アグレッシブな本屋ちゃんは嫌いですか?   作:水代

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アンチしてるつもりはないんですが、アンチタグいりますか?


十五話 そうだ、京都に行こう。

 

 

「京都に行ってみるがいい、やつが一時期住んでいた家があるはずだ」

 機嫌が良さそうなマクダウェルさんがネギ先生にそう言って、笑う。

 さきほどまでとは違い、テンションまで高くなったマクダウェルさんを見て、この分ならもうネギ先生を襲うことも無いだろうと安堵の溜め息を漏らす。

 そう…………ことの始まりはカフェテリアでマクダウェルさんと二人で珈琲を飲んでいた時まで遡る。

 

「茶々丸さんはどうされたんですか?」

 ふといつも付き添っている茶々丸さんがいないことに気づいた私がマクダウェルさんにそう尋ねると、マクダウェルさんが紙コップを置いて答える。

「製作者のところだ。昨日の戦闘であちこちにガタが来ていたようだしな…………それに、腕も付け直さないといけない」

 どこかの誰かのお陰でな、とジト目で私を睨むマクダウェルさん。まあたしかに、茶々丸さんの手についていたワイヤーを切断したのは私のスタンドだが。

 さすがに勝負の最中のことなのでそれほど追求することも無く、あっさりと矛を収めるマクダウェルさん。

 と、その時、私たちの席に近づく人影。

 

「あの、こ、こんにちわ、マクダウェルさん」

 ふと見れば、それはネギ先生だった。良く見れば神楽坂さんもいる。

 と言うか、ネギ先生を見た瞬間、マクダウェルさんの機嫌がさらに下がった様子で視線がいっそうきつくなる。

「気安く挨拶を交わす仲になった覚えは無いぞ」

 突き放すような態度のマクダウェルさんに、神楽坂さんが近づき。

 

「聞いたわよエヴァンジェリン。あんた、ネギ先生のお父さんのこと好きだったんだってねー」

「ぶぅぅぅーーーーーーーーーっ!!!」

 にやけた顔で神楽坂さんがそう言うと同時に、マクダウェルさんが珈琲を噴出す。

「き、貴様、やはり私の夢を!!」

 何のことか分からないが、さきほどまでの険悪な雰囲気が吹き飛んだところから察するに、マクダウェルさんにとっても触れられたくないところだったのだろう。

「そうなんですか? マクダウェルさん」

「ええい、うるさい!」

 私の問いにもさきほどまでの緊張感も全て捨て去って叫ぶマクダウェルさんだったが、すぐに沈静化しどっしりと椅子に座って頬杖をつく。

 

「だがやつは死んだ…………十年前にな」

 そう言って珈琲を飲むその姿は、どこか寂しそうで、神楽坂さんの言っていたこともあながち間違ってもいないのだろう、と思わされた。

 そしてその空気を吹き飛ばすような発現をしたのがネギ先生だった。

 

「あ、あの…………でもエヴァンジェリンさん。ボク、父さんと会ったことがあるんです」

「…………何だと?」

 

