無個性でもヒーロー目指す!。   作:斬る斬るティー

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先週登校するの完全に忘れてましたぁ!!スミマセン!!

そして今回の話しは既にわかる人が居ると思いますが八百万が精神的に追い詰められてます!ヤオモモファンの方は・・・ほんとごめんなさい。


第74話:八百万百と知らない夢

 

 

「私は、どうしたら・・・・」

 

 八百万百はずっと不死黒一騎に罪悪感を抱いていた。

 

 

 オールマイトに言われた『君達は今日からヒーローだと』という言葉に浮かれUSJで一騎の邪魔をした。その結果、一騎は脳無の一撃で瀕死の重傷を負い死柄木には逃げられた。

 だが瀕死の一騎はエリクとユエのお陰で死なずに済んだ。顔の右側に大きな刀傷をのこしはした。

 

 なのに一騎は責めることをせず、何かを求めることもしなかった。それどころか優しくしてくれ。

 

 それが八百万の心をじわじわと責めた。

 

 

 

 

 林間合宿で敵連合開闢行動隊の襲撃を受け一騎と爆豪の二人が誘拐された。その際一騎は人を守る為に一人で複数のヴィランや脳無を相手しボロボロの状態で誘拐された。

 

 

 

 その真実が八百万の心を罪悪感が蝕み、無事だった皆がユエを気遣った言葉でユエがキレたときに、

 

 

 

「ま、待って!ゆ――」

 

 ――最低ね、この事件の原因を作ったのは貴女よ、八百万 百。

 

 

 ――誰に対する謝罪でして?貴女がいなければUSJの時に死柄木弔が捕まりあの御方が誘拐されることは無かったのにね、疫病神。

 

 

 八百万は心が限界間近に達し幻聴が聞こえるようになった。

 

 

「此所で動かなければ私は二度と胸を張ってあの方達のクラスメイトと友達と言えません」

 

 それでも八百万は無理矢理頑張り攫われた一騎と爆豪を助けるために動いた。

 

 

 洗脳された一騎を取り戻すために

 死の恐怖を、恐ろしい顔をする一騎に血塗れのユエへの罪悪感を押し殺して戦場に立った。

 

 

 そして一騎を取り返すのに微力ながら協力でき一騎を取り返せた。少しは罪滅ぼしが出来と思った。

 

 

 

「申し訳ございません。ただ今不死黒さんは他の方と面会中でして。それに面会の予約、特に面会許可を取っていない方の不死黒一騎さんへの面会は出来ません」

「許可とは」

「不死黒さんの妹さんからの面会許可です。それがない方はミルコさん以外は例えヒーローでも警察の方でも決して面会出来ないようになっております」

 

 罪滅ぼしが少しでも出来たと思っても異常な胸騒ぎで八百万は一騎の面会に向かっていたが、ユエの許可がないと面会出来なくなっていた。ならばユエから許可を貰えば良いと思うも共闘した時とは違い冷静になったいま八百万はユエとどう話せばいいのか分らないうえにそもそもユエと連格が出来ないとクラスのみんなが話していた為に諦め帰る事にした。

 

 

「ねえ聞いた?12階の個室の患者さんのこと」

「その患者さんって不死黒一騎のこと?」

「そうそう」

 

「!?」

 

 帰る前に飲み物を買おうと売店に向かったとき、人通りの少ない通路で看護師達の話し声が聞え盗み聞きをしてしまった。

 

 

「聞いたよアレでしょ?目を覚まして直ぐにパニック障害みたいなのを起こして発狂して叫んだんでしょ?」

「そうなの。しかもそれでまた気絶し次に目を覚ましたときはそのときの記憶を無くしていたらしいわよ」

「私は自傷しまくっていたって聞いたわ」

「まぁどっちにしろ可哀想よね」

「でも洗脳されていたとは言えなによりも大事な妹さんや師とも呼べる人を殺しかけたんだもの。精神障害を起こしてないだけ凄いわよ」

「精神科の先生もPTSDやパニック障害の診断をしたみたいだけど異常はなく平常者と同じ答えだったことに頭を抱えていたみたいよ」

 

 看護師達の話しを聞いた八百万はそこで帰っていればよかったのにそれはできず、足は一騎の居る部屋へ向かっていた。

 

 

 

 

 今の話し的に一騎はもう目覚めている。勝手に会った事は後でユエに謝ればいいと考え花束の持つ手に力が掛かる。

 

「不死黒さんの部屋は・・・っ!あった」

 

 12階に付いた八百万は一つ一つ部屋の表札を見て遂に一騎の部屋を見つけた。のと同時にこれが引き返せる最後のチャンスだった。

 

 

「敵連合を仕留めきれず、最後には爆豪を取り返すことも出来なかった! 全部、俺が弱かったから」

「っ!!」

 

 だが八百万は止まらず扉をノックしようとしたとき、部屋から一騎の声が聞えた。このとき八百万の頭の中には受付の人が言っていた面会中との言葉がなく、誰かと話しているのがわかり少しだけバレないようにドアを開け中の声を聞いた。聞いてしまった。

