無個性でもヒーロー目指す!。   作:斬る斬るティー

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遂に一騎がオールマイトそして今は緑谷が持つ『ワン・フォー・オール』を感知出来てる理由が分るぜ!

あと元はエリクが持ち今は一騎の中にある個性の正体が分るよ~♪
てか殆どの方は分りますよね?なんの個性か。


それではどうぞ~!

あ、誤字脱字報告ありがとう御座います!!


第66話:真実ほど残酷なものは無い

 

 

 

 

「死柄木一騎。以後、お見知りおきを」

 

 オールマイトを初めその戦場に居るヒーロー、警察、報道ヘリのニュースを見ていた全国民が驚愕した。

 

 黒髪には白髪が混じり、黒眼は紅眼に変わっているがその顔は不死黒一騎その物だった。

 

 一騎の変わった姿にオールマイトは右腕のマッスルフォームすら解けてしまう。

 

「き、きさま、彼に・・・不死黒少年に何をしたぁあああああああ!!!」

 

 そして一騎の姿を見たオールマイトは血を吐きながら激昂する。だがオール・フォー・ワンは一切動じず一騎に声を駆ける。

 

「一騎」

「ん?」

「僕はもう少しオールマイトと話しがある。君はエンデヴァー達の相手をお願い出来るかい?」

「時間稼ぎ?」

「そうだよ。出来るかい?」

「出来るよ?誰に言ってるの。因みに生死は?」

「問わないよ」

「りょーかい」

 

 一言返事を返し、一騎は抜刀しエンデヴァーに向かう。

 

「待つんだ!ふしぐ「君のお陰さ」 ・・・は?」

 

 走り出した一騎を止めようとするもオール・フォー・ワンの言葉でオールマイトはオール・フォー・ワンの方に顔を向けると彼は醜悪な笑みを浮かべる。

 

「どういう意味だ」

「そのままの意味だよ」

 

 そしてオール・フォー・ワンは話し出す。

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 一騎とオール・フォー・ワンが対面した日にまで戻り、一騎は激しくガチャガチャと椅子に繋がれている鎖をゆらす。

 

「がっあぁあああ!!」

 

 オール・フォー・ワンが一騎の頭に触れ洗脳をしようとし、それに抗う為に無意識に体が反応してしまっている所為だった。

 

 

「ッ!! ハァハァハァ・・・クソ頭がボーっとする」

「流石だね一騎」

「洗脳は失敗だな」

「あぁ。こんなのは初めてで驚いてるよ」

「は、ハッ!精神を強く持てば洗脳は弾けるんだよ」

 

 

 滝のような汗を掻きながらも顔を上げて不適な笑みを無理矢理作る。

 そんな一騎にオール・フォー・ワンは素直に称賛を送ると一騎は呼吸を整え質問をする。

 

「おまえ、本当に何者だ」

「?どう言う意味かな?」

 

「お、おま・・・えが、個性を使うときなんでそんなにオールマイト・・・ハァハァ 緑谷が個性を使うときに似た気配がする」

 

「っ! ()()気づくのか」

 

 その質問にオール・フォー・ワンは驚き小さく呟く。

 

 そんな姿を見て一騎は「あ?」と言葉を漏らし次の言葉を待つとオール・フォー・ワンは何かを思い付くと話し出す。

 

「似ているのは当然だよ」

「は?」

「僕の個性はねオール・フォー・ワン」

オール・フォー・ワン(みんなは一人のために)・・・」

 

「簡単に言うと相手の個性を貰い自由に使い誰かにあげることができる個性。って、これはさっき言ったね」

 

 洗脳をかける前に雑談でオール・フォー・ワンは自分の個性の詳細を話していた。当然その際に一騎にエリクの個性を入れたことも。

 因みに一騎が戸惑い暴言を吐いて暴れようとした瞬間、それが狙いだったのか精神が乱れたタイミングでオール・フォー・ワンは洗脳をかけて失敗した。

 

「そしてオールマイトの個性はワン・フォー・オール」

ワン・フォー・オール(一人はみんなのために)・・・」

「これでなんとなく分かったんじゃないのかい?」

 

「は?・・っ いや、まさかあり得ない! おっオールマイトもお前と同じ個性・・・いや、違う。オールマイトは超パワーしか使っていなかった、しかもあの性格から個性を奪うことはしない。

 ・・・いや待てなんで俺は忘れている! 昔のオールマイトには有って緑谷には無く、今の緑谷には有ってオールマイトには無いその()()()。それがオール・フォー・ワンと似ているってことはそのナニカの正体は個性!!

