そんなに書くのに時間かかるのか? と聞かれればかかりません。
今回4000字以上といつもより増量して書きましたが、それでも3時間。普段3000字くらいで2時間です。
じゃあなんで遅くなるのか、と聞かれると書く気分じゃないから。としか言えない。
PCの前に陣取っても何故か書く気が起きない。今日は気分じゃないから諦めよう、とか思ってたらいつの間にか更新日が伸びるんですよねえ。
何かネギま、で面白いssないですかね? 気分が乗ればもっと更新できるんですが。
お風呂は心の洗濯、などと言う言葉を耳にするが。
全く持ってその通りだと私は思う。
特に、広々とした浴場にゆったりと浸かることができる時間と言うのは、一種至福とも言えるのではないだろうか。
「ふう……………………」
肌に感じる心地良い温かさに思わずこのまま全ての思考を放棄して身を委ねてしまいたい衝動に駆られる、が。
「
考えることがあり過ぎて、いい加減善良な一般女子学生であるところの私の脳はパンクしてしまいそうだ。
「なんて…………都合が良すぎですよね」
宮崎のどかは本当に善良な一般女子学生なのだろうが…………さてはて、私をその区分に入れてしまってもいいものか。
そう考えた時、自身の思考の内容に眉を顰める。
それから思考を切り替えるために数十分ほど前にここであった惨劇を思い出し…………くすりと笑う。
惨劇、と言っても本人たちからすれば惨劇でも私からすれば
簡単に言ってしまえば、またネギ先生がラッキースケベを発動させた、と言うだけなのだろうけれど。
悪意的に言えば、女子(明日菜さんと刹那さん)の入っている風呂に詠春さんと二人乱入し、挙句の果てに明日菜さんの胸を揉んだ、と。
就任初日から思っていたが、あれで10歳と言う年齢でなければ、間違いなく十回以上猥褻罪で捕まっているだろうな、と思う。
子供ながらに恐ろしい。明日菜さんのネギ先生への棘々しい態度は子供が嫌いとかそう言うの以前に一番良く被害にあっているからなのではないだろうか。
「ていうか詠春さんも、ハハハ、で笑って済ませてますけど、一歩間違えれば痴漢ですよね…………」
まあ明日菜さんはネギ先生に胸を揉まれてそれどころじゃなかったし、刹那さんは刹那さんで尊敬と言うか、敬愛する長に対してそんなことはしないだろう。後からやってきた女子たちも向こうが勝手に入ってきたわけだし。
と言うか、なんでこれだけ大人数が働いている屋敷に入浴中の立て札一つ無いのだろうか?
因みに私は後で一人で入ろうと思って一人スタンドを使って外の様子を探っていた。
その途中で風呂場の騒ぎも目にしたわけで、思わず噴出してしまった私は悪く無いと思う。
「…………………………何と言うか、気が抜けますね」
いつ襲撃があるのかと、警戒している私だったが、どうにもネギ先生たちと関わっていると妙に気が抜ける。
あの刹那さんすらリラックスしていると言う事実に、私は頭を悩ませる。
刹那さんの警戒の薄さの理由は簡単だ。
近衛詠春がいるから。
即ちそれに尽きる。
「たしかにそれは否定しないけど」
詠春さんはたしかに私たち全員を足したより強大な戦力だろう。
けれどそれだけで油断するのは甘いとしか言いようが無い。
何故なら、近衛詠春は強大な戦力だが、最強では無い。
似たような実力の持ち主は他にもいるし、それこそ麻帆良で言えば高畑先生と学園長の二人がかりなら恐らく
まあ間違いなくエヴァンジェリンさんなら勝てるだろう。あの人が本気で殺す気でやれば、それに勝てる人どころか生き残れる人すら稀だ。
上を見れば切りが無いのは高畑先生と付き合っていれば良く分かる。
数は少ないとは言え『いない』と断言できない以上、それが今回出てくる可能性は十分にある。
と言うか………………フェイト・アーウェルンクスとか言う白髪の少年は多分それだろう。
悩みごとは尽きない。
と言うかネギ先生もどうしてあれだけ気楽なのか。
…………多分、現状の危機を認識仕切れてないせいだろうな、と確信に近い思いを抱く。
あの人の覚悟が決まるのは決まってことが起こってからだ。
だからこそ私が備えをしておくのだが。
やはり最大のネックは。
「詠春さんがフェイト・アーウェルンクスを抑えれるか否か」
それに掛かっている、そう内心で呟いた瞬間。
外を巡回中の自身のスタンドが、異変を感じ取った。
石、石、石。
廊下を駆け、部屋を見て回るがどこもかしこも人の形をした石だらけ。
ずきり、と胸が痛む。それは昔にも見たことのある光景で。
まさかあの時の悪魔か、とも思ったがすぐに違う、と
あの白髪の少年、フェイト・アーウェルンクスだ。一度だけ見せた犬上小太郎を石化したあの魔法。
昔と違ってこの石化は解除できる、それが分かっているからこそ石化した人たちを放置しているが、それでもさきほどとは違う意味で胸が痛む。
「ごめんなさい」
今の僕ではあなたたちを助けることができません。
こんなことならもっと早く石化の解除方法について研究しておけば良かったと思う。
だが今となっては遅い…………日本風に言うなら後の祭り、だろうか。
と言っても、石化している人たちはある意味安全なのだろう。
考えてみれば、彼らはあまり他人を巻き込まないようにしている節がある。
だとすれば石化している人たちには手は出さないだろう。
そんなことを考えてみても結局それは推論に過ぎず。
今は皆の無事を祈って自身のパートナーの宮崎さんと合流するために走る。