 このとき辞めておけば帰っておけばよかったとどれほど後悔しても遅い一騎の後悔と弱音を全て聞いてしまった。

 

 

「あのとき俺は・・・俺は、八百万を・・・・アイツを!無視して死柄木弔を潰せば良かった!!八百万を無視して死柄木弔を潰しておけばタルタロスにぶち込めた!そうすれば保須市で脳無が暴れることも林間合宿が襲撃されなかった!皆が危険な目にあうこともなかった! 俺がユエをミルコさんを他の人達を傷付けることもなかったぁ!!全部、全部全部!あそこの判断を間違えたからだ。

 八百万の言う言葉を正しいと思わなければ良かった!無視しとけば良かった!そうすれば、こんな事にはならなかった・・・こんな思いせずに済んだ」

 

 一騎のこの言葉を聞いて八百万は涙が止まらなかった。あの日あの時の自分の判断ミスで一騎を傷付けていた。保須で脳無が暴れ死者が出なくとも負傷者は出て、林間合宿では多くの人が危険な目に合った。そしてなにより一騎が誘拐され洗脳されユエ達を傷付けた。あのときあの綺麗事を言わなければ一騎の邪魔をしなければこれら全ては起きなかった

 

 そこまで考えると八百万は力が抜けその場に座り込み両手で口を塞ぎ声を押し殺し泣いた。

 そして

 

 

「俺は、雄英にいてももうヒーローを目指せなませんよ」

「どうしてかな?」

「もう、進むべき道が無いんです。道なき道を行くとかじゃなく本当に道がない。あるのは底なしの谷か絶対に越えられない壁だけ。もう、一歩も前に進めない。」

 

「ッッッ!!!」

 

 

 弱音を聞いた八百万は走り出した。急いでエレベーターで下りて病院を飛び出した。雨が降っていようと関係無くただひたすらに走った。

 

 

 

 ――気持ちの悪い。なんの覚悟もなくあの御方に会おうとしていただなんて。もう気持ち悪いを通り超して嫌悪感しか湧きませんわ。

 

 

 また幻聴が聞える。自分を責め立てる声が。

 

 

 

 

「も百お嬢様!!?」

「どうなさいました!?」

 

 気が付いたときには既に家に居た。

 帰るやいなや執事やメイド達がずぶ濡れの自分を見て驚愕して慌ただしく動くも八百万は「しばらくそっとして下さい」とだけ言って部屋に駆け込んだ。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「どうすればどう《償い》をすれば・・・・・・私はどうすればいいの・・・・・」

 

 服を着替え髪も乾かした八百万は月明かりしかない暗い部屋でベットの上でずっと頭から毛布を被り同じ言葉を繰り返していた。

 

 ――気持ち悪い。既に2時間、いつまでそうしているつもりでして?

 

「っ!」

 

 自分の声が聞え、聞えた方に目を向けると月明かりの差し込む窓の前に胸元とスリットの大きく開いた真っ黒なドレスを身に纏い髪を下ろしている自分自身(八百万百)が軽蔑の眼差しを向けて立っていた。

 

 ――いつまでもいつまでも『私はどうすれば』など自分のことばかり。気持ちの悪い。

 

 黒百の顔も声も八百万と同じなのに別人と思える程に冷たい表情と声をしていた。

 

 ――償い?出来ると思ってまして貴女如きが。

「っ」

 

 ――出来るわけないでしょ。そもそも償いを出来る資格があるとでも?そもそもあの御方は貴女の所為で傷ついているのに。オールマイトに『君達は今日からヒーローだと』言われただけでヒーローだとバカみたいに勘違いして、USJであの御方の邪魔をした。その結果、あの御方に重傷を負わせお顔に一生の傷を残した挙げ句死柄木弔を逃がした。貴女がいなけれよかったのに。

 

「・・・わ、私の所為で」

 

 ――そう貴女の所為で。貴女さえいなければUSJであの御方が瀕死になることも死柄木弔に逃げられることも無かった。

 

「いわないで」

 

 ――貴女さえいなければ保須で脳無が暴れることは無かった。

 

「いわないで」

 

 ――貴女さえいなければ!林間合宿が襲撃され!あの御方の初めての林間合宿が台無しになることもなかった!

 

「いわないで」

 

 ――貴方さえいなければ!!林間合宿の襲撃であの御方が傷だらけになることも誘拐されることも無かった!!

 

「いわないで!」

 

 ――貴女さえいなければ!!!あの御方が洗脳され個性持ちなんかにされなかった!多くの警察やヒーローを傷付け、ユエさんやミルコさんを殺しかけることも無かった!!