 詰まりはオールマイトは緑谷に個性を与えた?」

 

「正解だよ一騎」

 

「!?」

 

 一騎の推察の呟きを聞いてオール・フォー・ワンは満足げな笑みを浮かべ一騎の推察を肯定した。そして付け加えるようにいう。

 

「彼らの個性はね、人の個性を頂くことはできないけどそのワン・フォー・オールを次世代に繋ぐことは出来るんだ。そして初代持ち主はね僕の弟で、八代目にオールマイト、九代目に緑谷出久君なんだ」

 

「あ、あり得ない!!」

「どうしてだい?」

「だっだって!緑谷がオールマイトと出会ったのは雄英が初めてだって言ってた!雄英で出会った後に貰ったとしても飯田は実技試験では個性を使ってたって言ってたから時系列が合わない!!緑谷のあの個性は!自分の物で貰ったものじゃぁ!――

 

 

『君は、ヒーローになれる!』

 

 

 は?」

 

 オール・フォー・ワンの言葉を自分に言い聞かせるかのように必死に否定の言葉を紡ぐ一騎の言葉を遮るようにオールマイトの声で音声が流れ一騎は音の方に目を向けるとそこには大きなテレビが一台あった。

 そして、その映像にはトゥルーフォームのオールマイトと緑谷の姿が映っていた。

 

『私の個性は一人が力を培い、その力を一人に渡し、また培い次へ…そうやって救いを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶だ』

 

 映っている映像は緑谷とオールマイトが初めて会った日、ヘドロ事件の後の出来事。

 

「あり、えない・・・そんな。そんなのって」

「・・・?」

「ち、違うこれは合成だ」

「じゃぁ見続けようか」

「・・・・・・・・・へ?」

 

 

 

 

 ――――――――

 

 ――――――

 

 ――――

 

 ――

 

 

 

 

「あっあぁあ・・・・ああああ」

 

 そしてオールマイトが一年間緑谷をみっちりと鍛える姿、個性授与、実技試験等の姿。その必要な部分だけ残した編集動画を三時間みっちり見せ続かれ終盤では一騎は言葉にならない言葉を漏らし涙を流しながら見ていた。

 

「これが真実だよ。オールマイトは君には無個性ではヒーローに成れないなどと言っておきながら他の無個性の子には成れると言い、自身の個性を譲渡したんだ」

 

「・・・あ、ああ」

「信じていた友には裏切られ、オールマイトには騙され続けたね。可哀想に・・・」

「だまされ・・・違う、だってだって・・・」

 

 オール・フォー・ワンはゆっくりと俯きながらぶつぶつ呟く一騎に近づき撫でるように頭に触れる。

 

「・・・っ! や、辞めろ」

 

「辛く大変だったね一騎」

 

「やめ・・・て」

 

「もう何も考えなくて良い」

 

「やめ、て・・・ください」

 

「もう休んで良いよ」

 

「いや、だ」

 

「お休み」

 

「やだ、やだやだやだ!!!!」

 

「――僕の大事な大事な一騎」

 

 

 

 

「あぁ・・・・・・・・・・ユエ

 

 

 

 

 ――ッ!?  ガッァアアァアアアアアアア!!!×♯□☆※#$%○¥▲※△&★※¥●□▲×#!!!!!!!!????????」

 

 

 

 

「お兄様」

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 

 

「きぃ・・・・貴様ァアアァアアアアアアアアア!!!!!」

 

 話しの間オールマイトは爪が皮膚を破り血が出るほど強く拳を握り話しが終わると喉が裂けんばかりの声で叫ぶ。

 だがオール・フォー・ワンは両手を軽く挙げ落ち着かせる。

 

「待ってくれよぉ。悪いのは僕じゃ無く君だろ?」

「な、にを!」

「僕にそんなネタを提供したのは君だろ? そして僕はあの子(一騎)に真実を教えてあげただけだよ」

「貴様の薄汚い口で不死黒少年の名を口にするなァ!!」

「何故だい?寧ろ僕より君の方があの子、不死黒一騎の名を口にする資格無いだろ?一騎の『誰かに必要とされ、誰かを守れるヒーローに』という小さい目的を無個性を理由に頭っから否定したオールマイト」

「クッ!!」

 

 オール・フォー・ワンはオールマイトへダメージが入るような言葉を選んで言ったが思いのほか良いカウンターとなりオールマイトは言い返せず悔しげな表情を浮かべる。

 

「だけど僕としては君の愚かさに感謝してるんだぜ」

「どういう意味だ」

「だってそうだろ。もしあの子(一騎)がワン・フォー・オールを手にしていたら圧倒的なパワーに信じられない程の絶技、間違い無く今の僕や君は勿論、恐らく全盛期の僕や君ですら完全に敗北していただろうからね」

「・・・!」

 

 オールマイトもそのようなことは考えた。もし個性を渡した相手が緑谷では無く一騎であれば全盛期の自分を今の年齢で優に超えていたのでは無いかと。

 雄英の実技試験で一騎を見てからそんな考えを時折していた。しかしそんな考えを宿敵であるオール・フォー・ワンに直々に言われるとなんともいえな気持ちになる。

 

 そんな考えをしているのをよそにオール・フォー・ワンは「それに」と言って言葉を続ける。オールマイトに取って決して聞き捨てならない言葉を。

 

あの子(一騎)の元にワン・フォー・オールが戻ればどんな化学反応を起こすか僕にすら分らない、未知数過ぎたからね」

「 は? 戻れば?どういう・・・」

「?そのままの意味だよ」

 

