アグレッシブな本屋ちゃんは嫌いですか?   作:水代

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言い訳させてください。

仕事忙しかったんです。小説のためにリアル捨てられないんです。
ダンガンロンパが面白すぎたんです。沖縄に一週間くらい旅行行ってたんです。
話が思い浮かばなかったんです。東方のほうが簡単に思いついたんです。
やる夫スレが面白すぎたんです。帝都の守護者最高でした。そのせいでメガテンブームが再来してメガテンイマジンやってました。アリスちゃん可愛いです。
メガテン要素取り入れてもいいですか(ヤメロ)


三十一話 修学旅行三日目 ルート????

 

 

 

 

 瞬間、『私』は目を開き、その名を呼ぶ。

 

「“Bad apple”」

 

 『私』の呼びかけに応じ、現われた()()がふつ、と刃を振るう。

 その手に握られた巨大な剣が一閃され、目の前の鬼たちを()()()()

 けれど『私』はその手を休めず、さらに自身の騎士に追撃を命ずる。

 

 ォォォォォッッッッ!!!

 

 声にもならない声で騎士が哭く。

 そして、次の瞬間。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「「「つ!!!!?!!?」」」」」

 刹那の出来事に知覚が追いつかなかった鬼たちが、一瞬の間に起こったことに驚愕し、息を飲む。

「…………ふふ、ダメですよ。()()の邪魔しちゃ」

 笑う、笑う、笑う。

「化物やで…………この嬢ちゃん」

 戦慄したような表情で鬼の一人がそう言う。

 一体何を言っているのだろうか?

「『私』が化け物?」

 そんなわけないじゃないですか、そう呟き…………笑う。

 

 そして。

 

「こない…………な…………あ………………い…………て……………………に……………………」

 

 遅延する。停滞する。

 

 時間が、時間が、時間が。

 

「×××××××××」

 

 それは秘密の呪文。魔法の言葉。その言葉に応じるように、スタンドが答え、そしてまた笑う。

 

「さようなら」

 

 最後に一つ笑い。

 

 全ての鬼が()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 何の予兆も無く。あまりにも唐突に。酷く突然に。

 

 私が変わる。

 

 目を閉じる、そして。

 

 何かが()()()()()

 

 目を開いた『私』が笑うのを、私は感じる。

 

「“Bad apple”」

 

 『私』を通して私は見る。闇に紛れる、黒い騎士の姿を。

 自身がどれほど真似様と近づくことも許されない()()()()()を。

 時間が止まる…………否、正しくは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 けれどほんの一瞬の停滞に過ぎないそれは、その力の末端に過ぎない。

 だがその末端の力で騎士は十を超える鬼を刹那に屠る。

 だがそれで終わらない、()()()()()()()()()()

 

 ォォォォォッッッッ!!!

 

 声にもならない声で騎士が哭く。

 いよいよ目覚めるのだ、()()()()()()()()()()呼ばれたその真価が。

 

「こない…………な…………あ………………い…………て……………………に……………………」

 

 遅延する。停滞する。

 

 時間が、時間が、時間が。

 

「“Bad apple Requiem”」

 

 決して止まらず、停滞し続ける。

 

 零へと限りなく近づき、零へと至り、()()()()()()()

 

 そして。

 

「さようなら」

 

 刹那よりも速く、鬼たちは世界から消え去った。

 

 それは私がたどり着くことのできない境地。

 

 即ち、()()()()()

 

 

 

 

 

「………………本当なら助けに行った方がいいんですけどね」

 誰もいなくなったその場所で、地面に転がった巨大な岩に腰掛け、独り呟く。

 きっと先生は今頃、()と戦っているのだろう。

 ()は今の先生では敵う相手ではない。すぐにでも助けに行くべきなのだろう。

 

 だが。

 

「…………ダメですね」

 『私』は動かない。座したまま時を待つ。

 不安はある、信頼もある…………だがそれよりも何よりも、『私』は()()()()()

 ここで先生が戦うことの意味を()()()()()()()

 だから『私』は動かない。

 これは先生にとって必要なことだから。

 必要()()()と割り切っていた…………心算なのに。

 

 ズキン

 

 胸が痛む。会いたい…………会いたくて会いたくて会いたくて堪らない。

 どうして自分はここにいるのか、どうして今先生の隣にいるのは彼女なのか。

 ぐっ、と歯を噛み締め、堪える。

 だったら助けに行けばいいではないか、会えばいいではないか…………『私』の中からそんな声がする。

 けれどダメだ…………『私』は()()()()()、だからこそ動けない。

 変化してしまえば今よりもっと悪くなるのかもしれない。

 そう考えてしまえば、やすやすと変えようとは思えない。

 

 そんな理屈をつけて、自分を納得させる。

 

 事実ではある…………だがそれが全てではない。

 

 結局『私』は………………。

 

 先生と会うことが怖いだけなのだから。

 

「まま成りませんね…………なんとも」

 

 独りごち…………そしてまた()()()()()

 

 

 

 

 

 目を開く。

 手を二、三度握り、自身の体が動くことを確認すると、溜め息を吐く。

「やれやれ…………ですね」

 追いかけても追いかけても届かない…………そんな境地を目の前でまざまざと見せ付けられると言うのは案外精神的に来るものがある。

 果たして私は『私』に追いつける日が来るのだろうか?

「もっと強くならないと…………」

 独りごち、そして携帯を取り出し、番号をプッシュしていく。

 番号を読み込んだ携帯から呼び出し音が鳴る。

 

「まだまだ遠いな……………………()()()()は」

 

 繋がらない電話に辟易しながら、私はそう呟いた。

 




“Bad apple Requiem” 使用者:宮崎のどか

【破壊力 - A / スピード - A / 持続力 - B / 射程距離 - B / 精密動作性 - A / 成長性 - E】

レクイエムの名を冠しているものの、現在は矢は抜けている、元レクイエム化したスタンド。
一度レクイエム化した影響でか、それ以前より一段も二段も進化している。また、遠隔操作型のスタンドだったが、近距離パワー型に変化している。だがそれでも射程は三十メートルと近距離型としては破格。
時間を停滞させる能力もさらに強力になっており、時間を逆流させる能力へと変化している。正確には、時間の流れを零へ向けて加速的に減速させる能力が、限界が取り払われ、零を越えることができるようになっている。結果的に時間逆行のようなことができる。




本小説ではレクイエム化したスタンドは、矢が抜けても、ある程度強化されたまま、と言うことにしときます。

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