 

 

「いわないでぇ!!!」

 

 

 ――・・・気持ちの悪い。そうやって耳を塞いで事実を聞くのを防ぐ。本当に気持ちの悪い反吐が出る。

 

 耳を塞いで蹲る八百万に黒百はゴミを見る目を向けて少し睨むと優雅に歩きだす。

 

 ――あの御方は耳を塞いでも目を瞑っても現実と強制的に向き合わされるのに貴女は簡単に現実から逃げるのね。

 

「!」

 

 ――見てみなさいよこれで。

 

 そう言って黒百は机の上に置かれているパソコンを指さす。

 顔を上げた八百万は涙を拭いパソコンを見てベットから這い出て歩きだす。途中で毛布が落ちようと気にせずパソコンに近づくと電源を入れる。

 

 起動して検索に不死黒一騎と打ち込むと関連キーワードでは名前の次に『無個性の象徴』『最強の無個性』『赤面お姫様抱っこ』『シスコン』など微笑ましいものが出るがそれと同時に『犯罪者』『ヴィラン』『オールマイトを終わらせた』というのがありそして八百万の目に一番とまったのは。

 ワン・フォー・オールだけじゃなくオールマイトを終わらせたのに関わり、そして今の個性主義社会を終わらせる者の意味を込めた『終焉の象徴・不死黒一騎』と。当然このあだ名は良い意味ではなく蔑称として使われている。

 

「あ あぁ・・・・あ・・」

 

 

 調べていてとあるスレを開いた。いや開いてしまった。

 

 

{不死黒一騎について}

{あんなのオールマイトを終わらせた犯罪者だろ!!}

{いやストレートかよWまぁオールマイトと互角に遣り合ったヴィランの遠い血筋みたいだしな}

{誘拐されて洗脳されて迷惑かけてって只の邪魔者じゃんか!}

{ヴィランの内通者じゃねぇの?それか裏切り者}

{あ~アイツの所為で多くのヒーローも辞めたしな}

{あれだろネグレクトされて精神イカレた精神異常者だろ}

{あんな奴4ねばいいのに}

{いや個性で生き返るじゃん}

{マジそれ}

 

 

{じゃなあんなの生まれてこなければよかったのに}

 

 

 ――貴女の所為でこうなっているのよ。

「ッ!?」

 

 最後の文字を見た直後画面に重なるようにように黒百が顔を急に差し込んできたことで驚いた八百万は後退る。

 

「あっ・・・・ヒッ」

 

 床に落ちた毛布に躓き尻餅を着てから顔を上げると冷たい目を向ける自分を見て僅かに恐怖の声が漏れる。

 

 ――貴女の所為であの人の過去が世間に晒された。

 

「ち、違う私じゃ・・・」

 

 ――私じゃ無い?貴女の所為で死柄木弔が逃げてこの事件に繋がったのに?。

 

「ッ!」

 

 ――本当に図々しく厚かましく気持ちの悪い女。

 

 机の上に座り足を組んで黒百は冷たい目を向け責め立て続ける。

 

 ――USJであんなことをしでかしたのにあの御方に無理言って弟子にして貰うとか。貴女なんかユエさんの友人で無ければ関係を絶ちたい程の女なのに。

 

「違う不死黒さんは私を友達だと」

 

 ――直々に言ってもらったことでもあったかしら?

 

「っ」

 

 ――それに、貴女はその友達に迷惑しかかけていない。たいして役にも立っていない。

 

「違います、私を使ってくれたことも・・・」

 

 ――I・アイランドと林間合宿ので刀を欲した二回だけ。しかもそのどちらも貴女を初めユエさんを抜いた足手まといが居たからであって足手まといが居なければ貴女なんかを使わなかった。詰まりはそういうこと。

 

「ち、ちが」

 

 ――事実でしょ。あの方が勉強道具や日用品で貴女を頼ったことがありまして?

 

「!」

 

 黒百に言われ八百万は気づく。確かに一騎は勉強でシャー芯が無くなったり自分や弟子達の為に書き纏めているノートがいっぱいになって新しく買わないとダメになったとき八百万は「私か作りましょうか?」と提案するも一騎は何時も「大丈夫あとで買ってくるから」と言って休み時間に購買で買ってくるのだ。

 

 ――頼ってくれたことありまして?

 

「・・・な、い」

 

 ――でしょ。

 

 一騎がユエの個性のことで人の個性に頼ることに抵抗を覚えているのを知っている。だがそれでも緊急の戦闘時以外一騎が自分を頼ってくれたことが無いことに八百万の顔は絶望に染まっていく。

 だってこれじゃぁ本当に一騎は自分をよく思ってないようだから。

 

 ――まぁ当然よね。貴女の所為で顔に大きな傷が出来て個性持ちにされて洗脳されて大事なユエさん達を傷付けた。もう絶交されて当然ね。

 

「絶交・・・!い、いやそんなの嫌ですわ!」

 

 ――だったらどうしますの?貴女の所為であの御方は心身に途轍もない傷を負いましたわ。それに見合う責任を取ったり償いが出来まして?同年代より少し頭がよくお金があるだけの貴女が。

 

 頭を抱える八百万に近づき黒百は耳元で囁くように責め立てる。

 どうすればいいのかまた考え続ける八百万はある言葉が浮かび急いで立ち上がりまたパソコンで何かを調べ出す。 うつろな目で必死に調べる。

 

(――本当に気持ち悪い。悪女で愚女で魔女で・・・私はなんで・・・)

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「っ! 八百万!?」

「お久しぶりですわ不死黒さん」

 