 何を可笑しな事をとオール・フォー・ワンは思うもオールマイトの本当に何も分っていない表情と反応にオール・フォー・ワンはまさかと思い問いかける。

 

「もしかしてエリクから何も聞いていないのかい?あの子(一騎)のことを」

「・・・」

 

 やはりどう言う意味か理解出来ていないオールマイトを見てオール・フォー・ワンは醜悪な笑みを再び浮かべ、今度こそオールマイトの心を完全に折ることが出来るのでは無いかと思いワクワクしながら告げる。

 

 

「不死黒一騎はね、僕の弟――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 与一の子孫だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

 

 死柄木弔の時と同じ信じられない血筋の正体にオールマイトは風景が止ったような錯覚に陥りただただその目にはオール・フォー・ワンの醜悪な笑みだけが写る。

 

 オールマイトの頭の中は既に無茶苦茶だった。死柄木弔は恩師、志村菜奈の孫で不死黒一騎は宿敵オール・フォー・ワンの弟にして自分が使っていたワン・フォー・オール初代保有者、死柄木与一の子孫。

 こんな現実を知らされて思考は停止しかけていたがそれでも何とか出たオールマイトの言葉は・・・。

 

「そんなの、あり得ない・・・」

 

 否定の言葉。

 

「おいおいそれはあの子(一騎)の存在を否定することになるぜ」

「・・・っ」

 

「君は本当になにも知らないんだね。あの子(一騎)はずっと、ワン・フォー・オールを感知していたのにね」

「なんだと」

「与一から始まったワン・フォー・オールと与一の血を引くあの子(一騎)で何かしらの共鳴を起こしていたんだろうね。君から緑谷出久に個性が移ったのもなんとなく知っていたよ?」

「そんな・・・」

「てか、本当に知らなかったのかい? 君は何度もあの子(一騎)の母親とチームアップして僕の仲間を倒してきたじゃないか」

 

「不死黒少年の母親?」

 

 またしてもオールマイトは何のことか分らない。そもそも一騎の母親は戸籍上はユエの実母『水無月 忍』で一騎の実母は既に他界していている上に情報を隠されているのか一騎の母親の情報や顔を雄英側は誰も知らなかった。

 なのにオール・フォー・ワンは既に知っていると言うためにオールマイトは困惑を隠せない。

 

「覚えていないのかい?スキルヒーロー・ストレングスを」

 

『新米新参の小娘ですがお願いします!』

 

「!・・・ぁあ」

 

 オールマイトの脳内に溢れ出る忘れていた在りし日の過去。

 

 

 

『にしてもまさか三回も私とチームアップして下さるとは!しかもその内一回はオールマイトさんからの誘い!』

 

『今事件も直ぐに解決、流石はオールマイトさんですね!・・・・・・え?私も凄い?照れますね~』

 

『こんな怪我たいした事無いですよ?・・・・・え?なんで大怪我なのに笑うかなのですか?決ってますよ、常に笑って苦難や困難に挑める人が強いんです!そして笑って何事にも挑める人が成長するからです!』

 

『なんかオールマイトさんと居ると可笑しな気分です。・・・どんな?なんて言うか友達に貸した物をその子が自分の物のように自慢しているのを見ている嫌な気分です。・・・・あ!オールマイトさんが嫌いとかでは無いんですよ!!ホントに!

 そんな顔しないで下さい!!あ、距離を取らないでぇ!! 待って下さいぃ~!!』

 

 

 

「っ!」

「思い出したようだね、オールマイト」

 

 強佳のことを思い出したオールマイトは一騎と強佳の笑う顔や言葉が確かに似ていることに何故気づかなかったと自分を責めると共に最後に振り絞った力ももう無く、膝を着いて俯く。

 そんな姿をみて更にオール・フォー・ワンは楽しげにオールマイトを責め立てる。

 

 

「僕はね、本当はあの子(一騎)に手を出すつもりは無かったんだよ。寧ろヒーローになるのを応援していた、でも!そこで君が関わった、深く強く無理矢理に!そしたら君への嫌がらせの為にあの子に手を出さないとダメだろ?」

 

「君は、ワン・フォー・オールの事を知れば僕に手を出されると思っていたみたいだけど、なんでワン・フォー・オールを知ればなんだい?君が関われば手を出すとどうして思わなかったんだい?」

 

「君は弔とあの子(一騎)を殴り飛ばしたね。しかもあの子(一騎)には重傷を負わした」

 

「ねぇ今どんな気持ちだい?あの子(一騎)の持つべきだった個性を奪い使い続け№1ヒーローになり、あの子(一騎)の夢を無個性を理由に頭っから否定して本来の正当なる持ち主に個性を返さず全く関係の無い子に渡した気分は?・・・僕より酷くないかい?」

 

「顔を上げて見てみなよオールマイト。いまあの子(一騎)が人を傷付け殺そうとしているのは君の所為だよ。あの子の元に君が来た!だからだよ、オールマイト」

 