 ネギ先生の年齢が十。ネギ先生の父親が死んだと言われたのも十年前。

 普通に考えれば覚えているはずも無いのだが…………。

 実際、マクダウェルさんもそう思ったらしく、訝しげな表情で反論する。

「何を言っている、やつは十年前に死んだはずだ。お前はやつの死に様を知りたかったのではないのか?」

「違うんです、大人はみんな僕が生まれる前に父さんは死んだって言うんですけど、六年前のあの日…………僕はたしかに父さんに会ったんです」

 この杖はその時にもらったのものです、と自身がいつも持ち歩いている杖を見せる。

「だから父さんはきっと生きています…………僕は父さんを探し出すために、父さんと同じ立派な魔法使いになりたいんですよ」

 杖を握り締め、どこか遠くを見ながら言うその台詞は、まさしく夢を語る少年そのもので。

 一方のマクダウェルさんは驚愕に目を見開き、持っていた珈琲もいつの間にか置いていた。

「そんな…………サウザンド・マスター(ヤツ)が生きている、だと?」

 マクダウェルさんの肩が震える。そして、勢い良く立ち上がり紙コップに入った珈琲を一気に飲み干す。

「ハハハハ! そうか、ヤツが生きているか」

 そいつはユカイだ。とさきほどまでと一転してとても機嫌が良さそうな声で言う。

「京都だ」

「え?」

 手がかりはコレしかない、と杖を見せるネギ先生にマクダウェルさんがそう呟く。

「京都に行ってみるがいい、やつが一時期住んでいた家があるはずだ」

 嫌悪感も緊張も全て消え去った表情のマクダウェルさんがネギ先生にそう言って、笑う。

 さきほどまでとは違い、テンションまで高くなったマクダウェルさんを見て、この分ならもうネギ先生を襲うことも無いだろうと安堵の溜め息を漏らす。

 ついでにネギ先生も思わぬ情報にテンションが高い。

 それにしても。

 

「ちょーど良かったじゃん、ネギ」

 神楽坂さんが苦笑いしながらそう言うが、ネギ先生は何のことか分かっていない様子。

 と言うか、教師なのにもしかして分かっていないのだろうか?

 

「ネギ先生? 3―Aの修学旅行先、知ってますか?」

 

 つまり、そういうことだ。

 

 

 

「で…………なんで私まで呼び出されてるんですか?」

 翌日、修学旅行も間近と言うこともあり、ただでさえテンションの高いクラスが、修学旅行先が京都だと知ったネギ先生の登り切ったテンションに当てられて限界突破していた。

 そんな矢先の学園長からネギ先生…………と、何故か私までの呼び出し。幸いと言うべきか、放課後こっそりと連絡が入ったので目立つようなことにはならなかったが。

「うむ、それも含めて話しておきたいことがある」

 実は…………と前置きし。

 

「修学旅行先なんじゃが、京都は中止になるかもしれん」

 真顔でそう言った。

「え…………ええええええええええええええええええ!?」

 期待が高かっただけに、ネギ先生の落胆は凄まじく…………紙切れのようなヒラヒラとした動きで、壁に寄りかかる。って……………………休暇取って個人的に行けばいいだけの話な気がするのだが。

 と考えていると、学園長がネギ先生を嗜め。

「中止になるかもしれん、と言うだけでまだ決まったわけじゃないわい。ただ先方がかなり嫌がっておってのう」

「先方? ホテルとかですか?」

 まさか府自体が拒否してきたわけでもあるまいし。

「いや…………何と説明して良いのやら。取りあえず」

 

 関西呪術協会…………それが先方の名前じゃ。

 

 ザワリ、と。

 その名を聞いた瞬間…………私の中で隠していたものが目覚める。

 即ち…………………………殺意。

 

 

 

 

「何なんや…………何なんやお前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 口元から流れ出る血すら気にもせず、天ヶ崎千草は叫ぶ。

 周囲には自身が募った計画の仲間である、犬上小太郎や月詠が倒れていた。

 彼らがもう動くことは無い。千草自身が見たのだ、彼らが()で貫かれるところを。

 そして、彼らを撃った張本人が目の前にいた。

 無表情の白い髪の少年。突然現われ、そして突然自分たちを襲撃した。

 その圧倒的な実力で、全員を打ちのめし、そして止めと言わんばかりに弓矢で千草の仲間たちを撃った(かたき)

 

 その少年が……………………今にも千草を撃とうと弓を構えていた。 

 

「猿鬼ぃぃぃぃぃ!!! 熊鬼ぃぃぃぃぃ!!!」

 叫べど自身が式は姿を現さず。

 

 そして………………。

 

「オノレエエエエエエェェェェェェェェ!!!」

 

 矢が…………放たれた。

 




京都編終わったらしばらく東方書きます。
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