんな姿を見てもオール・フォー・ワンは余裕の表情を崩さない。それどころか更に口元を歪め笑う。

 

「じゃあこれも君の心に支障ないかな…………死柄木弔は、志村菜奈の孫だよ」

 

 その瞬間、オールマイトの中の全ての時が止まった……

 

「君が嫌がる事をずぅっと考えてた」

 

 突然の衝撃の真実に、動揺を隠せないオールマイトは震える口で何とか言葉を紡ぐ。

 

「う、ウソだ・・・」

「事実さ分かってるだろ?僕のやりそうな事だ。あれ…おかしいな、笑顔はどうした?オールマイト」

 

 オール・フォー・ワンの指摘通りオールマイトの顔には笑顔は無く笑っていなかった。そして今のオールマイトの脳内には恩師、志村菜奈と過ごした時間が思い起こされていた。

 

『人を助けるってつまり、その人は恐い思いをしたって事だ。命だけじゃなく、心も助けてこそ真のヒーローだと…私は思う。どんだけ恐くても、「自分は大丈夫だ」っつって笑うんだ。世の中、笑ってる奴が一番強いからな』

 

 

「き・・・きさ、ま」

「やはり…楽しいな!一欠片でも奪えただろうか」

「(お師匠のご家族……私は、なんということを━━…)~~~~ぉおおお━━…!!」

「負けないで」

「!」

 

「負けないで、オールマイト!!」

 

 瓦礫の女性が、涙ながらにオールマイトに救いを求めたのだった。

 

「お嬢さん、もちろんさ」

 

 女性助けの声に応えたオールマイトは、オール・フォー・ワンに対して言う。

 

「ああ…!多いよ…!ヒーローは…守るものが多いんだよ、オール・フォー・ワン!!・・・・だから、負けないんだよ…!!」

 

 そう叫ぶとオールマイトは、ワン・フォー・オールの残り火で右腕のみをマッスルフォームにした。

 

「渾身。それが最後の一振りだね、オールマイト。手負いのヒーローが最も恐ろしい。腸を撒き散らし、追ってくる君の顔。今でもたまに夢に見る。二・三振りは見といた方がいいな」

 

 エアウォークで宙に浮き腕を膨張させて攻撃しようとしたオール・フォー・ワン。しかし、横からきた炎を咄嗟に片手で打ち払う。

 

「なんだ貴様…その姿は何だオールマイトォ!!!

 

 barの方の脳無を制圧したエンデヴァーとエッジショットが駆け付ける。

 

「応援に来ただけなら、観客らしく大人しくしててくれ」

「抜かせ、破壊者」

「俺たちは救けに来たんだ!」

 

 そして駆け付けてきたのもエンデヴァー達だけでは無くシンリンカムイに虎も来ていた。

 

「煩わしい」

 

 そう呟いて個性を使おうとしたその時、

 

「せんせ~頭に血が上りすぎ。此所は接近では無く遠距離攻撃主体がベストでしょ?」

 

 狐人がオール・フォー・ワンの下で見上げながら声を駆ける。それでオール・フォー・ワンは冷静を取り戻し地上に降りる。

 

(なんだあのヴィランは)

(あのヴィランはさっきの)

 

(誰だ?)

(何だこの妖しげな気配は)

 

 オールマイト達は狐人の登場に動きが止り、それ以上に狐人の気配に危険を感じる。

 

「そうだね。君の言うとおりだ、ありがと」

「頭撫でんな!てかなんで頼らなかった!頼ってくれれば爆発君を捕らえるのもそんなボロ雑巾になることも無かったのによぉ!!」

 

 頭を撫でようとするオール・フォー・ワンの手を払いのけ逆にオール・フォー・ワンのお腹をゲシゲシゲシと蹴る。只体格差がありオール・フォー・ワンは一切微動だにしてないが。

 そんな光景にオール・フォー・ワンをよく知っているオールマイトとグラントリノは驚愕を禁じ得なかった。だってあのオール・フォー・ワンが子供に蹴られてても楽しそうな表情をするのだから。

 

「そうだ、折角だし君の正体を明かしてあげな」

「そうだね」

 

 提案を肯定すると狐人はオール・フォー・ワンの前に立ち上空を飛ぶ報道ヘリを指差し俺を映せとアピールする。

 そして狐面に手を掛け取ると空高く投げる。

 

「やあ!やあ!遠からん者は音に聞き!!」

 

 その言葉でオールマイトの脳裏に浮かぶのは体育祭での宣戦布告の言葉

 

「そ、その台詞は!!・・・あり得ない」

 

「近くば寄って目にを見よ!!俺の名前は――」

 

 狐人は顔を上げ全員がその顔を見て驚愕する。

 

 狐面を取った事で一緒にかつらも取れ黒髪に白髪が交じった髪と血の様に赤い瞳と違いはあるが、その人物は。

 

 

 

 

 

 

「死柄木一騎」

 

 

 

 

 不死黒一騎その人だった。

 

 

 

「以後お見知りおきを」






一騎の闇落ち!?


次回「真実ほど残酷なものは無い」


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