 

「うっあぁああああああああああああああ!!」

 

 

 オールマイトの心は限界に達し、天に向かい大口を開けて叫んだ。と、思ったら直ぐ側に何かがドサリと落ち目を向けその目を大きく開く。

 

「エンデヴァー、エッジショット!!!」

「あ、話し終わった?」

「!?」

 

 落ちてきたのは大小様々の刀傷で所々削いだような傷を負ったエンデヴァーに止血はしているが太股辺りから脚を切断され、鼻骨が砕かれたエッジショットだった。

 重傷を負った2人を見て驚愕したオールマイトの耳に一騎の声が聞こえそちらに目を向ければ頭から血を被ったかのように血塗れの一騎の姿を捕らえる。

 

「不死黒少年・・・」

「不死黒? 誰だよ、俺は死柄木だ。死しか合ってねぇ~じゃねーかよ、死に損ない。いや、屍兵?スケルトンナイト?」

「後半二つは見た目の問題だよ一騎」

「三つともそうじゃない?」

「それもそうだね」

 

 2人はオールマイトそっちぬけで楽しそうに話す。タダその背後は多くのヒーローと警察が血塗れで倒れている阿鼻叫喚の地獄が広がっていたが。

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 オール・フォー・ワンがオールマイトと会話するために一騎は行動を開始し最初はエンデヴァーに向かった。

 

「あっそぼ~よ、おじサ~ン!」

「悪いが、しばらく入院生活になるとおもってく――っ!!」

 

 動けない程度に焼く、そのつもりで炎を放つ――その前に一騎の姿が眼前から消えそれと同時に横腹に一閃が走る。

 

「なっにぃ!?」

「エンデヴァー!?」

 

 一閃が走る後に来る自分の炎とは違う燃えるような灼熱感そして少し遅れて血が噴き出す。

 エンデヴァーは一騎の実力を分っている。紛いなりにも半冷半熱を使う最高傑作の息子(焦凍)を下した男なのだから、だから油断など一切していなかったなのに!一騎は一瞬で目の前から消え横腹を切られた。エンデヴァーは――。

 

(反応すら出来なかった、だと!!)

 

 目の前から来たと思ったら横腹を斬られた。

 

「だめじゃ~ん強者相手に目線を切ったら(瞬きしたら)

「この!――っ!!」

 

「残念むね~ん」

 

 声に反応し振り向いたエンデヴァーに雷の如く素早い斬撃を繰り出す。

 体中に大小様々な無数の斬撃を受けあちこちから血を吹き出すエンデヴァーは最後に背中に大きな袈裟斬りを受けその場に倒れる。

 

 エンデヴァーは一騎に対し油断も怠慢もせず強者として対峙したが、唯一の敗因は相手は洗脳等をされた学生だからと手心を加えてしまったこと。まぁ一騎の方は敵として見ていたかどうかは分らないが。

 

 

「忍法・千枚通し」

 

 エンデヴァーを倒した直後一騎の背後からエッジショットが音速で迫る。

 瞬時に体を引き延ばし、音速の速度で繰り出す刺突。これは容易く人体を貫き少し弄れば簡単に対象を気絶されることが可能。ただでさえ音速で迫るせいで対処が困難なのに背後からの不意打ちなら尚更対処は不可能だった。――この男以外は。

 

「アハッ♪」

「ッッ!?」

 

 シャフ度で見返る一騎とエッジショットは確かに目が合った。

 

 

 一騎は拳銃に対処することは出来る。タダこれは弾丸を目視している訳では無く、相手の目線、指先、銃口の向きで狙っている箇所とタイミングを計算し対処しているだけ。銃弾その物には一切目視出来ない、現に職場体験の時はスナイパーライフルの弾丸に対処出来なかったのだから。

 

 だが、相手は気配の無い無機物では無く生物である(エッジショット)、ならば今の身に着けた力全てを殺す為の戦闘に使う一騎なら完全な気配遮断で無い限り不意打ちは成功しない。

 

 ――ザシュ!

 

 エッジショットの攻撃を寸でで体をクルリと回転させて避けると共に片手で刀を振り下ろし細く長く伸びたエッジショットを切る。

 

「あ~あぁタイミング一拍ズレたか。俺もまだまだだなぁ~」

 

 

 切り落としたエッジショットの右足を踏みながらクルクルと刀を数回まわし、次の瞬間に勢いよく血振りをして納刀して前を向く。

 

 

「グッゥ・・・体育祭と違い過ぎる」

 

 切られたことで個性が解除されたエッジショットは切り落とされた右足の止血を行ないながら一騎の強さの情報が体育祭の時と違い過ぎて困惑する。

 だが仕方無い。一騎は全くと言っていいほど体育祭では力を出していなかったのだから。人殺しも重傷にする攻撃も禁止されているのだから当然力はセーブし、大幅に手加減していた。そんな相手の実力を計り知る事など到底出来ない。

 

「残念だったなぁヒーロー」

「ッ!? ――がッァ!!」

 