 タイミングを見計らったかのように来た八百万に一騎は驚愕し目を見開く。

 

「お兄様?どなたが・・・ももちゃん?」

「っ・・・お久しぶりですユエさん」

 

 なかなか誰が来たのか気になったユエは来客を見に来ると八百万だったことに疑問を抱く。いまこの場所は根津の計らいで警察や根津が信頼するヒーローがマスコミや悪戯目的で来る者達の規制をしていた。だから八百万が来れるわけが無い、もしくは来たら連絡が来るはずなのにそれが無かった為に思わず一瞬怪訝な目を向けてしまう。

 

 だが八百万はその目が自分をよく思ってない為の嫌いな人に向ける目だと勘違いして肩を僅かに跳ね上がらせるも笑みを崩さず挨拶をする。

 

「うん久しぶり。(・・・靴に僅かな泥と落ち葉。もしかして普通の道路じゃなく時間をかけて山道から来た!?)」

 

「不死黒さん。その二人きりでお話しがしたいのですが」

「わかった俺の部屋でもいい?」

「はい。ありがとう御座います」

 

 ユエが八百万のことを考えているなか一騎は八百万を部屋に案内しようとする。

 

「あ、お兄様わたしは少しミルコさん達の方に行ってますね」

「わかった」

 

 少し八百万に違和感があるもユエは寮制の時の話しを話しに行くことにし邪魔しないようにと気遣い出て行く。

 

「あ、話すのリビングでする?」

「いえ出来れば不死黒さんのお部屋でお願いで来ますでしょうか?」

「わかった」

 

 何故か部屋に拘るも一騎は気にせず八百万を部屋に案内する。

 

 

 

「どうぞ」

「お邪魔します」

「適当に椅子にでも座ってて直ぐお茶入れてくるから」

「いえそれは大丈夫ですわ」

「そう?」

「はい」

「・・・」

 

 お茶を入れようとするも八百万に断られてじゃぁいいかと思い窓から家の周辺に不審人物がいないか確認してからカーテンを閉める。

 

「で、話しって・・・あ、ごめんちょっと待って」

 

 振り返って話しを聞こうとするもドアを開けっぱなしにしているのに気づきドアを閉めるがある疑問が過ぎる。

 

(あれ?俺さっきドア閉めなかったか?)

 

 一騎は幼少からの癖で家に一人で居てもドアはちゃんと閉めて何だったら時折鍵もする為に八百万を入れてからもドアを閉めたのに開いていたために首を傾げ不思議に思う。

 だがいまは八百万の話し恐らく悩み事かな?と思いそっちをちゃんと聞こうと意識を変え急いでドアを閉めに行く。

 

「不死黒さん」

「ん?」

「私ずっと考えたんです」

「何を」

「どうすれば償えるかを」

「は?・・・っ!?」

 

 

 償いの意味が分らずドアを閉め振り返ると一騎が見たのはスカートを脱いでシャツのボタンを外す八百万の姿だった。

 

「なっ!?なにやって・・・っ!?」

 

 脱ぐ手を止めさせようと八百万に近づいた瞬間、一騎は伸ばした手を掴まれ引っ張られるとのと同時に後ろに押されその際に足を引っかけられ後ろのベットに倒れ込む。

 

「不死黒さん」

 

 ベットの上に倒れこんだ一騎に跨がった八百万はハイライトの無い瞳で一騎の顔を覗き込む。

 

「何やってんだよ」

「償いです」

「だから意味が・・・は?」

 

 またも償いと意味の分らないことを言いながらボタンを外し始める八百万を見て一騎は止めようとするも左手首に違和感を感じるのと同時にガチャガチャと音が鳴り目を向けると左手とベットの足を繋ぐように手錠をかけられていた。

 付けられたことに気づか無かった一騎は驚くも直ぐに意識を変え右手を八百万の手に伸ばすが

 

「んあっ」

「っ!?」

 

 八百万は待っていましたと言わんばかりに一騎の手を掴み自身の左胸に一騎の手を付ける。

 

「どうでしょうか?殿方は大きな胸が好きだと聞きました。私の胸も大きい方だと思います、満足して頂けますでしょうか」

「!」

 

 咄嗟に手を引いて八百万の胸から手を勢いよく放したが、それは八百万の計算だった。

 

 ――ガチャ。

 

「しまっ」

 

 ベットボードのパイプと手錠で右手を繋がれ両手を封じられた。

 

「クソ固ぇ」

 

 無理矢理に手錠を壊そうとするもその硬さに壊せずにいた。その姿を見て八百万は説明を始める。

 

「無駄ですわ。その手錠は宇宙船の外郭にも使われるアルミニウム合金のトリプルリング手錠ですわ。日本の手錠の様に簡単に壊すことは出来ません」

 

 説明を終えると僅かに笑みを浮かべまたボタンを外していく。

 それを見て一騎は手錠を壊そうとするも硬い上に繋がれている先が細いパイプの所為で捻り壊すこともできずにいた。

 

「八百万、なんでこんなことを!」

「償いですわ」

「意味が分らない。償いの意味も服を脱ぐ意味も!」

「体で償いますわ」

 

