恋姫♰無双 紀霊の章   作:秋月 了

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18話 二重の契り

一刀改め于吉との戦から二か月。

俺は今、呉の拠点、建業に来ている。

今回来たのは正式な同盟締結のためだ。

お互いの領地が落ち着き始めたことで今回の事に至った。

だがこちらとは未だ問題は多い。

徐州全体に治世を行き届かせてその裏で逃亡準備を整えた。

麋竺、麋芳姉妹が仲間になったことで多くの問題が解決できたのは大きかったし

孫乾が仲間入りしたことで情報面での問題も解決した。

しかし戦の後、倒れた劉備は未だ目覚めず、下邳での戦いで捕えた張飛は

未だ説得に応じず牢屋生活のままだ。正直面倒である。

だがこれ以上引き延ばしもできないのでこうして建業に来たわけだ。

謁見の間で孫策殿と会っていた。

 

「よく来てくれたわね、紀霊。歓迎するわ」

 

「いえ、この度はお招きいただきありがとうございます」

 

「早速本題に移りましょうか」

 

「ええ。以前書簡にしたためた通り、私は呉との同盟に反対はしません。

ですが我々は徐州を捨てて益州に移る予定です。それでも同盟を希望されますか?」

 

俺にはこちらを見下ろす女の思惑が読み切れていなかった。

俺達を対曹操との緩衝材に使いたいのか。それとも味方を増やしておきたいのか。

だからこそここで俺たちの今後について漏らした。

その思惑を知るために。

案の定驚いていた。だがそれは思惑がうまくいっていない驚きではなかった。

 

「ええ。私たちがあなた達に臨むのは対曹操における共同戦線。

そしてその後の平和協定よ。あなたたちがどこに移ろうと同盟の話を切る気はないわ」

 

むしろそのほうが都合がいいという考えが読めた。

だがこちらとしてもうまみは大きい。

ただこの場はうなずくだけにする。

 

「それでは細かい事決めましょう」

 

結果、相互不可侵と軍事協力などもろもろの事が決まった。

 

「それで私としてはあなたとは対曹操における共同戦線後も

仲良くしておきたいのよ。具体的に言えば、孫家の家の者を

あなたの妻にと思っているの」

 

「俺も未婚のみですが関係を築いている女性はいるのですが?」

 

そう俺にはいわゆる彼女が二人いる。

それも二人。

まぁ、愛紗と星の事なんだが。

これは俺が建業に向かう前の事だ。

二人して告白してきた。俺は二人の告白を受け入れた。

この時代、一夫多妻は別に珍しくない。

特に武人や上流階級の家、例えば袁家がわかりやすいだろうか。

とにかくそういう家では家の存続のためにとにかく産めよ、増やせよの風潮がある。

また、娯楽の少ないこの時代なら性行為も俺たちの時代よりも感覚的におおらかな所がある。

だからこそというわけじゃないが男性にとっても女性にとっても

異性と付き合う=結婚し子供を作るがセットなのだ。

それは向こうも理解はしてくれるだろう。

受け入れるかどうかは別としてだが。

 

「構わないわ。あなたが何人の女の子と関係を築こうがうちから差し出す子を

ないがしろにしない限り、私から何か言うことはないわ」

 

どうやら受け入れてくれるようだ。孫策はだが。

 

「ただ紀霊も理解していると思うけどあなたにはできるだけ早く

子供を作ってほしいの」

 

「一応理由を聞いておきましょう」

 

「これは政治的な意味がとても大きい婚姻。

そしていずれ紀霊と相手の子との子供をシャオか

いればだけれど私の子供と婚姻を結んで血盟を結びたい。

そう考えているの」

 

「わかりました。そちらがいいのであれば私は否とは言いません」

 

 

「そう、なら紹介するわ」

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