 顔を上げると同時に顔面を蹴り抜かれたエッジショットは鼻骨が砕ける音を最後に意識を失い倒れる。

 

「アッハハハハ♪ この程度じゃないよなヒーロー」

 

 楽しそうに笑いながら言う一騎にこの場に居たヒーローと警察は恐怖した。いや、恐らくテレビで見ている全国民がそうかもしれない。あっという間にTop10に入るヒーロー2人を半殺しにしたのだから。

 普通のヒーローではもう相手にならない、唯一敵対できそうなオールマイトはオール・フォー・ワンと話して一騎の相手は無理。なら一騎の次に狙うのは

 

「アッハァ~♡」

 

「ヒッ!」

 

 二チャリと効果音が付きそうな気味の悪い笑みを浮かべ脳無生産工場襲撃の騒動で駆け付けたモブヒーロー達に向かい走り出す。

 

「おっおおおい!来たぞ!」

「来たぞって・・・」

「ど、どうするんだよ!?」

「追撃しないだろ!!」

「でも学生よ!」

「その学生がトップランカーのヒーローを半殺しにしたんだろ!!」

「学生と思うな!!バケモンとおも――グッフ!・・・は?」

「キャァアアア!! がっぶぅう!!?」

 

 戦闘態勢を取ったヒーローは一騎に一瞬で間合いに入られ呆気なく腕を切断され蹴り飛ばされ瓦礫と衝突する。その光景を見ていた女のヒーローは思わず目を瞑り耳を塞いで俯いて叫んだと同時に顔面に膝蹴りを打ち込まれ仰け反ると回し蹴りを喰らい瓦礫に叩きつけられ意識を失う。

 

「う、うそだろ」

「速すぎだ――」

 

「お、おい!!?」

 

 そこから一方的だった。一騎の怪物差を目の前で見せつけられたヒーローは戦意喪失し逃げるも腕や足を切り落とされたり腹を切られたりと、決して死ぬことは無いが重傷を負わされた。

 更に警察も狙われ防衛の為に発砲をするの全てを避けられ切り落とされ簡単に対処され切られるそれが既に多数の負傷者が現れた。

 

 だがそんなとき、

 

「い、いや助けて」

 

 一騎の足もとに瓦礫に挟まれ動けなくなった一般人がいた。 

 見た目からして中学生なのか彼は血塗れの一騎を見て恐怖から命乞いの言葉をする。そんなモノをしても今の一騎は操られ危険な状態、誰もがこの一般人は死んだと思った。

 

「・・・・・・・・・いいよ、助けてあげる」

「ヒッ!・・・・・・・・・え?」

 

 少年は『助ける=殺して楽にする』と思い恐怖したがその実、一騎は文字通り瓦礫をどかし本当に少年を助け出したのだ。誰もが困惑している中一騎は少年の頭を撫で話す。

 

「此所は戦場だから逃げな~。あっちの方だよ~」

「へ?」

 

 指さす方は瓦礫も少なく比較的避難しやすい場所だった。それに困惑し少年はもう一度一騎の方を見ると一騎はニッコリと笑い「早くお行き~」と言いながら手をふる。

 怯えながらも脚を引き攣り去って行く少年を見て一騎は走り出す。

 

 先ほどと変わらずヒーローと警察を襲うも何処かその行為は先ほどと変わり、襲うのは戦闘態勢をとる物だけでそれ以外は襲わない。

 それどころかヒーローと警察を襲いながら瓦礫に挟まれたり逃げ遅れている一般人を助けるという矛盾行為を繰り返していた。

 

(なんでヒーロー共は人の少ない昼間では無く人の多い深夜帯に襲撃したんだ?バカかな~?)

「待てッ!」

「あ?」

 

 考え事をする一騎の前に立ち塞がるのは虎。

 

 救助した一般人を避難させた彼は一騎の行いに後悔の念を抱いていた。林間合宿の時、洸汰を救助して貰い更には本来なら自分たちが相手をしなければいけなかった脳無の相手をさせ、剰え何も出来ずみすみす目の前で連れ去られた。

 なのに再開したら洗脳され敵として現れた。ならば虎は自分のやることはただ1つと決めた。

 

「格闘タイプか~いいねぇ~・・・やろうか!」

 

 向かって来る虎に対し一騎はニヤリと笑い構える。

 

「フッゥウウ!!」

 

 個性の特性を生かし猫のような動きも取り入れた不規則な軌道の連続パンチ。それを一騎は容易くあしらうと右拳を受け止めそのまま手首を掴み体を回転して肘に関節技をキメ地面に倒し関節を壊そうとするが

 

「おっと~」

 

 それより先に虎の手が動き一騎の服を掴もうとしたために一騎は虎から離れ距離を取る。

 

「テメェーは蛇かよ。俺を絞め落としたかったかぁ?ゾッとしねぇな」

 

(危なかった。あのままだと間違い無く我の肘と肩の関節は破壊されていた)

 

