「思ったよりうまくいったわね」
「紀霊がいなかったからな。連合でも実質紀霊あっての袁術軍だった」
「それだけ紀霊に頼っていたということじゃな。それで策殿。袁術はどうした?」
「逃がしたわ」
『え?』
瞬間、周りにいた人間は黙ってしまった。
「姉さま!なぜ逃がしたのです」
「いいのよ。別にもうあれに私たちに歯向かう事は出来ないわ」
「なぜそう思うのですか?」
「そもそもそれをするだけの兵士がいないじゃない。
地位も名誉も金も失った袁術に何ができるっていうのよ」
「確かにそれはそうですが」
「それよりも急いでこの地の防衛を急いで。紀霊が呂布を連れて帰ってくるわ」
「いやここは使者を出そう」
「冥琳、何か手があるのね?」
「紀霊は今、下邳で飛将軍呂布と同盟の交渉をしているはずだ。
当然徐州軍がそれを止めるために襲い掛かかるだろうが
紀霊が負けるはずがないから返り討ちになるだろう」
「ならなおの事袁術殿を討っておかねばまずかったのではないか」
「いえ、その心配はございません。黄蓋殿」
「なぜじゃ、冥琳。主が襲撃され逃げてきたのじゃ。
それにこたえるのが臣下のというものじゃろう?」
「そうか祭は余り紀霊と会った事ないわね」
「確かに紀霊とは炎蓮様の最後の戦場でしかあった事はないが」
「紀霊は袁術軍の客将よ」
「あそこまでの働きをするものが客将じゃと!」
「ええ、本人もそう言ってたし連合の軍議でも張勲もそう言ってたわ。
このひと月で変わったことはなかったし間違いないわね」
「なるほど客将なら袁術殿に加勢することはないわね」
「粋怜の言うとおりよ。その証拠に袁術ちゃんは北ではなく南に逃げた。
元から紀霊に頼る気はないのよ。
むしろこれ幸いとこちらを強襲してくるかもしれないわ」
「納得じゃな。それで使者をか」
「そういう事、それに私としてはこれからも紀霊とはいい関係を築いていきたいし」
「姉さま!」
「あら蓮華もそうでしょう。何度か南陽で仲良く話しているのを見たわよ」
「そ、そのようなことはありません」
「なによ。照れなくてもいいじゃない」
「それくらいにしてやれ。雪蓮」
「はっはっは。蓮華様にも春が来たようですな」
「もう祭まで、茶化さないで」
「何々。蓮華姉さまに何が来たの?」
「シャオには関係ないわ」
「はいはい、それくらいにしてあげましょう」
「姉さまが最初に言い出したことでしょう!」
孫策が止めても今だ孫権は怒ったままだった。
だがここで孫策は真剣な顔をする。
「それは謝るわ。でも冗談抜きで紀霊とは仲良くしておきたいのよ。
場合によっては血盟を結ぶ必要を考えるほどにね」
「そこまでじゃろうか?」
「紀霊の下にはすでに関羽、趙雲、華雄と武に秀でた武人が集まりつつあります。
さらに呂布もその傘下に入るでしょう。
そして遠くない未来、徐州を手に入れる。
そうなれば今北の勢力争いに一石を投じる存在になります。
仮に曹操もしくは袁紹に徐州を取られても紀霊ならば
いくつか逃げる方法を残しているでしょう。
あれは大陸中を渡り歩いてきたようですから」
「確か袁紹、劉備、その後に袁術ちゃんだったかしら。
その前にも益州で劉璋に仕えていた時期もあるようだし」
「鞍替えしすぎではないか?そのようなものと血盟を結ぶべきか?信用に値しないが」
「全て客将としてですから、問題ないかと考えております」
「そうね。それは紀霊を召し抱えきれないその勢力が悪いわ」
「策殿がおしゃるのならわしは構わぬ。それで使者は誰が行くのじゃ?」
「それなんだけど穏、行ってきてくれる?」
「わかりましたぁ~」
「文書は後で渡すわ。お願いね」
「はい~」
「それで俺と同盟を結ぼうというわけだな」
「はい~。孫策様としてはこのまま同盟を結んで紀霊さんと共に戦いたいと考えているようです」
「なるほど話は理解した。軍師やほかの者と相談したのち返答したい。
部屋を用意させたのでそこでお待ちいただけるか?」
「わかりましたぁ~。ですが私としても早くお話を持ち帰りたいので」
「承知している。今日中には返答する」
「では、失礼しますねぇ~」
陸遜は部下の案内の元、謁見の間を出て行った。
その場にいる人間で今回の事を話し合う。
「さてこういう話もあるのだがどう思う?」
「私は賛成です。孫策さんが味方になるのならば南を気にしなくて済みますし
戦略的に考えても在りかと」
朱里は賛成派か。
「私は反対だ。客将とは言え、助けて貰った恩人を
裏切る者など信用には値しない」
華雄は反対派だな。
それから全員がそれぞれの意見をだしていく。
全体的に見て賛成派のほうが多い。
反対派の意見としては華雄とほぼ同じような意見であり
逆に賛成派は戦略的観点から見た意見があった。
「わかった。俺自身ここで孫策殿と事を構えるのは得策とは言えないし、
戦略的な観点から見ても朱里の言うとおりだと思う・
今回はこの話を受ける」
全員が
というか俺がこの組織の代表なのか?
いや確かに今の華雄は俺の部下だし愛紗や星も立場上は俺の部下だ。
それに恋やねねも俺に指揮下に入ると宣言してくれている。
あ、これ俺しかいないのか。
「お待たせして申し訳ない。陸遜殿」
「それほどお待ちしていませんから大丈夫ですよぉ~。
それでいかがしますか?」
「結論から言わせてもらえば同盟のお話は受けさせてもらう。
返答を認めた。受け取ってほしい」
「ありがとうございます。ではでは私はこれにて失礼させていただきますねぇ~」
陸遜は帰っていった。