 やはり要領を得ない返答に一騎は理解出来ず困惑するもヤバイ状況だけは分る。

 

「その手を止めろ八百万」

「勉強しましたから大丈夫ですわ」

「なにが!」

「女性器以外で口や胸や手そしてお尻で男性を気持ち良くするやり方をですわ。

「は?口や手って何言ってる」

 

 説明を終えると頬を赤く染めボタン全部を外し下着姿になる八百万を見て流石の一騎もこの後何が起きるか理解出来る。

 理解出来たためにマズイと内心何度も呟く。そんなことしてもしユエが詳細を知れば仲の良い二人の関係が壊れる。なによりその行為は八百万の心を殺してしまうと思いどうにか手錠を外せないか必死に動かす。

 

「大丈夫ですわよ不死黒さん。満足して頂けるようにします」

「待て!それは洒落にならない」

 

 服を脱ぎ捨てると腰から足の方に移動して震える手でベルトを外そうとする八百万。

 

「ちゃんと、ちゃんと気持ち良くしてみせますから」

「やらなくていい!手ぇ震えてるじゃ無いか!本当はやりたくないんだろ!」

「これはただ緊張しているだけですわ。」

 

 口で言っても止まってくれない。無理矢理体を動かせば八百万を振り下ろすことは出来るがそれは怪我をさせて仕舞うし何故かよくない選択だと思ってしまう。

 

「あっ」

 

 遂に一騎のベルトを外せて八百万は声が漏れる。そして何度も大丈夫だと自分に言い聞かせ更に(ちゃんとやらないと不死黒さんに見限られて(捨てられて)しまう)と思いズボンをパンツごと掴む。

 

「不死黒さんは何もしなくて大丈夫ですわ。全部私がいたします。不死黒さんはただ前戯も行為も後戯に準備や片付けも全部勝手にやってくれる都合の良い性欲を処理してくれる道具が手に入ったと思って下されば良いですわ・・・っ!」

 

 そして勢いよくズボンをずり下ろす。

 

「八百万ゥ!!」

「!?・・・え」

 

 だがその手は他の誰でも無い一騎の手に掴まれ止められた。

 一瞬理解出来なかった八百万は困惑の声を上げるも一騎の手を見て理解した。一騎は手錠を壊せないから皮膚が切れめくれようが関係無く更に親指のつけ根を外し手錠から無理矢理に手を引き抜いたのだ。理解は出来たがそこまでした理由が分らなかった八百万は一つだけ理由が思いついた。

 

「なんで・・・もしかして私の顔が気に要りませんでしたか?ならば今は無理ですが後日必ず不死黒さんの好みに整形いたします」

「違う!!そんな事じゃないし、八百万の顔は今のままが一番綺麗だ!!」

「じゃぁなんで・・・」

 

 自分の顔が気に食わないからじゃないのならなんでと思い理解出来ない表情を浮かべると八百万を見て一騎は起き上がり急いで親指の関節を嵌め八百万の肩を掴み目を見る。

 

「もっと自分の体を大事にしろ!!」

「・・・は?」

 

 お前がどの口でと一騎は内心自分に悪態を着くが今はこう言うしかなかった。

 

「そう言うのは好きな人とすることだろ?!償いなんかでしていいものじゃない! だから」

「体を大事にしろと?」

「そうだ」

「・・・・・じゃぁ無いですか」

 

「八百万?」

 

 一騎は八百万の為に言った。けどいまの八百万には言ってはいけない言葉だった。

 

「そんなこと!!出来るわけ無いじゃ無いですか!!!」

「!?・・・や八百万?っ」

 

 掴んでいる一騎の手を振り払い大声で叫んだ八百万は落ち着かせようと伸ばした一騎の手を払い押し倒す。

 

「八百万?」

 

 押し倒された拍子に目を瞑っていた一騎は顔に冷たいものが当たるのを感じ目をあけると八百万がポロポロ泣いているのが目に入り驚く。

 

「私だけ・・・体を大事に出来る訳無いじゃ無いですか!」

 

 泣きながら叫ぶ八百万をみて一騎は思わず「なんで」と声を漏らす。その直後八百万は一騎の顔の横にてを付いて叫ぶ。

 

「私の・・・私の所為で不死黒さんは傷ついた! USJの時に私は自分はヒーローなんだと思い込んで不死黒さんの邪魔をして!その結果不死黒さんは死にかけお顔に一生残る酷い傷が出来ました!」

「お前のせいじゃない!! それにあのときも言ったがこの顔の傷は気に入っている! 体にある虐待や無個性差別(虐め)で付けられた傷じゃなくお前を友達を守ってできた物だから!!」

「それは不死黒さんは優しいから私を気遣って言ってくれたことばでしょ!!?」

「違う!!」

 

 八百万の手を掴み目をしっかりと見て一騎は否定する。数秒間二人は見つめ合うと八百万は上半身を起こし両手で顔を覆いすすり泣きながら話し出す。

 