 一騎は虎の柔軟な動きに蛇を連想し楽しそうに危ない危ないと呟くが、虎はそれどころでは無かった。あのまま行けば間違い無く関節は破壊され下手をするとそこから更に攻撃を受けヒーロー活動が不可能になっていたと冷や汗を流す。

 

「お前って男か?筋肉の質や間接的なのが男より女のそれなんだよな~。まぁいいかおら来いよおっさん」

 

 指をクイクイと動かす一騎に虎は立ち向かうことが出来なかった。どうしても先ほどの展開が頭に強く残っていたから。

 

「ならコッチから行こうかァ!!」

「・・・っ!」

 

 しびれを切らし一騎は自分から虎に向かい虎もこのままでは結局潰されると悟り覚悟を決め構える。

 

「フッ!」

「アハ♪」

 

 最初は虎の2連続ジャブ、一騎は必要最小限の動きだけで攻撃を避け次の拳しに合わせカウンターの右ストレートを放つ。

 

「ぐっぅ」

「あ」

 

 その拳は綺麗に虎の顔面を捕らえたが、虎はその拳をわざと受けた。

 わざと顔面に受けると首を捻り受け止めるのでは無く受け流しカウンターのカウンターを一騎の胸に放つ!!

 

「ざぁ~んねん♡ 骨折り損♪ キッヒヒ!」

 

 だがしかし!

 

 ――ゴキッ!

 

「ッッッッ!!?」

 

 その拳は一騎に届くことは無かった!

 腕からは歪な鈍い音が響き強烈な痛みが走ると同時に腕を引いた虎が見たのは前腕辺りで腕が綺麗に折れていたのだ。

 

(関節では無く!腕を捕らえたぁ!?)

 

 そう!虎の言ったように一騎は間接技が通じないならば骨を折ると考え、カウンターのカウンターが来たときに瞬時に骨を捕らえ抑えへし折ったのだ。

 

「てか油断すんなよ」

 

 骨を折られたことで隙を晒した虎に告げると一騎は虎の腹に正拳を放ち折った腕の方の手首を掴み足払いをかけ体を一回転させるようにしてから 頭から地面へと叩きつける。

 

「良い腕だっただよ、いろんな意味で、ね。 さて次は――「先制必縛 ウルシ鎖牢!!」 おろ?」

 

「全力で拘束させて貰うぞ!!」

「おろろろろろろろ」

 

 

 次は誰を、と品定めしようと振り向いた瞬間に腰と腕に木が巻き付く。

 少し驚き振り向くとシンリンカムイから更に大量の枝が伸び一騎を繭にの様に包む。

 

「良くやった!」

「このまま彼は拘束しろ!」

「気絶させれる個性持ち!それか精神干渉できる個性持ち来い!!」

「ッ!」

 

「どうしたシンリンカムイ!」

 

 拘束を成功させたシンリンカムイに皆は喜び、ある者は一騎を気絶させられる個性をもつ者を探す。だがシンリンカムイは驚愕の表情を浮かべみなの言葉が耳に入らなかった。

 

「うそだろ!?」

 

 驚愕の声と同時に枝の繭から刀が突き出る。

 全員の目がギラリと月明かりを反射する刀に目を奪われあり得ないという恐怖に襲われ動けないでいると、刀はグン!と動き枝繭を一周し次の瞬間には無数の銀閃が枝繭に走った後に刀は枝繭に引っ込み直ぐ後に枝繭ははじけ飛ぶ。

  

 そして枝繭から現れた一騎は怪我をしていなければ着崩れすらしておらず、まるで何事も無かったかのように現れる。

 

「驚いた~」

 

「嘘でしょ・・・」

「こんな化け物どうやって」

「本当にこの子無個性なのかよ」

 

「ま、まだだ! 先制ひつ――がッァアアァアア!?!?!?」

 

 まるで子供のドッキリにわざと引っかかる大人のような反応をする一騎に他のヒーローは恐怖しもう悪い夢と思い現実逃避をし出すもシンリンカムイだけはまだ一騎を捕まえようと動くも。

 

「倒木のじか~ん、森林ばっさ~い」

 

 シンリンカムイがまた拘束するための枝を伸ばすも一騎は既にシンリンカムイの間合いに入り大きく袈裟に切る。

 

「ただ突っ立ってるだけなら案山子でも出来るぞ。てかシンリンのヒーローならソーラーパネルで禿げ山になった森林に目を向けら?」

「グッフ!」

 

 ヘラヘラ笑いながら言い、足もとに倒れているシンリンカムイに目を向け軽く頭を蹴る。ただその時の音は結構痛そうだが。

 

 そこからまたしても一騎は多くのヒーローと警察を襲い、多くの人を潰していた。

 

 

「やめんか小僧!!」

「誰だよジジイ!!」

 

 そのときグラントリノが不意打ちで背後から一騎に迫り蹴りを放つも

 

「うっせわ」

「っ!  グッフ!!」

 

 後ろを見ずに片手で蹴りを受け止めるとまるで玩具を持った子供の様に振り回し何度も、何度も、何度も何度も何度も!地面に叩き付ける。

 