とその時。
ズドン、と言う何かが打ち付けられたような大きな音がする。
「アニキ、あっちだ!」
一緒にいたカモくん、がそう言って音のした方向にある扉を指す。それは自身の一度は入った浴場に続く扉。
カモくんの言葉を信じ、扉に手をかけるが、どうしてか開かない。
「鍵でもかかってやがるのか?!」
カモくんが僕の肩から飛び降り、扉へ向かって飛び込む。
「“キッキング・ブービー”!」
そのままカモくんの体が扉へと吸い込まれ、数秒後、カチャリ、と言う鍵の開く音がする。
今のがスタンド…………宮崎さんの言っていた、魔法とは違う力。
色々と思うことが無いわけでは無いが、今は押し込めて鍵の開いた扉を開け放ち、脱衣場を抜け、浴場の扉を開く。
そこに、ボロボロになった浴衣を着て床に膝をつく宮崎さんと、素っ裸の体を隠しながらハリセンを構える明日菜さん、そして気絶した木乃香さんと木乃香さんを抱える白髪の少年、フェイト・アーウェルンクスがいた。
ネギ先生が来たことに一つ安堵する。まだ無事だったか…………と思ってみたものの、この絶体絶命の状況に突っ込んでくるとは、タイミングが良いのか悪いのか。
異変に気づいた私はすぐさま湯船から上がり、備え付けられた浴衣を着たところでハリセンを持った明日菜さんと木乃香さんがやってくる。すぐさま扉に鍵をかける明日菜さんの焦った様子と隣に木乃香さんがいることから襲撃があったのだとすぐさま悟る。
そして同時に考える。もし襲撃があったのだとすれば来たのは間違いなくフェイト・アーウェルンクス。
だとするなら鍵など無駄だろう。彼は水の転移魔法(ネギ先生曰く高等魔法)によってどこからでも現われるのだから。
そう考え、すぐさま明日菜さんと木乃香さんを連れて脱衣場から浴場へと移動する。
その直後。
「ああ…………やはりキミは厄介だね」
そんな声が聞こえたと同時に、“Bad apple”の能力を発動させ、自身の上体を前のめりに倒す。
停滞する時間、けれど遅延した時を切り裂いてフェイト・アーウェルンクスの拳が背に突き刺さる。
「…………!!!」
悲鳴を上げる背骨の痛みに声にもならない叫びが口から漏れる。
と同時に明日菜さんが私の手を振り切り、背後へ向けてハリセンを振り抜くと、アーウェルンクスの体が水となって崩れ落ちる。
痛みを堪えながら冷静に頭を働かせる。
正直、明日菜さんが今のに反応できたのは予想外だった。近接戦闘能力なら明日菜さんは私よりも強いだろう、勿論スタンドを使わないことが前提だが。
寧ろ問題は私のほうだ。“Bad apple”で時間を遅延させたにも関わらず避け切れなかった。
つまり、時間と遅延させて尚、私が動くより早い、と言うこと。
……………………自分で考えておいてなんだが、本当に人間なのだろうか?
一秒を三倍に引き伸ばす、つまり単純に考えて私の三倍以上の速度で動いていると言うことになる。
高畑先生でもそこまでだろうか? と考えてしまうくらいに現実的ではないその強さに、さすがに額に汗が流れる。
思考している僅かな間で、水と砕け散ったアーウェルンクスの体が再構成される。
「すごいね、まるで訓練された戦士のような反応だ」
けれど…………と続け。
「お姫様を守るには役者不足かな?」
そんな呟きの直後に聞こえてくる微かな詠唱。
不味い、とそう思った直後、スタンドで自身と木乃香さんを明日菜さんから離す。
距離と取ったと同時、明日菜さんの周囲で爆発が起き、煙が蔓延する。
けれど。
「あれ?」
そんなアーウェルンクスの呟き。それもそうだろう、石化したのはその服のみ、明日菜さん本人はなんら無事なのだから…………まあ代わりに真っ裸になっているが。
けれどそれはアーウェルンクスの明確な隙。こうなるだろうと思って向かわせたスタンドはすでにアーウェルンクスのすぐ傍まで近づいている。
「“Bad apple”!!!」
そして同時に二度目の能力発動。インターバルが十分では無いからか、体にきついものがあるが、それを堪えなける…………これほどの達人、明らかな格上が絶好の隙を晒している。今決めなければ次の機会はもう無いのかもしれないのだから。
けれど。
バシン、と。
スタンドの拳が弾かれる…………
「なっ!!」
今、スタンドに…………触れた!!?
それは晒してならない隙。特に、相手は一瞬でこちらまで移動できるというのに。
すぐ様スタンドを戻すべきだったのだろう。それでも間に合ったかどうか。
気づけば、目の前にアーウェルンクスがいて。
「先に潰させてもらうよ」
突き出された腕、咄嗟に両腕を交差させ、受けようとするが。
私の体は軽々と吹き飛び、ズドン、と言う大きな音と衝撃を伴って壁に激突する。
「あ…………ぐ…………」
衝撃で服がぼろきれのようになってしまっている、どんな殴り方したらこうなるのか、全身が痛みで痺れる。
体の感覚が戻らないが、それでもスタンドだけはなんとか戻す。
だがその短い間に木乃香さんが気絶させられアーウェルンクスに手に落ちてしまっていた。
ギリ、と歯を軋らせる。
と、その時。
浴場の扉が開く音。
痛む体に鞭打ってそちらを向くと。
そこにネギ先生がいた。
ちょろっと前回と含めた伏線らしきものを出しました。
そしてネギ先生が浴場に来たところで区切っても良かったんですけど、そこで区切ると2400字。ちょっと少ないなあ、と思ってもうちょいだけ、と思ったらいつの間にか4000字越えてました。