「分らないんですどうしたらいいのか。私の所為で不死黒さんは傷ついている。顔には大きな傷が残り個性持ちにされました。私はもう、差し出せる物がこの体しか無いんです」

「お前が悪いことなんて無い」

「そんなことありませんだって不死黒さん言っていたでは無いですか」

「え?」

 

「私の言う事を無視しておけば良かった、と」

 

「・・・!?」

 

 ようやく一騎は理解した。なんで八百万がここまで心を磨り減らし自分の体で償おうとしていたのか。

 あの日、部屋の外には誰も居ないと思い相澤達にした後悔の言葉を聞かれていた。確かにあんな言葉は聞き方次第では八百万を責め立てる言葉。詰まりは全部、全部全部

 

(俺の所為)

 

 いま八百万が泣いているのも自分を責め立て心がボロボロになっているのも体を使おうとしているのも自分が心の内なんかを吐いたからだと一騎は思い自分を責める。

 けどいまはそんな事をしている場合じゃなくどうにかしなければならない。しかしどうしたら良いのか分らない。

 

「八百万」

 

 なら才子が自分にしてくれたように自分も八百万に本音で話す。

 

「・・・私は」

「八百万」

「っ」

 

 上半身を起こし八百万の両手を握ってしっかりと目を見つめる。

 

「話しを聞いてくれるか」

「は、い」

「俺はお前を恨んでも無ければ憎んでもない。確かにあの時ああ言ったけどお前を責めるつもりは一切無かったんだ」

「そんな訳、私を憎んでないなんて・・・」

「ほんとだよ。寧ろ俺はお前に感謝してるんだ」

「へ?」

 

 恨まれ憎まれることはあれど自分が感謝されることなどあり得るわけ無いと思い八百万は理解出来ない顔をしていた。

 

「感謝なんてそんなわ「感謝してるよ」 」

 

「あの日、お前はユエを抜いたクラスメイトで唯一俺を止めに来てくれた」

「いえあのとき側には――」

「確かに緑谷、轟、切島、飯田もいた。けれど狐男を俺だと見抜いたのはお前だけだった。お前は俺を助けるために目の前に立ちはだかってくれた。俺がユエを殺す直前に来てくれた。・・・言うのが遅れてごめん」

 

 八百万の手を放して一度大きく深呼吸してもう一度八百万の目をみる。

 

「八百万 百。俺を助けに来てくれて、ユエを殺すところを止めてくれて、本当にありがとう」

 

「・・・うぅっ・・・・・・ぁ・・・・」

 

 またボロボロと涙を流す八百万を一騎は優しく抱きしめる。

 

「ぁあぁああああああ!!!」

 

 八百万は一騎の背中に手を回し大声を上げて泣く。

 

「あっ・・・・うぅうっ・・・・・ぐじずろさんごめんなざい」

「うん」

「べいわくがげで・・ごべんなさい」

「怒ってないよ」

「ぎらいならないでぐだざい」

「嫌いになんてならないさ。だって八百万は雄英で出来た初めての友達なんだから」

「うぅぅわぁぁぁあああ!」

 

 泣きわめく八百万の背中を右手で優しくポンポンと叩いて左手で頭を撫でる。

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「・・・・スースー」

 

「ふふ」

 

 泣き疲れて静かに眠る八百万を見て一騎は子供の頃のユエを思い出しつい笑ってしまう。

 

「お兄様」

「!? ユエ!あ、いやこれはその」

「大丈夫です。全部聞えてましたので」

 

 いつの間にか内側の扉前にユエが立っていたことに驚きなんとか言い訳しようとするもユエは聞いていたと言い驚く。

 

「・・・そっか」

「はい」

「ユエ八百万を寝かしたいから手伝って」

「分りました」

 

 八百万を起こさないように膝裏と背中を支えお姫様抱っこで持ち上げるとユエは急いで毛布を退かしシーツを治す。

 

「どうぞ」

「ありがと」

 

 ゆっくりと優しく下ろして八百万に毛布を掛ける。

 

「不死黒さん」

 

「?・・・なんだ寝言か」

 

 もしかして起きたのかと思い診て観るも八百万は起きておらずただの寝言だと分かりつい小さく笑う。そして起こさないように前髪をかき分け涙を拭う。

 

「よし、今はそっとしておこう、か・・・?」

 

 立ち上がると袖を引っ張られる感覚があり見てみると八百万に手を掴まれていた。

 一騎が首を傾げているとユエは八百万の服を畳んで机において教える。

 

「お兄様、多分いまももちゃんは寂しいんですよ。なので手を握ってあげていて下さい」

「そうなのか?」

「はい寂しいとき怖いとき人肌は落ち着きますから」

「そっか」

 

 ならばそうしようかと呟き八百万の手を握る一騎の姿を見てユエは静かに部屋を出て行く。

 

 

 

 

 

 部屋を出たユエは扉にもたれずるずると座り込み三角座りになって額を膝に付ける。

 

「・・・・・ももちゃんは悪く無い」

 

 一騎にいっていた言葉を全部聞いていたユエは心の痛で表情が歪む。

 

「悪いのは彼奴らだ」

 