「残念だったァ~ジジイ!!いい加減ヒーローなんか辞めて若者の税金から支払われる年金暮らししとけば良かったのに!!そうすれば!天寿を全うできたのになぁ!!」

「ガッゴフッ!」

 

 何度も叩きつけたのに未だに生きているグラントリノに一騎はしぶとい老害と内心吐き捨て後ろに軽く投げ飛ばし捨てる。

 

「あっちはそろそろか・・・・・・・あ、そうだぁ~」

 

 横目でオール・フォー・ワンとオールマイトの遣り取りを見ていた一騎はそこらのヴィラン顔負けのいやな笑みを浮かべ最初に倒したエンデヴァーとエッジショットの元に向かい、オールマイトの元に2人を投げ飛ばした。因みにエッジショットの切り落とした右脚もついでに。

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

 

 

「で、良いタイミングだった?」

「あぁ丁度話し合いも終わったところだよ。それより」

「ん?」

 

 オール・フォー・ワンは周りに目を向け周囲の惨状を見て何だろうと首を傾げる一騎に問いかける。

 

「誰も殺さなかったのかい?」

「 ?・・・・あ、あぁそうだね」

「それはまた、どうしてだい?」

「どうしてって・・・・・・・・ッ!!」

「どうしたんだい?」

 

 何で殺さなかったのか。その理由を考えた途端に一騎は頭にズキッと痛みが走り頭を抑える。その姿を見たオール・フォー・ワンは心配になり声をかけるも一騎の耳には届いていなかった。

 そして一騎はブツブツと呟き始める。

 

「そうだ、なんで俺は誰も殺していない?トップヒーローを殺せば先生の役に立った上に喜んでくれたろうに殺さなかった!いや、殺せなかった?あり得ない誰だろうと殺せる状況なのに殺さなかった、わからない。

 それになんで一般人を助けた?助ける義理なんて無い殺せば良かった――ッ!い、痛い!痛い痛い痛い!!頭が痛い!!分らない何で殺さない選択を!なんで!!」

 

「(ふ、不死黒少年の様子が、これは洗脳が解けかけているのか!! ならば!)

 思い出すんだ! 不死黒少年!!君はヒーローを目指す雄英高校の生徒だ!!」

 

「あ、アァ"? ヒーロー?」

 

「そうだ! 君は誰よりも立派で強い少年だ!洗脳なんかに負けるな、不死黒少年!!」

「だ、まれ!俺は死柄木だ!俺は、俺は・・・アッァアアアアア!!」

 

 一騎の呟きを聞いたオールマイトは一騎を取り戻す好機とみて声を駆ける。そして一騎は更なる痛みに頭を抱えたその時、紫色の光を纏ったオール・フォー・ワンの手が一騎に伸びる。

 

「落ち着くんだ一騎」

「アアアぁぁ・・・せん生?」

「敵の言葉に耳を貸す必要は無い。彼は君を地獄に連れ込む(ヴィラン)だよ」

「ヴィ、ラン?」

「そうだよ。・・・さぁ深くゆっくり深呼吸するんだ」

「う、うん」

 

 言われた通り一騎は深呼吸し段々頭の痛みが消えると落ち着いた表情で先ほどの質問に答える。

 

「殺さなかった理由はきっとあれだよ! 味方が殺されるより重症を負わされる方が人手が必要で嫌がらせになるからだと思ったからだよ!」

「そうだったんだね」

「たぶん!そう!」

 

 一騎は自分が納得出来る理由を言う。ただこれは理にかない、人は戦場で味方が殺されれば味方の骸を置いて戦場に行くが、死では無く重症ならその手当に1.2程人が割かれる為に敵を減らすには効率の良い戦法だった。

 

 自分でもよく分かっていないが肯定する一騎にオール・フォー・ワンは頭を撫でる。先ほどの紫色の光は纏っていない普通の手で。

 

「・・・ッ!?」

 

 撫でているとき、心臓を貫くような殺気を受けとある上空を個性を使い調べるとそこにはエリク達が浮かんで見下ろしていた。その際にエリクの今にも殺しに来そうな表情を感知してオール・フォー・ワンは勝ち誇った様な笑みを浮かべる。

 

「死に損ないがァ!!」

「落ち着いてエリク!」

「おっエリク!やるんだな、いまここで!!戦争を!!」

「止めて!エリクを煽らないでハンター!!? エリクも落ち着きなさい、もう坊やの洗脳を解けるあの子達しか出来ないのよ」

「あぁわかっている」

 

 

 

「クックックッ」

「?」

 

 エリク達の遣り取りが分ったのかオール・フォー・ワンは嬉しそうに喉を鳴らし、そんな姿に一騎は首を傾げる。

 

「どうしたの?」

「何でも無いよ」

 

 撫でる手が止ったことを疑問に思った一騎が問いかけるとオール・フォー・ワンは何事も無かった様に多方面に見せつけるようにまた一騎の頭を撫でるが、それは直ぐに止め一騎の頬を撫でる。擦り傷ができている頬を。

 

「怪我したのかい?」

「ご、ごめんなさい」

「別に怒ってないよ。怪我は誰にでもあることだ」

「・・・はい」

「そうだ!折角だし見せてあげなよ、君の個性を!」

 

「は?不死黒少年の個性???」

 

 突如オール・フォー・ワンの意味の分らない発言、君の個性。一騎は無個性でそれはリカバリーガールのお墨付きの診察だった。なのにオール・フォー・ワンは個性と言った、このことでオールマイトは1つの可能性が浮かぶも違うと思いたかった。

 だが、それを裏切るように一騎を元気に返事を返す。

 

 

「はい♪」

 

 返事のあとに一騎は刀を抜き首筋に当て――――

 

「一騎、自害するんだ」

 

 勢いよく刀を引き首を掻っ切る。

 

「は?」

 

 

 いきなりな一騎の自害にオールマイトを初め見た者の誰もが目を疑い理解が出来なかった。ただ、あるのは首から噴水のように真っ赤な鮮血をまき散らし地面に倒れる一騎のすがた。

 

「ふ、不死黒少年!!!!!!!」

 

 オールマイトは叫び駆け寄ろうとするがそれは次の出来事で出来なかった。その出来事は・・・。

 

「んっ」

 

 ピクリと手が動き、そして手を地面に着き、上半身を起こし、ゆっくりと立ち上がる一騎。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

 

 我が目を疑うオールマイト。確かに一騎は自分の刀で首を掻っ切り死んだ。

 なのに今の一騎は立ち上がり生きている。しかもその首には切った痕は無いし顔に付いていた擦り傷も完全に無くなっていた。

 

 不死黒一騎は死ぬことで生き返り全ての怪我が全快していた。

 

 

 

「な、なぜ。どういう」

「驚いたかぁ~オールマイト」

 

 

 

 いつだってそう

 

 

 

「たしかに死ん、死んだはず・・・」

「俺の個性」

 

 

 

 

 

 いつの世も

 

 

 

 

 

 

 

 

「不老不死は!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真実ほど残酷なものは無い。

 

 

 

 

 

 

 

「あぁあぁああああああああああ!!!!! 私の、私の所為で不死黒少年は個性持ちに!!!」

 

「・・・・・醜いな」

 

 自分の所為で一騎を巻き込み剰え個性持ちにされる。しかもその個性が『不老不死』決して死ぬことの出来ない残酷な個性。そのことに頭を抱え泣き崩れるオールマイト。

 そんな姿にオール・フォー・ワンは醜いと吐き捨て一騎に命令する。

 

「一騎」

「ん~? なぁ~にぃ?」

「アレを殺しなさい」

「良いの?先生がその手で殺したいんじゃないの?」

「いいんだ」

 

「そっ。なら良かった!アレを見ていると何故か殺意が止らなかったんだぁああ!!」

 

 鎖から解き放たれた猛獣の如き、一騎は落ちてる刀を拾いオールマイトに向かい接近する!

 

「死ねよォ!オォールマイトォォオ!!!」

 

 刀を持ち狂気の笑みを浮かべて迫る一騎にオールマイトはこれが無個性を理由に一騎に向き合わなかった自分の罰のだと悟る。

 

 恩師『志村菜奈』は自分をイカレてるとは言うも認めてくれた。そしてワン・フォー・オールを譲渡してくれた。

 なのに自分は一騎の夢を否定した。自分の様に平和の象徴など大それた物では無く誰かに必要とされ誰かを守れるそんなヒーローにという小さな夢を。

 

「はは・・・」

 

 昔緑谷に誰の目にもとまらない奉仕活動もヒーローの仕事と言った。誰でも出来る事をヒーローの仕事と、なのにそんな事を一切一騎には言わず無個性を理由に頭から否定した。

 故にこれは自分への罰だと思い、死を受け入れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

落下月(ルナメテオ)!!」

 

 

 一騎とオールマイトの間にまるで隕石でも落ちたかの様な衝撃に一騎は急停止してから後方に跳ぶ。

 

「少し遅れたがようやく付いたな」

「誰だテメェー!」

 

 土煙が晴れ皆が見たのは、小麦色の肌、月光に輝く白銀の長髪、純白の綺麗な丸い尻尾にピン!と立つ耳、ルビーのように綺麗な赤い瞳、そして安心させるような勝ち気な笑顔。

 

「おいどうした?そんな似合わねぇ気持ち悪い笑顔を浮かべて」

「誰だって聞いてんだよ!!クソ兎!!」

 

 そう現れたのは

 

 

「私か? 私はミルコ(お前の姉貴)だ!」

 

 

 

 №5、ラビットヒーロー・ミルコ。





いまの一騎は尊厳破壊になるのかな?もっと地獄を味わって貰おう♪

因みに与一に子供が居たのはエリクのお陰です。

次回「ミルコ」


それでは、期待せずにお待ち下さい。
よろしければ評価やコメントの方お願いします!優しいコメントが嬉しいな~。

あ、それと諸事情で次の投稿は少し遅れます!(_ _)
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