 ゆっくりと起き上がりユエは此所に居ない誰かを睨む。

 

「悪いのは全部、全部全部彼奴らだ」

 

 ユエの頭の中に三人の姿が浮かぶ。

 

「オール・フォー・ワン、オールマイト、そして・・・・」

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「うっぅう・・・ここは・・・・・・・っ//」

 

 目を覚ました八百万は体を起こして少ししてから何があった、いや何をしたのか思いだし顔を真っ赤にする。

 

「うぅ」

「・・・あっ!! んん”!」

 

 うめき声が聞え目を向けると一騎がベット突っ伏す形で寝ているのに驚き声をあげそうになって咄嗟に口を防ぐ。

 

「あうっ・・・・あれ?」

 

 口を押さえる際に一騎に握られていた手を引いたこともあり一騎は目を擦りながら起きる。

 

「起きたのか。おはよ八百万」

「あ、はい。おはようぞざいます」

 

 挨拶をされて思わず挨拶を返した八百万は一旦冷静になり一騎に向き直り土下座で深く頭を下げる。

 

「この度は大変ご迷惑お掛けしました」

「土下座なんてしなくて、気にしなくて良いよ。寧ろ八百万がそこまで思い詰めているとは気づかずごめん」

 

 言われたとおり頭を上げると八百万は放す。

 

「いえそれこそ不死黒さんが謝ることなどありません」

「けど・・・」

 

「じゃぁこれでチャラで良いじゃないですか。お兄様、ももちゃん」

 

「ユエ」

「ユエさん」

 

 いつの間にか部屋に入って来た自分に驚く二人を見てユエは少し悪戯気味の笑みを浮かべる。

 

「お互い謝った。でしたらこれでちゃらにしてまた今まで通り過ごしましょ?」

「そう、だな」

「はい!」

 

 お互いに納得するとユエは「はい♪仲直りの握手♪」とか言う為に一騎達は何故か握手をしてしまう。

 

「所でももちゃん」

「何でしょうか?」

「いつまでお兄様に下着姿見せるの?」

「へ?・・・・・・・ッッッッ~~~~~~/////!!!!!」

 

 ユエの指摘で自分が今下着姿なことに気づいた八百万は急いで毛布で体を掻くしリンゴのように紅くした顔を一騎に向ける。

 

「そのお粗末なものをお見せしました」

「いやそんな事は・・・あ、確かこういうときはご馳走様でした。って言うんだっけ?」

「え?」

「!?」

 

 まさかの言葉にユエも八百万も驚く。

 

「あれ違った?ユエが見ていたテレビで確か下着姿の女性に男の子がそう言ってた気が・・・?」

「そうなんですね」

「違った?」

「いえ恐らく不死黒さんのいうことだから正しいのかと」

「なのか?」

「はい」

 

「んん”~~~~!!!」

 

 二人の変な遣り取りにユエは笑い出さないように横腹を抓り必死に笑いを我慢する。けどいい加減どうにかしないとと考える。

 

「あそうだももちゃん」

「なんでしょうか?」

「すでに家にはうちに泊まってくって連絡したからゆっくりできるよ。それとお兄様、メトリさんには私もお兄様もうちで夜ご飯食べると言っておきました」

「じゃぁ今日は腕によりをかけて作るね」

「はい♪」

 

 一騎が部屋を出て行くのを見るとユエは机の上に置いていた八百万の服を渡す。

 

「はいももちゃん。・・・ももちゃん?」

 

 服を差し出しても八百万は受け取らずただぼーと扉を見つめるだけで疑問に思ったユエは問いかけると八百万がゆっくりと振り向く。

 

「ユエさん」

「なに?」

「私不死黒さんのことが好きです」

 

「・・・ふぇ」

 

 唐突の言葉の為にユエはキョトンとした顔を見せるも直ぐに意味を理解し八百万に詰め寄る。

 

「ももちゃん!それはloveの方!?」

「は、はい。そのユエさんが不死黒さんに向けている感情は知っていますが」

「それは大丈夫!」

「良いのですか?私如きが不死黒さんを好きになっても」

「うん!だって私、お兄様のハーレムを作ってるから!!」

 

「・・・は、はいぃいいいいいい!!!?」

 

 ハーレムという言葉に八百万の絶叫が響いた。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

「わ~!ご馳走!!」

 

 リビングのテーブルの上に並べられた大量の料理にユエは目をキラキラさして興奮していた。

 

「寮に入る前に食材殆ど使わないとだし」

「なるほど」

「・・・」ボー

「どうした?八百万」

「はひ!」

「?」

 

 ただじっと自分を見てくる八百万に問いかけると変な声を上げて驚く為に僅かに首を傾げ近づく。

 

「大丈夫か?」

「はい!だ大丈夫です!」

「そう」

「それより早く食べましょ!お兄様、ももちゃん!」

「そそうですわ!早く食べましょ不死黒さん!」

「おう」

 

 ユエに進められ三人で明らかに五人前はある料理を食べ始める。三人で楽しく話し食べてデザートに一騎が簡単に作ったクッキーケーキを八百万の入れた紅茶と共に楽しむ。

 

 その後は洗い物を一騎に任せユエと八百万は風呂に入り少し過ごしてからユエの部屋のベットに一緒に入る。

 

 

 

「それじゃ電気切るぞ」

 

「は~い」

「はい」

 

 二人の返事を聞いて一騎は電気を消して部屋に戻る。

 

「ももちゃん流石にお兄様への接し方変すぎるよ」

「うっ~だってあんな事聞いてしまっては」

「にゃはははは」

 

 布団の中で向かい合って話し、ユエは嬉しそうに笑うと少しして八百万に抱きつく。

 

「ユエさん?」

「ごめんね、襲撃事件の後八つ当たりして。ヒドイ事言って」

「・・・気にしないで下さい。あのときは私が無神経過ぎたんです。不死黒さんのことを何も知らないに知ったようなこと言たのが悪いのですから」

「そんなこと・・・」

「ですからこれからは不死黒さんのことをもっと知っていきますわ!無論ユエさんの事も」

 

「うっぅ~ももちゃん大好き」

「私もユエさんのこと大好きですわ」

 

 胸に顔を埋めて抱きついてくるユエを八百万も強く抱きしめ合う。

 

 

「ももちゃんお兄様のシャツ着てるから2人の匂いがして私幸せ~」

 

「ッッッッッッ~~~~~~//////////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一人で寝るのって雄英入学前依頼か」

 

 ベットに入った一騎は部屋に一人で寝る懐かしさに感傷に浸ると目を瞑り。・・・眠る、そして夢を見る。

 

 

 

 

 

 ――――――

 

 ――――

 

 ――

 

 

 

 

 

「ハァ ハァ 」

 

「まてクソガキ!!」

「今度こそは!!」

 

 

 果物や缶詰を沢山袋に入れたバックを前に抱え必死に走るボロボロの服を着た白髪の紅い瞳が特徴の少年を2人の警察が追いかける。

 

「捕まって・・・堪るか!!」

 

 少年は足に力を止め瞬発力を生かし更に警察から距離を開く。

 

「舐めんなよクソガキガァ!!」

 

 ――パン!

 

 警察の一人が少年い容赦無く発砲する。

 

「危な!けど崖を越えれば」

 

 近くの窓ガラスが割れて少し驚き体勢を崩すも直ぐ立て直し一直線に走る。

 

「おい流石に『中』近くとは言え銃を使うなよ」

「構うか!どうせあそこの人間に人権なんて無い!」

 

「ゴッガァ!!?」

 

 そう叫ぶともう一度発砲すると今度は少年の胸を貫く。

 打たれた衝撃で少年は前に転び不法投棄の崖へと転落していく

 

「当たった!」

「当たったのは良いがどうすんだ」

「まぁいいじゃん」

(警察の言う事かよ)

「なんだよ」

「なにも。発砲の始末書手伝わねぇぞ」

 

 二人は崖から落ち不法投棄の山の上に落ちた少年を見下ろし、助けることもなくその場を去って行く。

 

「ガッハッ! ・・・・ヒヒ」

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

「たっだいま~~!!」

 

「あ!お兄ちゃんお帰り!」

「お兄ちゃん帰って来たの?」

「にぃに~!」

「なんで上服着てないの?」

「元気にしてたかチビ共~」

 

 先ほど死んだハズの少年は元気に声をかけるとプレハブや板小屋から数十人子供達がわらわらと出てきて少年を出迎える。

 

「お帰り」

「おうただいま美火(みか)

 

 子供達の後から出てきた女の子は優しく微笑むと二人と同じぐらいの少年少女も出てくる。

 

「悪いな何時も危険なことさせて」

「ごめんね」

「俺にもお前等のような超能力があれば良いのに」

「・・・」

 

「気にすんなって!宮康(いえやす)沙世(さよ)(たける)、・・・凪沙(なぎさ)も!そんな顔すんなって」

 

 群がる子供達の波をかき分け暗い顔をする凪沙と呼んだ少女に近づくと易しく頭を撫でる。

 

「けど永身(えいみ)、又死んだんでしょ?だから「テイ!」 あう! え、なんで?」

 

 いきなり頭にチョップを食らい驚き顔を上げると少年、いや永身はぐいっと顔を近づける。

 

「だから永身っていうな!女子っぽいからやなんだよ。それに気にすんな!俺の超能力は危険事に適してる!適材適所、俺が危険なことするからお前等はチビ共を守ってくれ」

 

 荷物を宮康に渡すと永身は子供達の元に行きピッタリとくっつく子を抱き上げ笑顔を見せる。

 

「俺はお前等と笑って暮らせるのならどれだけ危険だろうとやってのける」

 

 少年達が居るのは世紀末感満点の情景が広がり死と暴力が当たり前にある場所。しかしそんな場所でも確かな笑顔で溢れる場所がある。

 

 

 

「ジジイに帰って来た報告しないと」





これで八百万も一騎に完落ち!

でも一騎が雄英辞めるifルートだと八百万の精神は・・・・。

次回「寮生活」


それでは、期待せずにお待ち下さい。
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